先月28日、東京大学社会科学の研究チームが「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査」という15年にわたる調査の結果を公表しました。
そのなかで、介護現場のコロナ禍における労働時間や収入について、製造業などでは労働時間や収入が減少しているのに対して、介護職は減少傾向ではなかったことなどが触れられています。
先月28日に東京大学が発表したのは「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査」の2021年の調査結果です。
この調査の内容は、家族介護の影響やコロナ禍での健康状態など多岐に渡ります。
家族介護については、以下の2つの記事で取り上げています。
https://e-nursingcare.com/guide/news/news-6538/
https://e-nursingcare.com/guide/news/news-6502/
そのなかで注目したいのは「コロナ禍でどのように雇用状況が変化しているのか」。調査では介護業界だけでなく、生産やサービス、運送業など幅広い職種に就く人にアンケートを取っています。
介護現場では以前からの人手不足に加えて、感染対策による業務負担の増加、濃厚接触者となった職員が出勤停止になったりと、現場が回らなくなるほど人員が不足しています。
こういった状況の介護現場に対して、他の職種では新型コロナウイルスの拡大でどういった変化が起きているのでしょうか。
はじめに勤務日数については、医療や介護業界の職員は勤務日数が増加。対して、製造業・飲食業では、勤務日数が減少しやすい傾向がありました。
続いての労働時間についても同じような結果になっており、医療・介護の従事者は労働時間が増加。製造・飲食業では、労働時間が減少する傾向があります。
これらの結果から医療・介護現場がひっ迫しており、職員の出勤日数や時間を増やして現場を維持していることが伺えます。
また、飲食業界では緊急事態宣言中の営業自粛などによって、出勤日が減少。製造業も経済活動が停滞していることの影響を受けているようです。
さらに、収入については医療従事者が増加傾向に。介護や保育・教育職でも収入が減少しにくい傾向がありますが、増えているとまでは言えないようです。
対して、収入が減少していたのは運送、サービス、販売業。やはり営業自粛や外出自粛が収入に影響を及ぼしていることが伺えます。
今回の調査結果からも「医療・介護現場の人員不足」「飲食・製造業などの収入減少」などの、広く報道されている問題が起きていることがわかります。
また、介護職の収入が減少傾向ではないことは良い点ですが、業務の負担が増えている可能性があるようです。
現在の介護現場は、人員が増えないために出勤時間や日数を増やすことでサービスを維持しているのかもしれません。
コロナ禍で介護職員にどれくらい負担が増えているのか、さらに詳しい情報が欲しいところですね。
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