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老人ホームの種類

特別養護老人ホーム(特養)とは|入所条件や費用、入所までの流れ

ほかの老人ホームに比べて費用が安いことから人気の高い特別養護老人ホーム。しかし、「名前は聞いたことがあるけれど、ほかの介護施設との違いがわからない」という方もいるのではないでしょうか。 そこで今回は、特別養護老人ホームの特徴や費用、入所条件など、幅広く解説します。 https://youtu.be/rhM6injnk2I 特別養護老人ホームとは 特別養護老人ホームは、在宅での生活が困難な高齢者に対し介護を提供する施設で、略して「特養(以下、特養)」とも呼ばれています。公的な介護施設で、次の3つの特徴があります。 老人ホームの中では比較的安価に入所できる看取りの対応が可能な施設も多く、終身で利用できる入所待機者が多く、地域によっては入所までに数年かかることもある 特養では、入浴や排泄・食事といった介護のほか、日常生活の介助・機能訓練・健康管理・療養上のお世話などが受けられます。終身での利用ができるため、「終の棲家(ついのすみか)」として選ぶ方の多い施設です。 特別養護老人ホーム3つの種類 特養は入所者の数やサービス内容から、「広域型特別養護老人ホーム」「地域密着型特別養護老人ホーム」「地域サポート型特別養護老人ホーム」の3つに分けられます。 それぞれの違いを見ていきましょう。 広域型特別養護老人ホーム 「広域型特別養護老人ホーム(以下、広域型特養)」は、定員が30人以上の特養です。所在地の市区町村に限らず、どこに住んでいる方でも入所の申し込みが可能です。 地域密着型特別養護老人ホーム 「地域密着型特別養護老人ホーム(以下、地域密着型特養)」は定員29名以下の小規模な特養で、「地域密着型介護老人福祉施設」とも呼ばれます。原則として、施設のある市区町村に住んでいる方のみ申し込めます。 地域密着型特養は、さらに「サテライト型」と「単独型」に分けられます。 単独型 「単独型」は広域型特養と同等の設備やサービスを単独で提供する地域密着型特養です。少人数で本体施設もない分、アットホームな雰囲気の中で介護が受けられます。 また、単独型はショートステイの実施や、小規模多機能型居宅介護、デイサービスの併設など、複数の介護サービスを提供している施設が多いのも特徴です。 サテライト型 広域型特養などを本体施設とし、その周辺で連携して運営をおこなう地域密着型特養を「サテライト型」と言います。本体施設から通常の交通手段で20分以内に設置され、通常の特養に比べて設備や人員配置の基準が緩和されています。 地域サポート型特別養護老人ホーム 在宅で介護を受けている高齢者に対して、安否確認や生活の相談支援をおこなう特養です。できるだけ長く在宅で生活ができるように、24時間体制でサポートをしています。 このサポートは対象区域が決まっているので、サービスを受けたい場合や事前の確認が必要です。 特別養護老人ホームの費用 特養は民間の有料老人ホームとは異なり、一時金などの初期費用は不要です。特養の月額費用は以下のような内訳です。 賃料 食費 施設介護サービス費 日常生活費 介護サービス加算 賃料 「賃料」は通常の賃貸物件の家賃にあたり、施設に入所するために毎月必要な費用です。 特養の賃料は厚生労働省の定める「基準費用額」に基づいて設定。居室タイプによって金額が異なり、多床室が最も安く、従来型個室、ユニット型多床室、ユニット型個室の順に金額が高くなります。 従来型個室 多床室 ユニット型個室 ユニット型準個室 ※特養の入所条件は要介護3以上ですが、特例で要介護1、2の方の入所も認められているため要介護1から記載しています。 食費 「食費」も賃料と同じく基準費用額に基づいて決められています。1日3食分で計算されるため、外出などによって1食抜いたとしても1日分を請求されます。 ただし、入院や外泊で数日不在になる場合は食事を止めることができ、その間の食費は請求されません。 施設介護サービス費 「施設介護サービス費」は、介護サービスを受けるために必要な費用です。 要介護度が上がるほど高額になるほか、居室のタイプによっても異なります。民間施設の介護付き有料老人ホームなどとは異なり、おむつ代も施設介護サービス費に含まれます。 日常生活費 「日常生活費」は、理美容代や日用品代・お菓子など、日常生活で発生するさまざまな費用です。また、施設内のレクリエーションで利用する材料費なども日常生活費に含まれます。 介護サービス加算 「加算」とは、手厚い人員体制や入所者の状態に応じたサービスなどに対し、施設介護サービス費に上乗せされる費用です。 ここでは、主な加算を一部紹介します。 夜間職員配置加算 「夜間職員配置加算」は、夜間に基準よりも多くの介護・看護スタッフを配置することに対して加算されます。この加算の対象施設は夜間の見守り体制が手厚いだけでなく、24時間にわたって褥瘡(床ずれ)のケアなどにも対応してもらえます。 経口維持加算 「経口維持加算」は、嚥下機能や認知機能の低下などにより普通の食事が困難になった入所者が口から食べるための支援に対するものです。 具体的には、口から食べるための「経口維持計画書」を入所者ごとに作成し、医師または歯科医師の指示のもと、管理栄養士または栄養士が栄養管理をおこないます。 個別機能訓練加算 「個別機能訓練加算」は、看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などを常勤の機能訓練指導員として配置し、個別機能訓練計画書の作成と計画に基づく機能訓練が受けられる施設で加算されます。 専門的なスタッフがリハビリをサポートを受けられるため、日常生活に必要な機能維持に役立ちます。 夜間看護体制加算 「夜間看護体制加算」は、常勤看護師を1人以上配置し、看護師または病院・看護ステーションなどと連携して24時間連絡体制を確保している施設で加算されます。また適用される施設では、身体状況が悪化したときの対応について入所時に本人や家族に説明し、同意を得る必要があります。 医療サポートが充実した特養を希望する方は、夜間看護体制加算のある施設を選ぶと良いでしょう。 費用負担の軽減~特定入居者介護サービス~ 前述の月額利用料は、所得に応じて支払い額が決まる仕組みになっています。簡単に言うと、所得が少ない人ほど支払いの負担が軽くなる、ということです。 この分類は5段階に分かれているので、以下で入居者本人がどれに当てはまるのか確認しておきましょう。 第1段階:生活保護受給者、老齢福祉年金受給者で本人及び世帯全体が市民税非課税 第2段階:世帯全員が住民税非課税かつ本人の合計所得金額+課税年金収入額+非課税年金収入額が80万円以下 第3段階(1):世帯全員が住民税非課税かつ本人の合計所得金額+課税年金収入額+非課税年金収入額が80万円より大きく120万円以下 第3段階(2):世帯全員が住民税非課税で、本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年額120万円を超える人 第4段階:上記以外の方 出典:「特定入所者介護サービス費」(厚生労働省) 段階ごとの負担限度額 各段階の1ヵ月の負担限度額を表で確認していきましょう。それぞれの金額は、1ヵ月を30日としたときのものです。 第1段階 生活保護受給者、老齢福祉年金受給者で本人及び世帯全体が市民税非課税 居住費の負担限度額食費の負担限度額多床室0円9000円従来型個室9600円ユニット型個室的多床室1万4700円ユニット型個室2万4600円 出典:「サービスにかかる利用料」(厚生労働省) 第2段階 本人及び世帯全体が市民税非課税で合計所得金額+課税年金収入額が80万円以下の方 居住費の負担限度額食費の負担限度額多床室1万1100円1万1700円従来型個室1万2600円ユニット型個室的多床室1万4700円ユニット型個室2万4600円 出典:「サービスにかかる利用料」(厚生労働省) 第3段階(1) 世帯全員が住民税非課税で、本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年額80万円を超え120万円以下の人 居住費の負担限度額食費の負担限度額多床室1万1100円1万9500円従来型個室2万4600円ユニット型個室的多床室3万9300円ユニット型個室3万9300円 出典:「サービスにかかる利用料」(厚生労働省) 第3段階(2) 世帯全員が住民税非課税で、本人の合計所得金額と課税年金収入額と非課税年金収入額の合計が年額120万円を超える人 居住費の負担限度額食費の負担限度額多床室1万1100円4万800円従来型個室2万4600円ユニット型個室的多床室3万9300円ユニット型個室3万9300円 出典:「サービスにかかる利用料」(厚生労働省) 第4段階 上記以外の人 居住費の負担限度額食費の負担限度額多床室2万5200円4万3350円従来型個室3万4500円ユニット型個室的多床室4万9200円ユニット型個室5万9100円 出典:「サービスにかかる利用料」(厚生労働省) 特別養護老人ホームの居室タイプ 特養の居室は、以下の4種類のタイプに分けられ、このタイプにより賃料や施設介護サービス費も変わります。 多床室 従来型個室 ユニット型個室 ユニット型準個室 多床室 1室に対して複数のベッドが配置されているタイプで、現在の多床室は4人部屋となっているケースが多いようです。プライバシーなどの観点から、ユニット型個室に切り替える施設が増えてきています。 従来型個室 1室を1人で利用するタイプの居室。以前は単に「個室」と言われていましたが、ユニット型個室が登場したことによって「従来型個室」と言われるようになりました。 ユニット型個室 基本は1室1ベッドの個室。「ユニット」は、10人以下でロビー・ダイニング・簡易キッチン・浴室・トイレを共有して共同生活を送る小さなグループを指します。 1ユニットごとに専任の施設スタッフが担当することになっています。 ユニット型準個室 ユニット型個室と異なる点は、多床室を改装・分割して作られた個室という点。施設によっては完全な個室になっていない場合もあるため、入居前にしっかりと確認しておく必要があります。 「要介護3以上」が特別養護老人ホームの入所条件 特養は、常時介護が必要で在宅での介護が困難な高齢者を対象とした介護施設です。もともと要介護1~5の方が入所対象でしたが、2015年からは要介護3以上の認定が入所の条件となりました。 基本的には65歳以上の高齢者が対象ですが、特定疾病に罹患している場合は40~64歳までの希望者にも入所が認められます。 特例として要介護1、要介護2でも入所できるケースも 基本的には要介護3以上が特養への入所の条件です。しかし、次の条件に当てはまる要介護1や2の方も入所できる場合があります。 認知症による日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さなどが頻繁に起きていること 知的障害・精神障害などを伴い、日常生活に支障をきたすような症状・行動や意思疎通の困難さなどが頻繁に見られること 家族などによる深刻な虐待が疑われるなどにより、心身の安全・安心の確保が困難であること 単身世帯である、同居家族が高齢又は病弱などの理由により、家族などによる支援が期待できず、かつ、地域での介護サービスや生活支援の供給が不十分であること 入所は申し込み順ではなく、要介護度や家庭の状況などを総合的に判断して緊急性を点数化し、点数の高い順に入所が決定する仕組みになっています。 以前に比べると待機人数は少なくなったものの、短くて1~2ヵ月、長い場合は数年の待機期間が発生することもあります。特養への入所を考える際には、まず近隣施設の入所待機者を把握することから始めましょう。 特別養護老人ホームのサービス内容 特養で提供されている介護サービスはどんなものでしょうか?ここからは、特養で受けられるサービスを紹介します。 栄養を考えられた食事 特養では、栄養士が作成した献立をもとに食事が作られます。栄養バランスが整っているだけでなく、入所者の持病やそのときどきの健康状態、好みなどにも配慮されます。 また、咀嚼・嚥下能力に応じて、硬い食材をミキサーにかけたり、汁物にとろみをつけるなどの対応も可能です。 さらに、毎日同じ時間に食事をすることで、生活のリズムが整うというメリットもあります。 施設職員・委託業者による定期的な清掃・洗濯 特養では、共有スペースはもちろん居室内の掃除も、施設の職員や委託業者によっておこなわれます。洗濯物も、外部のクリーニングに出す必要のあるものを除き、施設内で洗濯します。 日常生活のための能力や身体機能の維持のため、スタッフの援助を受けながら自分で掃除や洗濯ができる場合もあります。このような「自立支援」を希望する場合は、施設担当者に相談してみましょう。 入浴は最低でも週2回以上 多くの特養では週2回の入浴機会が設けられ、スタッフの介助により安全に入浴できます。健康上の利用等で入浴できない場合は、清拭などで体を清潔に保ちます。 施設によっては寝たままの姿勢で入浴できる「機械浴槽」が設置され、寝たきりの入所者でも定期的な入浴が可能です。 介護職員による排泄介助 一人で排泄するのが難しい入所者は、介護職員による排泄介助が受けられます。排泄の介助を受けることで、清潔を保つとともに感染症の予防にもなります。 尿意や便意を感じにくくなっている場合は、排泄の間隔を考慮してトイレに誘導したり、寝たきりなどトイレでの排泄が困難な方には尿器やおむつで対応するなど、入所者ごとの状態に合わせた介助がおこなわれます。 豊富なレクリエーション 特養では、入所者に楽しんでもらうためだけでなく、身体機能や認知機能低下防止も目的として、手芸やゲーム・カラオケなどのさまざまなレクリエーションがおこなわれます。 また、誕生日会のほか、クリスマスやお花見、七夕といった季節のイベントが毎月のように開催されたり、美術館やショッピングなどで外出することも。 さらに、外部から演奏者を招いて音楽会を開いたり、近隣の幼稚園や小学校と提携して子どもと触れ合うイベントをおこなっている施設もあります。 筋力維持のリハビリテーション 特養では、食事や排泄などの日常的な動作が自分自身でできるよう「自立支援」を目的とした「生活リハビリ」を中心にリハビリメニューが組まれます。 集団での体操のほか、ゲームや運動などがレクリエーションの一環として提供されます。 医療ケア 特養には最低でも1人以上の看護師が配置され、日々の健康管理や服薬管理がおこなわれます。看護師は、介護職員とともに入所者の体調の変化をチェックし、医療機関での診察が必要な場合には受診のサポートをおこないます。 施設によっては、胃ろうなどの経管栄養法や、人工肛門、インスリン療法、人工透析、疼痛管理などの医療ケアが受けられることも。対応できる施設は限定されるため、これらのケアが必要な場合は施設の担当者に確認しましょう。 看取り体制を整えた施設も多い 従来、特養では、入所者の急変時は救急車を呼んで搬送するという対応が主流でした。しかし現在では、看取りに対応できる施設も多くなっています。 看取りに対応している施設では、医師や看護・介護職員が連携して終末期に適したケアが施されます。 ただし設備面での条件もあるなど、すべての施設が看取りに対応しているわけではありません。施設での看取りを希望する場合は、看取りの実施状況について事前に確認しましょう。 特別養護老人ホームの設備 特養では必要な設備やそれぞれの基準が決められています。ここでは、代表的な施設についてご紹介します。 居室 1人あたりの床面積は10.65㎡以上とすること。 浴室 介護を必要とするものが入浴するのに適したものとすること。 トイレ 居室のある階ごとに分けること。ブザーまたはそれにかわる設備を設けること。 廊下 1.8m以上の幅とすること。 廊下および階段 手すりを設けること。 特別養護老人ホームの一日の流れ 特養での生活について、イメージをつかめない方もいるかもしれません。そこで、ここからは特養の一日の流れをご紹介します。 一日の流れは施設によって多少異なることはありますが、概ね以下のような過ごし方をしています。 6:00起床7:00朝食9:00体操、レクリエーション9:00~16:00入浴12:00昼食13:00レクリエーション15:00おやつ18:00夕食21:00就寝 起床 声掛けなどによって起床します。1人で身支度が難しい場合は、着替えや洗顔などを介護職員が介助します。 朝食 食堂に集まって食事を摂ります。食事介助が必要な方には、介護職員がケアをします。 また、食後の服薬介助、口腔ケアの介助も必要に応じて提供されます。 体操、レクリエーション 身体機能や認知機能の低下を防止するために、体操やレクリエーションがおこなわれます。 作業療法士・理学療法士・言語聴覚士といったリハビリの専門家が常駐している施設では、本格的なリハビリを受けられることもあります。 入浴 週2回以上、入浴できます。複数の入所者が順番に入浴するので、入浴時間が午前と午後に分かれる場合もあります。 昼食 朝食と同様、食堂に集まって昼食を摂ります。 レクリエーション 食後に休憩をはさんだ後、レクリエーションをします。 カラオケや体操など施設内でできるレクリエーションの他にも、天気の良い日には近所にお散歩やドライブに出かけることもあります。 おやつ 多くの特養では、朝・昼・夕の食事のほかにおやつを提供しています。 楽しくティータイムをするだけではなく、おやつを通して四季を感じたり高齢者に不足しがちな水分を補給する機会でもあります。 夕食 夕食も朝食・昼食と同じように、栄養バランスを考えられた献立が提供されます。加えて、特養では飲み込みや噛む力が衰えた方のために、きざみ食やソフト食といった食べやすい形態の食事も提供可能です。 就寝 夕食後の服薬や口腔ケアが終わったら、着替えて就寝の準備。就寝する時間は基本的に自由です。 夜間帯は、スタッフが居室を巡回して見守りしたり、おむつやトイレ誘導などの排泄介助をおこないます。 特別養護老人ホームのメリット、デメリット 特養のメリットは、費用の安さ以外にもあります。また、一方で入所基準が厳しいなどのデメリットもあるため、施設を探す前にしっかり把握しておきましょう。 メリット 最大の魅力は費用の安さ 終身で利用できる 安心の24時間介護体制 最大の魅力は費用の安さ 特養は公共の介護施設のため、費用負担が比較的軽いのが魅力です。入所時の一時金は不要で、月額利用料も10万円前後と民間の介護付き有料老人ホームなどに比べて安い傾向にあります。 また、介護付き有料老人ホームでは介護サービス費・食費・居住費は医療費控除の対象外ですが、特養では2分の1に相当する額が対象となります。このため、確定申告により所得税や住民税が安くなるメリットもあります。 終身で利用できる 同じ公的介護施設でも、介護老人保健施設の入所は原則3ヵ月までと決められています。 一方特養では、入所期間に限度はなく終身での利用も可能です。費用負担も比較的軽いため、長期でも安心して利用できます。 安心の24時間介護体制 特養では、入所者3人に対し介護(看護)スタッフ1人以上の配置が義務づけられており、手厚い介護が受けられます。 日中に比べると少ないものの、夜間も最低1人以上が常駐するため24時間安心して過ごせます。 デメリット 入所条件が厳しい 医療ケアが整っていない場合も すぐに入所できない場合も 入所条件が厳しい 民間施設では要介護度を問わず入居できる施設も多いのに対し、特養では要介護3以上が入所の条件です。要介護1~2の方も特例として入所できるケースもありますが、基本的には要介護度が高い方が優先されます。 また、要介護度だけでなく家庭環境などを総合的に判断し、緊急性が高い方から入所が決まります。このため、自宅での介護が可能な場合はなかなか入所できないこともあるのです。 医療ケアが整っていない場合も 特養では、看護師の夜間の配置は義務付けられていません。このため多くの施設では、看護師による医療ケアは日中のみに限られます。 設備についても充実している施設は限られており、施設内で対応できない場合は退所を求められることもあります。 すぐに入所できない場合も 特養は費用の安さゆえに人気が高く、地域によっては入所まで数年待ちが必要な場合もあります。 入所の順番は、申し込み順ではなく入所予定者の入所の緊急度によって施設側が判断します。本人や家庭の事情を考慮して「すぐに入所しないといけない」と判断された場合は、比較的スムーズに入所できるでしょう。 特別養護老人ホームに入所する流れ 特養には、基本的には以下のステップを経て入所します。 情報収集をする 施設を見学する 申し込みをする 入所事前調査がおこなわれる 入所 情報収集をする まず、特養をインターネットで調べたり資料請求するなどして、情報を収集します。この段階でいくつかの施設に絞り込みをおこないます。 施設を見学する 入所を希望する施設の候補がいくつか絞り込めたら、実際の施設を見学します。施設全体の雰囲気や介護職員の対応など、現場を自分の目で確認しましょう。 申し込みをする 申し込みをする施設の申込書を取り寄せましょう。見学時に書類をもらうこともできますし、郵送やインターネットで手に入れられる施設もあります。 また、申込書以外にも介護保険証のコピーといった書類が必要な場合もあります。必要書類は市区町村によって異なるので、事前に確認しておきましょう。 入所事前調査がおこなわれる 入所の申し込みをすると、施設によって審査がおこなわれます。入所予定者の心身の状態や家庭の状況を考慮して入所の優先順位が決められます。 入所 空室が発生次第、優先順位に基づいて入所予定者に連絡されます。連絡が来たら、入所予定日や契約日の調整をして入所します。 特別養護老人ホームの待機者数の状況 入所基準が要介護3以上になったことで以前と比べる待機期間は減少傾向ですが、それでも入所まで1年以上かかることもあります。 出典:「特別養護老人ホームの入所申込者の状況(令和4年度)」(厚生労働省) 特養に早く入所するための方法 少しでも早期の入所を希望する場合は、次の方法を試してみてはいかがでしょうか。 同時に2ヵ所以上申し込む 人気の低い居室タイプに申し込む 探す地域を拡げてみる 家族が就職して介護の必要度を上げる 併設の福祉サービスを利用する 同時に2ヵ所以上申し込む 入所を申し込める施設の数に制限はありません。申し込み費用もかからないので第1希望だけでなく第2・第3希望の施設にも申し込んでおきましょう。複数申し込んでおけば、先に空きが出た施設に入所できます。 人気の低い居室タイプに申し込む 特養は居室のタイプで費用が変わるため、月額利用料が数万円高くなるユニット型個室とユニット型準個室は比較的人気がありません。そのため予算内であれば、ユニットタイプに絞って複数の施設に申し込むことで、早期に入所できる確率が高まります。 探す地域を拡げてみる 一般的に人気の高い特養ですが、入所待ちの人数は地域によって差があります。数年待ちが必要な激戦区もあれば、定員割れしていることもあるのです。広域型特養ならどこにお住まいの方でも申し込めるため、探す地域を広げるのも一案です。近隣地域まで範囲を広げることで、比較的早期に入れる施設が見つかるかもしれません。 家族が就職して介護の必要度を上げる 家族が就職することで、入所の優先順位を上げられることがあります。なぜなら、家族が介護ができない状況であれば、入所の必要性が高いと判断されるためです。 具体的には、専業主婦として在宅介護を担っていた人が就職した場合、施設側が入所の必要性が高いと判断します。 併設の福祉サービスを利用する 特養の中には、デイサービスやショートステイなどの在宅介護サービスも提供している施設があります。 こうした特養の在宅介護サービスを利用することで施設側が入所予定者の状況を把握できるため、入所前の審査を有利に進められるとされています。 ゆくゆくは介護施設への入所を検討している場合には、特養が運営しているデイサービスなどを利用するのも待機期間を短縮するのに有効な手段です。 特別養護老人ホームに関するよくある質問 特別養護老人ホームに入居する人はどんな人でしょうか? 特養は誰もが入居できるわけではなく、要介護3以上で65歳以上の高齢者を対象としています。ただし特例として、要介護1、要介護2の人が入居できるケースもあるので気になる施設がある場合、一度問い合わせてみましょう。 特別養護老人ホームと有料老人ホームの違いは何ですか? 両施設を比較すると「入居条件の違い」「費用の違い」「サービス内容の違い」「設備の違い」が挙げられます。 入居条件について、有料老人ホームが比較的自立の人から入居できるのに対し、特養は要介護3以上からが入居条件になります。 また、費用感も入居一時金が基本的に必要になってくる有料老人ホームに対し、特養は入居一時金は不要で月額利用料のみです。 サービス内容においては、レクリエーションなどが豊富な有料老人ホームに対し、特養では基本的に介護サービスが中心で、それに伴い有料老人ホームと比較すると居室面積も最低限に作られている施設が多いです。 特別養護老人ホームはなぜ安いのでしょうか? 特養は、国からの助成金や税金面で優遇されているため安価で運営できています。 入居者にとって初期費用がかからないことはメリットで、介護度が上がっても終身的に生活できるのは魅力的です。その反面、安価ということもありどの施設も満室の傾向が強いというのが現状です。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", ...

2021/11/22

ケアハウス(一般型・介護型)の特徴・費用の解説

【かんたん解説】ケアハウスとは|入居条件や費用、メリット・デメリット

自立した暮らしが不安で、家族による支援が受けられない方や身寄りのない方におすすめなのがケアハウスです。 ここでは、ケアハウスの気になる特徴や費用、メリット、入居条件などについて詳しく説明していきます。 https://youtu.be/1rbE6ZRDo4s ケアハウスとは? A型 ...

2021/11/22

健康型有料老人ホームとは|費用やサービス、入居条件について

健康型有料老人ホームとは、老後を楽しく過ごすための施設で入居条件は介護認定をされていない自立した高齢者や、要支援の方が対象です。 この記事では健康型有料老人ホームの特徴や費用、入居条件など気になる点を紹介します。 https://youtu.be/OkvL4qJp_iU 健康型有料老人ホームの特徴 提供サービス 健康型有料老人ホームで提供されるサービスには、生活支援やメディカルチェック、緊急時の対応などがあります。 生活支援では食事や洗濯、掃除などの家事を依頼することができ、メディカルチェックでは施設が提携している医療機関により定期的な検診が行われます。緊急時対応の体制も整っており、入居者は365日見守られる安心の中で生活を送ることができます。 設備 健康型有料老人ホームの設備は施設によって実にさまざま。一般的な設備は居室、食堂、共用リビングですが、健康的に過ごすことを目的として、カラオケルームや園芸スペース、図書室、フィットネスジムやプールといった娯楽設備がある施設も多いです。 健康型有料老人ホームのメリット・デメリット メリット 健康型有料老人ホームは、約60歳以上で自立した高齢者が過ごす施設です。健康型有料老人ホームに入居するメリットには次のようなものがあります。 設備の充実していて毎日が充実する豊富なアクティビティで毎日が楽しい不安の解消につながる 一人暮らしの不安と無縁の毎日に親族の安心 離れて暮らす家族も安心 設備の充実が毎日の充実につながる 健康型有料老人ホームでは、掃除や洗濯などの家事を代行してもらえるので、余った時間を趣味やレクリエーションなど自分の好きなことに使うことができます。 ホームには、入居者に生活をより楽しんでもらうために、図書室やスポーツ設備、シアタールーム、温泉、麻雀などの娯楽設備も充実しています。 心身共に充実した時間を満喫することで、健康寿命を延ばし、介護費用や家族の負担を軽減します。この点が健康型有料老人ホームの一番のメリットと言えます。 豊富なアクティビティで毎日が楽しい 健康型有料老人ホームでは、入居者が毎日楽しく生活できるように数多くのアクティビティやレクリエーションも開催されます。 入居者同士のコミュニティやサークル活動も盛んです。 老後の生活を思い切り楽しみたいアクティブシニアにはぴったりの場所。活動的に生活することで、身体と心の健康の維持にも繋がります。 不安の解消につながる 一人暮らしの不安と無縁の毎日に 一人暮らしをする高齢者が増えている昨今。健康型有料老人ホームに入居していれば、高齢者が一人で暮らすにあたっての不安とは無縁になります。生活支援サービスを活用しながら余暇を健康的に過ごすことができ、一人暮らしの不安の解消にもつながるからです。 健康や体力に自信があっても加齢とともに身体の機能は低下します。今までは簡単にできていたことも難しくなり、生活に不都合が多くあらわれるでしょう。 高齢者が一人で暮らしていると介護の必要性があっても、周囲が気づきにくい状況に陥ります。そんな時代だからこそ、健康型有料老人ホームのような施設が、高齢者の心強い味方になってくれるのです。 親族の安心 離れて暮らす家族も安心 親族の中に一人暮らしの高齢者がいると、家族には心配がつきまといます。年齢を重ねると転倒、急な体調不良、思いもよらないトラブルなどに巻き込まれることもあります。 リスク回避の方法として考えられるのは家族との同居ですが、家庭の事情で難しいケースもあるでしょう。そんな時、健康型有料老人ホームは非常に心強い存在です。 施設内には生活リズムセンサーが設置されているだけでなく、365日専門スタッフが常備しているので離れて暮らす家族も安心です。 デメリット アミューズメント施設も充実し、老後の生活を楽しめる健康型有料老人ホーム。デメリットは以下のような点。 介護状況の進行に伴い退去のリスクも費用が高額になることも 介護状況の進行に伴い退去のリスクも 健康型有料老人ホームは、その名の通り健康な高齢者向けの施設です。健康な状態が維持できれば住み続けられますが、認知症や重度の介護状態になった場合は退去しなければなりません。 施設内は、自立した高齢者を入居者基準にバリアフリー化されています。しかし、介護の必要性や認知症の症状が出てくると、さまざまな不便が生じます。自立を想定して設計されているトイレや浴室なども使いづらくなり、介護が必要な生活には適していません。 健康型有料老人ホームを検討する際は、要介護度が高くなることを想定して、同時にほかの入居施設も候補に入れておくことをおすすめします。 費用が高額になることも 健康型有料老人ホームは、設備や生活サポートのサービスも充実しているため、通常の老人ホームよりも相場は高くなります。 入居一時金は施設の設備内容や敷地面積の大きさによって料金に幅があります。数千万円、中には億を超える施設もあり、健康型有料老人ホームは比較的裕福な高齢者向けと言えます。 一定期間内に退去する場合は入居一時金の返金制度があります。しかし入居一時金は入居後に、毎月償却され、償却期間や償却率について国の定めた基準がなく施設によって異なるので、事前に確認が必要です。 月額利用料は管理運営費、生活費に充てられますが、こちらは施設による差はあまりありません。 健康型有料老人ホームの費用 健康型有料老人ホームにかかる費用は施設や設備によってさまざまです。居室は個室で、生活支援サービスや設備内容が充実しているために、介護付き住宅型老人ホームよりも費用が高い傾向にあります。 入居するには入居一時金と月額利用料が必要です。入居一時金は「家賃の前払い金」、月額利用料は「居住費」「管理費「食費」などです。 入居一時金0~数千万円月額利用料10~40万円 入居一時金は前述したように毎月償却され、施設により償却率が異なります。償却期間は3年以内から10年以上と施設によって差があります。 入居時費用の償却 入居時費用は家賃の前払いにあたるため、一定期間毎月賃料に引き当てられます。このように最初の費用を少しずつ使っていくことを「償却」といいます。 賃料として償却される以外に、入居時にも一定の割合で償却金が発生します。これを「初期償却」と呼びます。 償却期間や初期償却の割合は施設ごとに決められており、償却が終わる前に退去した場合は残金が戻ってきます。 健康型有料老人ホームの入居条件 以上が基本的な入所条件です。 施設の条件や介護度が進み介護認定を受けると基準から外れて退去しなければならなくなります。入居条件については事前に施設に確認する必要があります。 施設数が少ないので入居難易度が高い 出典:「有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅に関する実態調査研究事業報告書」(公益社団法人全国有料老人ホーム協会) 全国の有料老人ホームのうち、健康型有料老人ホームが占める割合はわずか0.2%と少なく、ほとんどが介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームです。 ただし健康型有料老人ホームは、入居一時金が他の有料老人ホームと比較して高額なため、そして入居中に要介護状態になった場合には退去しなければならないため、入居希望者はそれほど多くはありません。 高齢社会が進み、要介護者が増加する日本の需要を考えると、今後も縮小傾向と思われます。 健康型有料老人ホームの入居手続きは? 入居を希望する場合は、施設所定の申込書、住民票、健康診断書、所得証明を提出します。各施設により入居基準が異なるため、実際に入居希望者と面談をして入居審査が行われます。 地域によりますが、一般的な有料老人ホームに比べて費用が高額なために競争率は低く、入居審査の難易度は高くありません。 審査を通過すれば、契約手続きをおこない、入居日を決めて新生活がスタートします。 健康型有料老人ホームに関するよくある質問 健康型有料老人ホームではどんなサービスが受けられますか? 健康型有料老人ホームで受けられるサービスは家事などの生活支援が中心です。主に「食事の提供」「掃除・洗濯」「見守り・緊急時の対応」などが挙げられます。自立した高齢者を対象としているため比較的自由度の高い施設と言えるでしょう。 健康型有料老人ホームには介護状態になっても住み続けられますか? 健康な状態が維持できれば住み続けられますが、認知症や重度の介護状態になった場合は退去しなければいけません。 健康型有料老人ホームでは自立を想定してトイレや浴室などが設計されているため、介護状態になってしまうとさまざまな不便が生じます。そのため今後、介護度が高くなることも想定して介護付き有料老人ホームなどの施設も検討に入れることをおすすめします。 健康型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の違いは何ですか? どちらも主に自立した高齢者を対象としており非常に良く似た施設です。ただ大きな違いとしては、健康型有料老人ホームは「介護施設」、サービス付き高齢者向け住宅は「賃貸住宅」と明確に差別化されています。 また、初期費用の支払い方式も健康型有料老人ホームの場合、入居一時金を支払うことが一般的です。サービス付き高齢者向け住宅の場合は、入居一時金が不要で入居の際には敷金を支払うことが多いです。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "健康型有料老人ホームではどんなサービスが受けられますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2021/11/19

シニア向け分譲マンションの解説。特徴や費用、提供されるサービスについて

シニア向け分譲マンションの費用はいくらかかる?サービス内容と有料老人ホームの違いを解説

最近では元気なシニアのためのシニア向け分譲マンションが増えてきています。シニア向け分譲マンションは医療や介護のサポートよりも、生活をアクティブに楽しむことを目的としています。 この記事では、シニア向け分譲マンションの気になる費用や入居条件、メリット・デメリットなどを説明します。 自立で、充実したシニアライフを送りたいと考えている方は、介護施設ではない選択肢として、入居を検討してみてはいかがでしょう? https://youtu.be/3qHo98_mLhk シニア向け分譲マンションの特徴は? シニア向け分譲マンションとは、高齢者が暮らしやすいように設計された分譲マンションのこと。分譲マンションを購入する形になるので、入居対象は富裕層が中心です。 バリアフリー対応はもちろん、防犯や見守り、コンシェルジュサービスなどさまざまなサービスがそろっています。 生活サポートだけではなく、フィットネスジムやレストラン、大浴場などがあるマンションもあります。毎日を快適に楽しく過ごしたいというアクティブシニアの方におすすめの施設です。 権利形態 シニア向け分譲マンションは一般的なマンションと同様に購入した人の所有財産になります。売却や譲渡、または賃貸利用も可能。亡くなった後は相続の対象になります。 高額な買い物になりますが、自分の死後、財産として家族に残せるというのは大きな魅力です。 シニア向け分譲マンションの入居条件 シニア向け分譲マンションは、原則として日常生活を問題なく営むことができる健康な高齢者が入居対象です。マンションのサービスもシアタールームやカラオケといったアミューズメント施設やイベントは充実していますが、介護サービスの提供はありません。 もし介護サービスが必要な状態なら、入居できるか事前に施設に問い合わせたほうが良いでしょう。 また入居年齢に下限を設けているところもあるので、注意が必要です。夫婦で入居する場合は、双方の年齢が下限を超えていることが条件になります。 年齢制限は60歳以上や50歳以上など施設によって異なるので、事前に確認しましょう。 シニア向け分譲マンションの費用感 シニア向け分譲マンションへの入居に必要な費用は、初期費用と月額費用の2種類。初期費用はマンションの購入費用にあたります。マンションの築年数や立地、部屋の広さ、付帯サービスの充実度で金額が決まります。 月額利用料 シニア向け分譲マンションの月額費用の相場は約10~20万円です。食費、管理費、水光熱費、修繕積立金のみが月額費用に含まれます。 入居時費用 シニア向け分譲マンションはバリアフリー対応その他多くのサービスが提供されるため、一般的な分譲マンションよりも高額になります。新築の物件であれば数千万円から数億円が相場です。 新築物件だとハードルが高いという場合は、中古物件を検討することをおすすめします。 中古物件のほうが相場が安く、1000万円台のものもあります。シニア向け分譲マンション自体が新しいものなので、中古でもそれほど古くないマンションもたくさんあります。 そのほかレストランで食事をしたり、マンション内のジムやプールを利用する場合に別料金が発生することも。また、介護や医療サポートが必要になった場合も別途で費用がかかります。 シニア向けマンションでの生活は快適で充実した毎日を過ごせます。ただし費用全体を考えると、ある程度経済的な余裕が必要です。 住宅ローンも可能 シニア向け分譲マンション購入には住宅ローンが利用できます。ただし返済完了時の上限年齢を設けているローンもあります。 たとえ返済の上限年齢がない場合でも、借りる時にすでに50代、60代であれば、長期にわたるローンの返済となって大変です。 マンションを購入後、ローン返済に加えマンションの月額費用もかかります。病気で収入が減ったり、急に大きな出費が発生する可能性もあります。 住宅ローンを検討する場合は、無理な返済計画をたてずに、余裕をもったプランが大切です。まずはシニア向け分譲マンションの住宅ローンを扱っている各金融機関で相談しましょう。 シニア向け分譲マンションで受けられるサービス シニア向け分譲マンションでは入居者向けに、高齢者の生活をサポートするさまざまなサービスの提供があります。代表的なサービスは以下の通りです。 安否確認などの見守り フロントサービス 食事の提供 生活支援のサポート 緊急時の対応 安否確認などの見守り 入居者の安否確認を行う見守りサービスです。施設に常駐しているスタッフが定期的に入居者の安否を確認します。入居者の体調に変化があった場合は、家族に連絡したり、医師の手配もしてくれます。 最近では部屋に生活安全センサーをつけ、入居者の生活動作が一定時間ないと判断されると、スタッフに通知がいくシステムを完備しているマンションもあります。 フロントサービス フロントサービスはマンションに暮らす高齢者が安心して快適に過ごせるようにサポートします。サービスの内容は、来客への取次や宅配便の受け渡し、共有施設の利用受付など多岐にわたります。 また、マンション内で起きた困りごとの相談なども対応してくれます。 食事の提供 シニア向け分譲マンションの食事は、自炊するのもも外食するのも入居者の自由です。部屋にキッチンがついているので、料理が好きで自炊することが気分転換になるという方は、自ら料理を作って楽しむことができます。 シニア向け分譲マンションにはレストランが併設されている施設もあります。レストランでは専属の栄養士と調理師がいて高齢者の健康に配慮した食事を提供しています。「今日は料理をしたくない」といった時は、気軽にマンション内のレストランを利用できるので便利です。また、部屋まで料理をけてくれるサービスもあります。 ただし、レストランの利用や食事のサービスを利用した場合は、利用した分の料金を月額費用に上乗せして支払う必要があります。 生活支援のサポート ちょっとした買い物や家の掃除洗濯など、若いうちは簡単にできていた生活の雑事が高齢になると難しくなることもあります。 シニア向け分譲マンションはフロントスタッフが24時間常駐しているところがほとんどで、クリーニングや宅配の取次をしたり、荷物を運んだり、頼めば生活全般のサポートをしてくれます。 緊急時の対応 元気に暮らしていても、年をとれば“万が一”のことが起こり得ます。そんな時、誰もそばにいないと手遅れになりかねません。 シニア向け分譲マンションを利用していれば、入居者が体調を崩した時はフロントスタッフが家族へ連絡してくれます。また特に緊急を要する場合は、救急車の手配やかかりつけ医への連絡にも対応するので安心です。 介護・医療サービスが必要になった場合 シニア向け分譲マンションには介護・医療サービスは付帯していません。ではもし、介護・医療サービスが必要になった場合はどうすれば良いのでしょうか。 介護サービス シニア向け分譲マンションは健康で自立できる高齢者の居住を想定しています。したがって介護のための設備や人員体制は整っておらず、食事・入浴・排泄などの介護サービスは提供されません。 介護サービスが必要になった場合は入居者自身が外部の介護事業者と個別に契約することが必要です。 介護が必要になった際の介護サービスの自己負担額 医療サービス マンション内にはスタッフが常駐していますが、病院が併設されていたり医師が常駐していたりするケースは稀です。病気になった場合は自力で病院を受診する必要があります。マンションの近くにある病院は早めに確認しておきましょう。 シニア向け分譲マンションの設備 マンションの居住スペースは基本的に夫婦二人で快適に過ごせる広さを確保しています。面積は35~100㎡、間取りは2LDKが主流です。広々としたキッチンとリビングに夫婦それぞれの個室をつくれる広さです。 マンションによって設備は違いますが、浴室やトイレに緊急ボタンがあったり、安否見守りセンサーも常時稼働しています。 マンション内の設備は充実しています。大浴場、レストラン、プール、スポーツジム、カラオケルームなど。マンションによって設備は違いますが、シニアが楽しめる共用設備が多くなっています。 また、マンション全体が一般的な分譲マンションと違って高齢者の使用を前提とした設備・造りになっています。転倒防止のバリアフリー対応はもちろん、どこでも休めるようなベンチや手すりも充実しています。 シニア向け分譲マンションのメリット、デメリット シニア向け分譲マンションにはどのようなメリットとデメリットがあるか紹介します。どちらも理解しておけばマンション選びもスムーズです。 メリット 自由な生活ができる見守りや緊急対応などのサービスが整っている資産になる相続・売却ができる 自由な生活ができる 老人ホームは決められた生活のルールや規則などがありますが、シニア向け分譲マンションでは自由に自分の家にいるのと変わらない自由な生活ができます。 元気なアクティブシニアが生活しやすいようにマンション全体が設計されています。マンション内にはシアタールームやプール、コミュニティスペースなどの共有施設が充実。掃除や洗濯、食事といった生活のことはフロントスタッフがお手伝いをしてくれます。 また、同じマンション内に同世代のシニアの方がたくさんいるので、仲良くなって一緒に楽しむこともできます。 見守りや緊急対応などのサービスが整っている 一人暮らしをしている高齢者はさまざまな不安を抱えています。その点、シニア向け分譲マンションでは見守りサービスや緊急対応のサービスが整っているので安心です。 資産になる シニア向け分譲マンションは入居者がマンションを購入するので、マンションは入居者の資産になります。 入居時に多額の費用がかかりますが、マンションを購入すると思えば決して高くはありません。 相続・売却ができる シニア向け分譲マンションの入居者が亡くなると、その部屋は資産として相続の対象になります。住む予定がないのであれば、売却したり、賃貸することも可能です。 デメリット 初期費用が高い要介護度が高くなった場合、住み続けられない可能もある入居条件として年齢制限がある 初期費用が高い シニア向け分譲マンションの入居を希望しても、高額な初期費用がハードルになります。マンション購入と同様に数千万から数億円の購入費用が必要です。住宅ローンを組むこともできますが、まとまった資金がないと入居は難しいでしょう。 要介護度が高くなった場合、住み続けられない可能もある 老人ホームのような介護を前提とした施設ではないので、介護・医療サービスについては提供されていません。 要介護度が高くなった場合、月額費用とは別に介護・医療サービスの負担が発生します。費用的にも環境的にもシニア向け分譲マンションに住み続けることが難しくなる可能性があります。 入居条件として年齢制限がある シニア向け分譲マンションの入居には60代以上、70代以上と年齢制限があるところもあります。 シニア向け分譲マンションと有料老人ホームとの違い 老後の生活を考えたときにシニア向け分譲マンションだけではなく有料老人ホームも検討する人は多いでしょう。 そこでここからは、シニア向け分譲マンションと有料老人ホームの違いにはどのような点があるのかを見ていきましょう。 権利形態の違い 有料老人ホームの入居者はあくまでホームを利用する「利用権」にお金を払うだけなので、どれだけ多くの費用がかかったとしても自分のものになるわけではありません。入居者が亡くなったり退去した場合は、その時点で利用権はなくなります。 一方、シニア向け分譲マンションは入居者がマンションを購入するのでマンションは資産になります。入居者が亡くなった場合は相続資産になるので、子どもたちに資産を残してあげることになります。 要介護度が高くなった、認知症を発症した場合に備えて 入居時は健康に問題がなかったとしても、時間が経ってから介護が必要になったり、寝たきりになるということも考えられます。シニア向け分譲マンションは介護・医療サービス面では十分ではないので、別途で介護・医療サービスを頼まなければなりません。 万が一の時はマンションを売却して、介護付き有料老人ホームに移ることも視野にいれておくと良いでしょう。シニア向け分譲マンションがサービスとして提携先の介護付き有料老人ホームを紹介してくれるところもあるようです。 介護度が上がったり、認知症が進んだ場合にどうするかについても、早めにご家族で話し合っておくことをおすすめします。 シニア向け分譲マンションの入所手続き シニア向け分譲マンションへ入居したいと思ったら、各施設に申し込みを行います。 入居申込書を提出したのち、担当者から面談の連絡があります。面談では入居希望者の健康状態や介護の必要性などのチェックを行います。 時には資産や収入といった金銭面での確認もあります。入居希望者も面談で自分の要望や不安な点についても、しっかりと確認しておくことが大切です。 面談の際は住民票・健康診断書・所得証明書などが必要になります。実際に面談をしたのちに、入居の判断が決定されます。 シニア向け分譲マンションに関するよくある質問 シニア向け分譲マンションとサービス付き高齢者向け住宅の違いは何ですか? シニア向け分譲マンションとサービス付き高齢者向け住宅を比較してみると、「契約方式の違い」「費用の違い」「設備の違い」「サービスの違い」が挙げられます。 特に、契約方式、初期費用については大きな違いがあり、自分の資産となり所有権を得られるシニア向け分譲マンションに対し、サービス付き高齢者向け住宅は賃貸物件です。 また初期費用については、シニア向け分譲マンションは購入費がかかるので数千万~数億円必要なのに対し、サービス付き高齢者向け住宅は敷金として賃料の2~3カ月を支払うのみです。 介護の心配もなくアクティブに老後を過ごしたいという人には、さまざまな設備が整ったシニア向け分譲マンションが良いかもしれません。 シニア向け分譲マンションは何歳から入居できますか? 年齢制限は設けていない場合が多いです。ただし、施設によっては入居年齢に下限を設けているところもあります。70歳以上や60歳以上などさまざまなので入居を検討する際は事前に確認しましょう。 シニア向け分譲マンションには介護サービスの提供はありますか? シニア向け分譲マンションは健康で自立できる高齢者の居住を想定しています。したがって介護のための設備や人員体制は整っておらず、食事・入浴・排泄などの介護サービスは提供されません。 介護サービスが必要になった場合は、入居者自身が外部の介護事業者と個別に契約するか、有料老人ホームなどの介護施設に転居をすることを検討しなくてはいけません。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "シニア向け分譲マンションとサービス付き高齢者向け住宅の違いは何ですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2021/11/18

養護老人ホームの特徴や費用、入居条件についての解説

養護老人ホームとは|入所基準と費用、間違えられやすい特養との違い

経済的に困窮している高齢者を養護し、社会復帰へのサポートをおこなう養護老人ホーム。こちらの記事では、その養護老人ホームの特徴や入所基準、入所の流れなどを解説します。 また、間違えられやすい「特別養護老人ホーム」との違い、ほかの民間施設との違いについても説明しているので、施設選びや比較検討の参考にしてみてください。 https://youtu.be/wfPr8nI8sBw 養護老人ホームの概念と特徴 養護老人ホームとは、経済面で困窮し、自力での生活が難しい高齢者を受け入れる施設のこと。さらに、経済的な理由以外にも、身体的・精神的・環境的な要因で自宅で暮らすのが困難な場合も該当します。 養護老人ホームは介護施設ではなく、入居者が将来的に自立した生活を送れるように、サポートをおこなう施設です。 そのため、提供するサービスは施設によってさまざまで、介護サービスは行っていないところもあります。 長期入所できる施設じゃない!? 養護老人ホームは、高齢者の社会復帰を目指すための施設。あくまで一時的に入所し、長期間の利用はできないのが特徴です。 市区町村によって基準は異なりますが、要介護度の高い高齢者や持病のある高齢者は、原則として入所条件に当てはまりません。また、介護が必要になった場合は、退去しなければいけない可能性もあります。 長期入所できる施設ではないため、入所してもほかの施設を探したり、検討したりする必要があることを覚えておきましょう。 特別養護老人ホームとの違い 養護老人ホーム特別養護老人ホーム目的生活環境や経済的に困窮した高齢者を養護し、社会復帰させる中~重度の要介護認定を受けた高齢者が、介護や生活支援を受けて居住する入所基準自立要介護3以上サービス内容食事の提供や健康管理などの自立支援身体介護中心の自立支援居室タイプ個室・多床室個室・多床室費用月額0~14万円月額8~13万円入所難易度市区町村が対象者の調査を行い、決定する入居待機者が多く、入居までに数ヵ月以上かかることもある 「目的」が、特養との大きな違い 養護老人ホームの目的は、生活面・経済面で困窮した高齢者を養護し、社会復帰できるように支援すること。 対して「特別養護老人ホーム」は、介護や生活支援を受けながら居住する介護施設です。そのため、要介護度の高い高齢者や身体的な介助の必要な高齢者が入所の対象となります。 養護老人ホームと混同されやすい「特別養護老人ホーム」ですが、目的が違うため、まったく異なる施設だということがわかります。 養護老人ホームで提供されるサービス 養護老人ホームで受けられるサービスは、日常生活に必要な基本的なサービスです。食事や入浴、定期的な健康診断などがこれに当てはまります。 食事は離床して食堂でおこなうなど、身の回りのことは自分でできるように設備が整えられています。 そのほかに、社会復帰を目指すための相談サービスや、生活の質を向上するための行事やレクリエーションも行われています。 原則として介護サービスは提供されない 養護老人ホームは、自立した生活や社会復帰のために高齢者を支援する施設。介護や看護サービスの提供は原則としてありません。 しかし、高齢化や重度化が進み、介護が必要な入所者が増えているのが現状です。 これらの状況を踏まえて、養護老人ホームの約半数が「特定施設入居者生活介護」の指定を受け、介護サービスを提供しています。 そのため養護老人ホームの入所者の中にも、要介護認定を受けていたり、認知症の方も増えています。 養護老人ホームの入所基準 養護老人ホームに入所する前には審査があります。どのような基準を満たす必要があるのか、あらかじめチェックしておきましょう。 入所対象者 養護老人ホームは、環境上の理由や経済的理由により、在宅で生活していくことが困難な65歳以上の高齢者が対象です。 上記以外にも、要介護認定の有無や、本人や家族に入居の意志があることなどが要件となります。 入所のための調査・審査は市区町村がおこないます。市区町村の審査により入所が决定となった場合のみ利用が可能になるのですが、この判断基準は、市区町村によって異なるため、居住している市区町村で確認する必要があります。 入所基準 「環境上の理由や経済的理由により在宅での生活が困難な高齢者」とはどんな方でしょうか?具体的な例をご紹介します。 収入や年金がなく困窮している独居の高齢者家族などから虐待を受けている身体的、精神的な障害がある認知症であるほかの法律に基づく施設に入所できないホームレスである犯罪を以前に犯したことがある賃貸住宅を立ち退く必要がある など このように、現在の環境・経済状況では生活が難しい方は対象となる可能性があります。入居希望の場合、詳しい基準をお住まいの市区町村で確認してみましょう。 養護老人ホームの入所事例 入所対象者や入所基準をご紹介しましたが、ここでは、実際に入所した方たちの事例を見ていきましょう。 事例1~独居による生活不安や生活困難の場合~ 80代のAさんは仕事を退職後、ボランティアなどの社会的活動に積極的に参加しながら生活していました。しかしある日、突然倒れ、脳卒中と診断されました。懸命にリハビリをおこない日常生活を送れるまで回復しましたが、Aさんは身寄りがなく一人暮らし。独居による生活に不安があったため、平成29年に入所。養護老人ホームにて、食事時の声掛けや入浴の見守りを受けつつ、生活しています。 事例2~虐待など家族関係に問題がある場合~ 同居している家族と暮らす、要介護2と認定された80代のBさんは、認知症をきっかけに、ご家族の方がBさんに対して暴力をふるうようになってしまいました。このままでは危険だと判断され、ほかの施設への入居を希望。しかし、すぐに入居できる状況ではなかったため、養護老人ホームに入所しました。2週間ほど利用した後に、ほかの施設へと移動となりました。 事例3~介護施設への入居待ちとして利用する場合~ 90代であったCさんは、デイサービスを利用したり、家族の方の介護を受けて生活していました。ところが面倒を見ていた家族の方が体調を崩してしまい、自宅での生活が難しくなってしまいました。そのため特養への入所を待つ間、養護老人ホームを利用。現在は特養への入居が決まったため、退所しています。 養護老人ホームの費用 養護老人ホームの月々の費用は、前年度の収入などによって決まり、0円~14万円とされています。 例えば、税金や社会保険料、医療費を控除した年収が27万円未満だった場合、月額利用料は0円。40~42万円未満であれば月額利用料は10,800円というように、39段階で利用料が定められています。 敷金や入所一時金などの初期費用は必要ありません。さらに経済状況によっては、月額費用の免除や減額の措置がとられる場合もあります。 所得階層による考え方 所得階層第1・2段階第3段階第4段階居住費30,000円光熱水費10,000円食費11,700円19,500円41,400円サポート料15,000円35,000円70,000円合計66,700円94,500円151,400円 出典:「養護老人ホームの契約入所にかかる利用料金の考え方(例)」 収入額による考え方 収入額(月)収入額(年)算定後利用料130,000円1,560,000円85,600円135,000円1,620,000円90,100円140,000円1,680,000円94,600円145,000円1,740,000円99,100円150,000円1,800,000円103,600円155,000円1,860,000円108,100円160,000円1,920,000円112,600円165,000円1,980,000円117,100円170,000円2,040,000円121,600円175,000円2,100,000円126,100円180,000円2,160,000円130,600円185,000円2,220,000円135,100円190,000円2,280,000円139,600円195,000円2,340,000円144,100円200,000円2,400,000円148,600円 収入額(年額)利用料日額1ヵ月の利用料(30日)10日以内3,500円-11日以上 100万未満2,600円78,000円〃 120万未満2,800円84,000円〃 150万未満3,100円93,000円〃 200万未満3,500円105,000円〃 300万未満4,000円120,000円〃 300万以上4,200円126,000円 出典:「養護老人ホームの契約入所にかかる利用料金の考え方(例)」 その他、要介護度による考え方やサービス内容の積算による考え方があるなど、養護老人ホームの費用の算出方法は複雑です。詳しくは市町村窓口やケースワーカーに確認してみてください。 養護老人ホーム入居の流れ 実際に、養護老人ホームに入居したい場合、どのような手順を踏めばいいのでしょうか?入居の基本的な流れを見ていきましょう。 入所相談 まずは、市区町村の役所窓口、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、民生委員、養護老人ホームなどに相談します。 入所申し込み お住まいの市区町村の役所窓口で申し込みができます。 入所調査 本人や家族の心身の状況、養護の状況、生計の状況の調査が行われます。ほかに追加で必要であれば、その事項も調査に含まれます。 入所可否の審査 入所判定委員会で、調査や健康診断などの結果に基づき、入所の可否を審査します。 決定・入所 入所委員会の報告により、市区町村が入所の可否を決定します。可能と判断された場合、入所できます。 養護老人ホームのメリット・デメリット メリットの多いように見える養護老人ホームですが、今後の課題や問題点も少なくありません。養護老人ホームのメリット・デメリットを見てみましょう。 メリット 経済的支援を受けられる 養護老人ホームは、経済的な理由により生活の難しい高齢者を受け入れる施設。そのため、ほかの施設と比較すると大幅に低額で利用できることがわかります。 また、生活保護法が適用となると費用が減額・免除となったり、経済状況によっては月額利用料が徴収されないことも。費用面ではかなり柔軟に対応しています。 経済的な困窮、環境上の理由など、さまざまな事情でほかの施設への入所が難しい場合は、養護老人ホームを検討してみてはいかがでしょうか。 緊急時対応の体制が整っている 養護老人ホームのメリットとして、夜間や緊急時にも対応してもらうことができる点が挙げられます。 特に一人暮らし高齢者は、いざというときに頼れる人が身近におらず、心配している人も多いでしょう。職員やほかの入居者が周りにいることで、そういった不安の解消に繋がります。 さらに、夜間にも必ず職員がいるため、緊急時にもすばやく対応してもらえます。高齢者の独居や虐待が問題視されている昨今、養護老人ホームは高齢者の生活を守る場所であると言えそうです。 デメリット 希望通りに入居できるわけではない 入所を希望していても、必ず入所できるわけではありません。市区町村が入所の可否を決定するため、入所のハードルは、自治体によって差があるのが現状です。 養護老人ホームに入所したい場合は、まず自治体の担当窓口に申し込みをおこない、入所措置をとってもらう必要があります。 しかし運営費の予算の問題から、入所措置を控える自治体も少なからず存在しています。こうした理由が、地域によって入所のハードルに極端な差が生まれる原因となっています。 強制的に退所させられる場合がある せっかく入所できたとしても、入所後に強制的に退所させられることがあるのもデメリットとなっています。要介護度が上がるなど措置の基準に適合しなくなった場合には、措置の解除があり得ます。 ほかにも、入院などの理由で3ヵ月以上、養護老人ホームでの生活が難しい場合や、介護保険法に基づく施設サービスの利用が可能になった場合なども、退所の可能性が出てきます。 このような入所や退所に関するデメリットも把握しておき、いざというときに対応できるように準備しておくことも大切です。 養護老人ホームは今後どうなる? 養護老人ホームは、運営していくための予算が確保されないなど、さまざまな課題を抱えています。予算が確保されない場合の問題点や、考えられる養護老人ホームの未来について、見ていきましょう。 施設数・定員数は増えず、入所ハードルは高いまま 経済面で困窮した高齢者を受け入れることから「最後の砦」ともいわれる養護老人ホームではありますが、需要は高い一方で全国的に施設数は少なく、今後も増加の傾向が見られない点も課題となっています。 また、経済不況や高齢化などざまざまな要因が影響して、ホームレスや一人暮らしの高齢者は年々増えています。増加しているのにも関わらず、定員数が少ないのも問題となっており、入所要件を満たす人でも入所できない状況が発生しています。 入所希望者が増えていく可能性が高いにも関わらず、施設数・定員数は変わらないことから、今後さらに入所のハードルが高くなることが考えられます。 行政による“措置控え”とは? 「措置控え」とは、入所者を施設に回さないために、意図的に措置(入所)を拒否すること。自治体が運営費の予算を抑えるために行っているものです。運営費をすべて自治体が負担しなければならないことや、社会保障の費用が増大していることで、自治体の財政はかなり苦しい状況に。これらの原因により、養護老人ホームの措置を控えるところがあるのです。養護老人ホームは、日常生活を送るうえで必要な費用も、公費でサポートしています。財源の抑制のために介護保険や生活保護などを優先し、養護老人ホームの入所者を真っ先に制限する可能性も。しかし、高齢者の安全な生活を守るために、行政に対して批判の声が高まっているのも事実です。 .point { position: relative; 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2021/11/16

住宅型有料老人ホームの特徴・費用・入居条件の解説

【動画解説】住宅型有料老人ホームとは│平均費用やサービス、入居条件

住宅型有料老人ホームは、自立・要支援もしくは要介護度が低い高齢者向けの施設。スタッフによる食事や掃除などの生活支援や緊急時の対応といったサービスが受けられるほか、外部の介護サービス利用することが可能です。 施設によりサービス内容が異なるので、入居者に合ったライフスタイルを選択することができます。 この記事では、住宅型有料老人ホームのサービスの特徴や費用・入居条件を詳しく解説していきます。 https://youtu.be/u_SPVAxc8Mw 住宅型有料老人ホームの特徴 住宅型有料老人ホームの特徴は主に以下の5つです。 イベントやレクリエーションが豊富バリアフリー設計で施設設備の特徴が豊富生活支援サービスが受けられる介護サービスは外部の訪問介護を利用医療サービスの内容は施設によりまちまち イベントやレクリエーションが豊富 住宅型有料老人ホームには、自立の方や要介護度が軽度の方が多く入居しているので、日々入居者が楽しめるようなレクリエーションやイベントを充実させている施設が多くあります。 各施設のレクリエーションには特色があり、レクリエーションの種類や頻度もさまざま。囲碁・将棋・カラオケなどのレクリエーション、講師による絵画・華道・茶道などの本格的な習いごと、日帰り旅行を企画する施設などもあります。 レクリエーションやイベントの内容はパンフレットやホームページで紹介されているので、入居者の趣味や好みに合わせた施設を検討できます。 生活支援サービスが受けられる 住宅型有料老人ホームで受けらえる生活支援サービスは施設により異なりますが、基本的には食事(3食+おやつ)の提供、居室の掃除や、洗濯、買い物代行といった日常生活のサポートに加え、日常の生活相談もすることができます。 日中は施設内にスタッフが常駐しているので、緊急時でも適切な対応をしてもらえます。施設によっては、看護スタッフや夜間も介護スタッフが常駐しているところもあります。 バリアフリー設計で施設設備の特徴が豊富 施設はバリアフリーで、⼿すりやスロープが設置されており、高齢者が安心して生活できる設備が完備されています。 住宅型有料老人ホームはでは居室のほかに浴室・トイレなどの共同設備、食堂や共同リビング、カラオケ・麻雀卓・図書室などの娯楽設備、理美容室や売店、健康設備などそれぞれの施設で、豊富なバリエーションがあります。 リハビリに力を入れている施設、娯楽設備が豊富な施設、イベントを充実させた施設、ホテルのような仕様の施設など、施設により特徴がさまざまですので、入居者のライフスタイルや予算に合わせた入居先を選ぶことができます。 介護サービスは外部の訪問介護を利用 住宅型有料老人ホームでは介護サービスが必要なときには、「訪問介護」や「デイサービス(通所介護)」などの外部サービスを利用し自分の受けたい介護サービスを自由に選択することができます。 施設に入る以前から自宅で介護サービスを利用していた方は入居後も同じサービスを利用することも可能です。 ただし、外部サービスを利用することになるため、24時間体制の介護サービスを受けられない場合もあるので注意が必要です。 施設によっては、施設内に訪問介護事業所やデイサービスを併設し、介護付き有料老人ホームと同じような介護サービスが受けられるところもあります。 デイサービス、福祉用具レンタルも利用可能 住宅型有料老人ホームでは、外部の介護サービスの利用に介護保険が適用されます。 介護保険を利用すれば、自己負担限度額以内であれば、基本的に1割の自己負担(所得によっては2割負担もしくは3割負担)ですみます。 福祉用具のレンタルにも介護保険が適用されます。レンタルなので身体の状態に変化があっても無料で変更や交換が可能です。 ※介護保険でレンタルできる種目は要介護度により異なり、対象でないものは、実費での購入となります。 医療サービスの内容は施設によりまちまち 住宅型有料老人ホームには医療体制についての制度上の規定がないため、施設ごとに医療サービスの内容は異なります。 基本的には医療サービスはご自身で医療機関に出向いて受診することになります。しかし、看護師が配置されている施設や訪問看護に対応している施設であれば、感染症にかかっている方や、胃ろう、ストマ、気管切開などのための医療行為を受けることも可能です。 医療機関との連携がある施設も増えているので、連携のある施設では内科検診や歯科検診なども受けることもできます。 入所時には必要とする医療体制が整っているか確認が必要です。 住宅型有料老人ホームの費用 住宅型有料老人ホームの利用には多くの場合、入居一時金などの「初期費用」と毎月支払う「月額利用料」という2種類の費用が必要になります。 初期費用0円~数千万円月額利用料11万円~25万円 施設の地域や設備、利用するサービスの内容によって金額が大きく異なります。 最近では、入居時一時金が無料で、月額利用料を比較的高めに設定する施設も増えています。 月額利用料には、家賃や管理費、食費、水道光熱費が含まれ、外部の介護サービスを利用する場合、介護サービス費が別途かかります。 また入居者によってはおむつなどの消耗品代なども必要になる場合があります。 介護サービス費 住宅型有料老人ホームでは、個人に必要な介護サービスのみを選択して受けられるので、介護が不要な方は費用を抑えることができますが、要介護度が高まると金銭的な負担が大きくなります。 介護保険の利用には、下記のように要支援・要介護度に応じた支給上限額が定められています。 支給限度額の範囲内であれば、自己負担はかかった介護サービス費の1割(一定以上の所得者の場合は2割・3割)です。しかし、支給限度額を超えた分や、介護サービスの範囲外で利用したサービスに関しては全額自己負担になります。 住宅型有料老人ホームの入居条件 施設の多くが入居条件として60歳もしくは65歳以上という年齢制限を設けていますが、施設と入居希望者の状況によっては60歳未満でも入居できる場合もあります。 要介護度に関する基準も施設ごとに異なり、認知症の方は軽度の場合しか入れないケースや、24時間体制の介護や日常的な医療ケアが必要な場合は入居できない施設もあります。 住宅型有料老人ホームでは施設ごとに入居条件が異なるため、それぞれの施設で確認が必要です。 また、住宅型有料老人ホームでは、施設により医療体制が異なるため、施設によっては要介護度が高まったことでサポートができなくなり退去をしなければいけないことがあるので、退去をしなければならない条件も事前に確認しておきましょう。 住宅型有料老人ホームのメリット・デメリット メリット 住宅型有料老人ホームは施設に選択肢が多く、個人のライフスタイルに合わせることができるメリットがあります。 自立度が高くても入居しやすいライフスタイルに合わせて自由に介護サービスの選択ができるレクリエーションやイベントが充実 自立度が高くても入居しやすい 住宅型有料老人ホームは自立した高齢者の方から要支援・要介護の方まで入居することができる施設まで多くの選択肢があり、介護を必要としない方でも入居が可能です。 個人に合った介護サービスを選択して受けることができるため、介護度の低い場合は費用を抑えることができます。 ライフスタイルに合わせて自由に介護サービスの選択ができる 外部の訪問介護やデイサービスを自分で選択することができるため、個人にあった介護サービスを受けることができます。 入居中に要介護度が変わった場合でも介護サービスの内容を変更することが可能です。 レクリエーションやイベントが充実 住宅型有料老人ホームでは日常生活の充実のために、レクリエーションやイベントなど施設独自の取り組みが多く企画されているので、ライフスタイルや趣味にあった施設での生活を送ることができます。 デメリット 住宅型有料老人ホームでは要介護度が変わったときには注意が必要になります。 身体状況によっては退去・転居が必要月額費用が高額となることも 身体状況によっては退去・転居が必要 住宅型有料老人ホームは、基本的には外部の提携医療機関や、介護サービスを利用することになります。自立や要介護度の低い方を対象とした施設では、入居中に介護度が重くなり外部サービスでは対応しきれない場合には退去や転居をしなくてはなりません。 月額費用が高額となることも 住宅型有料老人ホームは自由に介護サービスを選択できるメリットがある反面、要介護度が高くなると介護サービスの利用回数が多くなり月々の負担が多くなります。 介護保険の自己負担額上限を超えたサービス利用は全額自己負担となるので注意が必要です。 サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)との主な違い 「住宅型有料老人ホーム」と「サービス付き高齢者向け住宅」は、高齢者が住みやすいバリアフリー構造の設備であり、外部の介護サービスを利用するなど共通することが多いのですが、大きく3つの点が異なります。 契約形態の違い 住宅型有料老人ホーム…利用権方式サービス付き高齢者向け住宅…賃貸借方式 住宅型有料老人ホームでは「利用権方式」という契約を締結し、入居時に一時金を支払い、終身の施設(居室・共用施設)を利用する権利と、生活支援等サービスを受ける権利が保障されます。 サービス付き高齢者向け住宅の場合、住宅部分のみ「建物賃貸借契約」を交わし、生活支等援サービスについては、別にサービス利用契約を結びます。 初期費用の違い 住宅型有料老人ホームは入居一時金を数十万~数千万(施設やプランにより異なる)、保証金を支払うことに対し、サービス付き高齢者向け住宅では一般の賃貸住宅同様に敷金・礼金、保証金、サービス料を数十万程度支払います。 施設と住宅との違い 同じ高齢者向けの住宅ではありますが「住宅型有料老人ホーム」は『施設』であり、「サービス付き高齢者向け住宅」は『賃貸住宅』という違いがあります。 住宅型有料老人ホームは食事サービス、生活支援サービス、健康管理、アクティビティ、緊急時の対応などの日常のサービスが含まれています。 一方、サービス付き高齢者向け住宅のサービスは基本的に安否確認と生活相談のみです。その他のサービスについては管理会社によりオプションで付けることになります。 また、施設である住宅型有料老人ホームは食事や入浴の時間など1日のスケジュールがある程度決まっており、生活に多少の制限があります。一方で、サービス付き高齢者向け住宅はキッチンや浴室付の建物も多く、好きな時間に食事や入浴、外出ができるなど自由度の高い生活ができます。 介護付き有料老人ホームとの主な違い 住宅型有料老人ホームの場合、自立・要支援・要介護まで幅広い方が入居できますが、介護付き有料老人ホームでは自立・要支援の方が入居できるかは施設によって状況が異なります。 介護サービス費用の違い 住宅型有料老人ホームでは介護サービスはサービスを利用した分に対して支払い、介護保険が対応できる上限を超えた分に関してはすべて自己負担となります。一方、介護付き有料老人ホームは、毎月かかる介護サービスの費用は要介護認定の段階ごとにあらかじめ決められています。 介護サービスの利用回数が増えても費用が上がることがないので、要介護度の高い方でも安心してサービスを受けられますが、他の介護サービスを併用することはできません。 サービス内容の違い 住宅型有料⽼⼈ホームでは、さまざまな⽣活援助サービス、外部の介護サービスを入居者の必要に応じて⾃由に組み合わせて利⽤します。 一方、介護付き有料老人ホームでは、そのホームで働くスタッフから直接介護サービスが提供されます。 また「特定施設入居者生活介護」の指定を受けているので、介護の設備やサポートも充実し、自立の方から要介護の方までそれぞれの身体状況などに合わせた介護サービスの提供が可能になっています。看護師もしくは准看護師の配置も義務づけられています。 居住期間の違い 住宅型有料老人ホームでは要介護度が上がった場合にも外部事業者から介護サービスを受けることで生活を続けられますが、施設によってサポートが難しい場合には、ほかの介護施設に移らなければならないことがあります。 介護付き有料老人ホームは基本的に介護を必要とする方向けの施設のため、介護度が高くなっても退去することなく住み続けることができます。ただし、認知症高齢者への対応力は施設によって異なります。 住宅型有料老人ホームを選ぶ際には 住宅型有料老人ホームは基本的に自立の方や介護度の低い方に向けた施設です。施設により設備やサービス内容がさまざまで、入居費用も施設により大きく異なります。 費用や立地だけでなく、現状希望しているサービス体制が整った施設であること、また介護が必要になった場合に住み替えをするか、介護サービスや医療体制が整った施設を選ぶのかなど、将来を想定しながら、予算に合わせて選ぶことが重要です。 施設見学や体験入居などをおこない、十分な情報収集と比較検討をおすすめします。 住宅型有料老人ホームに関するよくある質問 住宅型有料老人ホームは介護度が高くても入居できますか? 住宅型有料老人ホームは、自立・要支援・要介護まで幅広い身体状況の人が入居できます。 ただし、介護サービス費用については介護付き有料老人ホームと異なり、サービスを利用した分に対して支払い、介護保険が対応できる上限を超えた分に関しては自己負担です。したがって、要介護度が高い場合は上限を超える可能性もあるので注意が必要です。 住宅型有料老人ホームは認知症でも入居できますか? 認知症の人でも入居することができます。住宅型有料老人ホームの中には認知症に特化した施設もあり、入居者の身体状況・心身状況に応じて介護サービスをおこなってくれる施設が増えてきています。 サービス付き高齢者向け住宅との違いは何ですか? 高齢者が住みやすいバリアフリー構造の設備であり、外部の介護サービスを利用するなど共通点が多い両施設の違いは、「契約形態の違い」「初期費用の違い」「施設と住宅との違い」が挙げられます。 比較した際に、身体介護が必要であれば住宅型有料老人ホーム、まだ自立して生活できるが見守りなどが必要ということであればサービス付き高齢者向け住宅をおすすめします。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "住宅型有料老人ホームは介護度が高くても入居できますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

2021/11/15

グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

【動画で解説】老人ホーム9種類の違いと費用を徹底解剖!

介護問題にいざ直面してみると「自分の親が入居する老人ホームを探したい」「老人ホームを入居する流れを知りたい」など、疑問が出てくることがあります。 この記事では、老人ホームの種類ごとの特徴をはじめ、費用や入居条件などについて解説していきます。 https://youtu.be/vCVGDFMqLro ▶老人ホームの費用に関してはこちらのページをご覧ください 老人ホームの特徴 老人ホームには、社会福祉法人や医療法人が運営する5種類の「公的施設」と民間の企業が運営する4種類の「民間施設」があります。ここからは、9種類の介護施設の入居条件や費用、サービス内容などについてご紹介していきます。 民間施設4種類の特徴を比較 施設の種類入居時費用月額利用料入居条件認知症の受け入れ介護付き有料老人ホーム0~数千万円15~30万円要介護1以上○住宅型有料老人ホーム0~数千万円11~25万円自立~要介護3程度△サービス付き高齢者向け住宅0~数十万円11~25万円自立~要介護1程度△グループホーム0~数十万円10~15万円要支援2以上◎ 公的施設5種類の特徴を比較 施設の種類入居時費用月額利用料入居条件認知症の受け入れ特別養護老人ホーム(特養)0円8~14万円要介護3以上○介護老人保健施設(老健)0円7~14万円要介護1以上○介護医療院0円7~14万円要介護1以上○養護老人ホーム0円0~14万円自立×ケアハウス0~数十万円6~17万円自立~要介護3程度△ 種類ごとにおすすめの人 次に、おすすめの方や、提供される介護サービス、施設内容、費用面などに関して施設ごとに紹介します。 介護付き有料老人ホーム:要介護度の高い方向け 介護付き有料老人ホームの入居条件は上記の通りです。要介護度が「自立~要介護5」と幅広いのは、介護付き有料老人ホームが「介護専用型」「混合型」「自立型」という3種類に分けられるためです。 「介護型」は、介護スタッフが24時間常駐しており、要介護者3人に対して1人以上の介護スタッフの配置が義務づけられた、まさに介護に特化した施設です。 「混合型」は、要介護者だけでなく自立者や要支援者も入居できる施設です。専門の介護スタッフより食事や入浴、排泄といった日常生活の介護サービスを受けられます。 「自立型」は要支援・要介護は入居不可の自立者のみ入居可能な施設です。誕生日のお祝い、季節イベント、レクリエーション、地域のサークルによる演奏会や交流会などのイベントが充実しているという特徴があります。 介護付き有料老人ホームの費用 入居時費用 0~数千万円 ...

2021/11/11

介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

サービス付き高齢者向け住宅とは│費用や特徴、老人ホームとの違い

https://youtu.be/ruiIN_QkvsY サービス付き高齢者向け住宅の特徴 サービス付き高齢者向け住宅とは、基本的に介護の必要性がない自立している高齢者のための住まいです。 また、介護が必要になった場合は、訪問介護事業所など外部サービスとの契約をすることで必要な分だけのサービスを受けることができます。 最近では、サービス面や設備面などを充実している住まいも増え、選べる住まいの幅が広がっています。「まだ元気でご飯も自分で作っているが、将来的に心配だから安心して生活できる住まいに入居したい!」とのことであれば入居に関して検討していきたいですね。 一般型と介護型 サービス付き高齢者向け住宅には「一般型」と「介護型」の2種類があります。 「一般型」 契約形態は賃貸借契約介護、オプション利用時は外部サービスを個別に契約生活の自由度が高い 「介護型」 契約形態は利用権契約介護スタッフが24時間常駐看護師が日中常駐レクリエーションなどが豊富 「一般型」は、介護が必要になった場合、訪問介護やデイサービスなどの外部サービスを個別に契約をして利用することになります。1日のスケジュールは自分で決めることができ、生活の自由度は高いです。それにより今までの生活と変わらない形で過ごすことができます。 一方、「介護型」では、「介護スタッフが24時間常駐」「看護師の日中常駐」という人員配置義務が適用されているため、住まいのスタッフから直接サービスを受けることができ、日々安心して生活することができます。 ここで、一般型と介護型、それぞれの特徴をまとめておきましょう。 一般型 介護型 費用相場 入居時費用 数十万円 数十~数百万円 月額利用料 10~30万円 15~40万円 入居条件 要介護度 自立~要介護3程度 要支援1以上 認知症 施設による 対応可 看取り 施設による 対応可 入居のしやすさ ◯ ◯ サービス付き高齢者向け住宅の費用 サービス付き高齢者向け住宅に入居する際は初期費用と月額費用がかかりますが、「一般型」と「介護型」ではその金額が異なります。 では費用に関してどれほどの違いがあるかを見ていきましょう。 一般型介護型初期費用数十万円数十~数百万円月額費用10~30万円15~40万円介護サービス費利用した分を支払う介護度に合わせて定額で支払う食事食べた分を支払う定額で支払う 初期費用 一般型の初期費用 「一般型」の場合、通常の賃貸借契約と同様に敷金として賃料の2~3ヵ月分に設定されているのが一般的。礼金や更新料は不要で、初期費用としては数十万程度。初期費用を抑えられるのは大きなメリットと言えます。 介護型の初期費用 一方で「介護型」の場合、初期費用として数十~数百万円ほどかかります。 この初期費用は主に「前払い金」と呼ばれるもので、一定期間の家賃を前払いしてしまうもの。入居時に支払う額としては大きくなってしまいますが、その分、月額費用を抑えることができます。 月額費用 一般型の月額費用 「一般型」の月額費用は約10~30万円。内訳として賃料・管理費・水道光熱費・安否確認・生活相談などがあります。 賃料、管理費は通常の賃貸住宅と同様で支払い額は毎月一定額になり、安否確認、生活相談に関してはあらかじめ管理費として含まれている場合もあるので、事前にチェックしておく必要があります。 また食事の提供に関しては住まいごとに異なる場合が多いです。基本的に食べた分だけを支払う形になりますが、居室にキッチンがある場合は自炊も可能で、自宅と同じように生活していくこともできます。 介護型の月額費用 一方、「介護型」の月額費用は約15~40万円。「一般型」に比べ高くなっているのは、食費が加わるためです。食べた分だけの支払いである「一般型」とは違い、食べなかった場合も一定の支払いが発生します。 また「介護型」は、住まいごとに異なりますが居室にキッチンがないことが多いため自炊をするのは難しく、施設選びの際は注意が必要です。 その他費用 別途費用としては、個人の身体状況、ライフスタイルによって金額が異なります。 ここでは代表的なものを紹介していきます。 介護サービス費 介護認定を受けている方がサービスを利用した際に介護保険サービス費の1割、または所得に応じて2~3割の負担が必要です。 医療費、薬代 診察費、薬代、その他交通費など オプションサービス 買物代行サービス、洗濯サービス、通院付添いサービスなど 消耗品 生活に必要な日用品(トイレットペーパー、ティッシュ、洗剤、オムツなど) 雑費 レクリエーション費(材料費や参加費)、通信費(電話やインターネット)など サービス付き高齢者向け住宅の入居条件 サービス付き高齢者向け住宅の入居条件は「高齢者住まい法」によって下記の内容が定められています。 60歳以上の高齢者 要介護認定を受けた60歳未満の方 またその他条件は施設によってさまざまですが、ここでは一例を紹介しましょう。 認知症ではない人医療行為が必要のない人日常生活において自立している人 ただし、「介護型」であれば介護度の高い方や認知症の方にも対応しているので、入居検討する際は、事前に身体状況を把握しておきたいですね。 サービス付き高齢者向け住宅の退去条件 無事にサービス付き高齢者向け住宅に入居できたとしても、トラブルなどが原因で退去を求められる場合もあります。ここでは一例を紹介します。 要介護度の上昇、体調の悪化などで入居継続が困難になった場合各種費用が支払えない場合他の入居者への迷惑行為が認められた場合入居者の長期入院の場合 こうした退去条件は住まいごとに異なるので、入居の際にしっかりと確認しておきましょう。 提供されるサービス ここまで主に入居に関する内容を説明しましたが、それでは具体的にサービス付き高齢者向け住宅ではどういったサービスが受けられるのでしょうか。 ここからは「基本的に受けられるサービス」「必要に応じて受けられるサービス」に分けて項目ごとに見ていきましょう。 基本的に受けられるサービス 安否確認 常駐しているスタッフが定期的に施設内を巡回し、各部屋を訪問する見守りサービスを指します。時間や頻度は住まいによって異なりますが、1日1回は各部屋を訪問するよう義務付けられています。 また、夜間はスタッフ配置義務がないので、常駐しているのか緊急通報装置などによる対応なのかは事前に確認しましょう。 生活相談 常駐スタッフが日々の生活の悩み、不安、身体状況について相談に乗ってくれるサービスです。スタッフには社会福祉士・介護福祉士・看護師などの有資格者が多く、解決に向け働きかけをしてくれます。 必要に応じて受けられるサービス 生活支援 買い物代行サービス、洗濯サービス、通院付添いサービスなど住まいにより異なりますが、オプションとして用意してあることが多いです。 身体介護 日常的に身体介護が必要になった場合、必要に応じて食事・入浴・排泄などのサービスを受けることができます。 「一般型」の場合、外部事業所と契約することで介護サービスを受けることができます。 一方「介護型」は、介護スタッフ24時間常駐という人員配置義務があるのでその住まいのスタッフが介護をおこないます。日々、顔見知りのスタッフが対応してくれるのは安心ですね。 レクリエーション 「一般型」では、レクリエーションをおこなっている住まいは少ないですが、「介護型」の場合、週に数回レクリエーションをおこなっています。内容はさまざまで、脳トレーニングや折り紙、習字など数多くあります。 リハビリ・医療行為 身体機能を維持、回復させるためのリハビリ、また、たん吸引や在宅酸素などの医療行為は、外部サービスである訪問リハビリ事業所や訪問看護事業所と契約することで受けられます。 「介護型」の住まいの場合、医療行為は日中に常駐している看護師がおこなうため、別途、訪問看護事業所と契約する必要はありません。 また、リハビリについて「介護型」は、身体機能の維持、回復のために健康体操などをおこなう機能訓練指導員が常駐していたり、住まいによっては作業療法士や理学療法士などのリハビリ専門のスタッフを配置しています。 サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームとの違い サービス付き高齢者向け住宅と各有料老人ホームの違いをまとめると以下になります。 特徴の違い サービス付き高齢者向け住宅 自立の方など元気な高齢者を対象とした住まいです。「介護型」もあり。 介護付き有料老人ホーム 生活支援サービスと必要な介護サービスを受けられる。 住宅型有料老人ホーム 生活支援サービスと食事提供があり、介護サービスは自分にあったものが選べる。 生活支援サービスの違い サービス付き高齢者向け住宅 安否確認サービスと生活相談サービスのみ。 介護付き有料老人ホーム 食事の提供や清掃、洗濯などの基本的サービスを提供。 住宅型有料老人ホーム 食事の提供や清掃、洗濯などの基本的サービスを提供。 介護サービスの違い サービス付き高齢者向け住宅 外部サービスを利用(介護型の場合、施設スタッフがサービス提供) 介護付き有料老人ホーム 施設スタッフがサービスを提供 住宅型有料老人ホーム ...

2021/10/28

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2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

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