神奈川県藤沢市が民間企業と連携して、介護のICT(情報通信技術)化を進めるべく実証実験を開始しています。
介護施設などの現場では慢性的な人材不足が叫ばれおり、その課題解決のために「業務の省力化」「効率化」が必須。そんな中、行政が主導してICT化を進める動きは全国的にも珍しいものとして、その動向に注目が集まっています。
では、この動きの詳細はどのようなものになっているのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
藤沢市ではもともと、「いきいき長寿プラン」という施策を2021年に策定しており、その中心に「介護ロボット・ICTの活用」が据えられていました。それにより、例えば見守りシステムが構築できれば夜間の見回りを減らすことができるでしょう。例えば勤怠管理システムが構築できれば、勤怠にかかる事務作業を短縮させることもできるでしょう。
さまざまな場面での省力化・効率化が期待される介護のICTですが、これまでは「導入・運用方法がわからない」「導入後の検証が正確になされない」といった、仕組み面での周知の徹底の不備によって活用しきれなかったそうです。
そこで市では、「介護のICT化」という大まかな枠組みからさらに掘り下げ、細かな分類と業務の棚卸しによって、独自の“パッケージプラン”の構築に着手しました。それが今回の取り組みの肝です。
今回のプランでは、あくまで一例ですが下記のように分けて考えることで、介護現場での負担軽減・生産性向上を目指すとのことです。
具体的な取り組みは以下の通り。
市内に所在する介護サービス事業所に対し、株式会社エクサホームケアが展開する「CareWiz トルト」を導入・運用し、介護DXを推進します。(実証期間:2022年4月15日~2023年3月31日)
市内に所在する(地域密着型)介護老人福祉施設を対象として、従来の業務改善手法によらない、新たな生産性向上手法の構築を目指し、介護現場の生産性向上を加速させます。(実証期間:2022年5月6日~2023年3月31日)
もちろん、介護現場における省力化・業務効率化が求められているのは藤沢市だけではありません。こうした取り組みが奏効して、全国的な流れとして広まっていくことに期待したいですね。
出典:「介護現場の生産性向上プロジェクト」(藤沢市)
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