高齢になると、運動機能や食べ物を噛んだり飲み込んだりするなどの身体機能が低下してきます。そのまま放っておくと自力での歩行が難しくなったり、食べ物をうまく飲み込めなくなったりするケースも。
そうした身体機能の低下を防ぐには、生活の中で少しでも身体を動かす時間を増やすことが大切だとされています。とはいえ、意識的に身体を動かすというのはなかなか続かない人も多いかもしれません。
そんな人に向けてうれしいニュースが飛び込んできました。画面に合わせて体操するだけで、身体機能の低下を防げるというのです。さらに驚くことに、体操に使われるのは、なんと高齢者向けに開発されたゲーム機であると発表されています。
9月27日、ライオン株式会社とTANOTECH株式会社は、「健口眠体操」(けんこうみんたいそう)という身体トレーニングを搭載した、介護施設向けのゲーム機「TANO-LT」の販売を始めたと発表しました。
「健口眠体操」とは、高齢者が衰えやすい口腔・睡眠・運動器の3つの機能を同時にトレーニングできる5分間・21種類の体操です。
この「健口眠体操」を組み込んだゲーム機「TANO-LT」は、画面に表示された動きをまねすると、センサーで身体の動きを読み取り、正しい動きと照らし合わせて点数を表示します。
これにより、自分の点数を上げたり、他の人と競い合ったりとゲーム感覚で体操ができる仕組み。トレーニングを楽しく続けられることで、身体機能の低下を予防できると期待されています。
「TANO-LT」は東京都内の介護付き高齢者施設で先行利用されました。
実際に利用した高齢者からは、「画面の動きに合わせて、簡単に体操ができた。また、点数が出るので、良い点数を取るために続けたくなった」という声が聞かれました。
また施設の運営責任者は「利用者が楽しく運動を続けてくれるようになり、うれしいです。また、(利用者が)よく眠れるようになり、夜間の緊急コールが減りました。」とのこと。現場の人手不足軽減にもつながりそうですね。
ライオンは、今後「TANO-LT」をさらに改良し、介護分野での楽しい健康習慣づくりを進めていくとしています。
高齢者が楽しく身体を動かして身体機能を維持できるようになれば、介護する側も負担が減るというメリットがありますね。今後の改良にも期待が高まります。
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