新たな研究で、魚介類をよく食べる女性は頸動脈の壁が厚くなりにくく、動脈硬化が予防できている可能性が示されました。この頸動脈の厚さは動脈硬化の指標となっています。
この研究は、愛媛大学、岐阜大学、順風会健診センターが共同でおこない、その研究結果は「Journal of Atherosclerosis and Thrombosis」という循環器に関する学術書に掲載されました。
頸動脈は、首の両側を通って脳に血液を送る2本の太い動脈のこと。この動脈の状態を見ることで全身の血管の状態もわかると考えられています。
この頸動脈の厚さは動脈硬化の進行程度と比例します。つまり、頸動脈が厚いほど動脈硬化が進行している可能性が高いことになるのです。
この動脈硬化が進行すると、脳梗塞や高血圧などの生活習慣病になるリスクが高まるため、健康を守るためには動脈硬化の予防が不可欠です。
今回の研究は、愛媛県に住む34~88歳の男女2024人を対象に実施。頸動脈から跳ね返ってくる超音波を画像として映し出すエコーを用いて、対象者の頸動脈の厚さを測定しました。
その結果、1297人の女性では魚介類を多く食べている人ほど頸動脈の壁が厚い状態になっていませんでした。つまり、魚介類を多く食べている女性ほど、動脈硬化になりにくいことが判明したのです。
その理由は、サバやイワシ、アジなどいわゆる青魚に多く含まれる、DHAといった脂肪酸の働きによるものだそうです。
研究グループは、この研究結果について「今後さらなるデータが必要となるが、食生活を変えれば、生活習慣病のリスクとなる動脈硬化を防止できる可能性を示すものである」としています。
ちなみに、この研究に参加した男性には、魚介類を多く食べることと頸動脈の壁の厚さの関連は見られませんでした。
魚介類に含まれるDHAなどの脂肪酸は、人間の脳や網膜、心臓などを構成しています。また脂肪酸は、血液の流れをスムーズにする働きがあり、動脈硬化や血栓の防止や認知機能の改善につながると考えられています。
しかし、DHAといった脂肪酸は人間の体内ではほとんど作られないため、意識的に食事などで摂取する必要があります。
魚介類を日常の食事に取り入れて、健康な毎日が送れると良いですね。
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