長野県は、行政・企業・大学が連携して、高齢者の食べ物や飲み物などを飲み込む力を判定する装置を開発したと発表。食べ物や唾液などが誤って気管に入ってしまうことで発症する誤嚥(ごえん)性肺炎を防ぐねらいがあると言います。
この装置は、長野県工業技術総合センター、信州大学医学部、発汗計などを開発している信州大学医学部発のベンチャー企業「スキノス」、ソフトウェア開発をおこなっている「システムクラフト」の4者が共同で開発したものです。
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そもそも、誤嚥性肺炎はどのように引き起こされるのでしょうか?
日本呼吸器学会によると、誤嚥性肺炎は、加齢などによって食べ物や飲み物を飲み込む力が衰え、唾液や食べ物などと一緒に口の中の細菌が気道に入ってしまうことで発症すると言います。
誤嚥性肺炎では、発熱や咳などのような典型的な肺炎の症状を示さず、なんとなく元気がなかったり食欲がなかったりといった症状だけのこともよくあるそうです。
人によっては、誤嚥性肺炎を繰り返し発症してそのまま死亡することもあります。それを防ぐためには、まず食べ物や唾液などを気管へと吸い込んでしまう誤嚥を防ぐ必要があります。
今回の装置を開発した長野県工業技術総合センターによると、起きている間ののどの動きは正常でも、睡眠中にのどの機能が弱くなって、自分の唾液を肺に吸い込んでしまい肺炎を発症することがあるそう。そのリスクを測定できるかどうかが課題だったと言います。
今回の装置は、センサー付きのシートをのどに貼ることで、寝ている間ののどの動きを解析し、誤嚥性肺炎の発症リスクを測れるそうです。
工業技術総合センターは「飲み込む力は加齢とともに低下する。のどの機能が低下しすぎる前に誤嚥のリスクを把握して、リハビリにつなげてもらいたい」としています。
この装置は、3年後を目安に病院やリハビリ施設などでの販売を目指しているそうです。
介護施設でも、高齢者の飲み込む力を正確に測れる言語聴覚士などがいることは少なく、介護士などが主観的に判断して誤嚥性肺炎のリスクを測っているのが実情です。
今回の装置が普及していけば、客観的に高齢者の飲み込む力を判断でき、より迅速に口腔リハビリなど適切なケアにつなげられそうですね。
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