兵庫県で、高齢女性が現金1320万円をだまし取られるという詐欺事件が発生しました。
「老人ホームに入居する権利を譲ってほしい」と言われ、それに承諾したところ別の男から「名義貸しは違法だ」などと脅されたと言います。
警察の調べによると、2023年2月22日の昼頃、兵庫県神戸市に住む89歳の女性宅に実在する大手住宅メーカーの社員を名乗る男から「大手ゼネコンが展開している老人ホームに入居しないか」という電話があったそうです。
女性が男の提案を断ると、今度は「入居しないなら、入居する権利をほかの人に譲ってほしい」と話したとのこと。女性は男の依頼に承諾してしまいました。
すると後日、大手ゼネコンの弁護士を名乗る男から電話があり「名義貸しは違法で刑事事件になる。親族にも迷惑がかかる」と脅してきたのです。
さらにその後も、兵庫県警の警察官や金融庁職員を名乗る男らからも次々に電話があり、女性に現金を送るように指示。女性はその指示に従い、宅配便で指定された東京都内の住所へ、現金1320万円を2回に分けて送ったと言います。
大手住宅メーカーの社員を名乗った男は「事件が片付けば返金する」と言い、その期日を2023年4月21日に設定。しかし、期日になっても返金されず、男と連絡も取れなくなったことで、女性は初めて自分がだまされたことに気づいたそうです。
兵庫県警は、詐欺事件とみて捜査を進めていく方針です。
兵庫県警は、県内で特殊詐欺事件が多発しているとして住民に注意を呼びかけています。
警察が調査したところ、2022年に特殊詐欺に遭った件数は1074件で過去10年の中で最多だったことが明らかになりました。被害総額は18億円以上に上ったそうです。
では、どうすれば被害を防げるのでしょうか?
警察は、犯人からの電話はほとんどが自宅の固定電話にかかってくるため、固定電話対策が被害防止に有効だとしています。
高齢者の特殊詐欺被害を防ぐために、NTT西日本は2023年5月1日から、相手の電話番号を表示する機能の工事費と月額利用料を無料とすることを明らかにしました。
また、先着5000人を対象に、音声を録音してAIが特殊詐欺かどうかを判定する「特殊詐欺対策サービス」も一定期間無料化することを発表。期間は2023年5月1日~2025年3月31日までだとしています。
特殊詐欺の被害を防ぐために、現金を要求してくるなど少しでも怪しいと感じる電話があったら、送金する前にまずは警察や周囲の人に相談するのが大切ですね。
参考:「特殊詐欺の被害に遭わないために」(兵庫県警察)
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