コロナ禍で「人と会ったり話したりする時間が減った」と感じる人もいるのではないでしょうか。特に1人暮らしだと「今日は誰とも話さなかった」という日もあるかもしれません。
こうした中で、1人で暮らす高齢者向けのデリバリーサービス「じーばーイーツ」が昨年誕生しました。
このサービスは月に1回、スタッフが近隣飲食店の食事を高齢者宅にデリバリーして、一緒に食事をするというもの。1~2時間程度、スタッフとおしゃべりを楽しみます。
じーばーイーツは、愛知県豊田市で活動するボランティア団体が提供しているサービス。1回1500円で、昼食のデリバリーとスタッフのおしゃべりを楽しみます。
デリバリーする食事は、市内の提携レストランのメニューから利用者が選択し、スタッフが注文して配達。一般的なデリバリーサービスと異なり、玄関口で受け取って終わりではなく、利用者の自宅に入ってスタッフも一緒にお弁当を食べるものです。
このサービスの利用者は、主に1人暮らしをしている高齢者。妻に先立たれて10年以上1人暮らしをしている人や、妻が老人ホームに入って1人になってしまった人など、さまざまな人が利用しているとのことです。
そういう人たちの多くは、このコロナ禍で地域の集まりがなくなってしまったり、外出が減ったりしてより孤独感が強くなっていると言います。
そういったときに、じーばーイーツで誰かと話しながら食事をする時間が利用者の楽しみになっているそうです。
このボランティア団体の代表である村瀬さんは、普段は介護福祉士としてデイサービスで働いています。
その仕事の中で、利用者が「宅配弁当が届いても、1人で食べても美味しくないから捨ててしまう」という話を聞いて、じーばーイーツを思いついたそうです。
実際にじーばーイーツを使っている常連客からは「普段は1人でテレビを見ながらの食事だけど、しゃべりながら食べるのはやっぱり楽しい」と好評とのことでした。
コロナ禍が長期化している中で、”孤独”を感じている人もいるかもしれません。
また、以前は当たり前だった「誰かと食事を楽しむ」のが難しい状況になって、「食事がつまらない」と感じる人もいるのではないでしょうか。
そうした状況は、高齢者にとって気持ちが落ち込むだけでなく、健康を脅かすリスクにもなります。「まだまだ元気」と思っていても、急に体調をくずしたり認知症を発症してしまうことも…。
そこで、このサービスのような誰かに会う予定を月に1回でも入れておくことが大切。脳の刺激になりますし、「気持ちをしっかりしておかなきゃ」と思って生活する理由にもなるのではないでしょうか。
この月1回のおしゃべりが、元気の源になるかもしれませんね。
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