介護にまつわる悲しい事件が、また起こってしまいました。
今月13日、大阪府大阪市で寝たきりの妻の首を絞めて殺害した夫が逮捕。動機について夫は、「介護に疲れた」と話しているそうです。
また今月の18日には、東京都江戸川区で妹の首を絞めたとして兄が逮捕されています。
今月13日、大阪市鶴見区で「妻の首を絞めた」という110番通報がありました。現場である集合住宅に到着した警察官が、住宅に住む72歳の女性が倒れているのを発見。搬送先の病院で死亡が確認されました。
警察によると、夫が「タオルで首を絞めた」と認めたため、殺人未遂の疑いで現行犯逮捕。動機について「寝たきりの妻の介護に疲れた」と話しているそうです。
また、東京都江戸川区でも同様の事件が発生しています。
江戸川区南小岩のアパートで、住人の70歳の女性が倒れているのを警察が発見。すぐに病院に搬送されましたが、死亡が確認されました。
現場にいた女性の兄が「妹の首を絞めた」と犯行を認めているため、警察は殺人容疑で逮捕しています。
兄は居間にいた女性の首を電気コードや手で絞めたとのこと。「介護疲れや先行きへの不安が重なり、爆発した。妹を殺して自分も死のうと思った」と述べているそうです。
「介護に疲れた」―これは、今回の2つの事件で家族を手にかけてしまった容疑者たちに共通している言葉です。
大阪市の事件では、容疑者である夫と介護されていた妻は2人暮らし。妻の生活のすべてを夫がサポートして、身体的にも精神的にも負担が大きかったと考えられます。
また、江戸川区の事件では他の妹と分担して被害者の介護をしていたそう。もしかしたら、兄という立場上、「自分がしっかりしなければ」と気負っていたのかもしれませんね。
介護疲れで参ってしまう人の多くが責任感の強い人が多いと言います。そのため、「まだ大丈夫」「こんなことで相談してはいけない」と抱え込んでしまい、自分の疲れに気が付かないことがあります。
介護疲れ対策のはじめのステップは、自分の疲労のサインに気が付くことです。
「急にオムツやトイレのにおいが気になるようになった」「イライラして怒鳴ってしまう」「駐車が下手になる」など、五感が敏感になったり、気持ちが不安定になったり、注意力が散漫になっていると感じたら、疲れが溜まっているサインかもしれません。
こうした予兆があったら、ショートステイを活用して数日間でも介護から離れたり、ケアマネジャーなどの専門家に相談してみましょう。
介護サービスや専門家を活用することで「愛情がない」とか「介護のやり方が悪い」といったことはまったくありません。
これらを上手く活用して、介護する人もされる人も元気な介護環境を整えられるのが理想。気軽に利用していきましょう。
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