実は日本は世界2位の人工透析大国。国内の約34万人が人工透析を受けており、なかでも糖尿病と合わせて発症する「糖尿病性腎臓病」による透析患者数は全体の4割にもなります。
この糖尿病性腎臓病の重症化を防ぐために、金沢大学などの共同研究グループがAI(人工知能)を使った実証実験を開始することを公表しました。
この実証実験の結果をもとに、AIシステムの普及をおこなって多くの患者の生活の質の向上を目指すとしています。
金沢大学の和田理事・副学長らの研究グループは、糖尿病性腎臓病の重症化を予防するAIシステムの実証実験の開始を公表しました。
このシステムは、2019年8月から糖尿病性腎臓病が悪化・改善するメカニズムを金沢大学と東芝グループが共同で研究していたものです。
具体的には、金沢大学が長期にわたって研究してきた糖尿病性腎臓病のデータを、東芝のAIによって解析し、詳細なメカニズムを調べていました。
その後、SOMPOグループの研究の参加によって、同社の持つヘルスケアのノウハウなども組み合わさり、糖尿病性腎臓病が重症化するリスクを算出するAIシステムの開発に成功したそうです。
今回の実証実験では、研究の対象者それぞれの健康診断結果をAIが解析。それによって、対象者の良好な項目と改善が必要な項目が記載された「生活習慣の維持/改善目標シート」を作成します。
そして、そのシートを活用して管理栄養士が患者への保健指導を実施。さらに従来の健康指導も組み合わせることで、対象者の生活習慣などの変化を検証するそうです。
今後はこの研究のデータをもとに、このAIシステムの糖尿病性腎臓病の重症化予防効果を検証。医療機関や自治体、民間事業者が連携してプログラムの普及を目指すとしています。
研究グループによると、今回のAIシステムは「人をサポートする」もの。AIがすべてを判断するのではなく、専門家が指導・指示をするときの補助としての役割が期待されています。
つまり、健康を維持するためには「AIが判断してくれるから、すべて任せておけばいい」と思うのではなく、自分から生活習慣を変える努力もしなければならないということかもしれませんね。
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