ごはんや肉じゃが、ハンバーグなど和洋中問わず、幅広い料理が食べやすく調理されているレトルト介護食。食材を小さくきざんだりとろみをつけたりと、自宅ではなかなか手間のかかる介護食が温めるだけで準備できるのでとても便利ですよね。
そのなかでも珍しいのが、「吉野家」の牛丼の介護食。お店で食べる”あの味”はそのままに、噛む力が弱まっている人でも食べやすいように工夫されています。
また今回、この介護食の牛丼を移動スーパーで販売することになったそうです。
全国で1200店舗を展開している吉野家が、高齢者向けレトルト食品「やわらか牛丼の具」を移動スーパーで販売開始することを発表しました。
この牛丼は、吉野家のお店の味をそのままに、噛む力が弱まっている高齢者でも食べやすいように工夫。お店のものよりも牛肉・玉ねぎを細かくきざんだりとろみをつけたりと、介護食ならではの難しさがあったそうです。
特に難しかったのが塩分の調整。店舗の味付けよりも塩分量を少なくしつつ”吉野家の味”を再現する必要がありました。
そのため、吉野家の牛丼のたれを分析して、素材を置き換えたりして低塩とお店の味を両立させたそうです。
また、この牛丼を販売する移動スーパーは、全国で約950台もの軽トラックを稼働させている「とくし丸」。大型スーパーの出店で近くの商店街がなくなってしまったり、高齢になって買い物に遠出ができなくなった高齢者が多く利用するそうです。
「スーパーまで行くのは大変だけど、自分で見て選んで買い物をしたい」という高齢者が多く、ときには利用客のリクエストの商品を乗せることもあるそう。週に2回、同じ地域を回るため、そのような「御用聞き」の役割や「見守り」も兼ねているとのことです。
「高齢者が好きな食べ物」というと、天ぷらや寿司などの和食をイメージしがちですが、それだけではなくてハンバーガーなどのファストフードが好きな人も多くいるそうです。
吉野家が牛丼を販売してから約50年なので、当時から食べていた人が高齢になっていると考えれば自然なことなのかもしれませんね。
しかし、飲食店がある駅前まで行くのは高齢者にとっては大変だったり、介護施設に入居しているとファストフードを食べることはまずできません。さらに若者向けに作られているので、量が多すぎたり食べにくい点も問題です。
そのため吉野家のような、”ファストフードの介護食化”が高齢者に喜ばれるのかもしれません。
もうすでに「高齢者は和食が好き」という時代ではないみたいですね。
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