糖尿病の患者は、いわゆる”予備軍”の人も含めると全国で1000万人いると言われています。高齢化に伴ってこの数は増加していくと考えられています。
しかし、糖尿病はいまだに根本的な治療方法が確立していない病気でもあります。運動や食事によって、血糖値を正常値でコントロールできるようになることはありますが、完治とまではいかないようです。
そういった状況のなかで、アメリカの大学が糖尿病の根本治療につながる可能性のある治療法を開発。インスリンを分泌する細胞を増殖させる治療法だそうです。
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アメリカのマウントサイナイ医科大学の研究グループが発表したのは、2種類の医薬品を組み合わせることで、インスリンを分泌するβ細胞を増殖させる方法です。
インスリンとは膵臓内のβ細胞から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる働きがあります。糖尿病は、このインスリンの分泌量が少なくなったり働きが悪くなることで、慢性的に血糖値が高い状態になる病気です。
ちなみに高血糖の状態が続くと、血流が悪くなり視力障害や腎臓病、神経障害などが起こりやすくなります。
今回、研究グループが開発したのは、β細胞を増殖させる新しいアプローチの治療法。β細胞を1日5~6%の割合で増やせるそうです。
その治療法とは、開発中の「ハルミン」という薬と、糖尿病の治療に使われている「GLP-1受容体作動薬」という治療薬を組み合わせるというものです。
研究グループは、このハルミンがβ細胞の増殖を促す効果があることを実験で突き止めていました。そこで、血糖値を下げる働きのあるGLP-1受容体作動薬と併用することで、β細胞の増殖に成功したそうです。
今後の課題としては、「治療薬をβ細胞に確実に送ることで、他の細胞や臓器に作用して副作用が起こるのを防ぐこと」とのことです。
近年の糖尿病治療の研究は、血糖値を一時的にコントロールする方法から完治を目指す方向に変化しているようです。
ちなみに国内でも、低下した膵臓の機能を回復する研究が東大でおこなわれています。
東大の研究については、こちらの記事で紹介しています。
https://e-nursingcare.com/guide/news/news-5990/
これまで「治らない病気」とされてきた糖尿病も、これからは治る病気のひとつになるのかもしれませんね。
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