世界で最も高齢化が進んでいる日本では、認知度患者数も世界に先駆けて増加しています。
そこで、社会問題のひとつとされているのが、認知症高齢者の資産の増加。認知症などで判断能力が落ちている人の銀行口座は金融機関によって凍結されてしまうため、家族でも引き出せない状態になってしまうのです。
そうした状況を詳細に把握するために、三井住友信託銀行が認知症高齢者の保有する財産を推定額を算出。それによると、認知症高齢者の財産は2020年で約250兆円、2040年には約345兆円になることがわかりました。
三井住友信託銀行が発表したのは、認知症高齢者が保有する資産総額の推計。この資産は高齢化に合わせて増加していく見込みだそうです。
この推計によると、全国の認知症高齢者の資産総額は2020年で約250兆円、2030年には約314兆円、2040年には約345兆円まで増加するそうです。
さらに今回の推計では、都道府県別の認知症高齢者が保有する資産の割合も算出。金融資産の認知症高齢者の保有率は、東京は6.6%と全国で2番目に低い水準でした。対して、最も高いのは新潟の13.9%となりました。
東京都は、認知症高齢者が持つ金融資産額は全国1位ですが、保有率は低い結果に。いかに東京に日本の資産が集まっているのかがわかります。
なぜ、認知症高齢者の資産が増えていることが問題になるかというと、認知症の人の口座は凍結されて、誰も資産を使えなくなってしまうから。認知症によって意思能力が落ちていると判断されると、金融機関はその人の口座を凍結してしまうのです。
そして、家族が本人の通院費や介護費のためにお金を引き出そうとしても引き出せません。そうならないように、成年後見人制度を利用するなどの対策が必要です。
今後、日本ではさらに認知症患者が増えていくと推定されています。そのため、認知症の家族の資産を利用するために、成年後見人制度の需要が高まるでしょう。
しかし、制度が複雑なうえに財産の利用に制限がかけられているなどの問題で、まだ一般的になっていないのが現状です。
成年後見人制度の普及率や利用時の注意点について、こちらの記事で紹介しています。参考にしてみてください。
https://e-nursingcare.com/guide/news/news-7025/
ただ、医療費や介護費のためにお金が必要になるのも事実。「ややこしいから」と避けようとせずに、一度検討してみるのも良いかもしれませんね。
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