糖尿病は飲み薬の服薬などで治療するだけでなく、自分でインスリンを注射する治療法(インスリン自己注射)もあります。その自己注射の怖さからか、インスリンによる治療開始が遅れてしまう傾向にあるようです。
そうしたことを受けて、名古屋大学は6人の糖尿病患者に電話インタビューを実施。治療開始の後押しになる要因について調査しました。
名古屋大学がおこなったのは、インスリン注射治療を開始することの心理的ハードルについて実際の糖尿病患者へのインタビュー。6人の日本人患者に聞き取り調査をしています。
世界的にもインスリン治療の開始の遅れについて研究されており、この遅れのことを「心理的インスリン抵抗性」と呼ばれています。しかし、日本人の糖尿病患者における心理的インスリン抵抗性についての研究は少なかったそうです。
今回のインタビューの結果、心理的インスリン抵抗性を緩和するには、以下の3つの点が影響を与えることがわかりました。
一般的に、医師などからインスリン治療を勧められても抵抗を感じる患者が多いそう。そのため、信頼できる医師などからインスリンの利点・欠点などの説明を受けることが、心理的抵抗感を弱めることに効果的です。
また、インスリン注射の痛みへの恐怖なども治療開始のハードルに。そこで、医療従事者による実物を使った実演が抵抗感を緩和するのに有効だったそうです。
そして、最終的には「インスリン注射しか治療法がない」というあきらめが、インスリン治療法を開始するきっかけとなったという回答もありました。これは、特に血糖値のコントロールがうまくいっていない患者に顕著だったそうです。
糖尿病治療には、「心理的インスリン抵抗性」以外にも課題があります。
それは、高血糖であることがわかっていながら、受診できなかったり通院を続けられないことです。
糖尿病の初期段階では、食事管理や運動療法が治療の中心です。しかし、ライフスタイルを変更することが辛かったり仕事が忙しくて通院を止めてしまったりという理由で、治療を中断してしまう人がいるそうです。
もしかしたら「糖尿病治療=インスリン注射」というイメージがあり、自己注射の恐怖から治療ができなくなってしまう人もいるのでしょう。
そこで、今回の調査で指摘されている通り、医師や看護師からの適切なアドバイスやサポートがあると、「しょうがない」と覚悟を決められるのかもしれませんね。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。