糖尿病の治療をしている人の多くは、1日に摂取するエネルギー量を抑えるなどの食事療法によって血糖値のコントロールをしています。
しかし、それまでの自由なものから食事ががらっと変わるので食事療法が上手くいかないこともあり、栄養士による食事指導が重要です。
そこで、東京大学などの研究チームが個別化した食事指導についての調査を実施。その結果、これまで現場でおこなわれている食事指導に比べて個別化した食事指導の方が血糖値の改善効果があることがわかりました。
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東京大学などの研究チームは、「簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)」を使った個別の食事指導は従来の方法よりも血糖値が改善されることを明らかにしました。
この「簡易型自記式食事歴法質問票」とは、食品に関する約80問に答えることでその人の食習慣やどんなものを多く食べているのかなどを調査するもの。肉や野菜、お菓子などさまざまな食品を「1週間のうちに何度食べたか」を回答して栄養士が現在の食生活を把握します。
対して従来型の食事指導とは、あらかじめ設定された目標エネルギー摂取量や献立例をもとに患者に指導をおこなうもの。食生活の詳しい調査はおこなわず、当日の会話で得られた情報のみで栄養士が各自で判断して指導していました。
こうした2つの食事指導法を比較したのが今回の研究です。
個別化した食事指導のグループは、BDHQの結果をもとにした評価シートを使った指導を実施。従来型の食事指導グループは、1日に1600キロカロリー・1840キロカロリー・2000キロカロリーのうち1つの目標エネルギー摂取量を設定し、それに合わせた食事内容を指導しました。
その結果、個別化した食事指導グループの方が血糖値が低下。加えて、体重・中性脂肪・悪玉コレステロールが減少し、善玉コレステロールが増加する傾向があったそうです。
今回の研究のように、糖尿病の患者一人ひとりにあわせた食事指導をすることが理想ですが、実際の現場では業務量やシステムの都合上、難しい可能性があります。
現場でも一人ひとりにあわせた指導が望ましいことがわかっていながらも、それが実現できない実情もあるのでしょう。
ただ、もし個別化した食事指導をすることが当たり前になれば、それに合わせて環境が変わる可能性はあります。
今回の研究で、この食事指導法が糖尿病治療に効果的であることがわかったので、個別化した食事指導が標準になる取り組みが進むかもしれませんね。
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