今日4日、厚生労働省は新型コロナウイルスの感染者が発生した介護施設へ、24時間以内に医療従事者を派遣する体制を整え、施設療養をおこなう施設の支援をするように全国の自治体に要請を出しました。
厚生省の要請の詳細については、以下の記事で紹介しています。
https://e-nursingcare.com/guide/news/news-7447/
しかし、この要請について東京都医師会は「現状ではこれらの対策で安全なケアを提供できるとは考えづらい」と述べました。
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東京都医師会は、今月4日に厚生省が示した新型コロナの介護施設での新たな対策について「安全なケアを提供できるとは考えづらい」という考えを公表しました。
厚生省が示したのは、「感染者が発生した介護施設に医療従事者を24時間以内に派遣する」というもの。これまで高齢者が新型コロナに感染した場合は、「原則入院」としていましたが、施設での医療体制を充実させることで施設での療養も可能にすることが狙いです。
しかし、東京都医師会はこの対策に一定の評価をしつつも、介護施設の設備が療養するのに適していないことや、対応にあたる介護職員の精神的な負担が大きい点から否定的な考えです。
さらに東京都医師会では、都内の介護施設に施設療養をした際に苦労した点をアンケート。最も多かったのは「職員確保」で、「感染した入所者への対応」「ゾーニング(感染者のいるエリアとそうでない人のいるエリアを分けること)」などについても苦労したという意見があったそうです。
この結果をふまえて、東京都医師会は「介護職員の慢性的な不足」「常駐している医療従事者の少なさ」「薬や衛生品などの備蓄が少なさ」などを施設療養の課題に挙げています。
新型コロナに感染した介護施設の入居者は、入院するべきか施設療養するべきかが注目されています。
感染症の専門知識を持った医療従事者が介護施設に常駐できたり、防護服などの物資が潤沢に支給されれば、もしかしたら施設療養も可能かもしれません。
しかし、介護施設のクラスターが頻発すると、人材を派遣する医療機関も人手が足りなくなりますし、物資の数にも限界があります。そのため、現実的には厚生省が要請したような支援ができない可能性もあるのです。
ただ、第6波では入院したくてもできず施設療養を余儀なくされた高齢者も大勢いたことから、施設への支援を充実させるのも必要なこと。入院と施設療養の両軸で体制を充実されることに期待ですね。
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