”予備軍”も含めると、国内に約2000万人もの患者がいるとされている糖尿病。国民病とも言える病気ですが、糖尿病と診断されても受診をせずに治療しない人が多いことが課題とされています。
というのも、糖尿病の治療は食事や運動などの生活習慣を見直す必要があり、長期にわたることが多いから。これまでの生活習慣を変えることを面倒に感じて受診できないケースもあるそうです。
そこで、受診しない人の受診を促すために、東京大学が受診しない糖尿病患者の予測システムを開発。糖尿病患者のデータを大量に機械に学習させることで、予測が可能になったそうです。
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東京大学は、糖尿病と診断されても半年以内に受診しないケースの傾向を割り出し、受診しない人を予測するシステムを開発しました。
このシステムは、約1万人分の医療データを機械に学習させることで実現。それにより、糖尿病と診断を受けて半年以内に受診をしない人には、以下のような傾向があることがわかりました。
HbA1cとは、過去1~2ヵ月間の血糖値に関連する数値。血糖値はその日の食事や運動などの影響を受けて常に変動していますが、HbA1cは過去1~2ヵ月間の平均血糖値に影響されるので長期的な血糖値のコントロールの指標に使われています。
これまでにも、年齢や性別、飲酒頻度といった13項目をもとに、受診するかどうかを予測する方法もありました。しかし、それよりも今回の4項目を用いる方法の方が正確に予測できることがわかったそうです。
つまり、今回の方法の方が必要な情報が少なくなるため効率的に予測ができるうえに、正確性も上がるということです。
将来的には、「受診をしない人への働きかけなどにこの予測を活用し、受診率を上げていくことに期待できる」と研究グループはしています。
今回の研究グループによると、血糖値が高いために受診を勧められた人のうち、35%しか受診をしていなかったとのこと。糖尿病は初期段階では自覚症状が出ないことが多く、日常生活に支障がないので、受診しない人が多いそうです。
しかし、糖尿病は進行すると重大な合併症を引き起こすことも。例えば、失明や慢性的な腎臓障害に加えて、心筋梗塞などの命に関わる病気の原因になりかねません。
そのため、「血糖値が高め」と診断されたらまずは受診。治療薬を使わなくても血糖値が改善できることもあり、長い目で治療していく姿勢が大切です。
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