近年、地域住民の高齢化や過疎化、核家族化によって近所付き合いが希薄になりつつあります。
さらに、高齢化のみの世帯や単身高齢者世帯が増加。そのため、困ったときに頼れる相手がおらず、孤独感を感じている高齢者が増えているのです。
そこで、佐賀県佐賀市の町分地区では、有償ボランティアによる助け合い組織「町分おたがいさん」が発足しました。
この取り組みでは、電球交換や話し相手、草刈りなどといったことをボランティアに30分250円で依頼できるそうです。
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今月16日、佐賀県佐賀市の町分地区の公民館で助け合い組織「町分おたがいさん」の発会式がおこなわれました。
この組織は、町分地区の自治体が主体となって作られたもの。ボランティアが低額で住民の困りごとを引き受ける地域住民による団体です。
この組織のサポーターには、地域住民37人が登録。初めの1年間は、話し相手、草刈り、電球交換、ゴミ出しの4項目を中心に依頼を受けるそうです。
「町分おたがいさん」はボランティア団体ですが、依頼するのに料金が発生します。
依頼者は、1枚250円の4枚つづりのチケットを事前に購入し、サポーター1人30分の依頼ごとに250円を渡す仕組み。250円のうち50円は運営事務局の運営費となり、残りの200円がサポーターへの謝礼になります。
この取り組みで謝礼を取り入れたのは、「無料だと頼みづらい」という声があったから。依頼が減ってしまうと取り組み自体が継続できないので、少額でも費用が発生する有償ボランティアという形にしたそうです。
ボランティアというと「無料で手伝ってくれる」というイメージがありますが、有料で依頼する有償ボランティアという形も増えてきています。
というのも、「無料だと依頼しにくい」という依頼者からの声に加えて、「交通費や備品費がかかるから参加したくない」と参加者が集まりにくいという問題があるからです。
そのため、経費として謝礼を渡すことで依頼者も頼みやすくなりますし、交通費や経費の負担が減るので、参加者のハードルが低くなって人手が集まりやすくなります。
つまり、有償ボランティアの方が将来的に継続しやすい形と言えますね。
今回の「町分おたがいさん」のように、自治会で有償ボランティア団体を作るのは珍しく、どの地域でもできることではないかもしれません。
まずは、自治体が主導して取り組むと、有償ボランティアという助け合いの形が広まりやすいのではないでしょうか。
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