全国に患者が1000万人いるとされている糖尿病。そのなかの約25%は、治療のために受診をしていないという推計結果も出ています。
治療を受けない人が多い理由のひとつに、糖尿病の治療をするには、薬での治療の他に食事療法や運動療法など生活習慣を変える必要があることが挙げられます。
しかし、これらの治療を組み合わせることで血糖値の改善に大きな効果があることがアメリカの研究でわかりました。
その研究によると、血糖値を下げる薬と運動療法を組み合わせることで血糖値のコントロールが改善。さらに、高血糖によって低下した運動能力が回復するそうです。
Contents
アメリカのジョスリン糖尿病センターが、血糖値を下げる薬と運動療法を組み合わせることによる血糖値改善効果についての研究結果を発表しました。
この研究は、糖尿病のマウスに血糖値を下げる薬(SGLT2阻害薬)を投与する薬物療法と運動用ホイールを走らせる運動療法を並行しておこなったものです。
その結果、マウスの糖尿病は大幅に改善。さらに、マウスの筋肉を調べたところ、高血糖の状態が続くことで筋肉の反応が低下する原因の分子を筋肉内で見つけました。
つまり、長期間にわたって高血糖が続くと、筋肉の運動に対する反応が分子レベルで悪くなるということ。薬物療法と運動療法を組み合わせることで、運動能力の低下を防げるそうです。
今後、研究グループはどのように薬物療法・運動療法・食事療法を組み合わせると運動能力を改善するのに最も効果が高いかをみつける研究を予定しています。
血糖値の改善のために、運動が効果的なのは多くの人が知っていることでしょう。特に糖尿病の診断を受けている人や”糖尿病予備群”である血糖値が高めの人は「わかっているけど続かない」と感じているかもしれません。
ただ、今回の研究結果はこうした人に朗報ではないでしょうか。血糖値を下げる薬と運動を組み合わせることで血糖値の改善効果が大きくなり、より効果的な治療をおこなうことができるためです。
ちなみに、厚生労働省によると糖尿病の人に推奨される運動は、少なくとも週に3~5回のややきついくらいの中程度の有酸素運動。1回に20~60分間おこない、合わせて150分以上が目安だそうです。
この運動はウォーキングなどでも良いそうで、血中の糖の代謝を改善するためにできれば毎日おこなうと効果的。出かけるときに車や電車ではなく歩いて移動してみたり、負担の少ない形で続けていきたいですね。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。