2020年時点で、認知症を発症している人は約600万人とされており、その数は毎年増えていくと推定されています。
そこで、近年、問題となっているのが認知症高齢者を介護する家族のサポート。認知症の知識がないままに介護をすることになったために正しく対応ができず、精神的につらくなってしまう人も少なくないのです。
そこで、名古屋大学が認知症を介護する人同士が悩みなどを共有できるアプリ「私の介護」を開発。ユーザーはチャット機能を使って匿名でやり取りができるそうです。
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名古屋大学などの研究グループが、認知症の人を介護する家族などが利用できるアプリ「私の介護」の開発。現在はアプリの効果を調査するための研究に参加できる人を募集しています。
このアプリは、チャット機能でユーザー同士やケアマネージャーなどの支援者とやり取りができます。
例えば、現在おこなわれている研究では「認知症の夫が怒りっぽくなって困っている」という投稿に「気を紛らわせられるように、本人が好きなものを用意すると良い」というアドバイスや共感の声が返されているそうです。
また、支援者としてケアマネジャーも参加しており、介護の専門家に質問することも可能。さらに認知症の知識を学べるコラムも掲載されています。
このアプリの目的は、介護する人の負担を軽減して認知症の人の状態を良くすること。というのも、認知症の人の症状は、介護する人の対応や働きかけによって変化するものですが、介護者の中には認知症や介護の知識がないままに家族の介護をしなければいけなくなった人も多いのです。
そこで、このアプリを通じて必要な情報を手に入れたり悩みを共有することで、介護者の負担が少なくなったり認知症の症状が良くなることを目指しています。
全国的に「認知症カフェ」が広まりつつありますが、介護に悩んでいる人がそれを知らなかったり近くで開催されていなかったりとまだまだ活用しきれていない面があります。
加えて、介護と仕事を両立している場合だと認知症カフェに参加する余裕がないこともあるでしょう。
そういったときに、アプリで気軽に悩みを吐き出せるととても助かりますよね。アプリなら仕事や介護の合間にちょっとした息抜きでも見られますし、今回のアプリは匿名制なので個人が特定されずに投稿ができます。
もしかしたら「認知症カフェで、顔をあわせていると本音を話しにくい」という人でも、気楽に利用できるアプリになるかもしれませんね。
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