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過疎化や高齢化などが原因で人口減少が続く福島県では、介護・福祉分野においても人手不足に悩んでいる事業所が少なくありません。そこで福島県では、外国人人材の積極的な登用を推進。その結果、10年前と比べて介護・福祉分野で働く外国人人材の数は10倍になったことがわかりました。 福島県で外国人人材の積極的登用が進む 福島県がおこなった調査によると、県内の要支援・要介護者認定者数は2022年9月末時点で11万3968人であることが判明。介護保険制度が始まった2000年の4万1622人と比べると、大幅に増加していることがわかります。 以上のように介護業界における人材の確保が急務となる中、県は老人福祉施設協議会に委託して、面接会や説明会など、外国人人材と介護施設をつなげるマッチングの場を設けているといいます。 その結果、県内の「社会保険・社会福祉・介護事業」分野で働く外国人は、286人に上りました。これは、10年前のおよそ10倍にもなる人数です。関係者は「福島県の介護現場で働く外国人は今後も増えていく」としています。 一方、外国人人材を受け入れる施設側からは「外国人向けの指導要綱が確立されていないため、育成は手探りの状態だ」「指導のノウハウを共有できる場を増やしてほしい」などの声が挙がっているそうです。 外国人人材の受け入れ窓口になっている老人福祉施設協議会の事務局長は、「(外国人受け入れに対する理解の促進や外国人同士の交流の場を設けるなど)外国人が働きやすい環境の整備に努めていく」と話しています。 「施設の世界観が広がった」好意的な声 福島県福島市にあるとある介護事業所では2021年から外国人人材を採用しており、現在はベトナム、ネパール、ミャンマー、中国から来日している計17人が働いているそうです。 利用者が聞き取りやすいように、ジェスチャーを交えながらゆっくり話しかけたり母国の文化を紹介したりして、利用者と打ち解けていく外国人スタッフの姿を目の当たりにした職員は「異文化の風によって、施設の世界観が広がった」と好意的です。 今後、日本各地の介護事業所で外国人人材の受け入れがおこなわれていくことが見込まれています。利用者と外国人人材ともに過ごしやすい環境をつくっていってほしいですね。
2023/10/10
高齢者施設の運営などをおこなっている株式会社サンガジャパンは、子どもを持つスタッフがより働きやすい環境を目指して「子連れ出勤」を推進。働き手不足が深刻になる「2025年問題」を目前に、労働環境の整備を図るねらいです。 2025年問題とは そもそも、「2025年問題」とはどのような問題なのでしょうか? 2025年問題とは、1947~1949年に生まれた団塊世代の人が全員75歳以上の後期高齢者になることで起こる問題のこと。内閣府の調査によると、2025年には75歳以上の後期高齢者の人口が2180万人に達すると予測されています。実に、国民のおよそ5人に1人が75歳以上となる計算です。 以上のように、高齢化社会が高度に進展することで、働き手不足や医療・介護体制のひっ迫などが懸念されているのです。 「子連れ出勤」でより働きやすい環境に サンガジャパンが運営している高齢者施設「翔裕館(しょうゆうかん)」では、勤務の際に子どもを連れてくることが可能。施設内でお手伝いをしてもらうことで、子ども自身も心理面で職場に滞在しやすくなり、レクリエーションもより活発化するそうです。 子どもにしてもらう「お手伝い」は、工作などのレクリエーションの補助やテーブル拭きなどさまざま。施設の利用者にとっても、小さな子どもがいることが刺激になるようで、普段は無口な人が積極的に子どもに話しかける場面も見られるといいます。 また、今までは子どもの預け先が見つからなければ仕事を休まなくてはならなかったスタッフが、子連れ出勤制度が導入されたことで勤務可能に。シフトの穴を開けずに済むようになったため、受け入れ側にとってもメリットがあるといいます。 異世代間で交流する場をつくることは、利用者のコミュニケーション力の維持と向上にもつながります。今回のような取り組みがさらに多くの施設でおこなわれるようになれば、利用者もより楽しく毎日を過ごせるようになりそうですね。 参考:「労働力不足、医療人材不足、社会保障費の増大——間近に迫る「2025年問題」とは?」(日本財団ジャーナル)
2023/10/03
NPO法人未来をつくるkaigoカフェは、ケアマネジャーが集まってお互いのスキルを高めていく新たなプラットフォーム「未来をつくるケアマネcafe」を創設することを明らかにしました。原則として、すでにケアマネジャーの資格を持っている人、もしくはこれから資格取得を目指す人が対象だといいます。 コミュニティに参加すると、2ヵ月に1回開催される専門講座とそのアーカイブ視聴、参加者同士の勉強会、非公開フェイスブックグループなどに参加できるそうです。 また、現在予定される専門講座の概要は以下のとおりです。 10月16日:「ケアマネに求められるコミュニケーション力とは」 12月22日:「知っておきたい2024年介護保険制度改正」 2024年2月21日:「医療との連携に必要なことは」 専門講座はコミュニティに所属していない一般の人も参加可能な形で開催するとしています。 未来をつくるkaigoカフェとは NPO法人未来をつくるkaigoカフェは、これまでにも介護業界で働いている人々が対話できる場として、「未来をつくるkaigoカフェ」というイベントを度々開催してきました。 2012年にこの事業を開始してから現在にいたるまで、介護関係者を中心に、のべ3万人以上が参加。都内のカフェで月に1回、介護や医療に関するグループワークをおこなったり専門家を招待して講演会を開いたりしているそうです。 また、通常のkaigoカフェ開催のほか、小・中・高校での介護にまつわる出張授業、専門学校や大学でのキャリアアップ勉強会や公園なども手がけてきたといいます。 NPO法人未来をつくるkaigoカフェの代表を務める高瀬比左子氏は「この活動を通じて、高齢になっても、障害を持っても、自分らしく豊かに生きられる人を増やしていきたい」と話しています。 kaigoカフェは50を超える全国の拠点で開催されているといいます。多くの介護に携わっている人が参加していけば、より高齢者が豊かに生きられる社会をつくっていけそうですね。 参考:「NPO法人未来をつくるkaigoカフェ」
2023/09/29
2023年8月30日、大阪府の吉村洋文知事が記者会見を開催。介護や福祉、保育関係で働いている職員に対し、1人あたり2万円のギフトカードを配布する方針を明らかにしました。 また、配布するギフトカードの財源を盛り込んだ、今年度の補正予算案を9月の府議会に提出するといいます。 介護などの職員にギフトカードを配布 8月30日に開かれた記者会見にて、大阪府の吉村知事は介護や福祉、保育などの現場で働く職員に対し1人2万円分のギフトカードを配ることを発表。厳しい物価高騰が続く中で、新型コロナウイルスとの戦いも続いていることを踏まえた措置だと考えられます。 会見で吉村知事は「介護や福祉、保育などの仕事に従事されている方々へ、コロナ禍が残る緊張感の中で働いていただいていることに感謝する。十分なものではないかもしれないが、支援策を講じることにした」と述べています。 ギフトカード配布の対象者は40万人以上に 今回、2万円分のギフトカードが配布される対象者は、公務員を除き、大阪府内で介護や福祉、保育などの現場でサービスを提供しているすべての職員。その人数は約41.4万人に上るとみられています。 ギフトカードは、対象領域の施設や事業所を通じて職員に配布する仕組みを想定。実際に配布する時期は2023年12月~2024年2月頃を予定しているそうです。また、予算はおよそ87億円に上るといいます。 吉村知事は会見の中で、数あるエッセンシャルワーカーの中でも介護や福祉、保育の領域で働いている職員の収入が特に上がりにくい現状について言及。「国を挙げて、給料を上げていかなければならない。政府にはぜひ実行してもらいたい」と述べました。 ギフトカードの配布は喜ばしいことですが、根本的な解決にはつながらないのも事実。手厚いケアをおこなえる体制をつくっていくためにも、国には介護報酬の引き上げなどより抜本的な対策を打ち出していってほしいですね。
2023/09/19
介護業界における働く環境の整備や改善などに取り組んでいる、日本介護クラフトユニオンは夜間・深夜勤務の実態に関する調査を実施。その結果、約半数の介護職員が夜勤中に休憩を取れていないことが明らかになったのです。 組合員の夜勤の実態を調査 介護業界で働く人々で構成されている日本介護クラフトユニオンは、組合員の就業意識や勤務の実態を把握するための調査をおこないました。今回の調査の要領は以下のとおりです。 調査期間:2023年3月23日~4月28日 調査方法:月給制組合員、時給制組合員それぞれに調査票を配布 回答数:6010人 約半数の職員は休憩が取れず アンケートの中で、夜勤をしている介護職員に対して、夜勤中に休憩を取れているかどうかを尋ねたところ、月給制組合員・時給制組合員のどちらも約半数の人が「休憩を取れていない」と回答していたことが明らかになりました。 夜勤中に休憩を取れていない人にその理由を尋ねると、月給制組合員の61.7%、時給制組合員の79.3%と多くの人が「1人夜勤のため、職場から離れられないから」と回答したことが判明。ほかにも「利用者の対応に追われているから」「記録などの事務処理をしなければならないから」「職場の人数が少ないから」などの回答が目立ちました。 次に、「夜勤によって心身に悪影響が生じたか」と尋ねたところ、夜勤と日勤を交互に繰り返すことが多い月給制組合員の半数以上が「影響があった」と回答したことがわかりました。 具体的な影響を尋ねると、月給制組合員の86.2%とほとんどの人が「疲れが取れない」と回答。それから「眠りが浅くなった」「集中力が低下した」「イライラするようになった」などの回答が続きました。 さらに、「夜勤を安全に働くために必要な対策は何か」と尋ねました。すると、月給制組合員・時給制組合員のどちらも「夜勤の人数を増やす」という回答が最多に。続いて「休憩時間を取れるようにする」「次の日にきちんと休みが取れるようにする」といった意見が挙がりました。 1人勤務はご利用者のだれかが急変したときに、ほかのご利用者を見られなくなるなどのリスクが高まります。ご利用者が安全に過ごせる環境をつくっていくためにも、人員の基準を見直してほしいですね。 参考:「2023年度 就業意識実態調査 速報版」(UAゼンセン日本介護クラフトユニオン)
2023/09/13
サステナブルな衣料品ブランドを展開する株式会社アダストリアが、「もくせい」という特別養護老人ホームの介護職員用ユニフォームを作成。速乾性と伸縮性を生かした素材を使用し、スタッフが職務にまい進できるデザインに作り上げたといいます。 アダストリアが特養のユニフォームを製作 今回、衣料品ブランドを展開するアダストリアは、茨城県水戸市にある特別養護老人ホーム・救護施設もくせいの介護職員用ユニフォームを製作したことを発表。この製作にあたり、同社のプロジェクト「Play Fashion! for ALL」が監修したそうです。 もくせいは「Play Fashion! for ALL」が掲げる、「年齢やジェンダー、障害にかかわらずファッションが楽しめる社会を創りたい」という理念に共感し、アダストリアにユニフォーム製作を依頼。約1年半にわたって開発したといいます。 機能性とファッション性を備えたユニフォーム アダストリアは、介護職員のユニフォーム製作にあたって、介護職の特性やスタッフ一人ひとりの要望を聞き取りながら開発したといいます。 約1年半を経て製作したユニフォームには、アダストリアが独自に開発した「cotatto®」という新素材を使用。この素材は速乾性と伸縮性に優れているため、服が汚れたり濡れたりして洗濯することが多い介護職員のユニフォームに最適だとしています。 また、介護職員は常に手が空いている必要があるため、申し送りなどに使うペンやメモ帳などを収納できるように、ユニフォームのポケットは大きめに設計したそうです。 特養は、ほかの形態の介護施設以上に介助をおこなう場面が多くなるため、怪我をしないように動きやすいデザインのユニフォームを着用する必要があります。アダストリアが開発した今回のユニフォームなら伸縮性に優れているため、スムーズな介助ができそうですね。
2023/09/04
岡山県赤磐市にある特別養護老人ホームで介護職員による虐待が発生。入居者の要求を無視したり著しい心理的な苦痛を与えたりしたとして、事業所に対して入居者の新規受け入れ停止の処分が下りました。 赤磐市の特養で職員による虐待が発生 赤磐市の発表によると、市内の特別養護老人ホームで従業員4人による高齢者虐待が、少なくとも1年以上にわたって続けられていたと言います。 報告された主な虐待内容は以下のとおりです。 車椅子で眠っている入居者に声かけをしないまま、通常の速度以上で車椅子を押して、段差でつまずき転倒させる 入居者がトイレの介助を依頼した際に「自分で行けるだろ」「お金を出せ」などと言う 入居者の介護の依頼を無視する ガーゼの交換を1週間怠り放置。悪臭がしたため患部を確認すると、床ずれができていた 赤磐市は以上のような行為を、介護保険法78条の「要介護者の人格を尊重する義務」に違反するとして、この施設を運営している事業所に対して、2023年8月1日~2024年1月31日まで新規入居者の受け入れを停止する処分を下しました。 赤磐市の友實武則市長は「弱い立場にある入居者に対する虐待行為は許されない。適切な運営がなされるように、厳重に指導をおこなっていく」と話しています。 適切な介助をしているか見直しが重要 岡山県は、介護者による高齢者虐待を防ぐためのガイドラインを作成しています。このガイドラインでは、以下のような行為が虐待にあたると定めています。 身体的虐待:高齢者の身体に外傷が生じるおそれのある暴行を加える行為(入居者を殴る、蹴る、打撲させるなど) 心理的虐待:高齢者に対する著しい暴言を吐いたり、拒絶的な対応を取ったりして、精神的な苦痛を与える行為(怒鳴る、恥をかかせるなど) 介護や世話の放棄(ネグレクト):高齢者の介護や世話を放棄して、衰弱させる行為(部屋のごみを放置して劣悪な環境で生活させる、食事を与えないなど) 性的虐待:合意を取らないままおこなうあらゆる性的行為(裸にして放置するなど) 経済的虐待:高齢者の財産を不当に使用したり処分したりする行為(本人の自宅を無断で売却するなど) 虐待が起きにくい施設かどうかを見極めるには、その場の雰囲気を観察することが重要です。職員同士のコミュニケーションが円滑におこなえていないような施設は、虐待が起こるリスクが高まると言えます。施設の入居を予定している身近な高齢者がいる人は、一度見学に行って雰囲気を観察してみると良いかもしれませんね。 参考:「岡山県高齢者虐待防止ガイドライン」(岡山県保健福祉部長寿社会対策課)
2023/07/18
熊本県熊本市の高齢者施設で、職員が入居者のキャッシュカードを使って現金150万円を不正に引き出すという事件が発生しました。 この事件の容疑で逮捕されたのは、施設で勤務していた27歳の介護福祉士の男。警察の調べに対し、容疑を認めているそうです。 介護職員が入居者の現金を盗み取る 警察などの調べによると、介護福祉士として高齢者施設で働いていた男は2023年3~4月の間、施設に入居していた女性の名義のキャッシュカードを無断で使用。ATMから3回にわたり、合計150万円の現金を引き出した疑いが持たれています。 警察の調べに対して、男は「生活費やギャンブルに使う金が欲しかった」と容疑を認めているそうです。 警察はさらに詳しく調べていく方針です。 経済的な搾取も虐待の一種 「高齢者虐待」は、殴ったり蹴ったりする身体的虐待のみを指す言葉ではありません。今回の事件のように、高齢者の金銭を無断で使用することも「経済的虐待」という虐待の一種に該当します。 具体的には、以下の5つが高齢者虐待に当たります。 身体的虐待:暴力を振るう、食事を無理やり食べさせる、不当に身体を拘束するなど 心理的虐待:暴言を吐く、高齢者の言葉を無視する、怒鳴って威圧するなど 経済的虐待:高齢者の金銭を無断で使用する、本人の金銭の使用を理由なく制限するなど 性的虐待:無断で裸の写真を撮る、合意なく性的行為を強要するなど 介護放棄(ネグレクト):本人が必要とする介護サービスを受けさせない、必要な介助をおこなわないなど 介護職員による虐待や窃盗などを防ぐためには、職員同士がスムーズにコミュニケーションを取れていることが大切。各都道府県では、第三者視点からその高齢者施設が適切に運営されているか、職場環境が良好かなどを調査する「第三者評価」がおこなわれています。 この第三者評価は有料で、受けるかどうかはその施設次第。逆に、第三者評価を受けている施設は適切に運営されていることが多いと言えます。 各都道府県の第三者評価のホームページで、どこの施設が評価を受けているかを調べられるため、もし身近な人で施設に入居予定の人がいたら調べてみると良いかもしれませんね。
2023/06/22
佐賀県唐津市の高齢者施設で、70代の男性入居者が介護職員に暴行されるという事件が発生。2023年6月2日、24歳の元介護士の男が男性入居者を何度も殴った疑いで逮捕されました。 佐賀県の高齢者施設で虐待発生 警察の調べによると、2022年11月、容疑者の男は当時働いていた唐津市の介護老人保健施設(老健)で、70代の男性入居者の顔や腹などを何度も殴った疑いが持たれています。 警察は2023年5月下旬に、「介護職員が入居者を暴行している可能性がある」という情報を確認。それから捜査を進めていくうちに容疑者を特定し、今回の逮捕に至ったということです。 警察の調べに対し、男は暴行の容疑を認めていると言います。今後、警察はさらに詳しく調べていく方針です。 「虐待の芽チェックリスト」で定期的に確認 今回のような、介護職員による高齢者虐待を防ぐためには、「虐待の兆候」を事前に察知して、早期に対応策を考えていくことが重要です。 東京都福祉保健財団は、虐待を未然に防ぐことを目的に「虐待の芽チェックリスト」を作成。チェック項目を確認し、自分の介助の中で当てはまる行為があったら直していくように求めています。チェックリストの主な内容は以下のとおりです。 利用者を子ども扱いしていないか 利用者に対して威圧的な態度や命令口調で接していないか 利用者の呼びかけを無視したり、意見や訴えに否定的な態度を取ったりしていないか 利用者やその家族の悪口を言っていないか 利用者に対して乱暴で雑な介助をおこなっていないか ほかの職員に仕事の相談ができないなど、職場でのコミュニケーションが取りにくくなっていないか 高齢者虐待を防ぐために意外と重要なのが、職場でのコミュニケーション。職員たちが良い雰囲気で仕事している施設では、虐待は起こりにくいものです。もし、これから身近な人が高齢者施設に入居する場合は、事前に雰囲気を確認しておくと良いかもしれませんね。 参考:「養介護施設従事者等による高齢者虐待防止に役立つ資料等のリンク集」(東京都福祉保健財団)
2023/06/08
さまざまな介護器具の開発などを手がける日本ケアリフト株式会社が、移動アシスト付きの床走行型リフト「SOEL MX-Air」を2023年5月に発売することを明らかにしました。 介護者が移動させたい方向にリフト本体を動かすアシスト機能が備わっているため、力をほとんど使わずに介助可能だとしています。 「SOEL MX-Air」の開発に至った背景 開発担当者によると、これまで使用されてきた従来型の床走行型リフトは、高齢者などの要介護者をリフトで吊り上げた状態での移動に力やコツが必要で、介護者への負担が大きかったそうです。そのため、介護現場であまり活用されていない実情がありました。 日本ケアリフトは、このような課題を解決すべく新しい床走行型リフトの開発に着手。その結果誕生したのが、「SOEL MX-Air」の前身となる「SOEL MX」です。 「SOEL MX」は、従来のリフトよりも軽い力で移動できるようになったと言います。しかしながら、移動にコツが必要だったり、使用する場所の床材によっては走行が難しいといった課題が残されていました。 「SOEL MX-Air」の特徴 前身の「SOEL MX」に大きな改良点を加えて開発されたのが、今回の「SOEL MX-Air」です。床走行型リフトにロボット機能を搭載したことで、より安全かつ負担なく介助できるようになったと言います。「SOEL MX-Air」で新たに備わった機能は以下のとおりです。 介護者のハンドル操作に合わせて進行方向をセンサーが感知する「アシスト機能」 突然の走行を防止し、より安全な移動を実現した「スロースタート/ストップ機能」 バッテリーの異常や故障を感知して音声で通知する「音声アナウンス機能」 現在、まだまだ多くの介護施設では、車椅子への移乗などは人力でおこなっています。しかし、無理な体勢のまま介助して腰を痛める介護士や、身体に大きな力がかかって怪我をした利用者も少なくありません。 「SOEL MX-Air」がこれから普及していけば、より安全な介助が実現できそうですね。
2023/05/18
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。