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空気清浄機などをはじめとした家電の製造・販売を手がける株式会社シリウスは1月17日、ベッドで寝たまま体を洗えるシャワーを開発したことを明らかにしました。 利用者に吹き付けたお湯をすぐに吸引することで、布団やシーツを濡らさずにシャワーを浴びることが可能だと言います。 寝たまま体を洗えるシャワーが新発売 2024年1月17日、家電スタートアップのシリウスは、ベッドで寝たまま体を洗えるシャワー「スイトルボディ」を開発したと発表。シリウスによると、ベッド上で体を洗えるシャワーは世界初だと言います。 具体的には、「スイトルボディ」は体に吹き付けたお湯をすぐに吸引できる仕組みになっていて、それで周囲を濡らすことなくシャワーを浴びられるのだそうです。 また、別売りのノズルを取り付けることで洗髪も可能。シャワーは掃除機のような形状になっていて、持ち運びもしやすくしたと言います。 現在、すでに千葉県内にある一部の特別養護老人ホーム(特養)などに試験導入を実施しているとのこと。今後は特養や訪問介護事業所、医療機関などに販売していくと言います。 さらに、将来は台湾や中国などアジア4つの国と地域への展開も計画しているのだそう。シリウスの亀井隆平社長は「ベッドに寝かせたまま全身を洗える新しいお風呂の選択肢として広まってほしい」と話しています。 入浴介助が介助者の大きな負担に 転倒のリスクが高く、利用者の全身を支える必要がある入浴介助は、介助者にとって心身ともに大きな負担のかかる業務のひとつです。 2017年に学術誌「老年看護学」で発表された研究の中で、300ヵ所以上の対象施設の職員に対して入浴介護について感じていることを尋ねたところ、「腰部への負担が大きく、腰痛者が多い」「長時間かけて大人数の入浴介助をおこなうため負担が大きい」など、介助者への負担を指摘する声が多くみられたことが明らかになりました。 また、「入浴にかける時間が足りない」「ゆったりとした入浴ができない」など入浴介助に多くの時間がかけられないという声も目立ちました。 今回紹介した「スイトルボディ」なら、浴室まで連れていかずに寝たままで入浴できるため、これが普及していけば介護度が高い利用者にもより安全かつ簡単に入浴を楽しんでもらうことができそうですね。 参考:「介護保険施設における入浴ケア体制の実態調査」
2024/01/26
介護用品の開発やサービス提供を手がける株式会社abaは、ベッドに敷くだけで排泄を感知するセンサー「Helppad」の後継機「Helppad2」の販売を10月30日から開始しました。 「Helppad2」は第一世代が発売されてから数年にわたっておこなわれてきた、ユーザーからのフィードバックを基に改良したものになっているといいます。 排泄を感知するセンサー「Helppad」の次世代機を発売 2023年10月30日、株式会社abaはおむつを開けずに、利用者の排泄状況がわかるセンサー「Helppad」の次世代機「Helppad2」をリリースしました。 「Helppad2は、『おむつを開けずに中の様子が見たい』という介護士の声を反映した製品だ」と語るのはabaのCEOを務める宇井吉美さん。ベッドに敷くだけで、利用者の排泄状況がわかるようになっているといいます。 ベッドに敷くだけで利用者の排泄を検知 Helppad2はシーツのようにベッドに敷くタイプのセンサー。その上で利用者が排泄すると、センサーがにおいを検知して介護士に通知するシステムになっています。おむつを開けずに排泄状況がわかるため、介護士の負担が軽減されるといいます。 また、abaは食品や消臭剤などの「排泄物以外のにおい」と「排泄物のにおい」の区別をさせるため、排泄時のセンサーの反応データを大量に取得。排泄時のみセンサーが反応するように、アルゴリズムを調整し続けたそうです。 さらに、汚れることも想定していて、速乾性のあるカバーは洗濯可能。パッドとセンサーベルトには防水加工が施されているため、排泄物で汚れてしまっても、アルコールなどを湿らせた布などで拭き取れるといいます。 排泄介助は介護者のみならず、介護される側にも心身ともに多大な負担がかかります。実際、排泄介助をされるのが嫌で、排泄しても介護士に伝えないという人も少なくありません。今回紹介した「Helppad2」ならおむつを開けずに排泄状況が確認できるため、利用者の心身への負担も減らしていけるかもしれませんね。
2023/11/07
介護用ベッドの最大手であるパラマウントベッド株式会社は、睡眠などの利用者の状態を、リアルタイムで把握できる見守り支援システム「眠りCONNECT」を10月2日に発売。このシステムを導入してもらうことで、介護現場の業務負担の軽減やケアの質の向上につなげていきたいとしています。 見守り支援システム「眠りCONNECT」とは 2023年10月2日、パラマウントベッドは新たな見守り支援システム「眠りCONNECT」をリリースしました。 「眠りCONNECT」では、マットレスの下に敷くことで利用者の体の動きを検知するセンサー「眠りSCAN」を使用。利用者の体の動きから、心拍数や呼吸数などの利用者の睡眠状態を算出し、遠隔でスタッフとデータの共有ができるといいます。 利用者の睡眠状態をリモートでモニター可能 見守り支援システム「眠りCONNECT」を使えば、覚醒や起き上がり、離床などの利用者の睡眠状態をリモートでモニター可能。利用者の状態が変化したときや心拍数・呼吸数が異常を示したときは即座に端末に通知されるため、スピーディーな対応ができるようになるといいます。 また、睡眠や覚醒状態に加えて、利用者がベッドにいればいつでも呼吸数や心拍数を確認可能。それぞれのデータは日誌として継続的に管理できるため、ケアの改善や効果の検証にも活用できるとしています。 さらに、それぞれのデータを管理しやすいように、利用者の睡眠状態を法人全体、施設ごと、ユニットごとから選択して表示できるようになっているとのこと。施設ごとやユニットごとに利用者の睡眠状態を分析することで、適正な人員配置につなげられるとしています。 現在の人員配置基準のまま、ケアをよりスムーズかつ安全におこなえるようにするためには、デジタルテクノロジーの導入が不可欠です。今回紹介した見守り支援システム「眠りCONNECT」が普及していけば、利用者の事故を今より減らせていけるようになりそうですね。
2023/10/05
以前の記事で、腰の負担を軽減するアシストスーツ「楽衛門」について紹介しました。今回はその続報です。 株式会社ラクエモンは、アシストスーツ「楽衛門」の二代目を開発したことを明らかにしました。日本ビジネスリサーチが、アシストスーツに興味がある労働者109人を対象におこなった調査によると、対象者のうち94%の人が「『二代目 楽衛門』を推奨する」と回答したと言います。 アシストスーツ「二代目 楽衛門」を製作 ラクエモンは、アシストスーツ「楽衛門」の二代目をリリースしました。アシストスーツにはゴムのような伸縮素材を使用。身体の動きに合わせて伸びた伸縮素材が元に戻ろうとする力を活かして、腰の曲げ伸ばしをサポートするのだそうです。 「二代目 楽衛門」は、「軽くてスタイリッシュなデザイン」、「フィット感とアシスト力」、「幅広いサイズに合わせた縫製技術」をテーマに開発。無駄を極力排除することで、軽量化に成功したと言います。 「二代目 楽衛門」の特徴 ラクエモンは、「二代目 楽衛門」には以下のような特徴があると言います。 約800gと軽いため、長時間使用しても疲れにくいデザイン スタイリッシュなデザインで、男女ともに使用可能 3層構造の伸縮素材で、腰の曲げ伸ばしをアシスト 幅広いサイズに対応 速乾性に優れ、洗濯も可能 これから、高齢化社会が進むにつれて、高齢者が高齢者を介護する「老老介護」のケースが増えてくると指摘されています。入浴・排泄介助や車椅子とベッド間の移乗など、介護にはどうしても力が必要な場面もあり、力が足りないと落下や転倒などのリスクが高まります。 安全な介助ができる環境を整備していくためにも、「楽衛門」のようなパワースーツがさらに普及していくと良いですね。 参考:「二代目 楽衛門」(楽衛門Story)
2023/07/12
さまざまな介護器具の開発などを手がける日本ケアリフト株式会社が、移動アシスト付きの床走行型リフト「SOEL MX-Air」を2023年5月に発売することを明らかにしました。 介護者が移動させたい方向にリフト本体を動かすアシスト機能が備わっているため、力をほとんど使わずに介助可能だとしています。 「SOEL MX-Air」の開発に至った背景 開発担当者によると、これまで使用されてきた従来型の床走行型リフトは、高齢者などの要介護者をリフトで吊り上げた状態での移動に力やコツが必要で、介護者への負担が大きかったそうです。そのため、介護現場であまり活用されていない実情がありました。 日本ケアリフトは、このような課題を解決すべく新しい床走行型リフトの開発に着手。その結果誕生したのが、「SOEL MX-Air」の前身となる「SOEL MX」です。 「SOEL MX」は、従来のリフトよりも軽い力で移動できるようになったと言います。しかしながら、移動にコツが必要だったり、使用する場所の床材によっては走行が難しいといった課題が残されていました。 「SOEL MX-Air」の特徴 前身の「SOEL MX」に大きな改良点を加えて開発されたのが、今回の「SOEL MX-Air」です。床走行型リフトにロボット機能を搭載したことで、より安全かつ負担なく介助できるようになったと言います。「SOEL MX-Air」で新たに備わった機能は以下のとおりです。 介護者のハンドル操作に合わせて進行方向をセンサーが感知する「アシスト機能」 突然の走行を防止し、より安全な移動を実現した「スロースタート/ストップ機能」 バッテリーの異常や故障を感知して音声で通知する「音声アナウンス機能」 現在、まだまだ多くの介護施設では、車椅子への移乗などは人力でおこなっています。しかし、無理な体勢のまま介助して腰を痛める介護士や、身体に大きな力がかかって怪我をした利用者も少なくありません。 「SOEL MX-Air」がこれから普及していけば、より安全な介助が実現できそうですね。
2023/05/18
荷降ろしのサポート製品の開発などを手がけるユーピーアール株式会社は、2023年4月19日から介護・病院向けのアシストスーツ「サポートジャケットBb+FIT ケアタイプ」を発売することを明らかにしました。 また、この商品は4月19日~21日におこなわれる「バリアフリー2023」で試着体験ができるとしています。 「サポートジャケットBb+FITケアタイプ」の開発に至った背景 ユーピーアールは2014年にアシストスーツを発売。それから、介護施設や病院などでアシストスーツの普及活動を実施しました。その過程で聞き取り調査をおこなったところ、アシストスーツの胸部パーツや介助者の胸部・腹部が、介助される人に当たってしまうなどの声が挙がったそうです。 そこでユーピーアールは、アシストスーツの前面にフロントカバーを装着。介助者と被介助者の負担をさらに減らした「サポートジャケットBb+FIT ケアタイプ」を開発することにしたのです。 「サポートジャケットBb+FITケアタイプ」の特徴 介助するときはどうしても中腰や前傾姿勢になることが多いため、腰や背中に大きな負担がかかりやすくなります。そこで、介助による身体への負担を和らげるため、「サポートジャケットBb+FIT ケアタイプ」では人間工学に基づいて以下の機能を搭載したそうです。 フォームナビ機能:負担がかかりにくい姿勢に誘導する機能 ランバーサポート機能:腰ベルトで、腰痛の原因となる腰椎への負担を軽減する機能 マッスル機能:パワーベルトで筋力を補助する機能 また、アシストスーツの前面をフロントカバーで覆うことで、スーツのパーツが被介助者の顔や頭に接触するリスクを回避したとしています。 「バリアフリー2023」について 今回紹介した「サポートジャケットBb+FIT ケアタイプ」は、総合福祉展「バリアフリー2023」にて試着体験が可能だそうです。 その「バリアフリー2023」の概要は以下のとおりです。 名称:バリアフリー2023(第29回 高齢者・障がい者の快適な生活を提案する総合福祉展) 会期:2023年4月19日~21日 10:00~17:00 会場:インテックス大阪 このようなアシストスーツがさらに広まっていけば、より身体に負担をかけずに介助できるようになりそうですね。 参考:「サポートジャケットBb+FIT ケアタイプ」(ユーピーアール株式会社)
2023/04/19
包丁など刃物の製造をおこなっている三星刃物株式会社は、食べ物をつまんでテーブルでカットできる、はさみとトングのセット「OTOMO」の一般向けの展示会を開くことを明らかにしました。 展示会は、2023年2月15~17日に、東京ビッグサイト内でおこなわれる「中小企業総合展」の中で実施されました。 はさみとトングのセット「OTOMO」の特徴 「OTOMO」は持ち運び可能なトングとはさみのセット。小型なので、テーブルの上で食べ物をつまんで、自分が食べやすい大きさにカットできます。 担当者によると、「OTOMO」は「年齢を重ねても家族や友人と同じ食事がしたい」という声から開発が始まったそう。これなら、食べ物を噛む力が衰えた高齢者も、外出先などで気軽に利用できそうです。 また三星刃物ははさみを長く使ってもらうために、無料の研ぎ直しサービスも実施しているととしています。 「OTOMO」の使用に向いている人は? 今回紹介した「OTOMO」は、どんな人に向いているでしょうか? 結論から言えば、「飲み込む力は正常だが、加齢とともに噛む力が衰えてきた高齢者」に向いています。介護食の形態では、「常食」を少しカットして食べる人や「きざみ食」を食べている人が該当するでしょう。 そもそも、介護食には次のような形態があります。 手を加えず、食べ物の形がそのまま残った「常食」 はさみや包丁で食べ物を小さく刻んで食べやすくした「きざみ食」 きざみ食よりさらに食べ物を細かくした「みじん食」 ミキサーなどで食べ物をペースト状にした「ミキサー食」 小型のトングとはさみで食べ物をカットできる「OTOMO」は、噛む力が衰えて食べ物をカットして食べたい「きざみ食」の人などに向いていると言えるでしょう。 逆に、食べ物を飲み込む力が衰えた人には向きません。食べ物を細かくすると、口の中でまとまりにくくなるため、飲み込む力が弱い人は食べ物が気管に入りやすくなってしまうのです。 「食べ物が固くて噛み切れない」といった悩みのある人にとっては、使い勝手の良いものと言えそうです。
2023/02/17
2022年12月28日、住宅の建築や介護用機器の製造・販売などを手がけるアイガー産業株式会社は、寝たままお風呂に入れるベッド「入浴タイムズ」の試験用モデルと、トイレの機能もついた「入浴タイムズplusトイレ」を同時に発売しました。 この商品は寝た状態のまま入浴ができるため、介護者の負担軽減につながるとしています。 「入浴タイムズ」の特徴 「入浴タイムズ」は外部が木でできていて、スノコを閉じた状態だと木製ベッドとなります。また、スノコを外すとベッドの中は浴槽になっていて、お風呂としても使用可能です。 さらに、入浴時に取り外すスノコは左右別々に取り外せるため、利用者は寝た状態のままベッドから浴槽に移れる構造になっています。 「入浴タイムズ」の使い方 「入浴タイムズ」の使い方は以下のとおりです。 入浴者の身体を布団ごと手前にずらす 入浴者の身体の下から布団を取り除く 服を脱がせて、寒くならないように入浴者にタオルなどをかける 奥側のマットレスとスノコを外し、バスタブにお湯を張る 入浴者を足から順に浴槽に浸けていく 全身がお湯に浸かったら、反対側のマットレスとスノコを外して入浴する 入浴が済んだら、排水し、浴槽やベッド部分の水気をふき取ります。そして今度は、スノコとマットレスを片方取り付け、入浴者を上半身からマットレス部分に上げる…と逆の手順を踏むことでまたベッドに寝てもらえます。 以上のように、寝た状態のまま入浴ができるため、介護者のみならずこのベッドを利用する高齢者も楽になるでしょう。 一方で、一般的な介護用ベッドに備わっているリクライニング機能が「入浴タイムズ」にはありません。 そのため、ベッド上で利用者が起き上がるためには、自力で起き上がるか介護者が上体を起こす必要があります。「入浴タイムズ」を使う場合は外部に手すりなどを取り付けると良いかもしれません。 さらに「入浴タイムズ」には柵もないので、壁側に配置するなど利用者の転落を防止することも大切です。 介護を受ける人の身体状況や介護する環境などに合わせて、適切な介護用具を選んでいきたいですね。
2023/01/06
2022年12月、株式会社ゴールドクローバーが運営する杖の専門店「近江一文字」は、濡れた地面でも滑りにくい杖の先ゴム「パワーグリップ」を発売しました。 近江一文字は杖の安全性を高め、高齢者の転倒事故の防止につなげたいとしています。 パワーグリップの特徴 通常の杖のゴムは硬く、接地面積も小さいため、特に濡れた場所では滑りやすいといった弱点がありました。 また、硬い材質だと杖を突いたときに反発力がそのまま身体に伝わり、痛みを感じることもあります。 一方、パワーグリップは柔軟性のある特殊な素材でできていて、雨の日でも滑りにくくなっています。また、杖を突いたときの衝撃を和らげるクッション性もあるため、痛みも感じにくいそうです。 転倒事故を防ぐために 高齢者の骨はもろく、たった1回の転倒で骨折したり場合によっては死亡することもあります。 消費者庁によると、65歳以上の不慮の事故による死因のうち、「転倒・転落・墜落」の死亡者数は交通事故の約4倍にもなるそうです。 また厚生労働省の調査では、高齢者の骨折や転倒が、「認知症」「脳卒中などの脳血管疾患」「高齢による衰弱」に次いで介護が必要となった主な原因になっていることも判明しています。 つまり高齢者が長く健康に過ごすためには、転倒を防止することが重要なのです。 では、どのようにして転倒を防止することができるのでしょうか? 消費者庁は、以下の対策が有効だとしています。 つまづかないように、床にものを置かない 廊下や風呂場に手すりをつける 身体機能低下による転倒を防ぐために、適度な運動を心がける 段差や傾斜など、転倒しやすい場所は明るく照らすなどして目立たせる 安心な毎日を送るために、転倒事故を防ぐ工夫を心がけましょう。
2022/12/07
高齢者を抱き抱えたり、中腰の姿勢になるなど腰に負担のかかる業務が多い介護職。腰痛を抱えながら働いている人も少なくありません。 そのようななか、岐阜県の特別養護老人ホーム「ラック」では職員の身体の負担を軽減させようと、高機能な車椅子を導入して活用しています。 高機能な車椅子の導入で職員の負担を軽減 岐阜県安八郡神戸町の特別養護老人ホーム「ラック」では、職員の身体の負担を軽減させることを目的に、1年前から高機能な車椅子を導入しています。 この車椅子は、電動で座面の高さや角度が自由に調整できるほか、横移動もできるという多機能型。特に入浴の前後に車椅子と入浴ストレッチャー間を乗り移る介助で利用することが多いそうです。 車椅子の背もたれを倒して平らにすると、入浴ストレッチャーと車椅子が同じ高さになります。職員2人で利用者の身体を水平移動させて乗り移ることができるため、これまでのように抱き抱える必要がなくなり、職員の負担が軽減できたそうです。 介護職員で研修委員長の中尾舞さんは「研修委員会ではずっと、腰痛を起こさないためにできることを探していました。この車いすの導入で、介護職員の負担が減っただけでなく、利用者もより安心して介助を受けられるようになったと思います。これからも上手に活用していきたい」と話しています。 腰痛対策に「ノーリフィティングケア」を導入する介護施設も 近頃では、介護職員の腰痛対策として「ノーリフィティングケア」を導入する介護施設が増えています。 これは、腰痛の直接的な原因である人力での抱え上げや持ち上げを禁止し、介護リフトなどの福祉用具を活用するケア方法のことです。ノーリフィティングケアは、介護職員の腰痛の減少のみならず、介護の質の向上や業務改善などの効果が上がっています。 さらに、ノーリフティングケアは、職員と利用者の距離を保つことができるため、感染症対策にもなると考えられています。 介護現場での職業病とも言える腰痛。慢性的な腰痛は介護職員の負担となると同時に、利用者の介助にも影響が出てしまいます。 そのため、介護施設は職員の身体的な負担を軽減できるようなケア方法や福祉用具を積極的に取り入れて、安全な介護ができる環境を整えることが必要だと言えるでしょう。
2022/08/15
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。