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ハリウッドで俳優として活躍したブルース・ウィリス(67)が、前頭側頭型認知症と診断されたことを、家族が明らかにしました。 ブルースは2022年、会話が難しくなる失語症のため俳優業を引退していました。 前頭側頭型認知症とは ブルースを襲った前頭側頭型認知症とはどのような認知症なのでしょうか? 前頭側頭型認知症は、脳と前頭葉と側頭葉に萎縮が起こるタイプの認知症で、アルツハイマー型認知症などと違い、難病指定を受けています。また、40~60代と比較的若い年齢に多く見られるのも特徴です。 前頭側頭型認知症は、ほかの認知症とは違って記憶力や判断力の低下はわずかなことがほとんど。しかし、言語や社会性を司る脳の部位にダメージを受けるため、ほかの認知症にはあまり見られない特徴的な症状が現れます。 前頭側頭型認知症の人に見られる具体的な症状は、以下のとおりです。 万引きをしたり身だしなみに無頓着になったりなど、社会性が欠如する 理性が働きにくくなるため、暴力をふるったりきつい暴言を吐いたりする 同じことを繰り返すようになる 感情が鈍くなり、表情の変化が乏しくなったり、他人に共感できなくなったりする 自発的な言葉を発しにくくなるため、同じ言葉を言い続けるようになる 前頭側頭型認知症にかかると、以上のような症状が出現しゆっくり進行。発症してから平均で6~8年で寝たきりの状態になるなど、認知症の中でも特に予後が悪いと言われています。 ブルース・ウィリスの病状を家族が公表 ブルースの家族は「2022年の春にブルースの失語症を発表して以降、彼の病状はさらに進行し、現在、前頭側頭型認知症とより具体的な診断が下された」と、ブルースの認知症を公表しました。 認知症を公表した理由について、家族は「ブルースは、自分が発信することで、重要な問題に目が向けられるきっかけになれたらといつも考えていた。この病気を公表することで、多くの人に関心を持ってほしい」と話しました。 前頭側頭型認知症は、ほかの認知症とは異なる症状が多く、その症状に合わせたケアが必要不可欠です。もし周りの人に性格の変化などが見られたら、適切なケアにつなげるためにも、一度病院で診てもらうと良さそうです。
2023/02/24
65歳未満の人が発症する若年性認知症。厚生労働省の2020年の調査によると、若年性認知症の人は約35700人で、高齢の認知症患者よりもかなり少ないことがわかっています。 そのため、若年性認知症の当事者をケアする体制が整っていなかったり、当事者やその家族が相談しやすい環境が少ないのが現状なのです。 そこで、そうした状況を改善するために、各地で若年性認知症の当事者による集まりが開催されています。 例えば、神奈川県川崎市では「あのころ会議」を開催し、認知症リハビリとして昔の出来事を自由に語り合う場を提供。また、石川県金沢市では、月に1回「若年性認知症カフェ」がおこなわれており、当事者や家族が自分の思いを話せる場所になっています。 若年性認知症の当事者同士が語らう場 今月20日、川崎市宮前区にある宮前市民館で若年性認知症当事者の集い「あのころ会議」が開催されました。 この集まりは、毎月おこなわれている若年性認知症の当事者が自由に語り合う「これから会議」の特別版として実施。参加者が、昔の出来事を思い出して語ることで認知症の症状が緩和することを目指しています。 当日は、日刊紙の「号外史」や「昭和言葉史60年」などを見たり当時の音楽を流したりして、当時の事件や出来事を振り返りました。 また、金沢市にある金沢21世紀美術館では、若年性認知症の当事者や家族が集う「若年性認知症カフェ」がおこなわれました。 先月上旬に開催したカフェでは、ソーシャルワーカーや理学療法士なども参加。当事者の普段の思いや趣味などについて自由に歓談しました。 このカフェは、社会から孤立することの多い当事者がやりたいことや楽しみについて語らえる場所がないことを受けて開始。現地で参加できなくても、当事者や家族が社会から孤立しないようにオンラインでも開催しているそうです。 孤立を防ぐために 若年性認知症を発症する人の多くが働き盛りの年代。しかし、認知症の影響で仕事ができなくなり退職してしまうと、社会とのつながりがなくなり孤立してしまうことが多いのが現状です。 また、若年性認知症の人の介護者が配偶者1人だけというケースも多く、負担が大きくなる傾向があります。そのため、当事者や家族に対しての精神的なケアが求められています。 そうしたときに、若年性認知症の人が集まる場があると自分の不安な気持ちが楽になるかもしれません。 しかし、まだこうした集まりは少ないので、若年性認知症の人が不安なく暮らせるようにもっと拡大することに期待したいですね。
2022/05/30
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