65歳未満の人が発症する若年性認知症。厚生労働省の2020年の調査によると、若年性認知症の人は約35700人で、高齢の認知症患者よりもかなり少ないことがわかっています。
そのため、若年性認知症の当事者をケアする体制が整っていなかったり、当事者やその家族が相談しやすい環境が少ないのが現状なのです。
そこで、そうした状況を改善するために、各地で若年性認知症の当事者による集まりが開催されています。
例えば、神奈川県川崎市では「あのころ会議」を開催し、認知症リハビリとして昔の出来事を自由に語り合う場を提供。また、石川県金沢市では、月に1回「若年性認知症カフェ」がおこなわれており、当事者や家族が自分の思いを話せる場所になっています。
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今月20日、川崎市宮前区にある宮前市民館で若年性認知症当事者の集い「あのころ会議」が開催されました。
この集まりは、毎月おこなわれている若年性認知症の当事者が自由に語り合う「これから会議」の特別版として実施。参加者が、昔の出来事を思い出して語ることで認知症の症状が緩和することを目指しています。
当日は、日刊紙の「号外史」や「昭和言葉史60年」などを見たり当時の音楽を流したりして、当時の事件や出来事を振り返りました。
また、金沢市にある金沢21世紀美術館では、若年性認知症の当事者や家族が集う「若年性認知症カフェ」がおこなわれました。
先月上旬に開催したカフェでは、ソーシャルワーカーや理学療法士なども参加。当事者の普段の思いや趣味などについて自由に歓談しました。
このカフェは、社会から孤立することの多い当事者がやりたいことや楽しみについて語らえる場所がないことを受けて開始。現地で参加できなくても、当事者や家族が社会から孤立しないようにオンラインでも開催しているそうです。
若年性認知症を発症する人の多くが働き盛りの年代。しかし、認知症の影響で仕事ができなくなり退職してしまうと、社会とのつながりがなくなり孤立してしまうことが多いのが現状です。
また、若年性認知症の人の介護者が配偶者1人だけというケースも多く、負担が大きくなる傾向があります。そのため、当事者や家族に対しての精神的なケアが求められています。
そうしたときに、若年性認知症の人が集まる場があると自分の不安な気持ちが楽になるかもしれません。
しかし、まだこうした集まりは少ないので、若年性認知症の人が不安なく暮らせるようにもっと拡大することに期待したいですね。
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