最近、母の認知症が進行してきて自宅での介護が大変で、施設に入居させようか迷っています。でも、介護施設に入るのってとてもお金がかかるんですよね?そんなにお金が出せないので、どうしようかなと…。
費用を抑えられる介護施設をお探しなら「介護保険施設」はどうですか?公的な介護施設なので、料金は比較的安いですよ。
介護保険施設?どんな施設なんですか?
介護保険施設というのは、「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「介護医療院」の3つの施設を指す総称です。入居条件や費用などに違いがあるので、次の表に特徴をまとめています。
それぞれの特徴について、もう少し詳しくお伝えしていきますね。
特別養護老人ホーム(特養)は、民間企業が運営している老人ホームよりも比較的安く入居できるので人気の施設です。24時間介護スタッフさんが常勤しており、日常生活に常に介護が必要な人も安心して生活できます。
また、終身の利用ができるので「終の棲家」として特養を選択される人も多いですね。
へー!常にスタッフさんがいるのは良いですね。うちの母は家の中を歩き回って転ぶこともあるので、スタッフさんの目があると安心できます。
ただ、入居するには介護度が要介護3以上でなければいけません。日常的に介護が必要な人が、支援を受けながら生活しているイメージですね。
なるほど。母は先日、要介護3に上がったのでそこはクリアしています。
そうなんですね。…ひとつ注意していただきたいのは、人気の施設なだけに空きがないことが多いんです。施設によっては入居に数年待ち、ということも…。
数年待ち!そんなに人気なんですね。
はい。なので、特養に入居しようと思ったら早め早めに対応しておくことが大切です。
介護老人保健施設は、施設から自宅に戻ることを目指すことを前提とした施設です。入院中に身体機能が落ちてしまった人が、自宅に帰る前に身体を回復させるために入るケースも多いですね。
そういう施設ですので、リハビリや医療ケアが充実していることが特徴。リハビリ用の器具や設備がそろっていますし、理学療法士や作業療法士といったリハビリのプロや医師・看護師が常駐しています。
医師や看護師がいる、というのはとても安心ですよね。何かあったらすぐに対応してもらえそうですし。
ただ、一般的な老健の入所期間は3~6ヵ月です。場合によってはこれよりも長く入所も可能なんですが、3ヵ月に1度、医師による入所判定によって入所を続けるかどうか判断されます。
在宅復帰をするために機能を回復させることが目的の施設なので、長期的な入居は前提とされていないんですね。
最後のひとつは介護医療院です。これは2018年に新しく設けられた形の施設で、医療ケアが充実しているのが特徴です。
その前までは「介護療養型医療施設」という施設がありましたが、2023年に廃止されます。そのため、今後は介護療養型医療施設が介護医療院に徐々に転換されていく、ということを頭に入れておいてください。
そうなんですね。ちなみに、介護医療院ではどんなサービスが受けられるんですか?
例えば、基本的な介護ケアに加えて、医師と看護師が常駐しているので医療依存度の高い人も入居OK。経管栄養やたんの吸引なども対応できます。
加えて、ターミナルケアができる体制もありますので、「充実した医療体制のなかで最期まで安心して暮らしたい」という場合には良いかもしれません。
なるほど、最期のことまでは考えたことがなかったです。
お話した3種類の介護保険施設は、どれも異なった特徴がありますから、お母様の状況にあわせた施設を選んでくださいね。
費用を抑えて入居できる施設があるのはわかりました。でも、施設に入居させるのってどんなタイミングが良いんでしょうか?そんな簡単に入居させて良いものとも思えないし…。
これは、ご家庭の事情にもよりますから一概には言えないところですが、一般的に施設入居を検討した方が良い状況についてお伝えしますね。
まずは、介護をしている人の生活に影響が出ている状況ですね。睡眠時間を削らないと介護ができなかったり、そのせいで仕事に支障が出ているような場合は施設に入居することを考えた方が良いでしょう。…三浦さんはどうですか?
実は、母が夜に起きてしまうことがあるんです。認知症で外に出ていってしまったことがあったので、母が夜に起きたときは私も起きているようにしているんですが…。毎晩ではないにせよ、夜も気を張っていないといけないので疲れますし寝不足気味です。
そうなんですね…。やはり、認知症の症状が進行すると在宅介護では難しくなっていきますから、「外に出たまま自宅に帰ってこれない」「夜間に起きる」といった症状が出ている場合も施設入居を検討した方が良いです。
うーん、そうなんですね…。もう少しがんばれるとは思うんですが…。
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