「訪問看護」サービスを利用してみるのはどうでしょうか?このサービスは、看護師さんがご自宅に訪問して健康状態や薬の管理をしてくれます。また、インスリン注射のような医療処置も対応しているので、ご両親が安心して暮らし続けられるようになると思いますよ。
両親が薬の管理がうまくできていないようで心配です。両親は2人で暮らしているのですが、糖尿病の父はインスリン注射を打つのをたまに忘れてしまうようです。それに、認知症の母も持病の飲み薬を飲むのをしょっちゅう忘れてしまいます。
私は遠方に住んでいるので、薬の管理までは難しいですし…。何か良い手はないでしょうか?
それは心配な状況ですね。…でしたら、訪問看護サービスを利用してみるのはどうでしょうか?
「訪問看護」…ということは看護師さんが家に来てくれるんですか?
そうです。看護師さんなどの専門家がご自宅に訪問して、医療に関わるサポートをしてくれるサービスです。薬の管理もしてもらえますよ。
へぇ!そうなんですね。それは助かります!
ちなみに、訪問看護の主なサービスは以下の通りです。
この「医療処置」のなかには、インスリン注射も含まれています。その他にも、点滴や胃ろう、人工呼吸器の管理などといったことも対応可能です。病気や障害などで日常的に医療ケアが必要な人が、自宅で生活できるように支援するのが目的のサービスなんです。
そうなんですね。では、両親の場合、薬の管理やインスリン注射を打ってもらう、というのも対応してもらえるんでしょうか?
対応できると思いますよ。例えば、インスリン注射の打ち忘れの確認や飲み薬の残数確認もできます。それに、薬の打ち忘れ・飲み忘れを防ぐような対策もしてもらえると思いますよ。
私は頻繁に行けないので、看護師さんに対策してもらえるのはうれしいです。
ちなみに、”訪問看護”と言いますが、訪問するのは看護師さんだけではありません。その他にも、保健師、理学療法士、作業療法士といった専門家にも依頼できるんです。
例えば、理学療法士に依頼して個別の歩行訓練をすることも可能。専門家がそれぞれの分野に関するサービスを提供してくれますよ。
リハビリは、まだ両親には必要なさそうですが、足腰が衰えてきたらお願いするのも良いかも。
訪問看護では、入浴介助や排泄介助などのケアもしてもらえるんですが、買い物の代行や料理といった日常生活のサポートはできません。そこは、訪問介護サービスでお願いしてくださいね。
訪問看護ではいろんなサービスをしてくれることがよくわかりました。もし、利用するとしたらどれくらいの費用がかかるんでしょうか?
訪問看護の費用は利用時間の長さによって異なります。市区町村によって多少前後しますが、大まかな金額は以下の通りです。
看護師による訪問
時間 | 自己負担額 (1割の場合) |
---|---|
20分未満 | 313円 |
30分未満 | 470円 |
30分以上60分未満 | 821円 |
60分以上1時間30分未満 | 1,125円 |
出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省)
理学療法士・作業療法士による訪問
時間 | 自己負担額 (1割の場合) |
---|---|
1回あたり20分 | 293円 |
1回あたり40分 | 586円 |
1回あたり60分 | 791円 |
出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省)
訪問看護は医療サービスですが、ご高齢者の場合、基本的には介護保険が適用されます。介護保険と医療保険のどちらが適用されるのか、次に条件をまとめてみたのでご確認ください。
うーん、ちょっと複雑ですね…。
原則は、要介護認定を受けているご高齢者は介護保険を利用した訪問看護サービスを受けることになりますね。
では、うちの両親も介護保険の訪問看護になりそうです。でも、介護保険か医療保険かで何か変わるんですか?
いくつかありますが、大きな違いは保険からの支給限度額があるかどうかでしょうか。介護保険の場合、介護度によって支給限度額がありますから、それを超えてサービスを利用すると、その分は満額負担です。これは、他の介護サービスを合算して計算するので、各サービスの量と調整する必要があります。
一方で、医療保険の場合は支給限度額はありません。が、保険の対象となるのは、週に1~3回まで。医療依存度が高い人の場合はもっと利用できる量が増えます。
なるほど、介護保険の訪問看護は、”介護サービス”という扱いなんですね。
そうなんです。ちなみに、1割負担の場合の介護保険の自己負担額の上限は以下の通りです。これを超えると10割負担になってしまいます。
出典:「サービスにかかる利用料」(厚生労働省)
訪問看護サービスを利用してみたいのですが、どうしたら良いんでしょうか?
まずは、担当のケアマネジャーさんに相談してみると良いでしょう。あとは、かかりつけの病院に相談してみるのもひとつの手ですね。
また、訪問看護を利用するには主治医の「特別訪問看護指示書」が必要です。訪問看護は主治医の指示のもとでサービスを提供しなければいけないと定められているので、必ず発行してもらわなければならないんです。
とても大切な書類なんですね。その指示書を発行してもらったら、どうするんですか?
そうしたら、依頼をする訪問看護ステーションを契約をして、サービスの提供が始まります。
なるほど、意外とシンプルなんですね。じゃあ、まずはケアマネジャーさんに今の両親の状況を相談してみます。
はい、ぜひそうしてください!ご両親の健康を維持するために、訪問看護サービスを活用してくださいね。
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