それは大変ですね…。おむつ交換はお父様の自尊心に大きく関わりますから、他の介助よりも配慮が必要です。声掛けやおむつ交換のタイミングも工夫する必要があるでしょう。
認知症になっても、陰部を誰かに見られることの恥ずかしさは変わりません。対して、認知症の進行によっておむつ交換の必要性がわからなくなったり、尿意や便意を感じにくくなることもあります。
認知症の症状やお父様の気持ちに配慮しつつ介助をすると、徐々におむつ交換への抵抗感が少なくなると思いますよ。
自宅で認知症の父の介護をしています。最近、父の足腰が弱ってトイレに行けなくなり、おむつになりました。ただ、おむつ交換のときの抵抗がすごくて…。「止めろ!触るな!」と怒鳴ったり、殴られることもあります。
毎回、なんとかおむつの交換ができているのですが、ベッド上で暴れるのでおむつはズレるわ、力は使うわで本当に疲れます。
スムーズにおむつ交換ができる良い方法はないでしょうか?
おむつ交換は、ご高齢者の自尊心が大きく関係する難しい介助ですよね…。しかも、忙しいなかで1日に何度も介助しないといけないので、おむつ交換がスムーズに行くかどうかは介護全体の負担の大きさにとても影響します。
とは言え、おむつ交換を拒否されても無理やりや力づくで介助することのないようにしましょう。
そんなこと言っても、力づくでやらないとおむつ交換できませんよ!いつまでも濡れたオムツでいさせられませんし…。
力づく以外で父のおむつ交換ができる方法ってあるんですか?
例えば、次のような方法はどうでしょうか?
おむつ交換のタイミングで、排泄がされていないこともあるでしょう。誰しも必要もないのにおむつを開けられるのは嫌ですよね。それがおむつ交換の拒否につながっていることがあります。
そのため、お父様の排泄のタイミングに合わせておむつ交換をするとスムーズにいくことがあります。なので、まずは排泄のタイミングを把握することから始めましょう。
起床後、昼食後、夕食前、寝る前…など排泄がルーティン化されると、慣れてきてお父様もおむつ交換への抵抗感が薄くなるかもしれません。
排泄のタイミングなんて気にしたこともありませんでした。気づいたときにおむつ交換をしていたので、同じ時間帯で介助する方が良いんですね。
介護や家事、仕事で忙しいうえに介助を拒否されると、どうしても口調がきつくなってしまいがち。ですが、そこは気持ちを落ち着けて優しい言い方で声掛けするのが大切です。
そうなんですよね…。仕事をしながら介護をしているので、忙しいときに父におむつ交換を拒否されると頭に来てしまって。きつい言い方になってしまうことが多いです。
忙しいなか介護をするのは本当に大変だと思います。気が立ってしまうのはわかるんですが、スムーズに介助するためにも、一度、気持ちを落ち着けて声掛けをしていきましょう。
特に、おむつ交換は介助を受ける人の羞恥心や自尊心が大きく関わります。声掛けがとても大切なんです。
声掛けが大切と言うと、どんな言葉を掛けるのが良いんでしょうか?
例えば、「汚いからおむつを換えるよ」と言うとお父様の自尊心を傷つけてしまうことがあります。なので、「汚い」「おむつ」という言葉を使わずに「下着を替えよう」と言い換えてみましょう。
おむつの中に排泄することを「トイレを失敗している」と捉え、恥ずかしいことと思う人も多いです。そうした気持ちに配慮した声掛けをしてみるとスムーズにおむつ交換ができるようになるかもしれませんよ。
おむつ交換をしようとして激しく嫌がる場合、少し時間を空けて声をかけると意外とすんなり交換させてくれることがあります。
時間を空けるだけで良いんですか?
はい。例えば、テレビを見ていたり何か別のことに気を取られているときに声を掛けられるのは誰でも嫌ですよね。それと同様に、声を掛けたときに”おむつ交換の気分ではない”だけなのかもしれません。
同じ声掛けをしたとしても、少し時間を空けるだけでスムーズにおむつ交換ができることもありますよ。
そんなことがあるんですね。全然知らなかったです。
ここまでご紹介した方法は、一度では上手くいかないことも多いでしょう。何回も試してみて上手くいく方法を見つけてください。
そもそも、どうして父はおむつ交換を嫌がるんでしょうか?おしっこでおむつが濡れていたら気持ち悪いと思うんですが…。
そうですね…。認知症の人がおむつ交換を嫌がる理由には以下のようなものがあると考えられます。
やっぱり、恥ずかしさは大きいんですね。
そうですね。息子さんとは言え、陰部を見られるわけですし…。それに、おむつ交換を誰かにお願いしないといけないことの情けなさもあるかもしれません。認知症になっても、恥ずかしさや情けなさは感じますから。
確かに。そうかもしれないですね。
一方で、認知症によっておむつ交換の必要性がわからなくなっていることも考えられます。おむつの中に排泄したことを忘れてしまったり、そもそもおむつが何なのかがわからなくなってしまったり…。
そうなったと想像すると、服を脱がされたり裸にされる理由がわからないですよね。でも、裸を見られる恥ずかしさはあります。このように考えると、暴れておむつ交換を嫌がるのも納得できるんじゃないでしょうか。
なるほど…。そういう理由で父はおむつ交換の度に暴れるんですね。
おむつ交換は介護のプロでも頭を悩ませる介助。一人ひとり適切な介助方法は異なりますから、「上手くいかなくてもしょうがない」と肩の力を抜いて、じっくりお父様に合った方法を見つけてくださいね。
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