認知症のご家族を在宅介護するのは本当に大変ですよね…。認知症の末期では、歩行能力などの運動機能が低下するため、トイレや入浴、食事などさまざまな場面で介助が必要になります。寝たきりになることもあります。
また、免疫力の低下によって感染症にかかりやすくなることも。感染症によって入院し、さらに心身の機能が低下することもあります。
母が認知症と診断されてから5年以上が経ち、はじめより物忘れがひどくなったり、テレビや電子レンジなどの家電の使い方もわからなくなってしまいました。トイレや風呂などにも介助が必要で常に目が離せません。
認知症の末期になると、もっと症状が悪くなるんですよね?今でも大変なのに末期になったらどうなってしまうんでしょうか?
認知症の方の介護は本当に大変ですよね…。認知症の症状は個人差がありますが、末期になると一般的に以下のような症状が出るとされています。
認知症の末期になると、身体機能の低下が起きることがあります。トイレや入浴、食事、着替えといった日常生活全般に介助が必要になるでしょう。
また、歩行や体のバランスを取ることが難しくなって転倒し、骨折してしまうリスクも高いです。また、身体機能が低下して、寝たきりになってしまうケースも珍しくありません。
寝たきり!今もふらついたりすることがあるので付き添いが必要ですが、歩けなくなってしまうことがあるんですね…。
認知症末期になると、意欲の低下や認知機能の低下によって食欲が落ちることがあります。認知症の影響により、「食べる気が起きない」「そもそも食べ物であると認識できない」「食べ方がわからない」といった理由で食事量が減少してしまうんです。
また、食べ物を噛んだり飲み込んだりする力である嚥下機能が低下することも。今まで食べられていたものが食べられなくなって食欲が低下してしまうんです。
食欲低下が慢性的になると、栄養不足によってさらに身体機能が衰える原因にもなります。
認知症末期には、失禁が増えることも。「トイレの場所がわからない」「衣服の脱ぎ方がわからない」「歩行が遅くなったことで間に合わない」などの理由からです。
今もたまに失禁します。母はたまにトイレの場所がわからなくなっている様子がありますね…。
認知症が進行したことで食欲が落ちて体力が低下。それによって免疫力が低下して感染症が増える傾向があります。また、嚥下機能が低下することで誤嚥を起こしやすくなり、誤嚥性肺炎に感染することもありえます。
感染症になって入院してしまうと、それが原因でさらに認知症が進行したり体力が低下するなど、全体的な状態が悪化しやすくなるのも注意が必要なポイントです。
参考:「認知症の人と家族の思いと介護状況および市民の認知症に関する意識の実態調査報告書」(公益社団法人認知症の人と家族の会)
認知症が末期になることというのは、最期のときが近づいていることでもあります。そのため、「あのとき、ああしてあげれば良かった」と後悔しないように、事前の備えが大切です。
認知症末期となると、介護する側にとっても心身の負担が大きくなることが考えられます。そのため、事前に適切な対応を知っておきましょう。正しい知識がないためにあまり良くない対応をしてしまい、さらに状態が悪くなることもありえるからです。
良くない対応とはどんなものですか?
例えば、「強要する」「ひとりにする」などの対応です。具体的には、「食欲がないのに無理やり食べさせる」「家族の会話に入れずに仲間外れにする」といったことです。
先ほどお話しした通り、認知症末期には食欲低下が起こりやすいです。食べたくない様子があるのに無理やり食べ物を口に入れたりすると食べる構えができていないため誤嚥をしやすく、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があります。
ご家族としては、食事量が少ないとさらに体力が落ちてしまわないか心配になってしまうかもしれません。ですが、認知症末期の方が食欲が低下するのは自然なこと。食べられるときに食べたいものを食べてもらうようにしましょう。嚥下機能が落ちても食べやすいアイスクリームや、高栄養食品を摂ってもらうのも良いと思いますよ。
母の食欲が落ちてきていて心配で「もっと食べて」と言っていましたが、食べられるときに食べれば良いんですね。アイスクリームは昔から好きなので、今度出してみようと思います。
また、認知症末期には反応が薄くなったり会話ができなくなることが多いです。コミュニケーションが取れないからと言って家族の会話に入れずにひとりぼっちにしたり、最低限の声掛けしかしないのはNG。さらに孤独感が募り、気力の低下が進んでしまいます。
なので、以前のような反応がなかったとしても笑顔で話しかけましょう。お母様と目線を合わせて話しかければ、反応はできなくても話しかけられていることはわかります。その日の出来事を話すなど、何でも良いので話しかけることが大切です。
認知症末期や最期のときが近づいている状態は、介護の負担が大きいですし、何より衰弱していく様子を目にするのは精神的な負担が大きいでしょう。そのため、認知症末期の方の介護はご家族だけではなく、介護サービスを使ってプロに頼ることをおすすめします。
介護サービスなら、今はデイサービスを利用しています。
そうなんですね!でしたら、ケアマネジャーさんと相談しながらデイサービスの回数を増やしたり別のサービスも併用したりと、在宅介護サービスを調整していきましょう。
ただ、在宅介護サービスを利用しても介護の負担が大きいと感じたら、老人ホームに入居することも検討してください。
そうなんですよね…。今も常に目が離せなくて大変なので、そろそろ自宅で介護するのは限界なのかなと感じていました。
そうだったんですね…。今後、お母様が認知症末期になると、寝たきりになって徐々に衰弱していくことが考えられます。そうなると、ご家族がそばを離れられなくなるでしょうし、いつ状態が変わるのか気が気でない日々が続くかもしれません。気を張り詰めている時間が長くなるのは、精神的な負担が大きいですよね。
老人ホームであれば施設には常にスタッフさんがいますし、プロによる適切なケアを受けられます。最期のときが近づいている場合には、お母様に変化があれば逐一連絡してくれるので安心ですよ。後悔しないためにも、プロに任せるのもひとつの方法です。
なるほど…。私は仕事でずっと母に付き添っていられるわけではないので、老人ホームに入れるのも考えた方が良いかもしれないですね。
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