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【筋力低下】高齢者はビタミンD不足に要注意!サルコペニアリスクが上昇
新たな研究で、ビタミンDが不足している人はそうでない人に比べて、筋力が年齢とともに衰えていく「サルコペニア」の発症リスクが上昇することが明らかになりました。
今回の研究は、国立長寿医療研究センターや名古屋大学などで構成される研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle」という医学誌に掲載されています。
サルコペニアとは
そもそも、「サルコペニア」とは何でしょうか?
サルコペニアとは、年齢を重ねるにつれて筋肉の量が減っていく老化現象のこと。早い人では20代後半から進行が始まり、生涯を通して筋肉が衰えていきます。
サルコペニアを発症すると、歩く速度が低下するほか、着替えや入浴などの日常生活の動作もしにくくなります。また、バランスの維持が難しくなるため、転倒や骨折のリスクも上昇します。
対象者の筋力の変化などを調査
研究グループは、国立長寿医療研究センターが実施している、老化についての長期的な疫学研究である「NILS-LSA」で集められた医療データを分析することに。そのデータは、「NILS-LSA」に参加した40歳以上の男女1919人のものを使用しました。
調査では、対象者をビタミンDが充足しているグループと不足しているグループに分類。それから、4年にわたって筋力の変化や筋肉の量、サルコペニアの新規発症数などを調べました。
ビタミンDが足りない人は筋力低下する傾向に
対象者の医療データを解析した結果、ビタミンDが不足している人はそうでない人に比べて筋力低下がより進行し、サルコペニアにかかる割合が上昇したことが明らかになりました。
つまり、ビタミンDが不足している状態が続くと、筋力が衰える速度が加速するリスクが示されたのです。
ビタミンDはキノコ類や魚介類に多く含まれると言われています。ビタミンDを意識的に摂取した上で適度な運動もおこなって、筋力低下の防止に努めたいですね。
2023/02/22