家族の特養への入居を検討するにあたり、「申し込みしてからの待機期間が長い」と噂を聞き、不安に思っている方もいるでしょう。
そこで特養の申し込み方法や待機状況とあわせて、待機期間に利用できる介護サービスについても解説します。
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特養に申し込む時の流れについて、新宿区を例に見ていきましょう。全国どこでも同じような流れになるので参考にしてください。
参考:「特別養護老人ホームの入所申込」(新宿区)
入所を希望する施設に、電話やメールなどで問い合わせや資料請求をします。
入所を検討していると前もって伝えると話がスムーズに進みます。不明な点を詳しく聞きたいときは、電話で連絡しましょう。問い合わせや資料請求だけでなく、見学の申し込みについてもこのタイミングで相談するのがよいでしょう。
資料や問い合わせた情報をもとに見学をして、入所する施設を決めたら、申し込みに必要な書類を用意します。提出する書類は事前に施設などに確認し、漏れがないようにしましょう。
書類を提出して施設に受理されると、入所待機者リストに登録されます。
地域ごとに定められた審査の指針があり、それにそって申し込みの対象者が入所できるかどうかが判断されます。
特養の「優先順位」とは、施設ごとの判定基準により、入所優先度を順位付けしたものです。その「優先順位」を申込者あてに連絡するのが「優先順位通知」です。
新宿区の場合は、入所調整基準にもとづいて3ヵ月に1度のペースで郵送しています。順位は状況により変更になるので、通知に記載された順位はおおよその目安と考えましょう。
入所の候補者になると、施設から申し込みの対象者に連絡がきます。その後、面接を受けて、健康診断書の提出などをします。
施設の入所判定会議で入所の可否が決まります。 入所が可能となると、施設に空室が出たら入所することになります。入所日を調整して、重要事項の説明や契約書を交わしたら、施設での生活が始まります。
特養の申し込みに必要になるのは、主に以下の書類です。
必要な書類は施設や市区町村によって異なります。
健康診断書は受け取るまで一定の時間がかかり、即時発行できない場合もあります。必要書類に漏れがあると申し込みが受理されないので、必要な書類について事前に把握して、早めに準備をするようにしましょう。
特養の入所待ちの状況は地方と都心部で異なります。地方であれば、申し込みから3ヵ月未満、都心部であれば地域にもよりますが、半年〜1年程度かかります。
特養は費用が安くて人気があるので、入所までに数年かかるイメージがあるかもしれません。しかし、入所条件が要介護1から3に引き上げられたことにより、現在では以前よりは入所待ちの人数が減っています。
特養は自治体や社会福祉法人が運営する施設で、費用が安くて人気があります。そのため、入所までの待機期間が長く、終身利用が可能なので空きが出にくい特徴があります。
少しでも早く入所したい場合は、次の方法を試してみましょう。
特養によっては、ネットなどで空室の状況や、ベッドの空き状況を公開しているところがあります。最新の情報をまめにチェックして、空室が出たらすぐに入所の手続きができるように準備しておきましょう。
空き情報をネットなどで確認できない施設には、まめに問い合わせることで、空き室情報をタイミングよく得られる可能性があります。
そのほか、待機人数が比較的少ない施設や開設して間もない施設は、比較的早く入所できる可能性が高い傾向です。担当のケアマネジャーが空き情報などを把握している可能性もあるので、すぐに特養に入所したいということを伝えておくとよいでしょう。
入所を申し込める施設の数に制限はありません。申し込み費用もかからないので第1希望だけでなく第2・第3希望の施設にも申し込んでおきましょう。複数申し込んでおけば、先に空きが出た施設に入所できます。
特養は居室のタイプで費用が変わります。中でも月額利用料が数万円高くなる「ユニット型個室」と「ユニット型準個室」は比較的人気がありません。そのため、予算内であればユニットタイプに絞って複数の施設に申し込むことで、早期に入所できる確率が高まります。
特養の申込書の「入所希望理由欄」は、入所の優先順位に大きく影響する項目です。具体的な状況を丁寧に記入して、入所の必要性が高いと判断されれば、入所が早まる可能性があります。
同居家族がどれくらいの負担を抱えているか、なぜ自宅での介護が難しくなっているのか、暴言や暴力の状況、徘徊の周期や回数・時間帯や行動範囲、介護する家族の仕事や人間関係への影響などを詳しく記載しましょう。具体的に書くほど強いアピールになります。
一般的に人気の高い特養ですが、入所待ちの人数は地域によって差があります。数年待ちが必要な激戦区もあれば、定員割れしていることもあります。
「広域型特養」ならどこにお住まいの方でも申し込めるため、探す地域を広げるのも一案です。近隣地域まで範囲を広げることで、比較的早期に入れる施設が見つかるかもしれません。
特養にはまだ入所できないけれど、自宅だけでの介護は負担が大きいという場合に利用できる介護サービスについて解説します。
特養への入所待機期間に、有料老人ホームを利用する方法もあります。特養と比べると、有料老人ホームは料金が高めに設定されている場合もありますが、特養の空きが出るまでの短期利用と割り切って利用するのもひとつの手です。
有料老人ホームの中には、入居一時金がなく、月々の費用だけで済む場合もあります。また、ほとんどの老人ホームは、施設や併設する事業所での介護サービスを受けられるため、待機期間を過ごす場としておすすめです。
ショートステイには、連続利用は30日間までという上限がありますが、1日帰宅すれば、翌日から再びショートステイを30日間連続利用できます。
これは、「ロング・ショート」と言われています。この方法だと長期間利用できて家族の負担を減らすことができます。
ただし、ショートステイを保険適用料金で利用できる回数は要介護度によって異なり、その回数を超えて利用した分は全額自己負担になるので注意が必要です。
特養の入所待機期間は、在宅で使える介護サービスをフル活用する方法もあります。在宅介護サービスには次のようなものがあります。
ケアマネジャーに相談して、複数の介護サービスをうまく組み合わせれば、ほぼ24時間ケアを受けられるようにすることもできます。
特別養護老人ホームへの入所は、申し込み順ではありません。介護してくれる人がいないひとり住まいの方や、介護の必要性が高い方など、介護状況や生活状況などから総合的に判断し、優先度を決定しています。
介護施設は、基本的には入所を拒否することはないのですが、入所条件を満たしていなかったり、施設で対応できない医療行為が必要だったり、問題行動がある場合は受け入れを断られてしまうことがあります。
各居室タイプにより金額は異なりますが、9〜13万円が基本的な月額費用です。
特養の費用は、入所者本人とその配偶者や子供(扶養義務を負っている人)の合計所得によって負担限度額が決まります。また、要介護度が高くなるほど高額になります。
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