慢性腎臓病とは、腎臓の働きが低下したり、尿の中にタンパクが漏れている状態(タンパク尿)の総称です。
病気の発見が遅れ末期腎不全にいたると、腎臓の機能を代替する治療である「透析療法」が必要になります。そうならないためにも、腎臓病を早期に発見し適切な治療をおこなうことが大切とされています。
しかし女性は男性に比べ、慢性腎臓疾患の疑いがある場合でも適切な検査を受けられておらず、発見が遅れることが多いという調査結果がスウェーデンで発表されました。
スウェーデンのカロリンスカ研究所によると、女性は腎機能の低下が疑われる場合でも推奨される検査や治療を受ける可能性が男性よりも低いとのことです。
糖尿病や高血圧などがありリスクの高い女性であっても、男性に比べて十分な検査と治療がおこなわれていない傾向があることがわかっています。
研究グループは、男性と女性の日常的なケアの違いを調査するため、2009~2017年に慢性腎臓病の治療の向上を目指しておこなわれたプロジェクトのデータを解析しました。
プロジェクトに参加したなかで慢性腎臓病の疑いがあり、精査するべきと判断された18歳以上の成人22万7847人のうち、女性は55%にあたる12万6289人でした。
尿や血液の検査で慢性腎臓病の疑いがあると判定されてから、18ヵ月以内に受診をした女性の割合は、男性の0.48倍と2分の1にも満たなかったそうです。
この結果から、女性は男性に比べて精査がおこなわれた割合が低く、慢性腎臓病の管理も不十分である可能性が判明しました。
とくに糖尿病や高血圧、心血管疾患のある人は腎機能の保護や、心血管疾患のリスクを減らすためにより積極的な治療が必要になります。しかしこういった持病のある人でも、女性は男性に比べ腎臓病の管理が十分におこなわれていない傾向がみられたとのことです。
「自分は大丈夫」「まだ若いから」その油断が慢性腎臓病の発見を遅らせてしまいます。老若男女問わず、会社の健康診断や特定健診などで異常がみつかったら早急に検査を受けることが大切なのかもしれませんね。
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