認知症に対しての施策が、全国の自治体でおこなわれています。その中で所沢市は、見守り支え合い事業「トコろんおかえりQR」を開始することを今月20日に発表しました。
これは、認知症で道に迷ってしまった高齢者の見守りを地域住民も一緒におこなっていくための事業。シールに印字されたQRコードを発見者が読み取ると、家族に連絡が届くシステムです。
これを使うことで、高齢者の徘徊時のリスクを回避することにつながりそうですね。
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所沢市が新しく始める高齢者見守り事業が「トコろんおかえりQR」です。これはQRコード付きのシールを高齢者の持ち物に貼ることで、緊急時に家族に連絡を取れるシステム。所沢市のイメージキャラクター「トコろん」がデザインされています。
このシステムは、迷子と思われる高齢者を発見した人が、シールのQRコードを読み取ることで家族にメールが届く仕組みです。
発見者がQRコードをスマホで読み取ると、「交番へ連れて行きます」「保護・待機します」「発見場所のみ通知します」という選択肢が表示されます。そこで、発見者が現在の高齢者の場所を地図で示すと、家族に連絡が届きます。
加えて、家族へのメッセージも記入できるので、「○○交番にいます」「足に怪我をしています」と状況を伝えられるようにもなっています。
そして、この見守りシステムの特徴は、手軽さと安さです。
シールになっているので、高齢者が普段使っている杖やかばんに貼るだけでOK。また、QRコードを使ったサービスは、GPSなどを使ったシステムよりも低価格で実現できるため、1シート(大2枚、小3枚入り)990円という安価で購入ができます。
このシールについて所沢市は、まずは1000シート限定で無料配布するそう。介護認定をもとに、認知症高齢者のいる家庭に2月から郵送を開始予定です。
所沢市のこの取り組みは、シールタイプで使いやすく市民にとって良いものになるのではないでしょうか。
ただ、懸念点はQRコードの有効期限が1年間ということ。QRコードに情報登録した日から1年経過してしまうと、発見者からのメールが届かなくなるそうです。そのため、1年後は追加でシールを購入する必要があります。
購入は、市内のセブンイレブン40店舗やオンラインショップで購入できます。しかし、1年後に継続したいと思う家庭がどれくらいあるか…といったところが懸念点でもあります。
なぜなら、このシステムはいざという時に活躍するものなので、初めの1年間では使わない家庭の方が多いかもしれないから。そうなると「もう1年、続けてみよう」とは思わない人が多くなっても不思議ではありません。
ただ、その”いざ”という時には、とても活躍するシステム。こうした取り組みが全国の自治体に広まるといいですね。
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