人材不足が慢性化している介護・保育の現場で、リタイア後の元気な高齢者に働いてもらう取り組みが進んでいます。
これは、兵庫県宝塚市が推進している事業で、アクティブシニアが介護施設や保育園などで2時間程度の短時間就労をするもの。介護・保育の周辺業務をシニアがおこなうことで、介護士・保育士がメインの業務に集中できるメリットがあるそうです。
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高齢者が短時間で働く「プチ就労」が宝塚市で広まっています。
これは、1日2時間で週に2日という短時間で、介護施設や保育園などで高齢者が働く取り組み。働いているのは60~80歳のアクティブシニアで、多くは就労自体が初めてだったり、5年以上のブランクのある人だそうです。
そういう人を受け入れるとなると、事業所としても不安がありそうですが、はじめの3ヵ月間はトライアル期間。その期間が終了後、パートとして正式就労するか辞めるのかを選択できます。
ちなみに、継続率は76%だそうです。
このプチ就労での仕事内容は周辺業務が中心。介護施設であれば、朝食の片付け、フロアの消毒、レクの手伝い、シーツ交換などをおこなっています。
プチ就労を受け入れた介護施設では、こうした周辺業務は業務全体の5分の1ほどだそう。この業務を対応する人材がいると、介護士がメインの仕事である介助業務に集中できるので助かっているようです。
このプチ就労事業を宝塚市と一緒に推進している「NPO法人健康・生きがい就労ラボ」の遠座理事長は、「健康だからさまざまな活動ができるのではなく、活動しているから元気でいられる」と語ります。
遠座理事長は、このような思いを持ってアクティブシニア・その家族・事業者・公共の『四方良し』の仕組みを構築。今後は介護・保育分野だけでなく、農業や学校現場にも拡大していきたいそうです。
高齢になったり、定年を迎えるとどうしても人との交流が減ってしまう傾向があります。
特に男性は、現役時代は長い時間会社で過ごしているため、地域のコミュニティが薄くなっていることも。そのため、定年後に交流を広げることが高いハードルに感じるかもしれませんね。
そうでなくても、何かのきっかけがないと新しい関係をつくるというのは難しいもの。このプチ就労が、同年代だけでなく上の世代や若い世代と関わるきっかけになるのではないでしょうか。
働いて得られるものは、お金だけでなく「誰かに必要とされている」感覚もなのかもしれませんね。
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