最新の研究で、口を開ける機能(嚥下機能)と口を開ける力(開口力)が関係していることがわかりました。
これまで嚥下機能を把握するためには特殊な検査が必要だったため、より早い段階で嚥下機能の低下を把握できるようになるとのことです。
東京医科歯科大学の研究グループが、開口力と嚥下機能の関連性を証明。簡易的に嚥下機能を把握できるので、早期に嚥下機能障害を発見できる可能性があるそうです。
今回、研究グループが注目したのは「舌骨上筋」という食べ物を嚥下する際に働く筋肉。この筋肉がのど仏を持ち上げて気管を持ち上げることで、食べた物が食道に送り込まれるそうです。
そのため、舌骨上筋が衰えると上手く気管をふさげず、食べ物が気管に入って誤嚥が起きるそうです。つまり、舌骨上筋の働きが食べ物の嚥下に重要というわけですね。
そしてこの筋肉は、口を開けるときにも働くそう。そのため、開口力を測ることで舌骨上筋の衰えも計測できると考え、今回の実験をおこなうに至ったとのことです。
今回の実験は、開口力の計測機を作って開口する力の値を計測。同時に、全身の栄養状態や筋肉量も嚥下状態と関連していることがわかっているので、握力やBMI(体格指数)も調査しています。
加えて、日常の嚥下状態は「EAT-10」という嚥下状態を確認するアンケートで調査。嚥下機能の状態と、開口力についても比較しました。
その結果、嚥下機能が低下している人は、開口力やBMIなどの数値が低下していることがわかったそうです。
今回の結果から、これまでおこなわれていた特殊な検査でなくても、嚥下機能の測定ができる可能性があるとのこと。簡易的に検査ができるため、嚥下機能の低下を早期に発見できるようになるそうです。
また、開口力と嚥下機能の関連性がわかったので、「口を開けるトレーニングをすることで嚥下機能が向上するかもしれない」と研究グループは述べています。
私たちの普段の生活で、口を思い切り開けることはほとんどありませんよね。そのため、口を開ける力が低下していることには、なかなか気が付かないのではないでしょうか。
嚥下機能が衰えると栄養不足にもなりやすいですが、何より「食べる楽しみ」が減ってしまいます。
そのため、日常的に嚥下状態には気を付けておきたいですよね。
そこで、大きな口を開けるだけのトレーニングならとても簡単に生活に取り入れられます。長く元気に楽しく食べられるように、開口力をきたえていきましょう。
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