先月28日に自民党は、新型コロナウイルス拡大に関する介護事業者への支援策について、介護事業者に聞き取りをおこないました。
そのなかで全国老人福祉施設協議会は、介護施設でのクラスターが多発している背景には、医療体制が整っていない状況で感染者の施設内療養をおこなっていることにあると訴えました。
そのため、利用者が感染した場合は入院を原則とする旨や、医療支援の拡充など要望しました。
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先月28日におこなわれた「自民党社会保障制度調査会介護委員会」で、介護事業者の各団体にヒアリングが実施されました。
その出席団体のひとつ、特別養護老人ホームの経営者で組織する全国老施協は、介護施設で入居者の感染が発覚した際の対応について言及。現在の問題や支援の拡充を訴えました。
まず、入居者が感染した場合は「入院対応を原則」とすることを要望しています。
施設の医療体制では、夜間帯は医師・看護師が不在となるため急変に対応ができません。また、感染対応によって普段と施設の雰囲気が変わることにより、認知症の利用者が不穏になるなど、通常時よりも他の利用者へのケアが増えるそうです。
つぎに、やむを得ずに施設療養となった場合の支援の拡充を挙げています。
厚生省は、自治体が施設療養を指示する際の医療体制などの条件を設けています。しかし実際には、約半数の施設でそれが満たされていないとのことです。
この条件とは「医療・ケアにかかわる人員体制の支援」「感染拡大防止対策に関する専門家の派遣」「必要物資などの共有」などの療養体制のこと。しかし、自治体からの支援が行き届いていないのが現状だそうです。
こうした状況があり、介護施設でのクラスターが多発していると全国老施協は訴えています。
オミクロン株が拡大してから、高齢者施設でのクラスター発生のニュースを数多く聞くようになりました。現在、新規感染者は減少傾向にあるものの、油断はできない状況です。
今回の全国老施協の要望を知ると、いかに介護施設が体制の整っていない状況で戦っているのかがよくわかりますね。
連日報道されているように、現在は病床がひっ迫しています。そういった状況だと、病院としても施設の感染者を受け入れられないのはわかります。
しかし、施設療養をするにしても、医療スタッフや物資が足りない状況では施設での対応は難しいでしょう。
こうした点は介護事業者では解決しにくい問題です。自治体が積極的に介入しないと、介護施設のクラスター数はなかなか減らないのかもしれません。
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