超高齢化の進行に伴って、さまざまな病気の患者数が増えることが予想されています。
特に心不全や糖尿病など、生活習慣の悪化で起こる病気の患者が増加する見込み。なかでも心不全の患者が急激に増えることを「心不全パンデミック」と呼ぶそうです。
それを避けるために世界中で研究がおこなわれており、イギリスの大学では、糖尿病治療薬の「SGLT2阻害薬」が心不全の治療にも効果があることが発見されました。
イギリスのイーストアングリア大学が糖尿病薬の「SGLT2阻害薬」が心不全の治療にも効果があることを発見しました。
そもそも心不全とは、病名ではなく心筋梗塞や心筋症、弁膜症、不整脈などが原因で、最終的に発症する症候群のこと。心臓の機能が悪くなることが原因で、息切れやむくみなどの症状が出ます。
また、SGLT2阻害薬とは、尿から糖を排出させることで血糖値を下げる薬。インスリン分泌に作用しないため、低血糖の心配がないのが特徴です。コレステロールの改善や体重減少などの効果もあるそうです。
この薬について研究グループは、既存の研究データ1万人分を集めて分析。SGLT2阻害薬を服薬している患者とプラセボ(偽薬)を服薬している人を比較しました。
その結果、SGLT2阻害薬を服薬している患者は、心臓に関する病気で死亡したり、心不全の悪化で入院するリスクが22%低いことがわかりました。
しかし、まだ「SGLT2阻害薬の心不全リスクを減らす可能性がある」と示された段階のため、さらに詳細な研究が必要とのことです。
心不全は高齢化に伴って患者数が増えると言われています。というのも、心臓病や高齢者に起こりやすい弁膜症や高血圧といった心不全の原因となる病気が増加すると予測されているからです。
また、高齢者の心不全で怖いのは、身体機能が低下して要介護状態になるかもしれないということ。心不全が起こる度に入院し、身体を動かす機会が減ることで身体の機能が低下して介助が必要になる可能性があります。
もし、SGLT2阻害薬が心不全の治療薬として活用できるようになれば、治療の幅が広がります。これからさらに詳細な研究が進むことに期待ですね。
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