世界一の人口を誇る中国。それだけに高齢者の数も多く、65歳以上の人だけでも日本の全人口を上回ります。
しかし、高齢者の生活を支援する体制が整っておらず、中国でも少子高齢化が社会問題になっています。
そんななか、在日中国人向け情報紙『東方新報』は、政府がネットサービスなどを高齢者に配慮した形で提供するように各企業に求めていることを報じています。
在日中国人向けの中国語新聞『東方新報』が、中国で注目されている「適老化」「9073」というキーワードについて報じました。
「適老化」とは、高齢者への生活支援や高齢者が使いやすいサービス作りといった、高齢者に配慮して環境を変えること。まだ高齢化率はさほど高くないものの、全人口が多い中国では高齢者の人口も多いため、高齢者に優しい社会の実現が早急に求められているのです。
こうした動きの背景には、日本よりも「親の介護は子どもがするもの」という意識が強いことがあります。
日本の厚生労働省にあたる国家衛生健康委員会は、中国の伝統的な家族観に基づいた「9073モデル」を推進することを表明。これは、自宅で過ごす高齢者が90%、地域のコミュニティで過ごす人が7%、施設に入る人が3%という意味で、基本的には在宅介護を前提としている施策です。
しかし、「一人っ子政策」の時代に生まれた子どもが介護をする世代になると、介護の担い手が足りなくなり今のままでは親を支え切れないのが実情です。
そこで中国政府は、SNSやショッピングサイトといったネットサービスを高齢者が使いやすいように変更することを各企業に指示。ネット経由で配食サービスやタクシーの呼び出しといったサービスを高齢者が活用することで、老後も自宅で暮らしやすい環境づくりを推進しています。
2020年時点では高齢化率が13.5%の中国。高齢化率はそれほど高くはありませんが、それでもその数は1億9000万人と非常に多いのです。
ただ、日本と比べると介護サービスなどの高齢者を支えるサービスが浸透していないのが事実。そのうえ介護分野の人材不足が日本よりも深刻なため、それをネットサービスやテクノロジーで解決しようとする動きが高まっているようです。
しかし、最新の技術やサービスに高齢者はすぐにはなじめない様子。近年、急速に進むデジタル化に高齢者が取り残されないように取り組んでいるのは、日本も中国も同じようです。
日本での取り組みについては、以下の記事で紹介しています。
https://e-nursingcare.com/guide/news/news-6883/
これからは、高齢者に配慮したネットサービスの提供が世界共通で求められているのかもしれませんね。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。