大人の代わりに家族などの介護をする子ども「ヤングケアラー」という言葉がニュース番組などで取り上げられるようになり、「ケアラー」という言葉が広まってきています。
ケアラーとは、無償で家族などの身近な人の介護や世話をする人のこと。そのなかの18歳未満がヤングケアラーです。
今年4月には、北海道で「ケアラー支援条例」が施行。それを受けて、北海道社会福祉協議会に「ケアラー支援推進センター」という専門の部署が設立されました。
対して、京都府ではケアラー支援に関する条例を作ろうと「ケアラー支援条例をつくろう!ネットワーク京都(京都ケアラーネット)」が発足。介護をする家族の会やヤングケアラーなどの団体が集いました。
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今月1日、北海道社会福祉協議会の中に「ケアラー支援推進センター」が新設されました。
ケアラー支援の専門部署が都道府県社会福祉協議会に設立されるのは、全国で初めてのこと。今年4月に北海道で「ケアラー支援条例」が施行されたことに合わせて開設され、今後は北海道や関係機関と連携して支援をおこなうそうです。
具体的には、ケアラーに関する認知拡大や啓蒙活動をしたり、人材の育成、ケアラー支援をおこなう市町村や団体へのアドバイスをおこないます。
また京都府では、ケアラーに対する支援条例を作ることを呼びかける「ケアラー支援条例をつくろう!ネットワーク京都」が発足しました。
この団体は、高齢者や障がい者を介護する家族の会や男性介護者の会、ヤングケアラーの団体などさまざまな年代・背景を持つ人の団体関係者が共同代表に名を連ねています。
この団体が目指すのは、「ケアをしても自らの人生を生きられる社会の実現」すること。そのために京都府や京都市、議会などに働きかけて支援条例の制定につなげていきます。
現在、ケアラー支援条例は9つの自治体で制定されているものの、近畿地方ではまだ制定している自治体はありません。勉強会や支援のニーズ調査などをおこなって、京都府での条例制定を目指したいとしています。
ヤングケアラーにかぎらず、家族などの介護している人は孤立してしまう傾向があります。
というのも、ほとんどのケアラーが介護と学業・仕事との両立で時間がなく、そのうえ精神的にも体力的にも余裕がないため。誰かに相談する気力がなかったり苦労が日常化しているので「相談することはない」と思ってしまうことが多いのです。
そのため、ケアラー支援条例が制定されることでケアラーに対する理解が深まり、周囲が助けの手を差し伸べやすい環境になるのではないでしょうか。
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