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#最新研究 #糖尿病予防

糖尿病予防には午後~夕方に運動!インスリンの働きも活発に

オランダのライデン大学医療センターの研究で、糖尿病予防のための運動に適した時間は午後から夕方であることが明らかになりました。 この研究は、欧州糖尿病学会の『ダイアベトロジア』という医学誌に掲載されています。 研究の内容 この研究にあたって、研究チームは肥満に関連する疾患の先行研究である「オランダ肥満症研究」のデータを解析しました。 オランダ肥満症研究は、2008~2012年に45~65歳で肥満傾向にある男女6671人を対象に実施されたものです。 研究の参加者がしたことは以下のとおりです。 健診 空腹時と食後の血糖値の測定 インスリンの値の測定 (35%の参加者に)MRI検査を実施し、内臓脂肪の量を測定 (955人の参加者に)活動量を測定する装置を4日間取りつけ、エネルギー消費量を測定 データを解析した結果、活発なウォーキングなどの運動をしている人は、肝臓の脂肪量が減り、糖の代謝を促すインスリンの働きも良いことが判明。さらに、運動の強度が高ければ高いほど、効果が高いこともわかりました。 さらに運動をする時間帯を朝(6~12時)昼(12~18時)夕方・夜(18~0時)に分けて比べたところ、昼から夕方にかけて運動すると1番効果が高いことが明らかになりました。 この研究をリードしたイェロエン・ファン・デル・ヴェルデ氏は「骨格筋の細胞の代謝は午後遅くにピークに達するため、その時間帯に合わせて運動することでより効果が高まったのではないか」としています。 糖尿病を予防するために ファン・デル・ヴェルデ氏は「デスクワークなどで体を動かさないでいることが何より危険だ」と警鐘を鳴らします。 そうは言っても、デスクワークに従事しているとなかなか運動する時間を取れない人もいるでしょう。 ファン・デル・ヴェルデ氏によると「座るのを中断して、オフィス内を歩くだけでも効果が期待できる」そうです。 歩く習慣を日々の生活に取り入れ、糖尿病の予防に努めましょう。

2022/11/25

#最新研究 #糖尿病予防

糖尿病リスク28%増!?夜の光が「体内時計」を乱して血糖値を上げる

最新の研究で、夜間に街灯などの人工的に作られた強い光を浴びると、血糖値の上昇を引き起こし、糖尿病のリスクも増加する可能性が示唆されました。 この研究は中国の上海交通大学医学院を中心におこなわれ、欧州糖尿病学会の医学誌に結果が掲載されています。 研究の内容 今回の研究は、中国の男女9万8658人を対象に実施されました。 研究では参加者の空腹時と食後の血糖値、直近の1~2ヵ月間の血糖値を示すHbA1C、インスリンの値などのデータを取得。そのデータと、アメリカの気象衛星プログラムで解析された夜間の地表の明るさを示すデータを照らし合わせて分析しました。 その結果、夜間、街灯などで強い光に晒されている人は、そうでない人に比べ糖尿病の有病率が28%高いことが明らかになったのです。 さらに、慢性的に夜間の屋外で強い照明を浴びると血糖値が上昇し、糖の代謝を促すインスリンの働きが悪くなることも判明しました。 体内時計と血糖値の関係 なぜ、強い光を浴びると血糖値が上昇してしまうのでしょうか? その理由は、私たちが持つ「体内時計」です。 体には、大体24時間のリズムを作り出す体内時計があります。体内時計は体温調整や睡眠、食欲などの基本的な機能に加え、糖尿病に関わるインスリンの効きやすさにも影響があると考えられています。 つまり、体の機能を調整する体内時計が乱れた結果、血糖値も上昇したのです。 実際に別の研究では、人工的な光を浴びたラットは血糖値とインスリンの値が上昇したことが明らかになっています。 さらに、寝室を明るいままにして寝ていると、肥満のリスクが上昇し、高齢者の糖尿病になる危険性が高まるという研究も発表されています。 夜に光を浴びない工夫 以上のように、夜間の強い光と糖尿病のリスクは相関関係にあることが研究によって示されました。 そこで大事になってくるのは、夜間になるべく光を浴びないように工夫することです。 例えば、外の光が部屋に入って来ないように夜は分厚いカーテンを閉めたり、寝るときは電気を消したりといった方法があります。 高齢者などで真っ暗にして寝ると転倒のリスクがある人は、光が強すぎない間接照明を利用することも検討してみると良いでしょう。 明るいうちに活動して、日が暮れたら休むという、昔ながらの暮らしの良さを見直すときが来ているかもしれませんね。

2022/11/25

#医療現場の改革 #最新テクノロジー #最新研究

AIは高齢者の転倒も予防?富士通「行動分析技術Actlyzer」の実験開始

富士通株式会社と和歌山県立医科大学は、カメラではなくセンサーを用いた、プライバシーに配慮した新たな見守り技術の共同実証実験を11月21日からスタートさせました。 今回の実験で富士通は実験データを分析し、和歌山県立医科大学が評価をおこないます。 分析と評価を繰り返し、2023年度末までに新たな見守り技術のサービス化を目指しているそうです。 実験内容 実証実験の概要は以下の通りです。 期間:2022年11月21日~2024年3月31日 場所:病院などの施設 被験者:高齢な患者や介護を必要とする人 富士通は、自社で開発したセンサーを使って人の姿勢を推定する技術と、姿勢の変化から行動を認識するAI「行動分析技術Actlyzer」を連携させ、見守り技術の検証をおこなうとしています。 具体的には、病室などに設置した、電波を用いた見守り技術のセンサーから収集したデータをもとに、転倒につながる体の動きを分析します。 さらにその結果と、人が踏むとコールが鳴るフットコールや実験用に設置されたカメラの映像を比較して、見守り技術のセンサーが患者の動きを本当に検知できているか検証していきます。 患者の動きに関するデータは、映像ではなくセンサーによって取得されるため、カメラ映像に比べプライバシーに配慮した見守りが可能です。 見守り技術の開発に至った背景 高齢者は骨がもろくなっているため、転倒して骨折するリスクが一般成人よりも高いです。しかし、カメラなどはプライバシー保護の観点から設置が難しいという背景があるため、よりプライバシーに配慮した見守り技術の開発に至ったそうです。 公益社団法人全日本病院協会は、国内18病院の転倒件数を調査。2021年度は1ヵ月あたり290件ほどの転倒があったそう。現在、現場で広く採用されているフットコールは踏まないとコールが鳴りません。つまり、この転倒件数には患者がフットコールをまたぐなどして介護士が気づかないうちに転倒に至ったケースも含まれていそうです。 今回の見守り技術がサービス化して、転倒事故をゼロに近づけていければ良いですね。

2022/11/24

#最新研究 #糖尿病予防

世界初!食べ物のにおいを嗅いで糖尿病予防!?脂肪の燃焼がカギ

富山大学の研究により、食事の前に食べ物の匂いをかぐことで、脂質の代謝が促進されて、糖尿病予防にもつながる可能性が示唆されました。 富山大学によると、嗅覚刺激で糖尿病予防につながるという研究は世界初となるそうです。 脂質と糖尿病の関係 ではなぜ、脂質の代謝を促進すると糖尿病予防になるのでしょうか? 実は脂質と糖尿病の関係は、以前から指摘されています。脂質を摂りすぎると内臓脂肪が増加。その内臓脂肪から分泌される物質が、糖の代謝を助けるインスリンの働きを妨げてしまうのです。 また脂質は、最低でも7時間以上もかけてゆるやかに血糖値を上昇させることもわかっています。つまり、脂質を摂りすぎてしまうと、長時間にわたって血糖値の高い状態が続いてしまい、結果として糖尿病の発症につながるのです。 マウスを用いた実験結果 今回の研究ではマウスを用いて、エサの匂いをかがせてからエサを与えました。 その結果、糖の代謝は変わらなかったものの、脂質の吸収は抑えられ、脂質の代謝や燃焼効率は促進されたことが明らかになりました。食べ物の匂いをかぐことで、消化管の脂質吸収を抑えたり、肝臓の代謝機能を促進させたりと、組織ごとに機能を調整することがわかったのです。 さらに、マウスに脂質が豊富に含まれているエサを食べさせ、そのマウスが別の食事をする前に、エサの匂いをかがせるという実験もおこないました。すると、糖の代謝を助けるインスリンのはたらきが改善し、血糖値の上昇も緩やかになったのです。 これは、食前と食後に食べ物の匂いをかぐことで、糖尿病予防につながる可能性を示唆するものです。 今回の研究では、食べ物の匂いをかぐことで脂質の吸収が抑制され、その結果インスリンのはたらきが改善され、糖尿病の予防につながることが示されました。 今後はこの研究を人に応用し、最終的には嗅覚を利用した薬の開発をして、糖尿病をはじめとした多くの生活習慣病の予防や治療につなげたいとしています。

2022/11/24

#最新研究 #糖尿病予防 #糖尿病治療

糖尿病の改善には「アプリ+カウンセリング」?より効果的な治療法を開発

東フィンランド大学で、食事の質を改善したり、運動量を増やしたりといった日々の生活習慣を改善し、糖尿病のリスクを減らすことを目的とした研究がおこなわれました。 具体的には、糖尿病患者およびその予備軍の人に、糖尿病管理のスマホアプリとカウンセリングで、1年間にわたって生活スタイルに対し介入したのです。 その結果、お腹の脂肪は減り、糖の代謝を助けるインスリンの効果も上がったことが示されました。 研究の概要 研究は、2型糖尿病の人とその予備軍、合わせてフィンランドの18~74歳の2907人の男女を対象に実施。食事・睡眠・運動など400以上の項目で生活習慣の改善を支援するスマホアプリ「BitHabit」を使用しました。 また、研究の対象者をアプリのみを使用したグループ、アプリの使用に加えてカウンセリングも受けるグループ、ただ従来の治療を受けるだけのグループにランダムに分けました。 研究の結果 1年間研究を続けたところ、アプリの使用に加えてカウンセリングも実施したグループでは、平均の腹囲が減少し、空腹時のインスリンの値も改善されていたことが判明。一方、アプリのみを使用したグループでは特に変化が見られませんでした。 またアプリとカウンセリングを併用したグループでは、食生活の質が良くなり、野菜の摂取量も増加。さらに運動量は増え、座る時間は減ったことが明らかになりました。 つまり、生活習慣の改善を支援するアプリを使用し、カウンセリングもおこなうことで、日々の生活習慣が改善したことがわかったのです。 東フィンランド大学生物医学研究所のTimo Lakka博士は「人々が自身の糖尿病リスクを認識し、糖尿病を予防するために、日々の生活習慣を見直し、必要なサポートを受けられるようにすることが重要だ」と話しています。

2022/11/21

#最新研究 #糖尿病治療

糖尿病にたった数分のウォーキング!食事60~90分後が効果的

新たな研究で、食事の運動を数分間おこなうだけでも、血糖値の上昇が緩やかになることがわかりました。 運動が健康に良いことはわかっているけれど、いざ実践となると億劫になるもの。わずか数分間の運動で良いなら続けられそうですね。 研究結果 Sports Medicineという雑誌に掲載された7つの研究を分析。7つの研究のうち5つは糖尿病に罹患していない被験者が対象になったもので、残りの2つは糖尿病の有無を問わない被験者が対象となりました。 研究の中で、軽くウォーキングしている状態と同じ時間座っていたり、ただ立っていたりする状態を比較し、どちらが血糖値に良い影響を与えるか検証しました。 すると、数分間の軽い運動でも血糖値の変化が緩やかになったことが判明。特に、血糖値がピークになる食後60~90分以内にウォーキングすると、より血糖値の上昇が抑えられたのです。 糖尿病をコントロールする医療機器の提供をおこなっている、アボット社の最高医学責任者であるニック・ウエスト博士は、「食後にウォーキングなどの運動をすることで血糖値をコントロールしやすくなる。血糖値をコントロールできれば、糖尿病の合併症を予防できる可能性もある」としています。 ただ、ウエスト博士は、「食事をした直後に運動すると消化不良を起こす危険性もある」と注意も促しています。 糖尿病を予防するために 健康的でバランスの取れた食事も、糖尿病や脳梗塞・心筋梗塞などといった糖尿病の合併症を予防するのに有効です。特に、食物繊維を取ると血糖値の上昇が穏やかになることがわかっています。食物繊維が豊富な野菜を積極的に取り入れましょう。 健康的な食事をすることは、適正体重の維持にもつながります。肥満は、糖の代謝を助ける酵素であるインスリンのはたらきを低下させるのです。肥満な人と肥満でない人を比較すると、肥満な人のほうが約5倍糖尿病のリスクが高いことがわかっています。 糖尿病に一度かかってしまうと、一生、血糖値のコントロールが必要になります。糖尿病や糖尿病の合併症を予防するためにも、適度な運動を生活に取り入れたいですね。

2022/11/17

#最新研究 #糖尿病治療

ヨガで糖尿病治療!?ストレスホルモンの低下が血糖値に好影響か

ヨガや瞑想などが、2型糖尿病患者の血糖コントロールに役立つ可能性が最新の研究で示唆されています。 この研究は、アメリカの南カリフォルニア大学に所属するFatimata Sanogo氏が中心となっておこなわれたものです。 2型糖尿病とは 糖尿病には大きくわけて1型糖尿病と2型糖尿病があります。 1型糖尿病はインスリンを作り出す細胞が破壊され、インスリンがほぼ分泌できなくなることで発症します。 一方、2型糖尿病は、生活習慣が乱れることで糖の代謝を調節するインスリンの作用が低下した結果、発症することがわかっています。 こうした糖尿病になると、糖が血管を傷つけ、心臓病や脳梗塞などといった合併症のリスクが上昇。危険な合併症を予防するために、血糖のコントロールが重要になってくるのです。 研究の概要 今回のこの研究をリードしたSanogo氏はヨガのインストラクターでもあり、「ヨガや瞑想などといった行為が血糖値にどう影響するのか、科学的な論拠を掘り下げたかった」と研究の動機を語りました。 Sanogo氏は、すでに発表されているヨガや瞑想、マインドフルネスに関する文献や論文をデータ化し、それに加えて公開されている28件の臨床試験の結果を合わせて解析しました。 すると、過去1~2ヵ月の血糖値を反映したHbA1cが、ヨガや瞑想をした人では平均して0.84%低下していたことが判明。これは、一般的によく使われている降圧剤で示されている効果、約1%とほぼ近いことがわかります。 また、ヨガの頻度が重要であることも判明。毎日ヨガをすると、より血糖値が下がる傾向が見られたのです。 しかし、なぜ、ヨガが血糖値に良い影響を与えたのかはまだ判明していません。ただ一説によると、ヨガによってストレスホルモンが低下し、全身の炎症反応が抑えられることで、血糖値も下がった可能性が考えられるそうです。 Sanogo氏は、「この研究結果は、運動や食事療法、薬物療法といった標準治療に代替できるものではない。標準治療をしっかりした上で、実践を考慮するべきだ」と正しい理解を求めました。

2022/11/15

#最新研究 #認知症予防

AIメガネで認知症を早期発見!?視線、まばたきで認知症がわかる

11月7日、富士フイルム株式会社は、コンピューターが自動で学習し、背景にある法則を発見していくという機械学習を用いた、認知症を判定する新たな手法の研究を開始。高齢者専門の医療機関であり、多くの認知症患者を診察してきた、東京都健康長寿医療センターと共同で研究していくそうです。 今回、富士フイルムが今回試みた検査方法とは、メガネ型の装置で体の動きを解析し、認知症の人に多く現れる運動機能の低下を判定することで、認知症疑いを判定するというものでした。 共同研究の背景 現在、認知症を確定するためには、専門医が普段の様子を探る問診、MMSEと呼ばれる認知機能を測るテスト、脳の萎縮を確認するためのMRIなどが必要です。 しかし問診やMRIなど多くの検査が必要なため、認知症の判定は長時間かかります。受診した人の肉体的または心理的な負担もかなりのものでしょう。 そこで富士フイルムと東京都健康長寿医療センターは、より早く簡単に認知症を判定できないか模索することにしたのです。 研究の概要 富士フイルムと東京都健康長寿医療センターは、今月7日から、認知症の人約100人を対象に臨床研究を開始しました。 研究では、認知症の人がメガネ型の装置を装着します。そして、その人の視線の動き、まばたきの回数、頭部の傾き、歩行時のバランスなどといったデータを装置のセンサーが読み取り、それをAIが読み込んで解析。認知症診断に有効なデータを収集し、今後の研究に有効な指標の特定をしていきます。 さらに次のステップとして、収集したデータから認知症判定に必要なアルゴリズムを構築し、それから実際に認知症を判定して症例のデータを集めたいとしています。 厚生労働省によると、2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると予測されています。認知症の人を素早く適切な医療または介護サービスにつなげるためにも、この研究には期待したいですね。

2022/11/15

#最新研究 #認知症予防

最新の認知症予防は電流!?ふくらはぎへの電気刺激で脳内物質を増加

新たな研究で、筋肉に電気刺激を与えることで、脳由来神経栄養因子(Brain-derived Neurotophic factor 以後「BDNF」と記載)の濃度が増加することが明らかになりました。 BDNFは、脳内の記憶を司る海馬を中心に現れ、学習・記憶・認知に関わる物質です。さらに、神経の保護や再生、筋肉をつくるタンパク質の合成など、多くの機能を持っていることが知られ、体内のBDNF量が低下すると、さまざまな病気の重篤化につながることも示唆されています。 この研究は金沢大学や広島大学、株式会社MTG、アメリカのマーケット大学が共同で実施しました。 研究の背景 BDNFは学習・記憶・認知に関わる物質です。認知症患者はそのBDNFの現れる量が少なくなることが報告されています。反対に、もしBDNFを体内で増やすことができれば、認知機能の改善につながる可能性があります。 動物を使った別の研究で、BDNFは脳内の海馬だけでなく、骨格筋の細胞からも発現することが判明。つまり運動すれば、記憶や認知に関与するBDNFが体内で増加し、認知機能を改善する有効な手段になりえます。 しかし問題点は、BDNFを発現させるためには運動に強い負荷をかける必要があること。負荷が弱い運動では、BDNFがほとんど現れないため、強い負荷の運動が難しい高齢者は、体内のBDNFを増やすことは難しいという課題がありました。 研究の内容 高齢者は運動に強い負荷をかけるのが難しいため、研究チームは運動に依存しない形で、認知機能に関わる体内のBDNFを増やすことができないかと模索しました。 模索した結果、平均年齢27歳の、健康な12人の男女を対象に筋肉を電流で刺激することに。すると、電流で刺激した筋肉量が多いほど血中のBDNFの量も増加することが明らかになったのです。 また、太ももよりふくらはぎの部分に電気刺激を与えたほうが効果的であることもわかりました。 今回は若い人を対象に研究をしましたが、今後は高齢者など対象を広げていくそうです。 今回の実験で、認知症の人でも認知機能の改善を見込めることが示唆されました。認知症の進行を食い止める手だてになるといいですね。

2022/11/14

#がん #最新研究 #糖尿病予防

高齢者の骨折で死亡リスク増加!?骨折したがん患者の4割が死亡

高齢者の骨折において、骨折した部位が体の中心に近い場合や、骨折した高齢者に基礎疾患がある場合に死亡率が高まることが研究で明らかになりました。 この研究は、オーストラリアのカーヴァン医学研究所に所属するJacqueline Center氏が牽引しておこなわれました。 研究の詳細 この研究の対象者は次の通りです。 対象者は直近14年の間に骨折した50歳以上のデンマーク人30万7870人 対象者のうち、男性は9万5372人で、女性は21万2498人 対象者はさらに4つのグループに分けられました。グループはそれぞれ、比較的健康なグループ、心疾患を患っているグループ、糖尿病を患っているグループ、がんを患っているグループとなっています。 平均して約6年間にわたって追跡したところ、男性の約43%と女性の約39%にあたる人が死亡。また、死亡者のうち半数近くが、2つ以上の疾患を持っていました。最も多くの人が患っていたのは心疾患で、次に多かったのはがんだったそうです。 さらに、各グループの骨折部位と骨折後の死亡率、基礎疾患の有無を照らし合わせました。すると、太ももの骨にあたる大腿骨(だいたいこつ)、股関節にあたる大腿骨近位部、骨盤、肋骨(ろっこつ)、鎖骨などの体の中心に近い部位を骨折し基礎疾患がある人は、そうでない人に比べて骨折後の死亡率が上昇したことが明らかになったのです。 特に死亡率が高かったのは、がんのグループの大腿骨近位部を骨折した男性で、40.8%の人が死亡しました。 一方、手や前腕などといった体の中心から離れた部位を骨折した、比較的健康なグループでは、死亡率の増加はほぼ見られませんでした。 研究を通して考えられること なぜ、基礎疾患がある人が骨折すると、死亡率が上がったのでしょうか? この研究をリードしたCenter氏は具体的なことはまだわかっていない、としながらも、「骨と免疫系の相互作用によるものである可能性が高い」と考えています。基礎疾患があると、骨折による炎症を引き起こしている原因分子をうまくコントロールできず、結果として骨折が基礎疾患を悪化させているのではないかと推測しました。 今回の研究論文の筆頭著者であるThach Tran氏は、「この研究は、骨折と基礎疾患が相互に関連していることを明らかにしたもので、リスクが高い患者を特定しやすくするものかもしれない」と話しました。 高齢者は骨がもろくなり、骨折しやすくなります。骨折の原因になりやすい転倒を減らす工夫が大事ですね。

2022/11/11

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

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