light icon

ニュース

#最新研究

#最新研究 #認知症の薬 #認知症予防

「光触媒」が認知症薬に!降圧剤のように”安価な錠剤”の認知症薬が誕生?

日本の高齢化に伴って増加している認知症患者。そのなかの約7割を占めているのがアルツハイマー型認知症です。 そのため、世界中でアルツハイマー型認知症の治療法や予防法が研究されています。 そのなかのひとつに、東京大学の「光触媒」を使った研究があります。この研究では、光触媒によって認知症の原因物質の無毒化に成功しています。 この治療法が確立すれば、50代や60代の比較的若いときから認知症の予防ができるようになるとしています。 意外な「光触媒」がカギ 東京大学の研究チームが、光触媒を使ったアルツハイマー型認知症の治療薬の開発をおこなっています。 そもそもアルツハイマー型認知症は、脳内にアミロイドβというタンパク質が塊となって神経細胞を傷つけるために起こる病気。もともと身体には、アミロイドβを分解する免疫細胞が備わっていますが、加齢によって機能しなくなり脳にアミロイドβが蓄積してしまうそうです。 また、光触媒とは光によって活性化して他の物質の化学反応を促す性質のある物質のこと。身近なものでは「抗菌ガラス」などにも使われている物質です。 この光触媒を使って、研究チームはアミロイドβが塊になるのを防ぐ方法を考案。実験は成功し、アミロイドβが減少していることが確認できました。 同時に、アミロイドβの毒性がなくなっていることや、免疫細胞がアミロイドβの分解を再開していることもわかりました。 安くて飲みやすい認知症予防薬が誕生? 先日、アメリカで「アデュカヌマブ」という認知症薬の販売が開始されました。しかし、年間630万円もの薬代がかかり、問題となっていました。 アデュカヌマブについては、こちらの記事で記載しています。 https://e-nursingcare.com/guide/news/news-3346/ 対して今回の薬は、特殊な設備を使わずに生産されてコストを抑えられるため、低価格で販売できる見込みだそう。ゆくゆくは、多くの人が服薬している降圧剤と同じくらいの値段で利用できるとのことです。 さらに、薬を錠剤化できるのも特徴。注射ではなく錠剤であれば、手軽に服薬できるので便利ですよね。 こうした「薬代が安い」「服薬しやすい」という理由から、この開発が成功すれば認知症の症状が出る前の予防が気軽にできるようになるかもしれません。 早いうちからの予防となると、長期間にわたって治療を受ける可能性があります。それを低価格で実現できるのであればかなり期待できる薬ですね。

2022/03/03

#最新研究 #認知症予防

認知症の原因物質を排出する仕組みを発見!発症をコントロールする時代に?

国内に600万人以上いるとされている認知症患者。それだけ大勢の人が発症している病気にも関わらず、まだ根本的な治療法の確立には至っていません。 そんな状況のなか、先月26日に東京大学の研究チームが発表したのは、その認知症の原因物質が脳から排出されるメカニズムについてです。 認知症は、神経細胞を傷つけるタンパク質が脳内で過剰に溜まることで起こるとされており、その原因物質の蓄積を防止する方法を発見したとのことです。 原因物質を排出する機能を発見 先月26日、東京大学が発表したのは「認知症の原因物質が脳から排出されるメカニズム」についてです。 認知症のメカニズムは、脳内に「タウ」というタンパク質が異常に溜まり、脳の神経細胞が死んでしまうことで発症するとされています。そのため、タウの蓄積を防ぐと認知症を予防できると考えられています。 また、以前からの研究で、脳内の老廃物を脳外に排出するリンパがあることがわかっています。そこで、研究チームはその仕組みがタウも脳外に排出していると予測し、マウス実験をおこないました。 実験ではマウスの脳のリンパを滞らせて、脳内のタウの量と神経細胞の状態を調査。加えて脳の委縮度も確認しました。 その結果、マウスの脳内ではタウを排出する機能が低下。タウの量も増加しており、神経細胞の壊死も増えていることがわかりました。さらに、脳の萎縮も進行していたとのことです。 この研究によって、タウを排出する機能を高めれば脳の神経細胞の死を防止し、認知症を予防できる可能性が発見されました。 認知症は”コントロールするもの”へ? 今回の東京大学の研究によって、新たなアプローチでの認知症治療が開発されるかもしれません。 というのも、これまでに「タウの蓄積を防止して神経細胞の壊死を抑制する」タイプの認知症治療法は開発されていないためです。 そのため、今回の研究を生かした方法が実用化されれば、いわゆる「認知症予備軍」の人の予防法になるかもしれませんね。 ただ、認知症の発症前に手を打たないと意味がありません。もしかしたら、発症の以前からタウの蓄積状況を把握しつつ、発症をコントロールするようになる可能性もあります。 将来的には、認知症の発症をコントロールできる仕組みができるかもしれませんね。

2022/03/02

#最新研究 #認知症予防

アルツハイマー病になりやすい遺伝子を発見⁉高精度の発症予測も開発

もしかしたら、認知症のリスクを若いときから把握できるようになるかもしれません。 今月18日に京都大学の研究グループが「アルツハイマー型認知症になりやすい遺伝子の特徴を発見した」と発表しました。 今回の研究結果が、将来的にはアルツハイマー型認知症の発症予測の仕組みや新しい治療法の開発につながるとしています。 原因物質に関係する遺伝子を発見 京都大学が「iPS細胞を利用して、アルツハイマー型認知症のリスクとなる遺伝子を発見した」と発表しました。 アルツハイマー型認知症は、認知症の約7割を占める病気。脳に特定のタンパク質が溜まって塊となり、神経細胞を傷つけることで発症するとされていますが、詳しい原因などはわかっていません。 そのアルツハイマー型認知症のなかでもこの研究の対象となったのは、家族にアルツハイマー型認知症の病歴のない「孤発性」のケース。アルツハイマー型認知症の人の9割以上が当てはまります。 この研究では、まず102人のアルツハイマー型認知症の人の血液細胞からiPS細胞を作成。それを脳の神経細胞に成長させて病気を再現し、タンパク質の状態や遺伝子の働きなどを解析しました。 その結果、原因のタンパク質に関係するとみられる24の遺伝子を特定。そのうち8の遺伝子はそのタンパク質の量の調節に関わることもわかりました。 さらに遺伝子情報をAI(人工知能)で分析して、タンパク質が脳内で蓄積されるのを予測するモデルも作成したそうです。 研究グループは「遺伝子の特徴を詳しく調べることで、将来的には発症する前に診断や治療ができる可能性がある」としています。 「若いころから認知症予防」が当たり前に? 今回の京都大学の研究で、認知症研究は大きく進むかもしれません。 もしかしたら、血液検査で若いときから認知症リスクを把握するシステムが開発されることも考えられますよね。 現在の認知症検査の多くは、症状が出ていたり脳内にタンパク質が蓄積した状態になってから発見するものです。 しかし今回の研究データを活用すれば、30~40代やもっと若い年代でも認知症リスクを把握できるような検査が開発される可能性もあります。 将来的には認知症予測が一般的になって、発症前から予防するのが当たり前になる時代が来るのかもしれませんね。

2022/03/01

#AI #医療現場の改革 #最新研究 #糖尿病治療

AIで糖尿病性腎臓病の重症化を予防⁉糖尿病患者の実証実験がスタート

実は日本は世界2位の人工透析大国。国内の約34万人が人工透析を受けており、なかでも糖尿病と合わせて発症する「糖尿病性腎臓病」による透析患者数は全体の4割にもなります。 この糖尿病性腎臓病の重症化を防ぐために、金沢大学などの共同研究グループがAI(人工知能)を使った実証実験を開始することを公表しました。 この実証実験の結果をもとに、AIシステムの普及をおこなって多くの患者の生活の質の向上を目指すとしています。 AIが病気の重症化リスクを解析 金沢大学の和田理事・副学長らの研究グループは、糖尿病性腎臓病の重症化を予防するAIシステムの実証実験の開始を公表しました。 このシステムは、2019年8月から糖尿病性腎臓病が悪化・改善するメカニズムを金沢大学と東芝グループが共同で研究していたものです。 具体的には、金沢大学が長期にわたって研究してきた糖尿病性腎臓病のデータを、東芝のAIによって解析し、詳細なメカニズムを調べていました。 その後、SOMPOグループの研究の参加によって、同社の持つヘルスケアのノウハウなども組み合わさり、糖尿病性腎臓病が重症化するリスクを算出するAIシステムの開発に成功したそうです。 今回の実証実験では、研究の対象者それぞれの健康診断結果をAIが解析。それによって、対象者の良好な項目と改善が必要な項目が記載された「生活習慣の維持/改善目標シート」を作成します。 そして、そのシートを活用して管理栄養士が患者への保健指導を実施。さらに従来の健康指導も組み合わせることで、対象者の生活習慣などの変化を検証するそうです。 今後はこの研究のデータをもとに、このAIシステムの糖尿病性腎臓病の重症化予防効果を検証。医療機関や自治体、民間事業者が連携してプログラムの普及を目指すとしています。 AIはあくまで”補助”するもの 研究グループによると、今回のAIシステムは「人をサポートする」もの。AIがすべてを判断するのではなく、専門家が指導・指示をするときの補助としての役割が期待されています。 つまり、健康を維持するためには「AIが判断してくれるから、すべて任せておけばいい」と思うのではなく、自分から生活習慣を変える努力もしなければならないということかもしれませんね。

2022/02/25

#最新研究 #糖尿病予防

糖尿病、脂肪肝、肥満に伝統食材が効く⁉「エゴノリ」の多様な健康効果

糖尿病の人やいわゆる「糖尿病予備軍」の人にとって、食後の血糖値が気になるところ。そのためか、近年血糖値の上昇を妨げる効果のある「機能性表示食品」などが注目されています。 今回、新たに血糖値の上昇を抑える効果のある食材が発見されました。 それは「エゴノリ」という海藻。福井県立大学の研究グループが血糖値の上昇と脂肪の蓄積を抑制する効果があることを発表しました。 研究グループは、今後「エゴノリを使った健康食品の開発を目指したい」としています。 さまざまな生活習慣病に効果あり? 福井県立大学の研究グループが発見したのは、新潟県や長野県などで郷土料理として食べられているエゴノリの健康効果です。 研究グループは、マウスに高脂肪食を3ヵ月間食べさせて、エゴノリを与えたマウスとそうでないマウスを比較。その結果、エゴノリを与えたマウスの体内の脂肪の増加を約半分に抑えられたそうです。 加えて、エゴノリには脂肪細胞の肥大化や血糖値の上昇、脂肪肝の進行も抑制する効果もあることがわかっています。 これらの効果は、エゴノリに含まれる水溶性食物繊維やポリフェノールによる抗酸化・抗炎症作用によるものだと考えられるそうです。 現在、エゴノリは地球温暖化によって収穫量が減少。さらに若者の海藻離れなどによって、エゴノリを使った伝統料理や食文化が衰退しつつあります。 そのため、今回の研究結果を受けて研究グループは「健康食材としてエゴノリが見直されるきっかけになってほしい」と話しています。 伝統食材が健康食材に! 今回、福井県立大の研究グループが注目したエゴノリは、新潟県、長野県、京都府、福岡県など日本の広いエリアで親しまれてきた食材です。 例えば新潟県の佐渡地方では、エゴノリの煮汁を薄く伸ばして固め、細く切ってそばのように食べるそうですよ。 そうした地域の食文化に根付いているエゴノリですが、近年では食べられることが少なくなっているとのことです。 そこで、エゴノリの健康効果が明らかになって健康食品が開発できれば、新しい健康食材として地域おこしにもつながりそうですよね。 エゴノリは普通の「黒っぽい海藻」なので見た目はとても地味ですが、糖尿病や脂肪肝に頭を悩ませている人の救世主になるかもしれない食材。エゴノリが健康食品として一般的になって、手に入りやすくなると良いですね。

2022/02/24

#コロナ対策 #最新研究 #調査結果

高齢者は服薬注意のコロナ新薬。高血圧、睡眠薬…併用禁止薬が約40種

今月10日、厚生労働省がファイザー社製の新型コロナウイルスの飲み薬「パキロビッド」を承認しました。 国内で承認されている飲み薬としては2例目。軽症や中等症の患者の治療に有効な薬です。 しかし、高血圧などの多くの薬と併用できないなど、取り扱いには注意があるそうです。 オミクロン株にも効果あり 厚生省が承認した新型コロナ治療薬のパキロビッドは、軽症・中等症の治療に使用できる飲み薬。「重症患者が比較的少ない」とされるオミクロン株の治療薬として期待されています。 この薬は、抗ウイルス薬2錠、抗エイズウイルス(HIV)薬1錠の計3錠の薬を組み合わせて服用するもの。1日2回、5日間服薬するそうです。 パキロビッドの効果について、重症化リスクのあるコロナ患者の臨床試験では、入院もしくは死亡リスクが約90%減少。すでに承認されている飲み薬の「モルヌピラビル」が約30%の減少にとどまっているので、高い効果が期待されています。 一方で、併用禁止の薬が多いことに注意。高血圧や不眠症など約40種類もの薬と併用ができません。 そのため、医療機関に「処方するときは、患者が服薬している薬をすべて確認してほしい」と呼びかけ、ファイザーが作成した「投与前チェックシート」を活用してほしいとしています。 また、この薬の使用対象者は、「60歳以上」「喫煙者」「心血管疾患」「糖尿病」といった重症化リスクの高い患者とされており、すべての人に処方されるわけではありません。 加えて、厚生省は服薬に注意が必要な患者も挙げています。例えば、妊婦や小児、腎機能障害患者などはこの薬の成分によって悪影響が出る可能性があるとのことです。 扱いには注意が必要 高い効果があるとされているパキロビッドですが、注意点があることも事実です。 特に高齢者は高血圧・不眠などの薬を服用していることも多く、現在飲んでいる薬との併用ができるかを確認する必要があります。 加えて、腎機能障害の人の服薬も注意。抗ウイルス薬を1錠に減らす必要があったり、そもそも服薬ができないケースもあるようです。 このように注意点が多い薬のため、今月27日までは一部の医療機関でしか処方されていません。この期間で処方上の課題などを洗い出して、広く普及される見込みになっています。 高齢者は持病などがあったりして重症化リスクが高いため、一刻も早く薬が普及してほしいところ。しかし持病があるからこそ、簡単に処方してもらえないもどかしさがあります。 この薬の他にも新型コロナ治療薬が研究されているので、服用する薬を選べるようになると良いですね。

2022/02/18

#コロナ対策 #最新研究

糖尿病や脳梗塞でコロナの「スーパースプレッダー」に⁉ウイルス量が大幅増

東京医科歯科大の研究グループが「糖尿病や脳梗塞などの基礎疾患を持つ人が新型コロナウイルスの『スーパースプレッダー』になっている可能性がある」との研究を発表しました。 スーパースプレッダーとは、10人以上の感染源となる人のこと。これまではその詳細について解明されていませんでしたが、今回の研究でスーパースプレッダーの特徴の一部が明らかになりました。 慢性疾患があるとウイルス量が大幅増 東京医科歯科大の研究グループがおこなったのは、2020年3月から2021年6月までの新型コロナに感染した中等症や重症患者に対しての調査。対象者400人の体内のウイルス量を測定しました。 ウイルス量が多いと、感染源の患者本人の症状の重さとは関係なく、感染力や感染させた相手の重症化率が高くなるとされています。 その結果、糖尿病や関節リウマチ、脳梗塞の持病のある人は、そうでない人よりもウイルス量が多いことが判明。糖尿病の人では17.8倍、関節リウマチは1659.6倍、脳梗塞では234.4倍と大幅にウイルス量が多くなりました。 さらに、がんなどの他の疾患も含めて3つ以上の慢性疾患を併発している人は、ウイルス量が87.1倍になることもわかっています。 今回の結果から研究グループは「糖尿病などの特定の持病のある感染者が入院した際に、個室に隔離したり、特別な注意を払った対応が感染拡大を防ぐ」と呼びかけています。 一方で、今回の研究はアルファ株などの感染者が対象。現在、流行しているオミクロン株でも同様であるかは明確でないとのことです。 施設での感染対策の参考に 今回の研究で、糖尿病などの持病がある人がスーパースプレッダーになる可能性が示されました。 高齢になると持病を持っている人が多くいます。だからといってやたらとおそれる必要はありませんが、今回の研究結果が介護施設や病院での感染拡大防止のひとつの参考になるのではないでしょうか。 感染者が発見されたら迅速に対応できるように、そして大きなクラスターとならないように、今回の研究結果をふまえて、対策を練り直すことも重要かもしれませんね。

2022/02/17

#フレイル予防 #最新研究 #糖尿病予防

家事で糖尿病を予防⁉運動時間がなくてもOKな「カクテル運動」とは

糖尿病などの生活習慣病を予防するための新しい運動方法が、専門家によって提案されました。 それは「カクテル運動」という、軽い運動や少し激しい運動などを組み合わせる方法。この方法によって、死亡リスクが最大30%減ることがわかっています。 家事をすることも健康効果あり! アメリカのコロンビア大学の研究グループが、新しい運動習慣を提案しています。 これまで同研究グループは「1日30分以上、週5日の活発な運動」を推奨してきました。しかし、この通りに実行している人は少数だったそう。そこで、最新の研究からわかった新しい運動方法を提案しています。 それは、負荷の強さの異なる運動を組み合わせておこなう「カクテル運動」。運動・身体活動を負荷の強さによって分け、それらを最適な比率で組み合わせる運動方法です。 具体的には、早足のウォーキングやランニングなどの「中程度から激しい運動」、ゆっくりのウォーキングや家事などの「軽い運動」、イスなどに「座っている状態」の3つのパターンで身体状況を分けています。 ここで「座っている状態」も身体活動に含んでいるのは、長時間座ることが健康に悪いため。「1日30分激しい運動している人でも座っている時間が11~12時間になると、運動の健康効果が打ち消される」という研究があるそうです。 「カクテル運動」の組み合わせは、「中程度から激しい運動」と「軽い運動」を1対3の比率だと効果が出やすいとのこと。例えば、以下のような組み合わせです。 55分間の中強度の運動+4時間の軽めの運動+11時間の座位状態 13分間の中強度の運動+5.5時間の軽めの運動+10.3時間の座位状態 3分間の中強度の運動+6時間の軽めの運動+ 9.7時間の座位状態 研究グループによると、この「カクテル運動」をすることで、死亡リスクが最大30%減少したそうです。 できるだけ座位時間を短く 研究グループは「重要なのは、座っている時間と身体活動の適切なバランスを見つけること」と話しています。 コロナ禍で家にいる時間が増えている今、座っている時間が長い人もいるかもしれませんね。 ただ今回の提案では、家事やゆっくりとしたウォーキングも運動として数えているので、そうした活動も含めれば、運動時間を確保しやすいのではないでしょうか。 買い物に歩いて行ってみたり、デスクワークの人は立って仕事をしたりと、ちょっとした工夫で運動時間を作っていきたいですね。

2022/02/17

#コロナ対策 #最新研究 #調査結果

オミクロン株の中等症以上の9割が高齢者⁉「軽症が多い」と油断しないで

今年に入ってから国内でも拡大しつつある、新型コロナウイルスの第6波。現在、流行しているオミクロン株の新たな特徴が研究によって明らかになりました。 それは、第5波よりも症状が悪化するまでの日数が短いことです。 第5波では発症から7日目に酸素投与が必要な「中等症Ⅱ」以上に悪化するケースが多かったのですが、オミクロン株にほぼ置き換わっている第6波では3日目に中等症Ⅱ以上になるケースが最も多いとのことです。 特に高齢者が症状悪化することが多く、高齢者へ迅速に医療の提供をできる体制が求められています。 重症化スピードも早いオミクロン株 広島県が、昨年12月下旬から今年1月末までの患者データの分析を専門家組織に依頼しました。 それによると患者の約2万5000人のうち、253人が重症や死亡も含む中等症Ⅱ以上(呼吸不全で酸素投与が必要)の状態になっています。 また、発症日を0日目として、3日目に中等症Ⅱになったケースが41人と最も多く、患者の8割の196人が8日目までに悪化していました。 昨年夏に流行したデルタ株の場合、悪化するのは7日目のケースが多かったので、オミクロン株の患者は4日も早くなっていることになります。 さらに、第5波で中等症Ⅱ以上になったのは40~50代の人が多く、60代以上は3割程度。しかし第6波では、中等症Ⅱ以上になった9割以上が高齢者です。 加えて、第6波で65歳以上の高齢者が中等症Ⅱ以上になるリスクは、若年層の約9倍になるとのこと。高血圧や糖尿病などの持病がある人も悪化する割合が高いそうです。 こうした結果を受けて「第6波では悪化するまでが早いため、高齢者に初期入院などの対応をする必要性が改めて確認された。搬送手段と医療機関の確保が課題になる」と広島県の担当者は、今後の対策の重要性を述べています。 迅速に治療を受けられるように備えを! 現在、感染拡大しているオミクロン株は「感染しやすく重症化しにくい」とされています。 確かに今回の広島県のデータでも、全体としての重症化率は低い結果だった様子。しかし、高齢者や持病がある人にとっては、従来株と同様に重症化リスクが高いのは変わらないようです。 もし感染してしまったら、あっという間に悪化してしまうかもしれません。 特に、感染者数の増加によって医療がひっ迫しているため、高齢者だからといってすぐに入院できない可能性も。医療崩壊を防ぐために、自治体によっては高齢者の優先的な入院を取り止めている場合もあります。 自治体のコロナ患者の入院基準については、こちらの記事で取り上げています。 https://e-nursingcare.com/guide/news/news-4412/ 感染予防はもちろんですが、万が一、感染した際に早急に治療が受けられるように「どこに連絡するのか」「どう対応すればいいのか」を改めて確認しておくことが必要ですね。

2022/02/16

#介護予防 #最新研究 #認知症予防

食物繊維が認知症予防に効果アリ⁉イモ類・水溶性食物繊維でリスク低下

認知症予防については世界中で数多くの研究がおこなわれていますが、筑波大学は食物繊維と認知症リスクについての研究結果を発表しました。 それは、「中年期に食物繊維を多く食べている人は、高齢期に要介護認知症になるリスクが下がる」という内容です。 食物繊維を摂るほど認知症リスクが低い 筑波大学の研究グループは、秋田・茨城・大阪に住む40〜64歳の3739人を対象に調査を実施。約20年にわたって対象者の食事内容と要介護認知症の発症率を調べました。 ちなみに、認知症の中でも要介護認定を受けた場合に「要介護認知症」とされるそう。今回の調査では、要介護認知症の発症リスクについて調べています。 今回の研究は、対象者に前日の食事内容を記録してもらい、その中で食物繊維を多く含む食品(いも類・野菜類・果物類)の摂取量を計算。その後の認知症発症率を調査しました。 その結果、食物繊維の摂取量が多いほど認知症の発症リスクが低くなることがわかりました。ただ、これは脳卒中を原因としない認知症(アルツハイマー型認知症など)にのみ見られる関連だったそうです。 さらに、食物繊維の中でも特に水溶性食物繊維を多く摂った人の方が、認知症の発症リスクが低いという結果になりました。 そして、いも類・野菜類・果物類の中では、いも類を多く食べていた人の認知症発症リスクが低かったようです。 これらの結果を受けて「食物繊維の摂取が腸内環境に影響を与えることで、脳の神経の炎症を改善したりその他の認知症の原因を減らしたのではないか」と研究グループは述べています。 腸内環境と認知症の意外な関係 腸内環境を整えることが健康に良いことは有名ですよね。便秘・下痢といったお腹のトラブル解決だけでなく、免疫力アップやアレルギー症状の緩和など、腸内環境を良くすることで腸とは直接関係なさそうな健康の悩みも改善できるそうです。 しかし、まさか認知症予防にも効果があるとは意外ですよね。 ちなみに、腸内環境を整えるものといえば乳酸菌。乳酸菌の認知症予防効果についての研究もされているので、今後さらに腸内環境と認知症の関係についての研究が進んでいくかもしれませんね。 乳酸菌と認知症予防についての研究の詳細は、こちらに記載しています。 https://e-nursingcare.com/guide/news/news-3735/?preview_id=3735&preview_nonce=04fa5a7f1d&_thumbnail_id=3737&preview=true

2022/02/16

よく読まれている記事

よく読まれている記事

article-image

介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

article-image

グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

article-image

【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

介護の基礎知識

total support

介護の悩みを
トータルサポート

total support

介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。

鎌倉新書グループサイト