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農林水産政策研究所がおこなった調査により、食料品などの買い物が困難な65歳以上の高齢者は全国で25.6%いることがわかりました。 今回の調査での「食料品などの買い物が困難」とは、スーパーやコンビニが近くになく自動車も使えない状態のことを言います。 都心も地方も買い物が困難な高齢者は同じ比率 農林水産政策研究所は、2020年の食料品アクセス困難人口の推計値を2024年3月19日に発表しました。「アクセス困難人口」とは、スーパー、コンビニ、百貨店、小売業などの店舗が自宅から500m以上かつ自動車を利用できない65歳以上の高齢者を指します。 アクセス困難人口とされる買い物が困難な65歳以上の高齢者は、全国で25.6%いることがわかりました。また、買い物が困難な高齢者を地域別に見ると、東京圏(東京・埼玉・千葉・神奈川)は22.5%、名古屋圏(愛知・岐阜・三重)は26.4%、大阪圏(大阪・京都・兵庫・奈良)は26.0%、そのほかの地方圏は26.9%と、都心部も地方も大きな差がありませんでした。 高齢者が買い物困難な理由は? 福岡市社会福祉協議会は、高齢者が買い物が困難になってしまう理由として以下をあげています。 虚弱高齢者の増加(横断歩道を青信号中に渡れない、重い荷物を持てない、など) 単独高齢者の増加 地域の公共交通サービスの衰退(バスなどの路線廃止、減便など) 買い物環境の変化・減少(近くの商店が移転した、撤退した、など) 運転免許証の自主返納の増加 近所、家族、社会などの人間関係の希薄化 福岡市社会福祉協議会は高齢者が買い物が困難になってしまう理由を踏まえて、地域や企業、商店、事業所などと連携し、移動販売、買い物の送迎、宅配などのさまざまな買い物支援をおこなっています。 福岡市に限らず、ほかの地域でも高齢者が買い物をしやすいようにする支援が広まっています。食品や日用品などの買い物は生活するうえで必要不可欠なもの。意外と身近に知らなかった買い物支援があるかもしれません。興味がある人は、インターネットで自分の住んでいる地域や農林水産省の買い物支援のパンフレットを探してみましょう。
2024/04/02
板橋区とトヨタモビリティ東京、都市再生機構(UR)が連携協定を締結したことを発表。高齢化が進む高島平団地住民の移動手段の改善などに取り組むとしています。 移動手段の確保などを目指して区と企業が連携 板橋区にある高島平団地では高齢化が進み、入居者の半数以上は65歳以上の高齢者だと言われています。高齢者の多くは移動手段がなく、住民から「買い物の移動に困っている」などの声が挙がっていました。 高齢者の移動手段の改善などに取り組むべく、団地を所有する都市再生機構と板橋区、トヨタモビリティ東京がそれぞれ連携することにしたのです。 トヨタモビリティ東京は、「自動運転技術などを用いた次世代移動サービスの活用などで高齢者の移動問題を解決し、まちづくりに参画していきたい」としています。 都市規模が小さいほど自家用車率が増加 体力や身体機能が衰えてくる高齢者は、どのような移動手段を用いているのでしょうか? 内閣府がおこなった調査で、60歳以上の高齢者に対して外出手段を複数回答で尋ねたところ、「自分で運転する自動車」と「徒歩」と回答した人がそれぞれ約56%で最多だったことが判明。「自転車」や「バス」、「電車」などはそれぞれ20%程度でした。 また、「自分で運転する自動車」を主な移動手段にしている高齢者に対して、運転頻度を尋ねると、67.4%の人が「ほぼ毎日運転している」と回答したことがわかりました。 さらに、「ほぼ毎日自分で自動車を運転している」と回答した高齢者の割合を都市規模別に評価。すると「大都市」が50%、「中都市」が66.7%、「小都市」が72.9%、「町村」が75.5%と、都市規模が小さくなるほど自動車を運転している人が多いことが明らかになりました。 その理由として考えられるのは、村落部の公共交通機関の脆弱さ。都市規模が小さいほど公共交通機関の本数が少なく利用しにくいため、自動車を使っている人が多いのかもしれません。 高齢者が過ごしやすい環境をつくるためには、使いやすい移動手段の確保が不可欠です。今回の連携がうまくいってほかの場所でも応用できるようになれば、高齢者も住みやすい地域が増えていきそうですね。 参考:「令和元年高齢社会白書」(内閣府)
2023/04/04
人口減少と高齢化が進む地域では、高齢者の移動手段の確保が大きな課題となっています。 そうしたなか、和歌山県太地町では今月1日から、自動で走る小型車両を使った実証実験を町内で開始しました。町ではこの車両を高齢者の移動手段にしたいと考えています。 ゴルフ場のカートを改造した自動運転車 和歌山県太地町では、今月1日からまちなかで自動運転車を走らせる実証実験が始まりました。太地町には路線バスなどが通れない、入りくんだ細い道の多く、高齢者らの買い物や通院の“足”の確保が課題となっています。 今回の実験で使う車両は、ゴルフ場のカートを改造した5人乗りの自動運転車。長さ3.4メートル、幅1.4メートルと軽乗用車よりすこし小さめの車両です。補助員兼運転手が運転席に乗り、速度3.6~12キロで太地漁港周辺の周回コース(3.2キロ)を走ります。利用は無料で、住民が自由に乗り降りできるそうです。 町では実験結果を踏まえ、早ければ11月から車両2台体制で本格運用したいと考えています。町総務課の和田正希主査は「巡回の対象地区は高齢化率が高く、バス停まで距離もある。外出しやすい環境をつくることで、高齢者の健康づくりにも役立つのでは」と期待しています。 自動運転車が過疎化地域を救う? 日本では少子高齢化と都市部の人口集中が進み、過疎地では鉄道やバスの維持が難しくなっています。そのため、これからは運転手を採用する必要のない自動運転車が過疎化した地域の暮らしを支えるのかもしれません。 さらに、自動運転の技術が進めば人々の移動だけでなく、モノを運ぶこともできるため、宅配サービスや買い物が難しい高齢者のために買い物代行サービスにも活用できそうです。 加えて、今回の実証実験で使われているような小さい車両であれば、バスが入れない路地や入りくんだ小道も走ることができるため、バス停まで歩くのが大変な高齢者を自宅前まで送迎することも可能になりますね。 過疎化が進む地域の高齢者が安全かつ不自由なく生活するために、地域の特性やニーズに合った自動運転車の活用を期待したいですね。
2022/08/15
東京都23区に住んでいる高齢者が日常生活に求めていることは何なのでしょうか? ニッセイ基礎研究所は、東京都23区における高齢者の生活ニーズの優先度を明らかにするため、自治体が一般高齢者を対象に実施している「介護予防・日常生活圏域ニーズ調査」の結果を集計し、回答を独自の方法でランキングしました。 このランキング調査は高齢者自身が日常生活を送るうえで、困っていることや提供してほしいサービスについて把握することを目的に実施したそうです。 ランキングトップは「見守り、安否確認、声掛け」 ニッセイ基礎研究所は、東京都区部に居住する要介護認定を除いた一般の高齢者の生活ニーズに関する調査を行いました。結果は次の通りです。 「見守り、安否確認、声掛け」「買い物、移動販売、薬の受け取り」「話し相手、友人関係、通いの場など交流の場の充実」「困りごとの相談窓口、情報収集」「送迎、公共交通の充実」「居宅介護サービスの充実」 社会や人との繋がりを求めている ランキング1位の「見守り、安否確認、声掛け」は、一人暮らしの高齢者の割合が多い東京都の区部では、普段は元気でもいざという時に備えて異変を察知したり、手を貸してくれたりする態勢の確保を求めていることが分かります。 次に、2位の「買い物、移動販売、薬の受け取り」でわかるのは、大規模店が出店した影響で徒歩圏内の食料品店が閉店したり、高級スーパーの立地が増えて手ごろな店が少ないなど環境が悪いケースがあること。買い物した荷物が重くて持てないという事情があるようです。小売店が多いと思われる東京都の区部でも高齢者が買い物に不便を感じていることが明らかになりました。 さらに、3位の「話し相手、友人関係、通いの場など交流の場の充実」では、高齢者自身も張りのある生活を続けるために、他者との交流の充実を求めていることが分かります。 このことから、1位の「見守り、安否確認、声掛け」と合わせて考えれば、高齢者が社会とのつながりや人との関わりを持ち、地域で安心して暮らし続けていきたいと思っていることが分かりますね。
2022/07/28
高齢化によって、日本は2025年には65歳以上の高齢者が30%を超えると予測されています。 バスや電車といった公共交通に対するニーズは高まる一方で、地方では人口の減少により公共交通の維持が困難となり、高齢者が日常生活に必要な移動手段を確保できない「交通弱者」が増えている実情があります。 そのような問題を解決するため、各自治体ではさまざまな取り組みが行われています。 例えば、長崎県東彼川棚町では、町東部に居住する65歳以上の高齢者の介護予防と買い物支援を組み合わせた事業をスタート。中心部の福祉施設に通う送迎バスを「移動手段」として活用し、高齢者が施設で運動した後に、近隣で買い物もできるという取り組みを始めました。 施設で介護予防体操とスーパーで買い物ができる 過疎と高齢化が進む長崎県東彼川棚町では、町と町社会福祉協議会が連携し、町東部に居住する65歳以上の高齢者の介護予防と買い物支援を組み合わせた事業「みんなでかわろーで」をスタートしました。 これは、中心部の福祉施設に通う送迎バスを「移動手段」として活用。施設で運動と近隣で買い物もできるという取り組みです。 具体的には、高齢者が毎週金曜日に東部地区を巡回する「いきがいセンター」行きの送迎バスを利用し、介護予防教室に参加。社協職員の指導で体を動かした後は、近くのスーパーで買い物をして送迎バスで帰宅するという内容です。 参加者の91歳の女性は「楽しかったの一言に尽きる。たくさん笑って寿命が延びた。人生やめられんごとなった」と喜んでいました。 移動手段がなくなると心身機能が低下する可能性も 人口減少や少子高齢化の進む日本では、高齢者が日常生活に必要な移動手段を確保できない「交通弱者問題」が深刻化しています。 高齢者の移動手段がなくなると、外出しなくなることに加えて人と会う機会もなくなってしまいます。さらに家にばかりいることで体力や筋力の低下や、刺激がないため認知症を発症する可能性もあるのです。 そういった問題が起こらないためにも、高齢者の移動手段を支援して外出の機会を増やすことは、結果として高齢者が心身ともに健康でいるために必要な取り組みではないでしょうか。高齢者の移動を支える取り組みが広がっていくと良いですね。
2022/07/15
2021年時点の国内の高齢化率は、29.1%にまで増加。この高齢者の割合は、2025年には30%を超え、2055年には人口の約40%が高齢者になるという予測もあります。 こうした高齢化率は地域によっても大きく異なっており、特に高度経済成長期に建設された団地では、高齢化が深刻化しています。 そうした団地のひとつに、大阪府の門真団地があります。この団地では、高齢化率が65%を超えていることが問題になっているのです。 そこで、大阪国際大学が学びの一環として、この団地の問題解決のための活動を開始。独居世帯への訪問や買い物のサポートなど、学生たちが地域の活性化に取り組むそうです。 高齢化率65%以上の団地を救う 大阪国際大学の経営経済学部は、学習の一環として地域の課題解決のための活動をおこなっています。 その取り組みのひとつとして、以下の門真市の門真団地での活動を新たに開始したことを明らかにしました。 団地敷地内の菜園で野菜づくりをサポート 買い物のサポート 独居世帯へ個別訪問 団地内で映画観賞会の開催企画 こうした活動を開始したのは、門真団地の高齢化が深刻な問題となっているため。団地の建設から50年が経って住民の高齢化率は65%を超えており、独居高齢者の孤独死や買い物難民の問題が発生しています。 そこで、今回の取り組みではこれらの問題を解決するための支援を実施するそうです。 例えば、以前から団地内で移動販売がおこなわれていたものの、5階建てのマンションの中にはエレベーターが設置されていない棟も。そのため、高齢者には運ぶ負担の大きい米などの重い商品が販売されていませんでした。 そうした課題を解決するため、学生による買い物サポートをおこなう日には重い商品の持ち運び支援を実施。その持ち運びをする間に住民の困りごとなどのヒアリングもあわせておこない、地域のリアルな問題の発見にもつなげるそうです。
2022/06/23
地域の過疎化や運転免許の返納などにより、移動手段がなくて困っている高齢者が増えています。 移動手段がないことで買い物や通院ができなくなるため、生活に影響が出ているのです。 そこで、神奈川県ではそうした移動困難者を支援するためのサービスが2つ登場。鎌倉市の湘南鎌倉総合病院の周辺を中心に、移動困難者と介護タクシーをつなげるサービスが開始され、横浜市の西菅田団地では地域住民による移動支援車が導入されました。 新たな地域の足を 神奈川県鎌倉市では、湘南鎌倉総合病院を中心としたエリアで移動困難者と介護タクシー事業者を結びつけるサービスの実証実験が開始されました。 この事業は、高齢者や車いす利用者などの自分で移動が難しい移動困難者と、空いている介護タクシーをアプリでマッチングするものです。 このサービスを利用することで利用者は外出がしやすくなり、介護タクシー事業者は利用率がアップ。さらに、病院と連携することで患者の帰宅時のタクシーの待ち時間が削減できるそうです。 また、横浜市の西菅田団地では地域の自治会が中心となって、移動支援車が導入されました。 この地域では、高齢化率が深刻になっており、特に西菅田団地の高齢化率は44%。そのうえ、坂道が多くて平坦な道が少ない地形のため、買い物するのにも高齢者には大変な状況だそうです。 そこで、自治会は地域のデイサービスの車両を借り受け、ボランティアによる移動支援サービスを開始しました。 このサービスの運行は、毎週火曜日の午前中。団地内の各エリアやスーパーなどを行き来する予定です。 高齢者が活動しやすい社会に 高齢になって運転免許を返納したものの、体力の低下によって徒歩では長距離を移動できなくなったり、公共交通機関の撤退などによって移動手段がなくなるという問題が全国的に起こっています。 また、移動手段がなくなって外出する意欲がなくなってしまうことも。すると、家にこもりがちになり、うつ病や認知症を発症するきっかけになりかねません。 そこで、今回の2つのサービスのように移動支援サービスが気軽に使えるようになれば、外出する意欲が出て活動しやすくなるのではないでしょうか。
2022/05/19
徒歩圏内で行ける商業施設がないために買い物先に困っている「買い物難民」。特に高齢者は自動車免許を返納していたり体力的な問題から、買い物できるエリアが狭くなってしまう傾向があります。 そこで、各地で買い物難民の対策をとっているようです。 例えば、静岡県焼津市では有償ボランティアによって地元スーパーまでの送迎が開始。鹿児島県伊佐市では、地元の女性によって病院だった建物を活用したミニストアがオープンしました。 地域で高齢者の買い物を支援 静岡県焼津市の港地区では、「港地域おでかけ支援隊」が事業を本格スタートさせました。 この事業は昨年12月から試験的に始まっており、地域の高齢者の声に答えて今年4月から本格始動。特別養護老人ホームの空き車両を活用して、毎月第2・第3水曜日に大型スーパーまでの区間を往復します。 この事業はスーパーまでの送迎だけでなく、ボランティアが付き添いとして同乗。スーパーでの買い物の手伝いもするそうです。 また、鹿児島県伊佐市には、病院跡地を活用した「ミニストアー山野楽しそう」がオープンしました。 このミニストアが開店したのは、地域のスーパーが3月末に閉店したことがきっかけ。そのスーパーが閉店した後は、車で10分かかる店舗まで買い物に出かける必要がありました。 そこで、公民館で体操教室を開いている土生さんが1月に閉院した病院の建物を利用したミニストアを開店。開店初日には100人以上の来店客でにぎわったそうです。 このお店の品ぞろえは、野菜や食品、日用品までさまざま。土生さんが地元の仲間に声をかけて卸してもらっているそうで、まさに地域一丸となって支えているお店です。 買い物に行くことが介護予防に 買い物難民になってしまう高齢者は「近くにお店がない」「移動手段がない」「認知症のため買い物が不安」などさまざまな悩みを抱えています。特に認知症の人にとっては、お店まで行けても買い物がうまくできない問題があります。 そこで、「港地域おでかけ支援隊」のように買い物の付き添いサービスがあったり、「ミニストアー山野楽しそう」のように地域住民同士のつながりが深いお店であれば、住民による見守りがあるので安心して買い物ができそうです。 また、お店は住民同士のコミュニケーションの場でもあります。お店に行って知り合いと話をすることが、認知症や介護予防にもなるかもしれませんね。
2022/05/09
「オールドニュータウン」という言葉を聞いたことがありますか。 これは、1960年代~1980年代にかけて開発された都市部郊外のベッドタウンが、住民の高齢化や建物の老朽化が起きている状況のこと。人口減少や商店の撤退などの問題が発生している地域が多くあります。 そのなかのひとつである大阪府池田市の伏尾台エリアでは、住民の約45%が高齢者となり移動手段の確保が緊急の課題。そこで、住民が主体となって「らくらく送迎」という無料送迎サービスを開始しました。 ”オールド”ニュータウンの移動手段 池田市の伏尾台エリアの住民団体、ほそごう地域コミュニティ推進協議会が「らくらく送迎」という無料送迎サービスを開始しました これはもともと池田市がおこなった実証実験から始まったサービス。住民から「自家用車を使って住民を送迎できないか」と市が相談を受けたことが発端になったそうです。 そこで市は、1回250円で自宅から地域の中心地である「伏尾台センター」までの送迎サービスを開始。伏尾台センターからは複数のバスが出ているため、駅や病院へ行く際はここからバスへ乗り換えます。 この実証実験の終了後、住民からの要望を受けてほそごう地域コミュニティ推進協議会では無料でサービスを継続することに。このエリアは駅から離れているうえに坂道が多いため、高齢者からの継続の希望が多かったそうです。 しかし、このサービスは利用しているのも運営しているのも高齢者。ボランティアのドライバーの平均年齢は75歳で、送迎の予約電話を受け付けているのも高齢の住民ボランティアのため、今後のサービスの継続が難しいのが現状です。 そこで、車を定期周回させて予約なしでも利用できる仕組みや、協議会の収入を増やしてドライバーに賃金を支払えるシステムを構築するなどサービス継続のために模索しているそうです。 課題は継続できるサービスの仕組み化 多くの地域で、高齢者が使いやすい移動手段の確保が求められています。 その多くは自治体や民間企業が主体となっているもので、住民が主体となっているサービスはあまりありません。住民主体のため、どうしても運営の担い手がボランティアに頼らざるを得ず、ボランティアを確保できなければサービスの継続が難しいのが課題となります。 こうした高齢者の移動手段の確保は、全国で問題になっていること。そのため、どこかの地域で上手くサービスを展開できれば、それがモデルケースとなってより良いサービスの安定提供につながるかもしれませんね。
2022/04/26
全国的に「交通弱者」「買い物難民」の問題が起きています。 農水省の調べによると、この問題について約86%の市町村が「対策の必要がある」と回答。そのうちの約73%が対策をしているそうですが、いまだ問題の解決には至っていない地域が大半です。 このような対策のうち、沖縄県の宮古島では交通の手段がなくなった地元の高齢者や、観光客に向けた「がんずぅあいのりタクシー」が実験的に運行開始しました。 今後は地元の高齢者だけでなく、観光客が利用しやすいモバイルチケットなどのサービスも提供する予定です。 乗り放題チケットもあり 沖縄県・宮古島では、今月11日から「がんずぅあいのりタクシー」が運行開始しました。 これは、宮古島の市街地を中心としたエリアで利用できるタクシー。通常のタクシーより40%ほど安く利用できるそうです。 このタクシーを乗降できるのは、市役所や総合体育館、スーパー、県立病院など生活に密着した施設。主な乗降エリアは市街地ですが、乗降エリア外に住んでいる場合は自宅を登録することで市街地のお店まで格安で利用できます。 また、料金は1回500円。1日乗り放題チケット(2000円)もあるので、「市役所と病院と買い物をまとめて済ませたい」という日は、乗り放題チケットを利用するのも良いかもしれません。 また、運転免許を返納した人は30日間乗り放題チケット(2万円)が購入可能。車を手放して外出に困っている場合に便利。これらのチケットやタクシーの予約は、スマホアプリや電話からおこなえます。 また、観光客向けには特定のホテルや宮古空港から市街地までが一定料金で利用可能。空港からホテルや、ホテルから市街地で夕食に出かける際などに使えるそうです。 高齢者と観光客を救うタクシー 多くの自治体で地元の住民向けに交通手段を運行させている例はありますが、観光客も利用できるのは珍しいかもしれません。観光客の多い宮古島らしい取り組みです。 近年、コロナ禍の長期化によって観光業が低迷。一方で密を避けた少人数グループでの観光ニーズが高まっているため、少人数移動に向いたタクシーはぴったりかもしれないですね。 また、免許を返納したり移動手段に困っている高齢者にとってもタクシーは便利。自宅までタクシーが迎えに来てくれ、駅やバス停までの移動がないので負担が減って使いやすいのではないでしょうか。 ただ、現状は利用できるエリアは限られています。エリアが拡大して多くの人が利用しやすくなることに期待ですね。
2022/04/13
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。