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実家で一人暮らしをしている父が、転倒したのをきっかけに足が痛むようになったらしく、外では歩きたがらなくて車いすを使うようになりました。それまではバスを使って通院していたのに…。
私も通院のためだけに帰省できないですし、車いすでは車に乗せることができません。何か良いサービスはありませんか?
そういうことなら、介護タクシーを利用してみてはどうでしょうか?介護の資格を持ったドライバーさんが、送迎と車の乗り降りの介助をしてくれますよ。
「介護タクシー」…聞いたことがあります。けど、よく知らないですね。
介護タクシーは、通院や預貯金の引き出しなどの際に利用できるサービスです。いくつかの条件を満たせば介護保険が適用されるので、割安で利用できますよ。
へぇ、その条件っていうのはどんなものですか?
まず、利用対象となるのは、自宅、有料老人ホーム、ケアハウス、サービス付き高齢者向け住宅で生活している人で要介護1以上の人です。
お住まいはご自宅なので問題ないと思いますが、お父様は介護認定を受けてらっしゃいますか?
はい、転倒してあまりにも歩けなくなったので、最近、区分変更をして要介護1に上がりました。利用できそうでよかったです。
ただ、介護保険の対象となるには利用の目的に制限があるんです。
え、そうなんですか?
はい。というのも、介護保険の対象になるのは「日常生活上または社会生活で必要な行為に伴う外出」であることが条件。旅行や趣味に関する買い物の場合、介護保険の対象にはならないんです。
具体的には、以下のような目的だと介護保険の適用になります。
意外と少ないんですね。これじゃあ、最低限の外出しかできなさそうです。
そうなんですよね。なので、これ以外の目的で介護タクシーを利用したいときは、介護保険外サービスとして利用している人もいます。
介護保険外サービスですか?介護保険のサービスと何が違うんですか?
介護保険外サービスは、その名の通り介護保険の対象とならないサービスのことです。つまり、介護保険サービスの支払いは自己負担割合だけなのに対して、介護保険外サービスは全額負担です。費用は高くなりますが、その分、介護保険にしばられずに自由なサービスをうけられるんです。
なるほど。通院やお金の引き出しなどの目的以外でも介護タクシーが使えるわけですね。
その通りです!例えば、旅行やご友人宅に遊びに行くときにも利用できますよ。
実は、介護タクシーに依頼できることは、送迎と車の乗り降りだけではないんです。
というと?
例えば、以下のようなことも依頼できます。
へぇー、結構いろんなことを頼めるんですね。
タクシーを利用する前後の介助も一緒に依頼できるようになっているんです。ご利用者さんのお身体の状態によっては、着替えの手伝いが必要なこともありますからね。
ドライバーさん全員が介護の資格を持っているので、こうした介助も安心して依頼できます。
父は、まだ出かける準備などは自分でできていますが、もっと状態が悪くなったらそのあたりも頼むことがあるかもしれないです。
ただ、注意していただきたいことがいくつかあります。介護保険対象の介護タクシーを利用するうえで知っておいてほしいことは、以下の点です。
あれ、病院内の介助はしてもらえないんですね。
そうなんです。介護タクシーのドライバーは、基本的には車の乗り降りの介助がメインなので、病院内の介助はできないことになっています。もし病院内で車いすを押したり介助が必要なときは、病院のスタッフが対応します。
ただし、寝たきりや認知症などの介護度が高くて病院内の移動や手続きが一切できない場合は、ドライバーの付き添いが可能です。
そういえば「福祉タクシー」というものを見かけたことがあります。あれは、介護タクシーと何が違うんですか?
「福祉タクシー」という名前が法律で決められているわけではありませんが、一般的に介護保険外の介護タクシーのことを指しています。
介護保険を使わないので、介護認定を受けていなかったり介護度が要支援1・2の場合でも利用OK。利用目的の制限もありませんから、旅行に行くときにも利用できるんです。
それに、介護保険内の介護タクシーが家族の同乗ができないのに対して、介護保険外のものは家族の同乗も可能になるのも特徴です。
本当に自由なんですね。使い勝手が良さそうだなぁ。
おっしゃる通りです。でも、注意していただきたいのは、介護保険の介護タクシーと違ってドライバーさんが介護の資格を持っていない可能性もあること。もし、有資格のドライバーさんを希望する場合は、事前に確認をしてくださいね。
父の通院のために、介護タクシーを利用してみようかなと思うのですが、どうやってタクシー会社を探せば良いんでしょうか?それに、介護タクシーって料金がものすごく高そうなイメージがあるんですが…。
やはり、普通のタクシーとは少し違うので、利用するのに戸惑いますよね。順番にお話ししていきますね。
まずは、ケアマネジャーさんに相談、ですね。
ケアマネジャーさんがピックアップしてくれたリストをもとに、介護タクシーの事業者を決めて、問い合わせをしてみます。お父様のお身体状況に加えて、「お宅の前に段差や階段はあるのか」「どんな介助が必要なのか」なども伝えておきます。
お父様の場合、「車いすのまま玄関まで入る」「手前で下りて段差は歩いて上る」など、お身体の状態によってケア内容が変わると思うので、そのあたりの打ち合わせもしておくと良いかもしれませんね。
介護タクシーの料金の基本的な考え方は以下の通りです。
普通のタクシーと異なるのは、介助料は介護用品をレンタルした場合の費用が追加される点。また、介護保険が適用されるのは介助料のみで、自己負担額は1回100円程度です。
「タクシーの運賃」というと、普通のタクシーと同じように距離で金額が決まるんでしょうか?
そういった「距離制運賃」の場合と、「◯分で◯円」といったような「時間制運賃」で金額を決めている事業所のどちらもあります。そこは、法律で決まっているわけではないので事業所によって異なりますね。
タクシーの運賃については、以下のようなパターンがあります。
距離制運賃の場合は、一般のタクシーと同じくらいのメーター料金を設定していることが多いみたいですね。
ちなみに、介護保険が適用されない場合の料金の目安は次の通りです。
やっぱり、介護保険外だとかなりお金がかかるんですね…。自由に使えるとはいえ、頻繁には利用できないなぁ。
そう思ってしまうのが正直なところですよね。
高田さんのお父様の場合は介護保険の対象となると思うので、まずはケアマネジャーさんに介護タクシーを利用したいということを相談してみてくださいね。
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