まずは、お父様がデイサービスを拒否する理由を理解しましょう。慣れない環境で不安だったり、知らない人に迷惑をかけたくない、など何かしら理由があります。理由を把握したうえで、時間をおいてから再度、声掛けをするなどの対応をとってみると効果があるかもしれません。
ただ、無理やりデイサービスに連れて行こうとするのはNGです。デイサービスに行くこと自体が目的にならないように、お父様の様子を見ながら進めていきましょう。
先月からデイサービスを利用し始めたのですが、父が「デイサービスには行かない!」と言い張って行ってくれません。私も仕事があるのでできれば行ってもらいたいのですが、もう何度もキャンセルしているんです。
どうしたらデイサービスに行ってくれるようになるんでしょうか?
まずは、お父様がどうしてデイサービスに行きたくないと言っているのかを理解することが大切です。お父様は、行きたくない理由について何と言っていますか?
「あんなところは俺が行くところじゃない」とか、「俺を家から追い出すつもりか」とか…。怒って興奮していることもあって、具体的には聞けていないんですよね。
うーん、なるほど…。お父様が行きたがらない理由は、いくつか考えられます。
例えば、新しい環境に慣れていなくて不安に感じているケース。特に、家にいる時間が長くてご家族としか話をしていなかった人にとって、外部の人とコミュニケーションは大変なことです。それが億劫になって「行きたくない」と言っている可能性もあります。
それはありえます!これまで父は、外に出て何かの集まりに出ることもほとんどなく、家でテレビを見ているばっかりだったんです。家族以外の人と話すのが面倒なのかも。
あとは、「迷惑をかけたくない」と考えてデイサービスを拒否しているのかもしれません。介護を必要としている場合、どうしてもスタッフさんのお世話になるんですが、それが心苦しく感じる人も多くいるんですよ。
合わせて、「自分が介護が必要な状態であることを認めたくない」という人もいます。ご自宅だと、「家族に手伝ってもらっている」くらいの感覚ですが、デイサービスに行くとどうしても「介護を受けている」と感じてしまう人も多いですから。
なるほど…。見栄っ張りなのでそれもあるのかも。
また、施設での人間関係が良くないケースもあります。やっぱり人と人のコミュニケーションですから、デイサービスのご利用者やスタッフさんと気が合わなくて気が進まないのかもしれません。
まだ、父は何回かしか行っていないので、そこまで感じているかわかりませんが…。そういう場合もあるんですね。
あとは、そもそもデイサービス自体がお父様と合っていない可能性もあります。例えば、レクリエーションの内容が好みじゃなかったり、他のご利用者の雰囲気がなじみにくいこともありえます。
「なじみにくい」ってどういうことですか?
具体的には、他のご利用者がお父様と年齢が離れている人が多かったり、介護度が違う人が多い場合も拒否につながることもあるんです。あとは、認知症のない人や認知症軽度の人が、認知症重度の人が多いデイサービスに行ってしまうと「話せる人がいない」と感じることも考えられます。
父は認知症はありますが、物忘れがひどいくらいで、会話はできるんです。もしかしたら、そういうこともあるのかもしれません…。
父がデイサービスに行きたがらない理由にいくつか思い当たるものがありましたが、私はどう対応したら良いんでしょうか?このままデイサービスに行かないのは困ります。
いくつか対応策がありますが、効果があるかどうかは状況に応じて異なります。対応方法を以下にリストアップしてみました。
うーん、時間をおいてから声をかけるだけで、気持ちが変わることなんてあるんですか?
実はあるんですよ!例えば、「寝起きで覚醒していなくて不機嫌だったから拒否されたけど、時間をずらして再訪問したらすんなりデイサービスに行った」というケースも少なくないんです。
柔軟に対応してくれるデイサービスであれば、再訪問してくれるところもありますし、機嫌が良いタイミングを狙ってそもそもの訪問時間を変更してもらえることもあります。
それは助かりますね。うちのお父さんも、時間をずらしたら行ってくれるのかな。
あと、お父様が慣れない環境に不安を感じて拒否している場合だったら、デイサービスに慣れるまでご家族が同行したり送迎するのもひとつの手。他のご利用者やスタッフさんと人間関係ができてくると、自然とご家族がいなくてもデイサービスに行ってくれるようになると思いますよ。
送迎ですか。うーん、ちょっとの間だったら仕事の調整がつくかもしれないので、検討してみます。
あの、「デイサービスで居場所を作る」というのが気になったのですが、これはどういう意味ですか?
特に介助を受けるようになると、「面倒かけてばかりで自分が情けない」と感じるご高齢者も少なくありません。そこで、物を作ったり、レクの中で役割を果たしてデイサービスで感謝されると「次もがんばろう」という気持ちになって、前向きに参加できるようになります。
こうした機会があれば、自然と他のご利用者やスタッフさんとのコミュニケーションも取れるので人間関係の構築にもつながるでしょう。
父には「役割を果たす」ということが上手くできるのか、ちょっと不安ですが…。そういうこともあるんですね。
最後に、デイサービスの内容や他のご利用者と雰囲気が合わないといったことがあれば、デイサービスを再検討してみてください。
「デイサービス」と一口に言っても、認知症の人向けのデイサービスや、トレーニングジムのようなところもあります。お父様の趣味や人柄に合ったデイサービスに変えることで、デイサービスに行きたくなるかもしれませんよ。
そういえば、トレーニングマシンがたくさん並んでいるデイサービスは見たことありますね。
ただ、一番大切なのは、無理にデイサービスを勧めないことです。無理やり行かせてしまうと、デイサービスに悪い印象を持ってしまってなおさら拒否が強くなってしまいます。
でも、父はちょっと前のこともすぐに忘れてしまいます。無理やりに行かせても覚えていないと思うんですが…。
はい、「無理やりデイサービスに連れてこられた」という記憶は忘れてしまうでしょう。でも、認知症の人でも嫌な感情の記憶は残るんです。なので、「なんだかわからないけど、デイサービスは嫌だ」と感じてしまって、拒否感がさらに強くなるかもしれないんです。
なので、まずはお父様がどうしてデイサービスに行きたくないのかをはっきりさせて、お父様のお気持ちを尊重した対応をとっていきましょう。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。