高齢者向けシェアハウスとは、キッチンなどをほかのご入居者と共有する形の住まいです。入居をご高齢者に限定しているものや、入居に年齢制限のないシェアハウスもあります。
高齢者向けシェアハウスは、アパートを借りるよりも生活費を抑えられたり、ご入居者同士の交流があるのがメリット。その一方で、老人ホームとは異なり介護スタッフが常駐していなかったり、ご入居者同士のトラブルが起きやすいのが注意したい点です。
一人暮らしに不安を感じてきたので、息子夫婦の家の近くに引っ越そうかと思っています。しかし、私の年齢や収入を理由に賃貸アパートを断られてしまいました。
そんなとき、友人から「高齢者向けシェアハウス」というものがあると聞いて、とても気になっています。どんなところなんでしょうか?
高齢者向けシェアハウスとは、それぞれが個室を持ちつつもリビングやキッチンなどをほかのご入居者と共有する形の住まいです。
高齢者向けシェアハウスの特徴は、バリアフリーになっていたりご高齢者が使いやすい構造になっていることが多いこと。段差がなかったり車椅子でも利用できるトイレになっている物件もあります。
へぇー!使いやすいなら嬉しいですね。
高齢者向けシェアハウスについてあまり知られていないので、高齢者向けシェアハウスに入るメリットについてお話ししていきますね。
高齢者向けシェアハウスのメリットには以下のようなものがあります。
シェアハウスの多くでは、洗濯機や電子レンジといった家電は共用部に用意されています。そのため、一人暮らしでは揃えないといけない家電や家具を買う必要はありません。また、一般的な賃貸物件と異なり、敷金と礼金がないシェアハウスも多いので、初期費用を抑えられます。
初期費用を抑えられるのは助かります。アパートを借りようと思うと出費が大きくて。
それに、シェアハウスなら毎月の生活費も節約できると思いますよ。一般的な賃貸物件では、家賃に共益費が発生し、そのうえ水光熱費が別途かかりますよね。でも、シェアハウスは水光熱費が共益費に含まれていることが多く、トータルの生活費で考えると安くなる傾向があります。
年金暮らしだから、毎月の費用が安くなるのもとても助かります!
シェアハウスの魅力のひとつは、ほかのご入居者との交流でしょう。それを目的に入居されている方も多くいます。
シェアハウスでは、キッチンやダイニング、リビングなどが共有スペースとして設けられており、自由に使えます。共有スペースでほかのご入居者と顔をあわせる機会があり、気軽にコミュニケーションができるのが大きなメリットと言えるでしょう。
また、ご高齢者が入居できるシェアハウスのなかには、高齢者専用ではなく年齢制限のないタイプの物件も。若者と同じ屋根の下で暮らすことで、気持ちが若返るかもしれませんよ。
シェアハウスに入ると自然と顔をあわせる機会があるので、お互いの異変にも気が付きやすくなります。「会話が噛み合わないことが増えたな」「最近、見かけないけど何かあったのかな」など、ちょっとしたことが認知症などの病気や孤独死を防ぐこともありえるんです。
一人暮らしだと認知症の前兆を見逃して気付いたときには症状がかなり進行していたり、室内で倒れて何日も発見されなかったりするリスクがありますが、シェアハウスならそうしたことも防げるかもしれません。
ここまで、高齢者向けシェアハウスに入るメリットについてお話ししてきました。ここからは反対に注意しておいていただきたいことについてお話ししますね。
高齢者向けシェアハウスはとても魅力的だと思いますが、やっぱり注意しておいた方が良いこともあるんですね。
はい。具体的には以下のことです。
高齢者向けシェアハウスは、老人ホームではありません。なので、介護スタッフが常駐しているわけではないんです。
高齢者向けシェアハウスはあくまで住宅ですから、自分ひとりで身の回りのことができる方が前提です。そのため、日常的なケアや介護は受けられないと考えてください。常に介護が必要な状態だったり認知症だったりすると入居を断られる可能性もあります。
そうですよね。まだまだ自分で身の回りのことはできますが、今後、介護が必要になったら退去しないといけないですよね。
一人ひとりに個室がありますが、自分の部屋以外は共用スペース。トイレやお風呂といった設備も共有のシェアハウスもあり、落ち着かないと感じる方もいるかもしれません。
自室から一歩出たら人がいる、という状態にストレスを感じる方はシェアハウスは難しいでしょう。
高齢者向けシェアハウスでは、入居者同士の交流が盛んな一方でトラブルが起こりやすい面もあります。騒音や共用設備の使い方などでほかのご入居者とトラブルになることもあるでしょう。
そうしたトラブルがストレスになってしまうリスクがあります。
確かに。反りが合わない人がいる可能性もありますしね。ほかの入居者とおしゃべりできるのは良いけど、トラブルはちょっと困りますね。
先ほど、高齢者向けシェアハウスはバリアフリーになっていることが多い、とお話ししましたが、なかにはバリアフリーになっていない物件もあることには要注意です。
というのも、「高齢者向けシェアハウス」としてのルールがなく、バリアフリーも必須ではありません。階段や段差のある物件もありますので、事前によく確認しておきましょう。
高齢者向けシェアハウスの大きな懸念点は、まだまだ数が少ないことです。そのため、引越し先として検討している地域に高齢者向けシェアハウスがない可能性もあります。
えっ、そうなんですね!もし、引越し予定の地域に高齢者向けシェアハウスがなかったらどうしたら良いんでしょうか?
高齢者向けシェアハウスと同じように元気なご高齢者向けの住まいに「サービス付き高齢者向け住宅」というものがあるので、そちらも合わせて探してみてください。
サービス付き高齢者向け住宅…。シェアハウスとは違うんですか?
サービス付き高齢者向け住宅とは、ご高齢者向けの賃貸アパートのようなイメージです。居室の中にキッチンやトイレ、洗濯機置場などがあり、一般的な賃貸アパートと同じような設備が整っていることが多いです。
また、館内はすべてバリアフリーですし、居室に緊急通報装置が設置されていることがほとんど。安否確認や生活相談サービスも付いているので、安心して生活できます。
もし介護が必要になった場合は、外部の介護サービスを利用可能。住宅によっては要介護度が重度になると退去を求められることもありますが、ある程度までは住み続けられるところがほとんどです。
そんな住宅があったんですね。知りませんでした!
シェアハウスも楽しそうですが、息子夫婦の家の近くにあるとは限らないので、サービス付き高齢者向け住宅も探してみます。
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