認知症の母が徘徊して警察に保護されました。徘徊対策を教えてください

認知症の母が徘徊して警察に保護されました。徘徊対策を教えてください

更新日 2024/03/18
先日、同居している認知症の母が1人で外出して帰ってこれなくなり、警察に保護されました。今回は無事で帰ってこれたから良いものの、今後、危険な目にあったら…と思うと心配です。

母の徘徊を防止するための方法はあるでしょうか?

(大塚さん・会社員・59歳)

認知症の方の徘徊を予防するには、お母様の部屋のドアにベルを付けて外出に気が付きやすくしたり、身につけているものにGPSを付けるといった方法があります。

万が一、また行方不明になってしまった場合はご家族だけで探すのではなく、すぐに警察に連絡しましょう。また、お母様のなじみのお店やケアマネジャーさんなどと連携して捜索してください。認知症の方は事故や低体温症などのリスクが高いので、一刻も早く見つけ出せる体制をとることが肝心です。

認知症になると、なぜ徘徊する?

先日、認知症の母が1人で外出してしまいました。近くを徘徊しているところを警察の方に保護してもらって大事には至っていません。

母はこれまでも認知症の症状はありましたが、自分で家から出ることはなかったんです。なんで、徘徊するようになってしまったんでしょうか?

徘徊は、認知症の周辺症状(BPSD)のひとつです。認知症の典型的な症状である中核症状の影響で引き起こされますが、すべての認知症の方に現れるものではありません。

おそらくですが、お母様の認知症の症状が進行したことで徘徊するようになったものと考えられます。

そうなんですね…。認知症になると徘徊するとは聞いていましたが、そもそもどうして徘徊するんでしょう?歩き回って、どこに行くわけでもないのに…。

周りからは目的もなく歩いている、と思われがちですが、実はご本人の中では目的があって歩きまわっているんです。

えっ、そうなんですか?

はい。認知症によって徘徊するのには、主に次の3つのような理由があります。

  • 何かを探している
  • 目的の場所に行きたい
  • 家に帰りたい

「何かを探している」ってどういうことですか?探しものなら、外じゃなくて家の中でするのでは?

徘徊は、屋外だけとは限りません。室内で歩きまわっていることも徘徊と呼ばれます。例えば、トイレに行きたいけどトイレの場所がわからなくなって廊下をうろうろしていたり、自分の部屋に戻りたいのに行き方がわからなくなった、というケースもあります。

ああ、母もよくあります。「トイレに行きたい」と歩き回っていたので、トイレまで連れて行きました。あれは、場所がわからなくなっていたんだ…。

たぶん、そうだと思います。認知症の記憶障害の影響で、長年暮らしている自宅でも迷ってしまうことがあるんですね。

さらに、めがねなどを探していたのに、めがねを探していたこと自体を忘れて歩き回る、といったこともあるようです。どちらも記憶障害によって忘れてしまい、徘徊しているんです。

なるほど。

その次の「目的の場所に行きたい」というのは、どこに行きたいんですか?母はめったに外に出ない人だったので、行きたい場所なんてないような気がするんですが…。

行きたい場所は、その人によって異なります。例えば、記憶障害によって自分の中の年齢が若返って「子どものお迎えに行く」と言うこともあります。現役時代を思い出して「職場に行く」とカバンを持って出かける人もいるようです。

あとは、スーパーまで行く道がわからなくなって、まったく違う場所で保護されるケースもあります。何度も通った道でも、目印を忘れてしまって迷ってしまうんです。

そんなこともあるんですね。

それと、「家に帰りたい」とはどういうことですか?自分で自宅から出て道に迷っているんですよね?

もしかしたら、見当識障害のために自宅が自分の家だとわからなくなっている可能性があります。見当識障害とは、今いる場所がどこかわからなくなる症状です。つまり、自宅にいても「まったく知らないところにいる」と思い込み、自宅に帰るために外に出てしまうわけですね。

あわせて、記憶障害によって昔住んでいた家や実家に帰ろうとしていることもあります。

何の意味もなく歩き回っていると思っていましたが、本人なりに理由があったんですね。

徘徊の危険性

北野室長
認知症の人が徘徊すると、行方不明になったり事故にあうリスクが非常に高いです。

例えば、認知症になると危険を察知する能力が下がったり交通ルールを忘れてしまうので、自転車や自動車との事故にあう危険性があります。加えて、踏切の線路内で立ち往生してしまい、電車との事故にあった事例がいくつもあります。

また、長時間の行方不明になると、転倒による怪我・骨折のリスクも高まります。また、夏は熱中症、冬は低体温症などを引き起こし、最悪の場合、命に関わることも…。

警察庁によると、行方不明になってから5日経過した場合の生存率は0%という調査結果もあるので、迅速に発見することがとても重要です。

徘徊への対策は…

母が目的もなく徘徊しているわけではないことはわかりました。でも、どうしたら母の徘徊を止められるのでしょうか?

いくつか対策があるので、順番にお話ししていきますね。

徘徊への備え

認知症による徘徊の対策は、主に以下のようなものがあります。

  • 徘徊に気づける住環境づくりをする
  • GPSを活用する
  • 服や持ち物に名前をつける
  • デイサービスを活用する
  • 地域と密に連携する

「徘徊に気づける住環境づくり」というのは、例えばお母様の自室のドアにベルを付けて外出をわかりやすくしたり、家の玄関にセンサーを設置して外に出るタイミングをわかるようにすることです。

ご家族が家の中にいるときでも、ちょっと別のことをしている間に外に出てしまうことがあります。そういった場合でも、外出を察知できるような環境を作っておくんですね。

うーん、家族の誰かが家にいるときだったら良いですが、昼間、家族が全員出払ってしまって母が1人になる時間帯があるんです。そういうときはどうしたら良いですか?

そういうときは、GPSを活用するのも良いでしょう。最近では靴に装着したりキーホルダータイプのGPSなど、さまざまな”見守りGPS”が登場しています。

あらかじめ、ご家族がお母様のGPSの位置をわかるように設定しておき、外出してしまったときに居場所がわかるようにしておくだけでも、行方不明のリスクが下がるでしょう。外出するのを予防するものではありませんが、危険性は低くなると思いますよ。

なるほど、GPSですね。検討してみます。

あとは、デイサービスを利用するのも良いですね。今はデイサービスを利用していますか?

はい。週2回、利用しています。

でしたら、デイサービスの回数を増やすこともおすすめです。誰かの見守りがある時間を増やすことも目的のひとつですが、デイサービスのレクリエーション身体を動かして体力を使うことも徘徊の防止につながります。

なんで、身体を動かすのが徘徊の防止になるんですか?

体力を使って程よく疲れてもらうんです。外に出ようと考えるということは体力が余っている証拠ですから、安全な方法で体力を消費して、家ではゆっくり休んでもらうんです。

デイサービスに定期的に外出することで生活のリズムも作られて、健康的な生活習慣にもつながるでしょう。

なるほど。母はデイサービスの日以外は、家でテレビを見てばかりですから、そういう意味でもデイサービスを増やした方が良いのかもしれないです。

また、万が一、行方不明になってしまったときに備えて、事前に近所の人や地域の自治体にお母様の状況を伝えておくことも大切です。ご家族が認知症であることを隠したがるご家庭は多いですが、高齢化が進んだ今、認知症は身近なことです。

いざという時に協力してもらえるように、ご近所や近くの交番、駅などに話を通しておくと、迅速な発見につながるでしょう。

もし歩き回っていたら…

ここまでの話を聞いて、このところ母が不安そうな顔で家の中をうろうろしていることが増えたのを思い出しました。あれも徘徊ということですよね?

おっしゃる通りです。そのままの状態にしておいたら、もしかしたらご自宅を出て行方不明になっていたかもしれません。そういうときに上手く対応できると徘徊の頻度が減ることもありますし、何より大塚さんとお母様の両方のストレスの軽減につながりますよ。

例えば、どうしたら良いんですか?

まずは、傾聴することが大切です。なんで歩き回っているのか、何が不安なのか、ストレスに感じていることは何かを聞いてみるんです。そうしたらどう対応したら良いのかわかりますから。

重要なのは、このときに話を否定しないこと。「トイレがどこかわからない」と言われて「なんでわからないの!」と、わからないことを否定してしまうと不安が大きくなって徘徊がエスカレートしてしまうことがあります。

あぁ…何度も聞かれるのでイライラして「なんでわからないの」と怒ってしまっていました…。

トイレの場所がわからないのであればトイレに誘導すれば良いんですが、自宅にいるのに「家に帰りたい」と言われてしまうこともあるかもしれません。

そういうときは、お母様の言う”自宅”に連れていくことは難しいので、お茶を勧めたりお菓子を出すなど、気をそらせてください。

え、それだけで良いんですか?

はい。お茶をしながら世間話をすれば、歩き回っていた理由を忘れてしまうことが多いです。だましているような気持ちになるかもしれませんが、認知症の人の気持ちを落ち着けるためにはこうした対応が有効なんです。

初めて知りました。知らなかったら「ここが家でしょ!」と怒っていたかもしれません。

そうですね、そういう対応をする人が多いと思います。認知症介護に関しては、認知症の人の言動を否定しないことが重要。ですので、あまりにも落ち着かない場合は、ご家族が付き添って外を一緒に歩いても良いかもしれません。歩くことで体力を使いますし、満足して徘徊の衝動が収まることがあります。

ただ、その人の状況にもよるので、すべての対策が必ず効果があるとは言えません。実行しやすいものからいろいろ試してみてください。

徘徊によって行方不明になったら…

徘徊の予防策についてお話ししましたが、いろんな対策をとっていてもちょっとした隙に家の外に出てしまい、行方不明になってしまうかもしれません。

そういうときに、決してご家族だけでは探そうとしないでください。

この間、母がいなくなったときは、家族だけで探しているところに近くの交番から連絡がありました。家族だけで探すのはダメなんですか?

認知症の人が行方不明になったときは、すぐに警察に連絡してください。近所の人に声をかけたり、地域包括支援センターやケアマネジャーさんにも連絡しておくと良いでしょう。

認知症の人が1人で外出すると、事故に巻き込まれたり、熱中症や低体温症などで命に危険が及ぶ可能性が非常に高いです。そのため、1人でも多くの人に助けを求めて少しでも早く発見することが大切です。

認知症の人が事故に巻き込まれた話は、ニュースで見たことがあります。確かに、この間は何事もなかったから良いものの、次もそうとは限らないですもんね…。

大塚さんのおっしゃる通りです。

もし、徘徊が止められずに自宅での介護が難しいと感じたら、介護施設への入居も検討してください。もし施設探しでお困りのことがあったら「いい介護 入居相談室」にご連絡くださいね。介護施設に詳しい相談員がお母様に合った施設をご案内しますよ。

  • 認知症による徘徊は、何かを探す、目的の場所に行くなどの目的のある行動
  • 玄関にセンサーを付ける、GPSを持ち物につけるなどの予防策がある
  • 地域の人や交番などと事前に連携しておくと発見が早くなりやすい
  • 行方不明になったら家族だけで探すのはNG!まずは警察に連絡を

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