5年ほど前から父の介護をしています。父の認知症が以前より進行しており、同じことを何度も聞いてきたりちょっとしたことで激怒するので、気を使って精神的に疲れが溜まっています。
それに最近では夜間に起き出して落ち着かず、外に出て徘徊してしまうかもしれないので私も一緒に起きていることが多くなりました。そのため、父の介護がとてもしんどいです。何か良い解決法はないでしょうか?
それはとても大変な状況ですね…。このままでは飯田さんが体調を崩してしまいかねませんから、以下のような方法で介護疲れを解消するのはどうでしょうか?
え、「介護から離れる」ってどういうことですか?とてもじゃないけど、そんな余裕なんてないですよ。
今のままでは介護から離れることはなかなか難しいかもしれません。なので、介護サービスを活用するんです。例えば、デイサービスに通ったりショートステイで数日宿泊してもらうだけでも、時間の余裕ができると思います。
デイサービスの方は、今も週3回利用しています。でも、家事を片付けたり寝不足を解消するためにちょっと昼寝をするとすぐ時間になってしまいますね…。
ショートステイは、利用したことはありますか?
いえ、ショートステイは聞いたことはありますが、利用したことはないです。どんなサービスなんですか?
ショートステイというのは、介護施設に1日から泊まれるサービスです。特別養護老人ホームなどが提供している場合もあれば、ショートステイ専用の施設がサービスをおこなっている場合もあります。
施設の空室状況にもよりますが、最大30日連続で宿泊が可能です。宿泊している間は介護から離れられるので、良いリフレッシュになると思いますよ。
うーん、私のリフレッシュのために介護サービスを使っても良いんでしょうか?
もちろんです!ショートステイは「レスパイト」のために使われることが多いサービス。レスパイトとは、介護をするご家族が介護を休憩するためのサービスのことを指します。
ちなみに、定期的にショートステイを利用して自分のリフレッシュをしている人もいますし、ご家族での旅行のときに使っているご家庭もありますよ。
えっ、そうなんですね!今度、使ってみようかな…。
それと、相談できる人や話を聞いてくれる人を見つけることも大切です。例えば、具体的な介護の相談だったらケアマネジャーさんやかかりつけ医が聞いてくれるでしょう。
逆に相談というより、話を聞いてほしいだけであれば、聞いてくれるご友人がいると気持ちが楽になるかもしれません。解決策にはならなくても、愚痴を聞いてくれるだけでも気持ちがスッキリすると思いますよ。
うーん、今まで介護のことは誰かに相談したことがなかったです…。家の事情なのでなかなか友人には話しにくいですし…。
おっしゃる通り、介護のことってなかなか話しにくいところがありますよね。
そういうときは、家族の介護をしている人たちによる集まりがおこなわれていることがあるので、そこで同じように介護をしている人と話をするのも良いかもしれません。「認知症カフェ」など、認知症のご本人やそのご家族の集まりが、お住まいの地域でも開催されていると思いますよ。
へー、そうなんですね!知らなかったです。
あと大切なのは、自分の趣味のための時間を作ることです。ショートステイやデイサービスなどの介護サービスを活用して自分の時間を確保したら、自分が楽しいと思えることをしましょう。
映画を見たり音楽を聞いたり、マッサージに行くのも良いかもしれません。どんなことでも良いので、リフレッシュするための時間を確保してください。
ここまで、介護疲れのリフレッシュ方法についてお話ししてきました。ここからは、なるべく疲れが溜まらない介護をするための対策をお伝えしますね。
介護は疲れるものですよね?疲れないようにする方法があるんですか?
やはりどうしても介護疲れをゼロにするのは難しいでしょう。でも、工夫次第で介護疲れを溜まりにくくすることはできます。
例えば、在宅介護サービスを活用すること。在宅介護サービスには以下のようなものがありますから、今、利用しているデイサービスに追加してみるのはどうでしょうか?
介護保険外サービスってどんなサービスがあるんですか?
例えば、お父様の散歩などの外出支援や同居するご家族の分の家事を代行するサービスなどがあります。
それと、介護保険の上限を超えて介護サービスを利用する場合も、全額自己負担となります。介護保険内では、介護サービスが足りない場合には検討してみても良いかもしれません。
なるほど…。自己負担額の中でサービスの量を収めなくちゃいけないと思っていましたが、そうでもないんですね。
また、ご自宅での介護が難しいと感じたら介護施設へ入居することも検討してください。お父様を介護施設に入居させることに抵抗を感じるかもしれませんが、そのまま在宅介護を続けていたら共倒れになってしまう可能性もありますよ。
主な施設サービスは以下のようなものがあります。介護疲れが限界になったら施設探しをする余裕はなくなりますから、早めに見当をつけておいてくださいね。
介護疲れを予防するために、疲れが溜まりにくい介護体制を整えておくことも大切ですが、同じくらい毎日の介護に対する心の持ち方も大切なんです。
心の持ち方?どういうことですか?
介護疲れを溜めてしまいがちな人は、頑張りすぎてしまう傾向があります。なので、頑張りすぎないようにする心構えを持つことが重要です。
例えば、以下のような心構えで介護に取り組むと気持ちが楽になると思いますよ。
1人で抱え込みすぎてしまうと、どこにも気持ちの逃げ場がなくなって追い詰められてしまいます。なので、誰かを頼ったり弱音を吐いたりしましょう。
また、「できる範囲のことをやる」という気持ちも大切です。完璧にやろうとする必要はありません。理想の介護を求めてしまうと、心身ともにしんどくなってしまいます。
うーん、耳が痛いです。私は一人っ子で他に介護を手伝ってくれる家族もいないので、抱え込んでいたのかもしれません…。
手伝ってくれるご家族がいないと、どうしても抱え込んでしまいますよね。介護には「こうしなければいけない」という正解はありませんから、自分なりの介護をするつもりでもっと気楽にしていても良いと思いますよ。
それに、介護の大変な状況がいつまでも続くわけではありません。もしかしたら認知症の薬を変えたら、お父様の状態が落ち着くこともあるかもしれません。「ずっとこんなに大変な思いをしなくちゃいけない」と思わず、「状態は常に変化するもの」と考えると多少は気持ちが楽になるんじゃないでしょうか?
これまで、「私がお父さんを介護しなくちゃ」と頑張りすぎていたのかも…。もう少し肩の力を抜いて、介護してみようと思います。
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。