離乳食を介護食の代わりに使っても問題はないです。が、離乳食の方が量が少ないので、離乳食だけ食べていると栄養不足になる可能性があります。そのため、離乳食を利用するときは他の食事と合わせたり、栄養補助食品なども一緒に摂るようにしましょう。
また、離乳食はさらさらとした食感のものが多いです。もし、お母様の飲み込む機能が低下しているのであれば、とろみをつけてくださいね。
自宅で母の介護をしています。年々、母がやわらかいものでないと食べられなくなり、食事の準備が大変になってきました。もともと、私は料理が得意ではないですし、仕事の合間に家事や介護をしていることもあって、あまり時間もかけられません。
なので、レトルトの介護食を利用しているのですが、種類もなくて同じような内容になったり、値段が高いのが悩みで…。なので、値段が安い離乳食で代用できないかな、と考えています。
…そもそも、介護食と離乳食の違いって何ですか?
介護食と離乳食は見た目は似ていますが、赤ちゃん向け・ご高齢者向けと、利用者が大きく異なるので、実は違う点がいくつかあります。
それぞれの特徴をお話ししていきますね。
介護食は、飲み込む力が低下した人が食べやすいようにとろみがついていることが多いです。対象的に、離乳食はさらさらとしていることが多いです。
これは、大人と赤ちゃんの喉の長さの違いがあるため。大人の方が喉の長さが長いので、飲み込む力が低下すると食品などが気管に入って誤嚥しやすいのですが、赤ちゃんは喉が短いので誤嚥しにくいんです。
むしろ、赤ちゃんの場合はとろみがついていると喉につまらせるリスクがあるので、液体はさらさらとしています。
子どもと大人の体の違いで、食感が異なるんですね。
さらに、赤ちゃんの方が大人よりも「味蕾」という舌にある味を感じる器官が発達しています。味を感じやすいので、離乳食は薄味に作られています。
健康のために高齢者の食事も薄味が良いと言われますが、赤ちゃんは薄味でも美味しく食べられるということなんですね。
また、離乳食は介護食よりも量が少ないことが多いです。
というのも、月齢が小さい子であるほど食事の中のミルクの割合が大きいため。まだミルク以外のものから栄養を摂る準備ができていませんし、離乳食はミルク以外の食べ物を摂る練習という意味合いが強いので、少量しか入っていません。
介護食と離乳食の特徴を考えると、離乳食で介護食の代用はできるんでしょうか?
「代用できなくはない」というのが回答になってしまいますね。
離乳食の方が味が薄いので、ご高齢者には物足りないと感じるかもしれませんし、量が少ないので離乳食だけを食べていると栄養不足になってしまう可能性があります。
離乳食を介護食の代わりに利用する場合に注意していただきたい点があるので、詳しくお話ししますね。
離乳食で介護食を代用するときの注意点とは、どんなことでしょうか?
次の2点に注意していただきたいんです。
先ほどもお話しした通り、離乳食は介護食よりも量が少ないため、離乳食だけを食べていると栄養不足になるおそれがあります。
そのため、食事を離乳食で代用する場合は、栄養補助食品も併用しましょう。栄養補助食品でエネルギーや栄養素を補ってください。ドリンクやゼリーなどいろいろなタイプの食品があるので、摂りやすい形状のものを試してみてはどうでしょうか。
ドラッグストアで見たことがありますね。そういう商品も活用すれば良いんですね。
また、先ほどお伝えしたように、離乳食はさらさらとしているものが多いです。飲み込む力が低下している場合、誤嚥をしてしまい、肺炎になってしまうおそれもあります。
そのため、市販のとろみ粉などを使ってとろみをつけるようにすると、安全に食べられるでしょう。
離乳食を介護食として利用するときに大切なのは、適切なやわらかさの商品を選ぶこと。離乳食も介護食と同様に、具材の大きさややわらかさを飲み込みや噛む力の段階に分けて展開されているので、お母様の状態に合わせた商品を選びましょう。
以下は、介護食と離乳食のやわらかさを対比させたものです。メーカーによって異なることがあるので、目安として考えてください。
介護食 | 離乳食 |
---|---|
容易に噛める | 12~18ヵ月頃 |
歯ぐきでつぶせる | 9~11ヵ月頃 |
舌でつぶせる | 7~8ヵ月頃 |
かまなくてよい | 5~6ヵ月頃 |
介護食は「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」「かまなくてよい」という4段階に分けられ、商品パッケージにも表示されています。
対して、離乳食は「5〜6ヵ月頃」「7〜8ヵ月頃」「9~11ヵ月頃」「12~18ヵ月頃」と、月齢によって具材のやわらかさが区分けされています。ただ、離乳食はメーカーによって区分けする月齢が異なることがあります。
なるほど…。母は「歯ぐきでつぶせる」と書いてある介護食を食べているので、9~11ヵ月用の離乳食を買えば良いというわけですね!
介護のなかでも、食事の支度は大きな負担になるもののひとつです。頑張りすぎて牧野さんが体調をくずさないように、レトルト食品も頼ってくださいね。
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