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しっかり食べているのに高齢の親の体重が大きく減少しています。なぜでしょうか?

母の体重が大きく減っていることが気になっています。先日、母がやつれたように感じたので体重を測ったところ、半年前の健康診断のときよりも5kg近く減っていました。 ダイエットしているわけでもないし、3食しっかり摂っていると母は言っています。しかし、明らかにやつれて顔色が悪いような気がして心配です。 どうして母の体重が減ってしまったんでしょうか? (坂口さん・会社員・62歳) 高齢になると、筋肉量が減ったり消化機能の低下によって体重が落ちやすくなる傾向があります。もし体調不良もある場合は、病気の可能性もあるので受診するのがおすすめです。対策としては、栄養バランスの良い食事を摂ったり、食事の回数を増やしてみるのも良いでしょう。食欲が低下して知らず知らずのうちに食事量が減っていることがあるので、すぐに食べられるものを用意しておくのも有効な方法です。体重減少が続いてしまうと、体力や免疫力、認知機能が低下するおそれがあります。痩せすぎが寝たきりにつながることもありますので、無理なく体重を増やせるようにしていきましょう。 なぜ食べているのに親の体重が減少する? 最近、母が急に痩せてきたことが気になって体重を測ったところ、半年前の健康診断のときよりも5kg近く減っていたんです。母はダイエットしているわけでもありませんし、食事はきちんと3食摂っていると言います。ちゃんと食べているのに体重が減少することはあるんでしょうか。どうして母の体重は減ってしまったんでしょうか? 急な体重減少は心配になりますよね。一概には言えませんが、食事を摂っているのに体重が減ってしまっている原因は、以下のようなものが考えられます。 筋肉量の低下 病気の影響 消化吸収力の低下 こんな状態は痩せすぎかも BMI値とは肥満度を表す体格指数です。日本肥満学会ではBMI値が18.4以下は痩せすぎと定めています。例えば、身長150cmの人がBMI値18.4だったときの体重は41.4kg。これ以下の体重は痩せすぎです。 BMI値=体重(kg)÷(身長(m)×身長(m) また、半年で5%以上の体重減少がある場合も要注意。体重50kgの人の場合、半年で2.5kg以上は危険な体重減少です。 筋肉量の低下 高齢になると筋肉量が低下して体重減少を引き起こしていることがあります。筋肉が減って直接的に体重が減ることに加えて、筋肉が減ると体が省エネになるため必要なエネルギーが減るんです。 「省エネになる」と聞くと良いことのように聞こえますが…。 ご高齢者の場合、必ずしも良いことばかりではないんです。省エネになるということは、少ないエネルギーで生活できるということ。つまり、お腹が減らないんです。お腹が減らなければ食事も食べなくなりますよね。加齢によって筋肉量が減ってお腹が減りにくくなることで、知らず知らずのうちに食事の量が減っていることがあるんです。 本人は「しっかり食べている」とは言っていますが、もしかしたら以前より食べる量が減っているかもしれない、ということですね…。 消化吸収力の低下 歳を重ねることによって消化機能が低下して、若い世代よりも消化吸収力が低下する傾向があります。つまり、食べたものを上手く消化して体に吸収できないんですね。消化機能が低下すると、便秘によってお腹が減りにくくなったり、下痢によって栄養素が吸収されずに排泄されてしまうこともありえます。 となると、食べる量が減ったり、しっかり食べていても体に吸収されていない可能性があるわけですね。母のお腹の調子も確認しておかないと…。 病気の影響 病気の影響で体重減少が起こることもあります。例えば、以下のような病気です。 消化器系の病気 糖尿病 悪性腫瘍(がん) 病気の影響で食欲が低下したり、栄養が上手く吸収できなくなることもあります。また、がんの場合はがん細胞が増殖するときにエネルギーをたくさん使うため、食事を摂っていても体重減少が起こりやすいです。 体調不良もあるときは受診を 急激な体重減少に加えて、腹痛や吐き気などの体調不良もあるときは受診をおすすめします。病気が原因で体重が減少しているおそれがあるためです。 「食欲がなくて食べられない」「食べているのに体重が減っている」という場合も、まずは消化器内科で相談してみましょう。 親の体重減少の対策 母の体重が減ってしまった原因について、なんとなくわかったような気がします。母の体重減少を食い止めるには、どうしたら良いんでしょうか? 体重減少の対策には、以下のようなものがあります。 栄養バランスの良い食事を摂る 食事の回数を増やす 食べたいときに食べられるようにする 適度な運動をする 栄養バランスの良い食事を摂る まずは、栄養バランスの良い食事が大切です。わかりやすいのが「一汁三菜」の食事。ご飯と汁物に、主菜1品と副菜2品を組み合わせたものです。主菜を肉や魚などのタンパク質が豊富なおかずにし、副菜の野菜やきのこなどでビタミンや食物繊維が摂れると良いでしょう。特に筋肉量を維持するためにはタンパク質を摂ることが大切。摂取量は体重1kgに対して1gのタンパク質が目安です。体重50kgの人だったら1日50gのタンパク質を摂る必要があるということですね。 母の年齢も年齢なので、食事の支度をするのが大変になって出来合いのものや簡単に食べられるパンなどで済ませることもあったようです。やっぱり、きちんとした献立で食べないといけないんですね。 おっしゃる通り、ご高齢になると食事の支度も負担が大きく感じると思います。もちろん「一汁三菜」が理想ですが、そこまでしなくても筋肉を作るタンパク質とエネルギーの源である炭水化物をしっかり摂るように意識しましょう。毎食、必ず主食と主菜をしっかり食べるようにするだけでも、栄養状態は良くなると思いますよ。もし、食事の支度が大変な場合は、介護保険外サービスである「配食サービス」を活用してみるのもおすすめです。 食事の回数を増やす 「1日3食」にこだわらず、間食をするのもおすすめです。高齢になると、1度に食べられる量が減ることも多いですから、おやつとして軽食を取り入れてみましょう。そのとき、お菓子や菓子パンではなくバナナやヨーグルト、ゆで卵といった栄養豊富なものを食べると良いでしょう。 すぐに食べられるものを用意しておく 食欲が落ちている場合、朝・昼・夕食のタイミングでは食べる気が起きない場合も考えられます。なので、少しでも食べたい気持ちがあるときに食べられるようにすぐに食べられるものを常に用意しておきましょう。例えば、以下の食品はすぐに食べられて手軽にエネルギーを摂取できるのでおすすめですよ。 バナナ おにぎり レトルト食品 高栄養ゼリー・ドリンク ギリシャヨーグルト そのほかにも、おかずを作り置きして、食欲があるときに温めて食べられるようにしておくのも良いですね。 なるほど!栄養があって手軽に食べられるものを用意しておくんですね。それなら母も食べてくれそうです。 適度な運動をする 運動したら、もっと痩せてしまうんじゃないですか? いえいえ、筋肉や体力を維持するためには、食事だけでなく体を動かすことも大切です。運動量の目安としては、ウォーキングや軽いジョギングなどの無理のない運動を30分以上、週2回以上できるのが理想です。 母が運動する機会は少ないと思います。自分から外出する人でもありませんし…。でも、筋肉をつけるために、散歩から始めた方が良いのかも…。 高齢者が体重減少することの危険性 ここまで、ご高齢者が体重減少してしまう原因やその対策についてお伝えしてきました。ここからは、体重減少や痩せすぎの状態が続くことによる危険性についてお話しします。 「危険性」ですか? 体重減少が続いたり、痩せすぎの状態が続くことで以下のような危険があります。 体力が低下する 免疫力が低下する 認知機能が低下する 嚥下障害を起こしやすくなる むくみを起こしやすくなる 体力が低下する 体重が減ることで筋力や体力が低下し、疲れやすくなる危険性があります。疲れやすいと活動量が減って、さらに筋肉や体力が低下。その結果、転倒するリスクが高まってしまいます。加齢とともに骨がもろくなりやすいですから、転倒をきっかけに骨折してしまうことも。骨折により入院して、ベッド上で体を動かすことが極端に減ることで、退院するときにはほとんど寝たきりの状態になるケースも少なくありません。 えっ、骨折から寝たきりですか!? はい。高齢になると、筋力の低下が早くなるのに対して、回復はかなり難しいです。入院すると体を動かさない時間が大幅に増えますから、筋力がすぐに低下してしまうんですね。つまり、体重減少がきっかけで寝たきりになってしまう危険性があるんです。 免疫力が低下する 体重が減ることで、免疫機能が低下することもあります。つまり、感染症のリスクが高まるということです。免疫力が低下している状態で感染症にかかると、重症化しやすく、命の危険に関わる危険性もあります。 認知機能が低下する 体重が減ることが、認知機能の低下と関係があるんですか? そうなんです。体重が減ってしまうような低栄養状態が続くと認知機能の低下リスクが高まることがわかっています。東京都健康長寿医療センターの研究によると、栄養状態が悪い人は良い人に比べて認知機能低下のリスクが2~3倍も高くなるとのこと。つまり、体重減少するような低栄養状態の人は認知症のリスクも高いと言えるそうです。 ただ、急に体重が減って心配だっただけなのですが…。この状態が続くと認知症のリスクがあるんですね。なんとかしないと…。 参考:「食生活に要注意 ...

2023/12/11

在宅介護 食事

介護食と離乳食の違いって何?レトルトの離乳食を介護食として使っても大丈夫ですか?

介護食と離乳食の違いって何ですか?高齢の母を自宅で介護しています。最近、噛む力が衰えてきてやわらかい食事を用意しないといけないのですが、私は料理が得意でないので母が食べやすい食事を作るのが難しくて…。 レトルトの介護食を使っていますが、いつも同じような内容になってしまいますし、金額が高いのがネックなんです…。 そこで、レトルトの離乳食を介護食の代わりに使えないかと思っています。離乳食を介護食の代わりとして利用しても大丈夫なんでしょうか? (牧野さん・自営業・64歳) 離乳食を介護食の代わりに使っても問題はないです。が、離乳食の方が量が少ないので、離乳食だけ食べていると栄養不足になる可能性があります。そのため、離乳食を利用するときは他の食事と合わせたり、栄養補助食品なども一緒に摂るようにしましょう。また、離乳食はさらさらとした食感のものが多いです。もし、お母様の飲み込む機能が低下しているのであれば、とろみをつけてくださいね。 介護食と離乳食の違いは? 自宅で母の介護をしています。年々、母がやわらかいものでないと食べられなくなり、食事の準備が大変になってきました。もともと、私は料理が得意ではないですし、仕事の合間に家事や介護をしていることもあって、あまり時間もかけられません。なので、レトルトの介護食を利用しているのですが、種類もなくて同じような内容になったり、値段が高いのが悩みで…。なので、値段が安い離乳食で代用できないかな、と考えています。…そもそも、介護食と離乳食の違いって何ですか? 介護食と離乳食は見た目は似ていますが、赤ちゃん向け・ご高齢者向けと、利用者が大きく異なるので、実は違う点がいくつかあります。それぞれの特徴をお話ししていきますね。 介護食の特徴 とろみがついていることが多い 離乳食より味が濃いことが多い 離乳食より量が多い 離乳食の特徴 さらさらとした食感 介護食より味が薄いことが多い 介護食より量が少ない 介護食は、飲み込む力が低下した人が食べやすいようにとろみがついていることが多いです。対象的に、離乳食はさらさらとしていることが多いです。これは、大人と赤ちゃんの喉の長さの違いがあるため。大人の方が喉の長さが長いので、飲み込む力が低下すると食品などが気管に入って誤嚥しやすいのですが、赤ちゃんは喉が短いので誤嚥しにくいんです。むしろ、赤ちゃんの場合はとろみがついていると喉につまらせるリスクがあるので、液体はさらさらとしています。 子どもと大人の体の違いで、食感が異なるんですね。 さらに、赤ちゃんの方が大人よりも「味蕾」という舌にある味を感じる器官が発達しています。味を感じやすいので、離乳食は薄味に作られています。 健康のために高齢者の食事も薄味が良いと言われますが、赤ちゃんは薄味でも美味しく食べられるということなんですね。 また、離乳食は介護食よりも量が少ないことが多いです。というのも、月齢が小さい子であるほど食事の中のミルクの割合が大きいため。まだミルク以外のものから栄養を摂る準備ができていませんし、離乳食はミルク以外の食べ物を摂る練習という意味合いが強いので、少量しか入っていません。 離乳食は介護食の代わりになる? 介護食と離乳食の特徴を考えると、離乳食で介護食の代用はできるんでしょうか? 「代用できなくはない」というのが回答になってしまいますね。離乳食の方が味が薄いので、ご高齢者には物足りないと感じるかもしれませんし、量が少ないので離乳食だけを食べていると栄養不足になってしまう可能性があります。離乳食を介護食の代わりに利用する場合に注意していただきたい点があるので、詳しくお話ししますね。 離乳食を介護食の代わりにするときの注意点 離乳食で介護食を代用するときの注意点とは、どんなことでしょうか? 次の2点に注意していただきたいんです。 離乳食以外の食事も摂る とろみを付ける 先ほどもお話しした通り、離乳食は介護食よりも量が少ないため、離乳食だけを食べていると栄養不足になるおそれがあります。そのため、食事を離乳食で代用する場合は、栄養補助食品も併用しましょう。栄養補助食品でエネルギーや栄養素を補ってください。ドリンクやゼリーなどいろいろなタイプの食品があるので、摂りやすい形状のものを試してみてはどうでしょうか。 ドラッグストアで見たことがありますね。そういう商品も活用すれば良いんですね。 また、先ほどお伝えしたように、離乳食はさらさらとしているものが多いです。飲み込む力が低下している場合、誤嚥をしてしまい、肺炎になってしまうおそれもあります。そのため、市販のとろみ粉などを使ってとろみをつけるようにすると、安全に食べられるでしょう。 介護食と離乳食のやわらかさの目安は? 離乳食を介護食として利用するときに大切なのは、適切なやわらかさの商品を選ぶこと。離乳食も介護食と同様に、具材の大きさややわらかさを飲み込みや噛む力の段階に分けて展開されているので、お母様の状態に合わせた商品を選びましょう。以下は、介護食と離乳食のやわらかさを対比させたものです。メーカーによって異なることがあるので、目安として考えてください。 介護食離乳食容易に噛める12~18ヵ月頃歯ぐきでつぶせる9~11ヵ月頃舌でつぶせる7~8ヵ月頃かまなくてよい5~6ヵ月頃 介護食は「容易にかめる」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」「かまなくてよい」という4段階に分けられ、商品パッケージにも表示されています。対して、離乳食は「5〜6ヵ月頃」「7〜8ヵ月頃」「9~11ヵ月頃」「12~18ヵ月頃」と、月齢によって具材のやわらかさが区分けされています。ただ、離乳食はメーカーによって区分けする月齢が異なることがあります。 なるほど…。母は「歯ぐきでつぶせる」と書いてある介護食を食べているので、9~11ヵ月用の離乳食を買えば良いというわけですね! 介護のなかでも、食事の支度は大きな負担になるもののひとつです。頑張りすぎて牧野さんが体調をくずさないように、レトルト食品も頼ってくださいね。 離乳食の方が味が薄い、さらさらしているなどの違いがある 離乳食は介護食の代わりに使えるが、栄養不足にならないように 離乳食で代用するときは、別の食事と合わせたり栄養補助食品も活用しよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; ...

2023/10/19

施設入居 食事 医療体制

腹膜透析でも老人ホームに入居できますか?父親が自分で処置をできなくなってきました

腎不全で腹膜透析をしている父の老人ホームを探しています。腹膜透析は父自身でおこなっていますが、最近になって処置がうまくできていないことがあるようです。 そのため、週2回利用している訪問看護師さんやケアマネジャーさんから老人ホームへの入居を勧められています。 腹膜透析でも入れる老人ホームはあるのでしょうか? (吉野さん・会社員・63歳) 腹膜透析の人を受け入れている老人ホームはあります。ただ、かなり数が限られています。もともと腹膜透析を選択する人が少ないため、腹膜透析を受け入れていることをホームページやパンフレットなどで公開していないこともあります。そのため、まずは施設に入居可能かを相談することが必要。看護師さんが24時間常駐している施設や、訪問看護を使える施設に相談してみましょう。腹膜透析の人を受け入れている施設はかなり少ないので、ぜひ「いい介護 入居相談室」も活用してください。吉野さんの施設探しの負担がかなり減ると思いますよ! 腹膜透析で老人ホームに入居できる? 実家で一人暮らしをしている父の老人ホームを探しています。父は3年ほど前から腹膜透析をしていて。これまでは父が自分で処置ができていたのですが、最近はきちんとできていないことも増えたようです。そのため、訪問看護師さんやケアマネジャーさんから老人ホームの入居を勧められました。腹膜透析でも受け入れてくれる老人ホームってありますか? 腹膜透析の人を受け入れている施設はあることはあるのですが…かなり少ないですね。病院に通院して透析をする血液透析だったら、受け入れている施設は多いのですが…。 腹膜透析だと入れる施設は少ないんですか…。 でも、まったくないわけではありません!ちょっと探し方にコツがいるので、順番にお話ししていきますね。 腹膜透析でも入居できる老人ホームの探し方は? 腹膜透析の人を受け入れている老人ホームは数が少ないうえに、そもそも腹膜透析をしている人が少ないため、腹膜透析の対応が可能であることをホームページやパンフレットなどで公開していないこともあるんです。 えっ!そうなんですか!じゃあ、どうやって探したら良いんですか? 基本的には施設に問い合わせるのが一番です。施設の中には受け入れができるように調整してくれることもあるので、相談してみることが大切ですね。とは言っても、やみくもに施設に問い合わせるのは大変ですから、以下の特徴のある施設に相談してみると、受け入れてくれるかもしれませんよ。 医療体制が整っている 訪問看護を使える 医療体制が整っている 「医療体制が整っている」ってどういう施設でしょうか?何か特徴がありますか? 例えば、ホームページなどに「24時間看護師常駐」といった文言が記載されている施設です。昼夜問わず看護師さんが勤務しているため、常に医療ケアが必要な人が多く入居しています。看護師さんの数も多いので、多様な医療ケアに対応していることが多いです。医療ケアの頻度が多い人も受け入れていることが多いので、相談してみてください。 訪問看護を使える 「24時間看護師常駐」の施設ではなくても、訪問看護サービスを活用することで腹膜透析の人を受け入れてくれる施設があります。こうした施設は、訪問看護ステーションが併設されていたり、医療機関との協力関係がしっかりしている傾向があります。ただ、訪問看護やその他の介護サービスを利用するごとに費用がかかりますから、お金がかさんでしまう可能性があるので要注意です。 腹膜透析の注意点 吉野さんは既にご存知かもしれませんが、腹膜透析の注意点を改めて確認しておきましょう。具体的には、以下の3点です。 将来は血液透析に移行する 食事制限が要ることがある 感染症の可能性が高まる 将来は血液透析に移行する 腹膜透析は、開始から数年後には血液透析に移行しなければいけません。というのも、透析液を流す腹膜は数年経つと透析膜としての機能が低下します。さらに腹膜透析では対応できないほど、腎不全が進行した場合にも血液透析に移行する必要があります。たいていの場合は、腹膜透析を始めてから5~10年後には移行するとされています。 そういえば、父の病院の先生から説明を受けた記憶があります。 血液透析に移行することを考えて、施設探しのときには腹膜透析と血液透析のどちらも対応できる施設が良いでしょう。腹膜透析が対応できるのであれば、血液透析にも対応していることが多いので、「血液透析にも対応していますか?」と一言、確認しておくだけ大丈夫ですよ。血液透析の受け入れをしている施設については、以前のご質問でもお答えしているので、ぜひ参考にしてください! 食事制限が必要なことがある 腹膜透析に関わらず、人工透析をしている人の多くは食事制限が必要です。お父様には食事制限がありますか? はい。塩分制限とカロリー制限をしています。そういえば、食事制限って老人ホームで対応してもらえるんでしょうか? 腹膜透析の対応をできる施設には、腎不全以外にも食事制限が必要な病気を持っている人が多く入居している傾向があります。なので、食事制限ができないことはないと思いますが、念のため確認をしておきましょう。 感染症の可能性が高まる 腹膜透析の場合、透析液を注入するときに細菌が体内に入って感染症を引き起こす可能性があります。また、カテーテルが入っている部分から感染するおそれもあります。こうした危険性から、訪問看護師さんやケアマネジャーさんが施設への入居を勧めていると考えられるので、施設に入居したら腹膜透析の処置は看護師さんにお任せした方が良いでしょう。 腹膜透析の費用を抑える「高額療養費制度」 腹膜透析には、たくさんの費用がかかりますよね。特に老人ホームに入居すると、在宅介護よりも多くのお金がかかる傾向があります。そこで、「高額療養費制度」を活用してお金を費用を軽減しましょう。 「高額療養費制度」とは何ですか? 高額療養費制度は、1ヵ月の医療費が上限額を超えた場合に自己負担が軽減される制度です。しかも、慢性腎不全による腹膜透析の場合、特例で費用負担額が月1万円になるんです。 えっ!1万円になるんですか!? そうなんです!それ以上支払う必要はありません。ただ、申請が必要なので、加入している医療保険の窓口に問い合わせてくださいね。 数は少ないが、腹膜透析でも入居できる老人ホームはある! 医療体制が整っている、訪問看護で対応できる施設を探そう 将来は血液透析に移行することも念頭に施設探しをして pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } ...

2023/06/20

施設入居 食事 医療体制

老人ホームではミキサー食に対応できますか?母の嚥下状態が悪くなって通常の食事が食べられません。

母が入院中に嚥下状態が悪くなり、ミキサー食でないと食べられなくなってしまいました。退院後に入居する施設を探しているのですが、老人ホームでもミキサー食で対応してもらえるのでしょうか? (大橋さん・自営業・67歳) 多くの介護施設でミキサー食の対応ができますが、中には対応できない施設もあるので事前の確認が必要です。また、糖尿病や高血圧などの持病の影響で食事制限がある場合も、施設側が対応できることがあります。どの程度、対応できるのかは施設によって異なるので、これもよく確認しておく必要があります。 老人ホームではミキサー食に対応できる? 先日、母が自宅で転倒してしまい、今は入院しています。入院中に飲み込む力が落ちてしまったとのことで、食事がミキサー食になってしまいました。自宅ではミキサー食を用意するのも難しいですし、車いすが必要になったので介護施設に入れたいと考えています。でも、老人ホームでは、食事をミキサー食にするのは可能なんでしょうか?母だけ特別にミキサー食にしてもらう、なんてことは難しいですよね? いえいえ、多くの老人ホームではご入居者お一人おひとりの状態に合わせた食事を提供していますよ。なので、ミキサー食も対応できる施設は多いんです。 そうなんですね、よかった! 年齢を重ねると噛む能力(咀嚼機能)や飲み込む能力(嚥下機能)が衰えていくものです。そのため「食材のやわらかさや大きさなどを配慮してほしい」というご要望は多く、お一人おひとりに合わせて食事形態を変更可能にしているんです。特に、以下の施設の中でも介護が必要な人向けのところでは、食事のやわらかさや形態を変更できることがほとんどですよ。 特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 グループホーム いろんな施設で食事の形態を変更してくれるんですね! そうなんです。ただ、追加料金がかかる場合もありますから、そのあたりも事前に施設に確認してくださいね。 老人ホームで対応できる食事の形態は? 介護施設で対応している食事の形態にはさまざまなパターンがあります。大橋さんのお母様も、今はミキサー食でも今後の嚥下状態によっては別の食事形態に変更になる場合もありますので、念のため頭に入れておいてください。例を挙げると、介護施設で提供している食事には主に以下のような形態があります。 常食 軟飯・軟菜 きざみ食 ソフト食 ミキサー食(ペースト食) ミキサー食以外の食事形態は、どれも聞いたことがありませんね…。 はじめの「常食」というのは、一般的な食事形態のことです。咀嚼力や嚥下力に問題がない人が食べている形のものですね。その常食をよく煮込んだり、ごぼうなどの繊維質で食べにくい食材を除いて作ったのが「軟飯」「軟菜」。やわらかく炊いたご飯が軟飯、やわらかく調理したおかずが軟菜です。健康な人よりも少し咀嚼機能や嚥下機能が低下した人向けの食事なんですね。 名前の通り、やわらかくて食べやすくなっている食事、というわけですね。 その次の「きざみ食」は、食材を約5mm~1cmにきざんだ食事形態です。主に歯で噛む力が弱くなった人向けの食事ですが、食材が細かいためにむせこみやすかったり誤嚥につながる可能性はあります。なので、誤嚥を避けるために、咀嚼能力が低下した人には「ソフト食」が提供されることもあります。これは、ペースト状にした食材をとろみ剤などでやわらかく固めたもの。一度ペーストにしているので、軟飯・軟菜よりもやわらかく、舌で押しつぶせるほどです。 へー、ミキサー食でなくてもそんなにやわらかい食事があるんですね。 そうなんです。それに、ミキサー食だとどの料理もミキサーでスープ状にしてしまうので同じような見た目になってしまいがちですが、ソフト食は食材の形をした型に入れて固めるので、見た目で食事を楽しめるんです。とはいえ、「歯がない」「口が空きにくい」「咀嚼ができない」といった人にはミキサー食の方が向いているでしょう。 食べる人の状態によって食事形態を変えるから、「どの食事形態が良い」ということはないんですね。 おっしゃる通りです。それに、同じ人でも訓練で機能が回復したり、体調不良で機能が一時的に低下するなど、嚥下機能・咀嚼機能が変わることはよくあります。そのため、そのときのご入居者の状態によって、それぞれの食事形態を使い分けているんです。 食事制限がある人のために制限食にも対応 ちなみに、老人ホームには高血圧や糖尿病の影響で食事の制限がある人のための食事にも対応しているところもあります。 食事の制限ですか? はい。例えば、塩分制限や糖質制限などですね。他にも病気によってはさまざまな栄養の摂取量を制限しないといけないこともあります。以下は、老人ホームで対応している主な制限食です。もしお母様が食事制限が必要な場合は、入居する施設で対応できるかどうか確認してくださいね。 塩分制限食 糖質制限食 カロリー制限食 脂質制限食 カリウム制限食 タンパク質制限食 ご高齢になると、食事のやわらかさや栄養に配慮が必要になることが多いです。そのため、ほとんどの施設でご入居者それぞれの状態に合わせた食事を提供しているので、遠慮せずに施設側に相談しましょう! 多くの老人ホームでミキサー食に対応可能! きざみ食やミキサー食など、嚥下状態によって多様な食事形態がある 塩分制限食、カリウム制限食などの制限食にも対応できることも pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; ...

2022/12/13

認知症 施設入居 食事

特養の母親が体重減少するのはなぜ?食べているのに痩せてしまう対策はありますか?

特別養護老人ホームにいる母が急に痩せてしまって心配です。食事は毎食8割近く食べられているそうですが、半年で3kg以上減っているとのこと。きちんと食べているのに体重が減っているのはなぜでしょうか? (杉山さん・会社員・60歳) 加齢で筋肉量が減ったことによって体重も減ってしまったのかもしれません。また、高齢になると食事をとっていても消化・吸収力が低下することで、栄養が身体に吸収されないで排泄されてしまうこともあります。高カロリーなゼリーなどを食事に追加してみるのも良いかもしれません。 なぜ体重減少をしてしまった? 特養に入っている母親が、急激に体重が減っているようです。何か大きな病気なのではないかと心配で…。 ちなみに、お母様の体重はどれくらい減少しているんですか? 特養のケアマネジャーさんによると、この半年で3kg以上も減っているそうです。ダイエットしているわけでもないですし、これって減りすぎですよね? そうですね…。半年で体重の5%以上の体重減少があるのは要注意です。例えば、50kgの人の場合、2.5kg以上ですね。特にご高齢者の場合、さまざまな理由で体重が落ちやすいので注意が必要なんです。 どんな理由で体重が落ちるんですか? ご高齢者の体重が減少する理由はいくつか考えられます。主なものを以下にまとめました。 加齢によるもの 認知症によるもの 病気によるもの 咀嚼力・嚥下機能の低下 例えば、加齢によって筋肉量が減ると身体を動かすことが億劫になって運動不足になってしまいます。そのため、生きるために必要となるカロリーが少なくなるので、以前よりも空腹を感じにくくなります。そうして食事量が低下してしまうんですね。また、噛む力(咀嚼機能)や飲み込む力(嚥下機能)が低下すると、食事が飲み込みにくくなるので食欲が低下する傾向があります。 ケアマネジャーさんによると、母はしっかり食べられているみたいです。毎食8割ほどは食べていて、好きなおかずだと完食するときもあるくらいです。となると、食欲低下が原因ではないですよね? 確かにそうですね。…そういうことであれば、高齢になったことで消化力や吸収力が低下したことが原因かもしれません。 どういうことですか? 歳を重ねることで、栄養を身体に取り込みにくくなるんです。これまでと食事量や内容は変わらなくても、体内に栄養が吸収されずに排出されてしまうので、痩せてしまうということですね。 なるほど、もしかしたらそうなのかもしれません! 吸収力が低下している場合、下痢になる傾向があります。排泄の状況もケアマネジャーさんに確認した方が良いかもしれません。 そんなことがあるんですね、ケアマネジャーさんに聞いてみます。 あとは、やはり病気が影響することもあります。例えば、がんの場合、がん細胞はたくさんのエネルギーを使って増殖します。そのため、がんの進行にともなって体重減少が起こることがあります。また、これはお母様は違うかもしれませんが、消化器系の疾患のときも体重減少する場合があります。胃や十二指腸の潰瘍、潰瘍性大腸炎などの場合、消化機能に異常が出るので胃の中に食べ物が残り続けて食欲がわかなくなるんです。 病気の可能性もあるんだ…。 そうなんです。それに、認知症が原因で体重が減ることもあります。例えば、食べること自体を忘れてしまったり、食べ物を食べ物と判断できないために食事量が減少して体重も減ってしまうこともあります。また、箸やスプーンを使ったり、それを口まで運ぶという一連の動作ができなくなることも…。さらに、認知症によって何事にも無関心になって食事もとらなくなることで、体重が減ってしまうケースもあるんです。 認知症による『拒食』 拒食とは食べることを拒否する弊害を指し、食べなくなることで栄養状態の悪化や体力の低下を招きます。介護をする人からすれば、「なんとか食べてほしい」という一心で食事を勧めていても、本人はそれがストレスとなり拒否している可能性があります。 対策①好きなものを献立に取り入れる 食欲を掻き立てるために、本人の好きなものを献立に取り入れるのが良いでしょう。ただし、毎日となると栄養に偏りが生じてしまうため、あくまで本人の食欲を向上させるための手段と考えておきましょう。 対策②無理に食べさせようとしない 強引に食事を勧めたり無理やり食べさせることは絶対にしてはいけません。介護をする人は、「本人のためを想ってやっているのに…」と思うこともあるでしょう。しかし一番重要なのは、本人の気持ちに寄り添い、認めてあげることです。 高齢者が体重減少をするとどんなリスクがある? ご高齢者の体重が減ってしまう原因を知ったところで、合わせて体重減少によるリスクも把握しておいてください。 体重が減るリスク…。急に体重が減ったことには動揺しましたが、その危険性についてちゃんと考えたことはありませんでした。 では、ここで改めて確認していきましょう。以下に体重減少のリスクについてまとめました。 活動量の低下 床ずれ 免疫力の低下 低血糖 低たんぱく血症 体重が減少するときは、たいてい同時に筋肉量も減っています。すると、先ほどもお話しした通り、身体を動かすことが億劫に。そのため、お腹が空きにくくなって食事量が減って、筋肉量がさらに減って…と悪循環になってしまいます。 これが進行すると、気力や体力が落ちた「フレイル」という状態になります。フレイルがさらに進行すると、介護が必要な状態、つまり要介護状態になるわけですね。もしかしたら、そのまま寝たきり状態になってしまうかもしれません。 寝たきりに!体重が減ることって良いイメージがありますが、そうとも言えないんですね。 おっしゃる通りです。若い世代の健康管理にダイエットは有効かもしれませんが、ご高齢者には勧められません。筋肉の減少する可能性が高いですから。 また、床ずれのリスクも高まります。床ずれは、栄養状態が良い人にはほとんどできません。でも、栄養状態が良くないと、皮膚がクッションの役割をしないので炎症しやすい状態です。だから、長時間ベッドに横になっていたり、同じ姿勢で座っていると皮膚がむけたり化膿してしまうんですね。 あと、この「低血糖」ってなんですか?血糖値が高いのが良くないのは知っていますが…。 血糖値は、低すぎても良くないんです。血糖値が下がりすぎると、頭がぼーっとして意識障害になったり最悪の場合、死に至ることもあります。特に、糖尿病の治療で血糖値を下げる薬を使っている場合、必要なカロリーをしっかり摂らないと低血糖になってしまうんです。 低血糖ってそんなに怖いんですね…。それと「低たんぱく血症」という言葉は、初めて聞きました。 低たんぱく血症は、血液中のたんぱく質が非常に少ない状態のことです。お腹に水が溜まる「腹水」やむくみが起きて、身体を動かしにくくなり、さらに活動量の低下につながってしまうんです。 高齢者の体重減少にはどんな対策がある? 体重が減ることのリスクを知ったら、母のことがもっと心配になってしまいました…。どうしたら食い止められるんでしょうか? 不安にさせてしまってすいません! 体重減少を食い止めるには、やはりしっかり栄養を摂ることですね。体重減少がみられるときには、糖質や脂質といったエネルギー源になる栄養を優先して摂っていきたいです。 糖質と脂質ですか…。どんなものを食べさせたら良いんでしょうか。 お母様は特養の栄養バランスが考えられた食事をとっているので、今の食事に追加するのが良いかもしれません。 例えば、手軽に栄養を摂れる高カロリーゼリーや高カロリードリンクがドラッグストアなどで売られているので、差し入れしても良いでしょう。もちろん食品を持ち込む際には、まず特養の看護師さんやかかりつけ医に相談してからにしてくださいね。 高カロリーの食品が売ってるんですね!知らなかったです。 また、そういう食品でなくてもお母様が好きな食べ物を差し入れするのも良いでしょう。例えば、ようかんやアイスといったお菓子類だと、おやつの時間などに手軽に食べられますよ。 なるほど…。特養の看護師さんに確認してみます。 そうですね。どちらにせよ、今のお母様の状態を医師や看護師さんといった専門家に相談してみることが大切です。もしかしたら、病気や服薬中の薬との兼ね合いで食べてはいけないものがある可能性もありますから。 まずは、現在の食事状況や体調を確認しつつ、特養の医師や看護師に相談してみましょう。 半年で体重の5%以上の体重減少は要注意! 高齢になると食欲低下、消化・吸収力の低下で体重が減少しやすい 筋力や免疫力の低下によって、寝たきりや病気になるリスクが上昇 栄養食品や好きな食べ物で意識して栄養を摂って pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { content: '[sample]'; ...

2022/10/04

在宅介護 認知症介護 食事 介護の基礎知識

ひとり暮らしの父の薬の飲み忘れが心配です。そのうえ食事も乱れているようなので、なんとかしたいと考えています

ひとり暮らしをしている父の状態が心配です。父は認知症で、たまに持病の薬の飲み忘れがあるようです。週3回、訪問ヘルパーさんに食事を作ってもらっているものの。それ以外はヘルパーさんに買ってきてもらったパンやおにぎりで済ませているようです。 (山下さん・会社員・57歳) このままだと、持病が悪化してしまったり栄養不足になってしまうかもしれませんね…。専門家が訪問して薬の管理や栄養についての指導をしてくれる「居宅療養管理指導」を利用してみるのはどうでしょうか。定期的に専門家がお父様の健康を管理してくれるので、安心できると思いますよ。 居宅療養管理指導とは? 遠方でひとり暮らしをしている父の状況が心配です。ケアマネジャーさんによると、たまに薬を飲み忘れているみたいですし、食事も訪問ヘルパーさんが作ってくれたもの以外はパンやおにぎりで済ませているみたいで…。通院やスーパーに行くのに外に出るみたいですが、ほとんど家にこもっています。このままだと、認知症が進んでしまうんじゃないかと思っています。何か良い方法はないですか? それは心配な状態ですね。「居宅療養管理指導」というサービスを利用してみるのはどうでしょうか?医師や栄養士がご自宅に訪問して、薬や栄養などについてアドバイスしてくれるサービスです。 そんなサービスがあるんですか!詳しく知りたいです。 居宅療養管理指導というのは、医師・歯科医師・薬剤師・管理栄養士・歯科衛生士が訪問して、それぞれの専門分野から助言をしてくれるものです。例えば、医師であれば心身の状態に問題がないかを確認し、薬の服用方法・副作用に関する指導をおこないます。ちなみに、服薬の指導については薬剤師がおこなっていますよ。 では、うちの場合は薬剤師さんに訪問してもらえばいいんですね。 はい。それと、栄養面に関しては管理栄養士が担当しています。管理栄養士は医師の指示のもと、栄養バランスを整えるための「栄養ケア計画」を作成して、身体状況にあわせた栄養指導をしてくれます。また、居宅療養管理指導はお一人おひとりの状況に応じて専門家に依頼できるのも特徴。なので、お父様の状態に応じて複数の専門家に依頼することもできますよ。 それはとても助かります!…ちなみに、居宅療養管理指導の費用っていくらかかるんでしょうか? 居宅療養管理指導は、依頼する専門家によって費用が異なります。また、単一建物居住者、つまり1つの建物にサービスを受ける人が何人いるかも料金に影響します。例えば、マンションなどの集合マンションで、サービスを受ける人が複数いる場合は少し費用が安くなるんですね。詳しくは、次の表でまとめています。 職種単一建物居住者の人数1人2~9人10人以上医師509円485円444円歯科医師509円485円444円薬剤師(病院・診療所勤務)560円415円379円薬剤師(薬局勤務)509円377円345円管理栄養士(該当事業所)539円485円444円管理栄養士(該当事業所以外)524円466円423円歯科衛生士356円324円296円 うちは戸建てですし、父しかサービスを受ける人がいないので”1人”のところを見れば良いわけですね。 はい、そうです。1回の訪問につき、約300円から600円弱かかると考えておけば良いですね。ちなみに、居宅療養管理指導を利用するには要介護1以上であることが条件です。お父様の介護度はいくつですか? 要介護1です。 それなら大丈夫ですね。もし、要支援1~2の方が同様のサービスを利用したい場合は、「介護予防居宅療養管理指導」という別のサービスを使うことになります。 往診や訪問診療との違い 居宅療養管理指導では、お医者さんも訪問してくれるんですよね?親の介護をしている知人が「訪問診療」というサービスを利用していると聞いたんですが、訪問診療とは何か違うんですか? そうですね、大きく違うのは”医療行為があるかどうか”です。訪問診療は、「◯曜日の◯時から」といったように定期的に医師が訪問して診察してくれるものです。それに対して居宅療養管理指導は、健康上の指導をおこなうものなので治療や投薬といったことはできません。 そういった違いがあったんですね。 また、同じように医師が訪問して治療をする「往診」サービスもあります。これは、急に体調を崩したときなどに医師が訪問して診察するものなので、居宅療養管理指導とは少し異なりますね。 居宅療養管理指導のメリット・デメリットは 居宅療養管理指導はとても便利なサービスですが、メリットとデメリットの両面があります。どちらも把握したうえで、サービスを利用するか検討してくださいね。 居宅療養管理指導のメリット まず、メリットのひとつはピンポイントで必要なサービスを受けられることです。居宅療養管理指導は、先ほどもお伝えしたように、いろんな分野の専門家から指導を受けられます。「歯科衛生士と管理栄養士から嚥下状態を良くするための指導がほしい」「医師と薬剤師に健康管理をしてもらいたい」など、その人の状態にあわせてピンポイントで指導を受けられるわけです。 そんな風にも組み合わせて利用できるんですね。 また、居宅療養管理指導ではケアマネジャーも同席して専門家の指導を受けます。なので専門家の助言をふまえた、よりよいケアプランの作成をしてくれるでしょう。 へぇ!私がなかなか父の様子を見に行けないので、ありがたいです。 そして、やっぱり”訪問してもらえる”ということが最大のメリットでしょうか。通院などをしなくても専門家が来てくれるわけですから、介護の負担が減りますよね。 居宅療養管理指導のデメリット 居宅療養管理指導のデメリットというと、どんなことでしょう? まず、利用回数に制限があることです。専門家の月間の訪問回数には制限があり、無制限に何度でも利用できるものではありません。それぞれの専門家の利用回数は、次のように決められています。 医師:月2回 歯科医師:月2回 薬剤師:病院・診療所勤務→月2回、薬局勤務→月4回 管理栄養士:月2回 歯科衛生士:月4回 また、居宅療養管理指導を利用するには、ケアマネジャーさんから主治医に相談しなければいけません。ご本人やご家族が希望しただけではなく、主治医が必要と判断した場合のみサービスを利用できます。 居宅療養管理指導を利用するには 居宅療養管理指導を利用してみたいと思うのですが、どうしたら良いんでしょうか? まずは、ケアマネジャーさんに相談ですね。お伝えした通り、主治医の判断が必要ですから、ケアマネジャーさんから主治医に相談してもらうことがスタートです。それ以降の利用の流れは以下の通りです。 担当のケアマネジャーや主治医に相談ケアマネジャーが状況に応じて、訪問してくれる医師や事業所を探す事業所側が対応できるか確認契約・利用日の決定主治医の指示に基づくサービス開始 なるほど!ケアマネジャーさんにお任せして大丈夫なんですね。 遠距離介護だと、様子がわかりにくくて何かと不安なことがあると思います。そういったときに、専門家が定期的に様子を見てくれるととても安心です。もし、お父様の健康状態が心配なら、まずはケアマネジャーさんに相談してみてくださいね。 居宅療養管理指導とは、専門家が訪問して健康管理についての助言をしてもらえるサービス 自宅に訪問してもらえるので、通院などの負担が減る サービスを利用したいときは、まずはケアマネジャーに相談して pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { ...

2022/09/05

施設入居 食事 レクリエーション

老人ホームの1日の流れはどんなものですか?時間通りに過ごさないといけませんか。

老人ホームでの1日の流れはどんなものでしょうか?決められた時間通りに生活しないといけないのですか。母の老人ホームへの入居を検討している状況で、母は自宅で生活をしているため、老人ホームでの時間が決められている暮らしに合わせられるか心配しています。 (山田さん・会社員・56歳) 老人ホームは共同生活をする場所なので、食事や入浴、レクリエーションなどの大まかな時間は決まっています。ただ、外出が可能な方であれば自由に外出できますし、レクリエーションに参加するかどうかもご本人が選択できたり、ある程度の融通は効きますよ。 老人ホームでの1日の流れは? 老人ホームの生活って、1日の流れが決まっていますよね?母が入居する老人ホームを探しているのですが、今は自宅で自由に過ごしているので決められた時間通りに生活できるのか心配で…。 なるほど…。確かに老人ホームでは、1日の流れが大まかに決まっています。ただ、これは生活を制限するためではなく、時間を決めて規則正しい生活をすることで利用者さんの健康を維持するためなんです。 へぇ、そういう目的があったんですね。ちなみに、老人ホームではどんな風に1日を過ごすんですか? まずは、朝の7時前後に起床します。着替えなどに介助が必要な場合はここで介護職員さんに手伝ってもらいます。そして、だいたい8時ごろには朝食を食べて、9時か10時くらいから午前中のレクリエーションや入浴が始まります。 午前中からいろんな予定が入っているんですね。 はい。12時ごろからは昼食、少し休憩したら午後のレクが始まります。おやつを提供している施設では、15時からおやつやお茶の時間です。また、だいたい18時くらいから夕食が始まりますが、それまではテレビを見たりおしゃべりして過ごす方が多いみたいです。夜は、21時には消灯という施設が一般的ですね。 確かに、とても規則正しい生活ですね。母もたいてい6時には起きますし、夜も早いですから、もしかしたら老人ホームでの生活とあまり変わらないかもしれないです。 そうなんですね!だったら、施設での生活になじみやすいんじゃないでしょうか。今回、お話したスケジュールはあくまでも目安です。この時間と前後することもありますし、まったく時間を決めずに利用者さんの好きに生活できる施設もありますよ。 老人ホームでの食事は 老人ホームでの食事ってどんなものがありますか?なんだかいつも同じようなものを食べているようなイメージがあるんですが…。 そんなことはありません!ハンバーグや竜田揚げ、ラーメンなど和・洋・中さまざまなメニューを提供しています。1週間や1ヵ月単位で献立を公表している施設が多いので、施設見学に行くときに見せてもらうと良いですよ。 老人ホームの食事って和食ばかりだと思っていました。洋食や中華も食べられるんですね。 そうなんです。実はバラエティー豊かなんです。ただ、自宅と違って老人ホームでは食堂に利用者さんが集まって食べることがほとんどなので、自室から出てくる必要があります。誤嚥などのリスクに配慮して職員さんが見守りをするためですので、そこは理解してくださいね。 老人ホームでの入浴は お母様は、お風呂に入るのは夜でないといけない、というこだわりのある方ですか? いえ、特にこだわりはないと思います。今も週2回、訪問ヘルパーさんに昼間に入れてもらっていますし。先ほどの話だと、老人ホームでも昼間にお風呂に入るんですよね? そうなんです。たいていの施設では、10時~16時くらいの間で順番に入浴しています。入浴日は週2~3回と決められているので、もしかしたらそこが窮屈に感じてしまうかも、と思ったのですが…。 そこは今と大きく変わらないので、窮屈に感じないと思いますね。 それならよかった!もし、入浴時間にこだわりがある場合は、一度施設に相談してみてください。もしかしたら、「午前中」「昼食後すぐ」といった大まかな時間の指定であれば融通が効くかもしれませんよ。 老人ホームでの起床・就寝時間は 施設に入居したら、決まった時間に職員さんに起こされたりするんでしょうか? いえ、希望の時間があればその時間に職員さんに声掛けしてもらうこともできますよ。ただ、朝8時くらいから朝食が始まるので、その時間までに食堂に出てこられるように早めに起きている方が多いようです。 そうなんですね。母の朝はもっと早くて、6時前後には起きていますから、朝食には間に合うと思います。ちなみに、夜、寝るときには介護職員さんにお手伝いをしてもらえますか? もちろんです!どんなお手伝いが必要ですか? 着替えの手伝いと寝る前の薬を渡してほしいんです。認知症が進んできたのか、着替えを出しておかないとそのままの格好で寝てしまうのと、寝る前の薬を飲むのをよく忘れるので。 そうなんですね、寝る前の介助が必要な方は多くいるので、問題なく対応してもらえますよ。ただ、他の利用者さんのお手伝いもあるので時間の細かい指定はできませんが、だいたいの時間を指定ができる施設はたくさんありますよ。 老人ホームでのレクリエーション・外出は 先ほどの話だと、午前と午後にレクリエーションをするんでしたよね? レクリエーションをするタイミングは施設ごとにまちまちなんですが、午前中は体操や脳トレなどの簡単にできるもの、午後にカラオケや手芸などのまとまった時間が必要なレクをおこなう施設が多いですね。 レクは必ず参加しなくちゃいけないんでしょうか?母は、午後に放送している刑事ドラマを見るのが好きなので、「参加したくない」と言う日もあると思うのですが…。 レクの参加は自由なので大丈夫ですよ。お母様みたいに「この曜日は見たいテレビがあるから参加しない」という方もいますし、「今日のレクは興味がないから参加しない」とおっしゃる方もいます。参加するかどうかはご本人の意思で決められます。ただ、部屋にこもりきりだと認知症の進行が早まったり身体機能が低下しやすくなるので、健康維持のために施設としては参加を推奨していますね。 そうだ、もうひとつ聞きたかったことがあったんです。入居してからも外出ってできるんでしょうか?家族で会いにいったときに外食したりしたいな、と思っているのですが…。 ご家族とちょっと出かけるくらいなら、職員さんに一声かければOKである施設が多いです。家族旅行など外泊する場合となると、早いうちから連絡しておく必要があります。でも、体調などに問題がなければ自由に外出できますよ。 たまには家族で出かけたいと思っていたので、よかったです。…母が初めての共同生活なので、施設のスケジュールに合わせられるかどうか不安でしたが、今と生活リズムを大きく変えず過ごせそうなので安心しました! 「時間を調整してほしい」などの要望があれば、まずは施設に相談してみてください。もちろん、共同生活なのですべての希望が通るわけではありませんが、折り合いをつけながらお母様らしい生活が実現できると良いですね。 老人ホームの1日の流れは大まかに決まっている 外出やレクの参加は自由なことが多い 食事や入浴など、時間が決まっているものもある pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { content: '[sample]'; ...

2022/07/26

施設入居 食事

老人ホームの食事が美味しくないって本当ですか?

高齢の父の介護施設を検討しています。ただ、父は食事にうるさい人なので施設の食事に満足できるか心配で…。介護施設の食事はおいしくないという話を聞くのですが、実際のところはどうなのでしょうか? (加藤さん@48歳・主婦) 味の感じ方は人それぞれなので、見学時に試食してみましょう!毎日の食事も和・洋・中とバリエーション豊かですし、お正月やひな祭りなどの行事のときには「イベント食」も提供しています。 老人ホームの食事はまずい? 施設探しをしていると、よく「老人ホームの食事はまずい」という噂を聞きます。本当でしょうか? そんなことはありません!私自身もいろんな介護施設で試食させてもらっていますが、しっかり味がついていておいしいですよ! そうなんですか?介護施設のご飯は薄味のイメージがありますが…。 通常のメニューで「薄い」と感じることは、ほとんどないと思います。でも、健康上の理由で塩分制限が必要な方向けの『減塩食』などの場合だと、「物足りない」と感じることがあるかもしれませんね。 父は、食事の制限は必要ないので大丈夫そうです。ただ、朝食のときに必ず海苔の佃煮を欲しがるんです。そのあたりの対応はしてもらえるんでしょうか? 事前に施設と相談すれば問題ないでしょう。その他にも、しょうゆやソースなどの調味料の持ち込みができることも多いので、施設に確認してみてください。 実際の食事メニューはどんなもの? ご高齢者向けの食事というと和食をイメージしがちですが、実際の介護施設の食事はバリエーション豊かなんです。 具体的には、どんなメニューが出るんですか? 例えば、朝食にはパンやスープ、サラダ、ヨーグルトなど。昼食はカレーが出たりうどんやパスタがメインに出ることもあります。夕食が魚の煮つけやハンバーグの日もあったりと、さまざまなメニューが提供されています。 いろんなメニューがあるんですね!父は洋食が好きなので、和食だけじゃないのは助かります。 さらに、おせち料理や節分の巻き寿司、ひな祭りの日のちらし寿司やクリスマスディナーなど、季節の行事に合わせた「イベント食」もあります。ちょっと豪華な食事も提供しているんですよ。 イベント食で季節感を感じられるのは良いですね。 他にもマグロ解体ショーや料理レクなどで食事自体をイベントにしたり、ご当地グルメを提供している施設もあるんですよ! …ただ、施設によっては外部の配食サービスを利用している施設もあって、こうしたメニューはあくまでも一例です。 そういえば、「お弁当を温めるだけの老人ホームがある」と聞いたことがあります。 そういう施設もあります。施設内に厨房がなかったり人件費を抑えるために、配食サービスを利用しているんですね。配食サービスは冷凍の場合もあるので、どうしても施設の厨房で作るよりも味や見た目が劣ってしまうのは事実です。 やっぱり、施設の厨房で作っている方がおいしいですか? 最近の配食サービスはおいしくなっているので、一概には言えないところですが…。やっぱり、施設内で調理している方があたたかみがありますし、できたてを提供できるんですよね。食事にこだわりがある場合は、「食事をどこで作っているか」に注目して施設探しをしてみてください。 見学で試食ができる! いろいろとお伝えしましたが、とにかく見学に行きましょう!この一言に尽きます! どうして見学なんですか? 見学の際に試食もできるところもあるんです。食事に力を入れているかどうか、どんなポイントに注力しているのかは施設によって異なります。なので、実際に食べてみるのが一番です! 確かに、おいしいかどうかは本人次第ですもんね。 そうなんです。いくらご家族が「おいしい」と感じても、ご本人が納得しないと意味がないですから。試食をするときは、基本的に予約が必要です。見学の予約時に「試食希望です」と伝えればOKですよ。 ちょっとした外食気分ですね。父の予定を確認してみます! あと、見学のときに献立表をもらうのもアリ。1週間や1ヵ月単位で献立を公開している施設も多いので、施設に聞いてみてくださいね。 食事制限がなければ、調味料の持ち込みOK 和洋中のバリエーション豊かなメニュー 見学で試食させてもらおう! pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { content: '[sample]'; ...

2022/07/01

在宅介護 認知症介護 食事

認知症の親が、食事をしたことを忘れてしまいます。どうしたら良いでしょうか?

認知症の母に、食後に「ご飯を食べていない」と言われます。毎食しっかり食べているのですが…。毎回、言われるので、いいかげんうんざりしています。何か対策はないでしょうか? (木村さん@57歳・主婦) 「さっき食べたばかりでしょ」などお母様の気持ちを否定すると、興奮して落ち着かなくなる場合もあります。「今、支度をしているのでお茶を飲んで待っていてください」など、別のものに気持ちをそらすと落ち着くかもしれませんよ。 認知症は食べたこと自体を忘れる 認知症の方は、「エピソード記憶」を忘れてしまうのが特徴なんです。 エピソード記憶ですか? エピソード記憶は、その人の体験に基づいた長期記憶のこと。お母様の場合だと、”食べたこと自体”を忘れてしまうんです。 それは、物忘れとは違うんですか? 「何を食べたのかを忘れる」だと物忘れですが、「食事をしたかどうかを忘れる」というのが認知症なんです。 母のように「食事をしたかどうかを忘れる」人は多いのですか? はい。アルツハイマー型認知症の方に多くみられます。認知症の症状のひとつと考えて対策をすると、木村さんの負担が減ると思いますよ! 「食べてない!」への対策 母に「ご飯を食べていない」と言われると、どうしてもイライラしてしまって…。 そうですよねえ。ご飯の度にそう言われるとイライラしますよ。そういうときに、ひとつ試していただきたいのが、”別のものに気をそらす”という方法です。例えば、「今、準備しているから、お茶でも飲んで待っていて」と言ってお茶を出してみたり、お菓子などの軽食を出すのもアリ。お茶を飲んだりお菓子を食べたりしている間に「食べていない」と言っていたことを忘れてしまうこともありますよ。 そういう対応もあるんですね。私は「さっき食べたでしょ!」と怒鳴ってしまっていました。 食事の度に口論になると、木村さんも疲れますよね。なので、さっきの方法に加えて、「食器をすぐに片付けない」という方法も試してみてください。 なぜ、食器を片付けないことが良い方法なんですか? あえてお皿やコップを食卓に広げたままにしておいて、「食事はもう終わったんだな」と納得してもらうんです。食べたことを忘れないようにするんですね。 過食につながることも 最近は、夜になると台所でパンやお惣菜を見つけては大量に食べてしまって。太ってきているのも悩みなんです。 それもやはり、食べたことを忘れていることが原因かも。それに加えて、認知症の影響で満腹感を覚えにくくなるため、たくさん食べてしまうんです。こういう状況のことを「過食」と呼びます。 過食の場合は、どうしたら良いんでしょうか? この場合も、お母様の行動を否定して、食べ物を無理やり取り上げたりすべての食べ物を隠すようなことはしない方が良いです。 食べ過ぎているのに、食べさせて良いんですか? やはり、もっと不安になってしまうんですよ。「お腹が空いた」と言って夜中に食べ物を探す場合は、すぐに食べられるように机の上などあえて目のつくところに軽食を置いておくのもひとつの手。あわせて、それ以外の物を箱に入れて隠したり棚などに鍵をかけて、必要以上に食べられないようにしておけば過食も予防できますよ。 認知症になると「エピソード記憶」を忘れてしまう 「ご飯を食べていない」を否定しない あえて軽食を置いておくのもアリ pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { content: '[sample]'; ...

2022/07/01

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

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