もしかしたら、お父様が認定調査の際に普段よりも元気に振る舞ったのかもしれません。また、調査員に実情を正確に伝えられなかった可能性もあります。
要介護認定の結果に納得がいかない場合は、区分変更申請をすることをおすすめします。再度、認定調査を受ける際は、調査員に個別で実情を伝えましょう。伝えることに漏れがないようにメモを作っておくのもおすすめです。
父の介護認定の更新をしました。そうしたら、要介護2から要介護1に下がってしまったんです!父は良くなるどころか認知症の症状が悪化しているというのに…。
要介護度が下がると、利用できる介護サービスの量も減ってしまうので困っています。どうして、父の要介護度は下がってしまったんでしょうか?
「状態が良くなっているわけじゃないのに要介護度が下がってしまって困る」というのは、私もよくご相談いただきます。
要介護度が下がったのには、以下のような理由が考えられます。
意外と”あるある”なのが、認定調査のときに親御さんが普段よりも元気に振る舞ったことで要介護度が下がることです。
認定員に良いところを見せたいと元気よく体を動かしたり、できないことも「できる」と回答してしまうんですね。
それ、心当たりあります!今回の認定調査で、「トイレは1人で行ける!」とはっきり答えていました。普段は危なっかしくて私が付き添っているのに…。
それに、認知症の方の場合は、普段、自分が身の回りのことをどの程度できるかを忘れてしまって「1人でできる」と答えることもありますね。
また、認知症の方の場合、普段はぼーっとしていることが多いのに認定員が来たらシャキッとしてはきはき話す、というケースも珍しくありません。おそらく、いつもと違う状況が刺激となって頭がはっきりすると考えられます。
確かに!認定調査のときは、認知症になる前のようにはっきりとやりとりができていました。認定調査のときだけ元気になっても、あとで困るってことですね…。
親御さんだけでなく、ご家族が介護の実情をうまく伝えられないと要介護度が下がる可能性があります。例えば、「夜中に大声で叫んで眠れない」「ふらつくことが増えて転倒してしまうかも」といったようなことです。
親御さんの心身の状況や介護で困っていることを調査員に伝えられないと、要介護度が低くなってしまうことがあります。
介護認定では、認定調査だけでなく主治医の意見書も大きな判断材料になります。ですが、主治医意見書のなかで正確に親御さんの心身の状態が記述されていないと、要介護度が下がってしまうこともあるんです。
このまま要介護度が下がったままだと困ります!せめて今までと同じ要介護度でないと、仕事にも支障が出てしまうんです。どうにかなりませんか?
それは大変です!以下のような対策を打ってみましょう!
情報開示請求とは、介護認定に関わる情報を見れる制度。認定調査票や主治医意見書の内容を確認できます。つまり、認定調査がどんな結果になったのか、主治医がどんな情報を記載したのかを知れるんです。
自治体に情報開示請求のための手続きをする手間はかかりますが、どうして要介護度が下がったのかを把握したい場合には利用してみましょう。
そんなことができるんですね!確かに、このままでは要介護度が下がった理由がわかりませんもんね。
要介護度に納得いかない場合は、「不服申し立て(審査請求)」「区分変更申請」で介護認定を受け直せます。
介護認定ってやり直しができるんですね!
そうなんです。ただ、正確には不服申し立ては今回の認定調査などの情報をもとに再度、判定をする制度。一から認定調査をやり直しするわけではないんです。そのうえ、不服申し立ては結果が出るまでに数ヵ月かかることもあります。
そのため、多くの方は不服申し立てではなく区分変更申請をしています。
区分変更申請は、短い期間で結果がわかるんですか?
はい。区分変更申請は1ヵ月程度で結果が出ます。それに、認定調査をはじめからやり直しをするため、認定調査の受け直しや意見書を主治医に書き直してもらうこともできるんです。
それなら、区分変更申請の方が良いですね!
再度、認定調査を受ける際には、調査員に実情を正確に伝えられるようにメモなどを取っておくことをおすすめします。伝え漏れを防げますし、メモをそのまま認定員に渡しても良いかもしれません。
お父様が認定調査で元気に振る舞ったとしても、「いつもは、こんなに介助が必要なんです」とはっきり伝えるようにしましょう。
次の認定調査では、父が見栄を張って「1人でできる!」と言い張っても、調査員さんに普段の状況をきちんと伝えるようにします。
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