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介護認定の更新をしたら父親の要介護度が下がった!どうしたら良い?

父親の介護認定の更新をしたら、要介護2から要介護1に下がってしまいました。ケアマネジャーさんに「サービスの量が減る」と言われて。これ以上減ると仕事に支障が出るので困っています。 もちろん、父の状態が良くなったわけではありません。むしろ認知症がひどくなっているのに…。どうして要介護度が下がってしまったんでしょうか? (坂口さん・会社員・62歳) もしかしたら、お父様が認定調査の際に普段よりも元気に振る舞ったのかもしれません。また、調査員に実情を正確に伝えられなかった可能性もあります。要介護認定の結果に納得がいかない場合は、区分変更申請をすることをおすすめします。再度、認定調査を受ける際は、調査員に個別で実情を伝えましょう。伝えることに漏れがないようにメモを作っておくのもおすすめです。 親の要介護度が下がった!なぜ? 父の介護認定の更新をしました。そうしたら、要介護2から要介護1に下がってしまったんです!父は良くなるどころか認知症の症状が悪化しているというのに…。要介護度が下がると、利用できる介護サービスの量も減ってしまうので困っています。どうして、父の要介護度は下がってしまったんでしょうか? 「状態が良くなっているわけじゃないのに要介護度が下がってしまって困る」というのは、私もよくご相談いただきます。要介護度が下がったのには、以下のような理由が考えられます。 認定調査で普段よりも元気に振る舞った 認定調査で実情を上手く伝えられなかった 主治医の意見書でうまく伝えられていなかった 認定調査で普段よりも元気に振る舞った 意外と”あるある”なのが、認定調査のときに親御さんが普段よりも元気に振る舞ったことで要介護度が下がることです。認定員に良いところを見せたいと元気よく体を動かしたり、できないことも「できる」と回答してしまうんですね。 それ、心当たりあります!今回の認定調査で、「トイレは1人で行ける!」とはっきり答えていました。普段は危なっかしくて私が付き添っているのに…。 それに、認知症の方の場合は、普段、自分が身の回りのことをどの程度できるかを忘れてしまって「1人でできる」と答えることもありますね。また、認知症の方の場合、普段はぼーっとしていることが多いのに認定員が来たらシャキッとしてはきはき話す、というケースも珍しくありません。おそらく、いつもと違う状況が刺激となって頭がはっきりすると考えられます。 確かに!認定調査のときは、認知症になる前のようにはっきりとやりとりができていました。認定調査のときだけ元気になっても、あとで困るってことですね…。 認定調査で実情を上手く伝えられなかった 親御さんだけでなく、ご家族が介護の実情をうまく伝えられないと要介護度が下がる可能性があります。例えば、「夜中に大声で叫んで眠れない」「ふらつくことが増えて転倒してしまうかも」といったようなことです。親御さんの心身の状況や介護で困っていることを調査員に伝えられないと、要介護度が低くなってしまうことがあります。 主治医の意見書でうまく伝えられていなかった 介護認定では、認定調査だけでなく主治医の意見書も大きな判断材料になります。ですが、主治医意見書のなかで正確に親御さんの心身の状態が記述されていないと、要介護度が下がってしまうこともあるんです。 要介護度が下がったときの対策は? このまま要介護度が下がったままだと困ります!せめて今までと同じ要介護度でないと、仕事にも支障が出てしまうんです。どうにかなりませんか? それは大変です!以下のような対策を打ってみましょう! 情報開示請求をする 不服申し立て(審査請求)・区分変更申請をする 情報開示請求をする 情報開示請求とは、介護認定に関わる情報を見れる制度。認定調査票や主治医意見書の内容を確認できます。つまり、認定調査がどんな結果になったのか、主治医がどんな情報を記載したのかを知れるんです。自治体に情報開示請求のための手続きをする手間はかかりますが、どうして要介護度が下がったのかを把握したい場合には利用してみましょう。 そんなことができるんですね!確かに、このままでは要介護度が下がった理由がわかりませんもんね。 不服申し立て(審査請求)・区分変更申請をする 要介護度に納得いかない場合は、「不服申し立て(審査請求)」「区分変更申請」で介護認定を受け直せます。 介護認定ってやり直しができるんですね! そうなんです。ただ、正確には不服申し立ては今回の認定調査などの情報をもとに再度、判定をする制度。一から認定調査をやり直しするわけではないんです。そのうえ、不服申し立ては結果が出るまでに数ヵ月かかることもあります。そのため、多くの方は不服申し立てではなく区分変更申請をしています。 区分変更申請は、短い期間で結果がわかるんですか? はい。区分変更申請は1ヵ月程度で結果が出ます。それに、認定調査をはじめからやり直しをするため、認定調査の受け直しや意見書を主治医に書き直してもらうこともできるんです。 それなら、区分変更申請の方が良いですね! 再度、認定調査を受ける際には、調査員に実情を正確に伝えられるようにメモなどを取っておくことをおすすめします。伝え漏れを防げますし、メモをそのまま認定員に渡しても良いかもしれません。お父様が認定調査で元気に振る舞ったとしても、「いつもは、こんなに介助が必要なんです」とはっきり伝えるようにしましょう。 次の認定調査では、父が見栄を張って「1人でできる!」と言い張っても、調査員さんに普段の状況をきちんと伝えるようにします。 認定調査で元気に振る舞ったり、実情を伝えられないと要介護度が下がることも 要介護度が下がったときは、情報開示請求をして区分変更をしよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before ...

2024/01/26

在宅介護 介護認定

とりあえず要介護認定を受けておくことは可能ですか?家族で介護ができているので、しばらく介護サービスを利用する予定はないのですが…

すぐに介護サービスを利用しなくても、要介護認定を受けておくことはできますか? 母が高齢になって、普段の生活で手伝いが必要な場面が増えてきました。まだ家族で介護できているものの、今後、体の状態が悪くなったら介護サービスを利用するようになると思っています。 介護サービスを利用するには要介護認定を受けないといけないと友人から聞いたので、今のうちから受けたいのですが…。可能なのでしょうか? (豊田さん・会社員・64歳) すぐに介護サービスを利用しなくても、要介護認定を受けておくことはできます。ただ、身体状態が変化してから介護サービスを利用するのであれば、そのときのお母様の状態と要介護度にズレが出てしまうことも。また、要介護認定には有効期限がありますから、サービスを使わずに有効期限が切れ、サービスを利用するときには再び要介護認定を受けることになる可能性もあります。二度手間になってしまう可能性があるので、「そろそろ介護サービスを使おうかな」と思ったタイミングで要介護認定を受けることをおすすめします。 ”とりあえず”要介護認定を受けておくことは可能 母親の介護をしています。今はまだ家族で介護できているものの、もっと母の体が悪くなったら介護サービスを利用するようになると思っています。なので、すぐに介護サービスを利用できるように要介護認定を受けておきたいのですが、それは可能ですか?今すぐに介護サービスを使いたいというわけではないのですが…。 はい、今すぐ介護サービスを利用するわけでなくても、要介護認定を受けておくことはできますよ。豊田さんのおっしゃる通り、要介護認定を受けておけばすぐに介護サービスを利用できます。それに、直接介護を受けるサービスだけではく、福祉用具のレンタルができたり介護リフォームの補助金を受けられるようになります。 なるほど。介護サービスって、訪問介護やデイサービスなど、直接介護をしてもらうものばかりではないんですね。 介護を直接受けるサービスを利用するだけでなく、福祉用具をレンタルしたりご自宅を生活しやすいようにリフォームをするのも、ご自宅での生活を便利にすると思いますよ。 ”とりあえず”要介護認定を受けるときの注意点 介護サービスをすぐに利用しなくても、要介護認定を受けられます。ただ、以下のような注意点があることも頭に入れておいてくださいね。 要介護度と身体状態のズレが起こることがある 気が付かないうちに有効期限が切れる可能性がある 自立(非該当)になることがある 要介護度と身体状態のズレが起こることがある 要介護認定は、そのときの心身の状態に合わせて結果が出されます。そのため、要介護認定を受けてから介護サービス利用までに期間が空くと、要介護度と実際の身体状況がズレてしまう可能性があります。 「要介護度と実際の身体状況がズレてしまう」?具体的にはどういうことですか? 「身体的に介護が必要になったら介護サービスを使いたい」という場合、身体状況が変わるタイミングで介護サービスを利用しますよね。そうなると、認定を受けた時点と介護サービスを利用する時点で身体状況が異なると考えられます。例えば、要介護認定を受けたときは要介護1。その後、身体状態が悪くなったので介護サービスを使いたい場合、要介護度が低くて介護サービスが必要な量に足りない、という可能性があります。 そういう場合、どうしたら良いんですか? もし、実際の身体状態と要介護度がズレていると感じた場合、「区分変更申請」で要介護認定のやり直しができます。なので、大きな問題はないのですが、改めて要介護認定を受ける手間はかかってしまいますね。区分変更申請については、以下のご質問でも詳しくお話ししています。参考にしてください。 気が付かないうちに有効期限が切れる可能性がある 実は、要介護認定には有効期限があるんです。 そうなんですか!?一度受ければずっと有効なのかと思っていました。 初回の要介護認定の場合、有効期限は原則6ヵ月です。自動更新ではないので、有効期限が切れる前に更新の手続きをする必要があります。有効期限が切れる60日前に更新のお知らせハガキが届きますが、要介護認定を受けてから介護サービスを利用していないと忘れてしまうかもしれません。せっかく要介護認定を受けたのに、有効期限切れで「介護サービスを使えない!」とならないように更新は忘れないようにしましょう。 自立(非該当)になることがある 「自立(非該当)」って何ですか? 要介護度は「要支援1・2」「要介護1~5」の7段階に分けられます。そのどれにも当てはまらないお元気な方のことを「自立」もしくは「非該当」と呼びます。介護現場では「自立」と呼ばれることが多いですね。 へぇー。自立になると何か問題があるんですか? 自立とは、「介護が必要ない状態」という判定結果。介護保険を適用して介護サービスを使うには「要支援1」以上の要介護度が必要ですが、自立の人はそれに該当しないので介護サービスを利用できません。もし、とてもお元気な状態で要介護認定を受ける場合は、注意しておきたいですね。 そうなんだ…。「自立」になってしまって介護サービスを利用できないのは困るなぁ。 要介護認定の流れ 要介護認定を受けるには、まず「要介護認定申請」をしないといけません。その後、以下のような流れで認定が進められます。 まずは、市区町村に依頼されたケアマネジャーなどが自宅を訪問して聞き取り調査をします。心身の状態や生活状況などについて質問されます。この聞き取り調査の結果や、主治医の意見書などをもとに一次判定がおこなわれ、専門家による二次判定に回されます。そして、審査の結果が要介護度として通知されるわけですね。 要介護認定ってどれくらいの期間がかかるんですか? 要介護認定は申請から1ヵ月程度かかります。ただ、高齢化が進んでいる影響で、通知に時間がかかる場合も。その場合は、自治体からお知らせがありますよ。 意外と時間がかかるんですね。 そうなんです。意外と手間と時間がかかりますし、あまりにも早い時期から要介護認定を受けておくと二度手間になってしまいかねません。早い段階から要介護認定を受けるのは可能ですが、「そろそろ介護サービスを使おうかな?」と思ったタイミングで認定を受けるのがおすすめです。 介護サービスを利用しなくても要介護認定だけを受けることは可能 要介護認定を受けると在宅や施設での介護サービスを使えるようになる 認定を受けてからサービス利用まで期間が空くと身体状態とのズレが生じることも pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { ...

2023/11/30

認知症 施設入居 在宅介護 介護認定

認知症の父親の要介護度が「要支援」に下がり、急に老健を退所に…。退所後はどうしたら良い?

老健(介護老人保健施設)に入っている父親の介護認定の更新をしたところ、要介護3から要支援2に下がってしまいました。そのため、老健からは退所を求められており、急いで退所後の行き先を決めないといけなくなってしまいました。 父はリハビリのおかげで自分で歩けるようになりましたが、認知症が進行していて数分前のことも忘れたり、家電の使い方がわからなかったり…以前のように一人暮らしできるとは思えません。 だからと言って、私はフルタイムで働いていますし、父を引き取って介護できるとは思えません。どうしたら良いんでしょうか? (平山さん・パート・58歳) お父様のケースだと在宅介護か他の施設に入居するか、2つの方法があると思います。在宅介護の場合、ショートステイをメインにデイサービスや訪問介護を使う方法です。別の施設に入居する場合は、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、グループホームが選択肢になるでしょう。いずれにしても、実情とそぐわない要介護度が出てしまった場合、区分変更をすることをおすすめします。区分変更は改めて要介護認定をおこないますので、今度は適切な結果が出るかもしれません。区分変更をする場合、認定調査に平山さんが同席しましょう。認定調査でご本人がはりきってしまって要介護度が実際よりも低くなるケースが珍しくありません。そのため、平山さんが普段のお父様の状況を伝えることが大切です。 要支援に下がって老健を退所しないと!どうしたら良い? 先日、父の介護認定の更新をおこなったところ、要介護3から要支援2に下がってしまいました。そのため、今入っている老健を退所しないといけません。ただ、要支援2と言っても、数分前のことを忘れたりテレビのリモコンが操作できなかったり…。入所したときよりも認知症が進んでいて、自宅で介護できる状態ではありません。私はフルタイムで働いていますし、介護はできないと思います。でも、要支援2になってしまったので、1ヵ月以内に退所してほしいと老健に言われています。どうしたら良いのか教えてください! それは大変です!まずは、今後の介護の方針を決めましょう。お父様の場合、「在宅介護をするか」「別の介護施設に転居するか」の2つの選択肢があります。それぞれ、詳しくお話ししますね。 在宅介護をする 「在宅介護をする」と言っても…。先ほどお話しした通り、父は自宅で介護できる状態じゃないんです。在宅介護ができる方法が何かあるんですか? 在宅介護サービスを活用して、できるだけ負担を減らしながら介護する方法です。具体的には、以下の在宅介護サービスを利用しながら介護をします。 ショートステイ デイサービス 訪問介護 ショートステイとは、1日から介護施設に宿泊できるサービス。宿泊している間、食事や入浴、排泄などの介助が提供されます。ショートステイは、最大30日まで連続で利用できますので、空きがあれば「30日ショートステイを利用して1日自宅に戻る」という使い方も可能です。 宿泊できるサービスなんてあるんですね!父は病院からそのまま老健に入所したので、在宅介護についてまったくわかっていなかったです。 また、デイサービスを利用する方法もあります。デイサービスは日中の時間帯に介護施設に通うもの。デイサービスでも食事や入浴、排泄介助などのサービスが受けられるので、その時間帯は施設に完全に任せられます。デイサービスやショートステイを利用していない日に訪問介護を利用すると、より安心して生活ができるようになるでしょう。 そういう方法もあるんですね。この方法で上手く在宅介護ができるのかな…。 お父様やご家庭の状況によっては、在宅介護サービスを駆使しても在宅介護が難しい可能性があります。そのときは、やはり他の介護施設に入る必要があるでしょう。 別の介護施設に入る 別の介護施設と言うと、どんなものがあるんでしょう。確か、いろんな種類があるんですよね?今の老健は入院していた病院から紹介されて入居したので、他の施設についてよくわかっていなくて…。 確かに、老人ホームは種類が多くてややこしいですよね。お父様の場合、以下のような介護施設がおすすめです。 有料老人ホーム グループホーム サービス付き高齢者向け住宅 有料老人ホーム 有料老人ホームには、「住宅型有料老人ホーム」と「介護付き有料老人ホーム」の2種類があります。「住宅型」と「介護付き」の大きな違いは、介護サービスが付いているかどうか。住宅型は介護サービスが付いてないので、利用する場合は外部の介護サービス事業者と別途契約が必要です。対して、介護付きは介護サービスが付随しています。24時間、介護スタッフさんが常駐しているため、おむつ交換など夜間に介護が必要な場合でも対応してもらえますよ。 なるほど…。となると、介護付きの方が良いのかな。おむつ交換は必要ないですが、認知症のせいで1人でトイレに行けないので。 ただ、注意していただきたいのは費用の面です。住宅型は介護サービスがなかったり、介護スタッフさんが少ないこともあって、介護付きより費用が安い傾向があります。そのため、出費を抑えたい場合は住宅型がおすすめです。が、住宅型は利用した分だけ介護サービス費が発生するため、頻繁に介護が必要な場合は介護付きよりも高くなってしまうことがあります。 介護付きは、頻繁に介護サービスを利用しても料金が高くならないんですか? はい。介護付きの介護サービス費は、要介護度に応じた定額制。たくさん使っても費用は上がりません。逆に言うと、あまり介護を必要としない場合は料金が割高になってしまうので、住宅型の方がおすすめです。 グループホーム グループホームは認知症の人限定の施設です。要支援2から入居できるので、お父様もご入居いただけます。グループホームは少人数のユニットごとに生活するのが特徴。料理や掃除などをご入居者とスタッフさんが協力しながらおこなっています。少人数で共同生活をしながら生活したい場合にはおすすめです。 少人数で生活できるのは良いですね!父は人が多いところが得意ではないので。 サービス付き高齢者向け住宅 サービス付き高齢者向け住宅は、自由な生活がしやすい施設です。住宅型有料老人ホームと同様、介護サービスは付いておらず、介護が必要な場合は外部の介護事業所と契約をします。サービス付き高齢者向け住宅は、介護の必要がない元気なご高齢者向けの施設もある一方で、重度の要介護度の人も受け入れている施設も多いです。受け入れ状況は施設によって大きく異なるので、事前に施設に確認しましょう。 施設ごとに受け入れ状況が異なるんですね。よく確認しておかないと。 ご紹介した3つの施設のなかでも、有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅は比較的に入居待ちすることが少なく、急いで転居先を決めたい場合におすすめです。 実際よりも低い要介護度が出たらどうする? やっぱり、父が要支援2になったのが納得いかないんです。友人のお母さんが要支援2なのですが、ほとんど介護は必要なく、自分で料理や洗濯をしています。どう考えても、うちの父と同じ要介護度とは思えません。 確かに。お話を聞く限り、お父様が要支援2なのは違和感があります。もし、今の要介護度に納得がいかない場合、要介護認定のやり直しが可能です。 要介護認定のやり直しなんてあるんですね! やり直しの方法は2つあって、「不服申し立て(審査請求)」と「区分変更」です。不服申立ては、市区町村の判断に異議を唱えて取り消しを求めるもので、再び結果が出るまでに数ヵ月かかることがあります。なので、もっとスピーディーに結果が出る区分変更をすることが多いです。区分変更は、要介護認定の更新の前に状態が変わって要介護度と合わなくなったときにおこなわれる手続き。1ヵ月ほどで結果がわかります。 その区分変更の手続きは、どうしたら良いんですか? では、区分変更の流れについてお伝えしますね。 要介護認定の区分変更の流れ 区分変更の流れは、初回の要介護認定や更新と同じ流れです。まずは、役所に「区分変更申請」をする必要があります。老健のケアマネジャーさんとうまく連携できているのであれば、ケアマネジャーさんに区分変更申請の相談をしてみましょう。その後は以下のような流れで進みます。 訪問調査 一次判定 二次判定(介護認定審査会) 認定結果通知 適切な要介護度が出るためのコツ 区分変更の際、適切な要介護度が出るためにぜひ平山さんに認定調査に同席していただきたいんです。 都合が付けば、同席できますが…。どうしてですか? 要介護認定で実際よりも軽い要介護度が出てしまう理由のひとつに、認定調査で”頑張って”しまうということがあるんです。 頑張ってしまう? 認定調査は、市区町村から派遣された調査員によって聞き取り調査などがおこなわれます。初対面の相手に自分ができないことを見せたくはないですよね。なので、できないことを「できる」と言ってしまったり、頑張ってしまうんです。 なるほど…。父は見栄っ張りなので、できないことも「できる」と言ってしまいそうです。 特に認知症の人の場合、普段と違う状況だったり初対面の人の前だと意識がはっきりすることも。なので、普段は認知症の影響で会話が上手くいかない人が認定調査のときはしっかり受け答えできることも珍しくないんです。 そうなんですね。今回の要介護認定の更新のときの認定調査には同席しなかったのですが、きっと”頑張って”しまっていたんでしょうね…。今回の認定調査には同席するように都合をつけます。それで、私は認定調査のときにどうしたら良いんでしょうか。 普段の様子を調査員にしっかり伝えましょう。現在は老健に入所されているので難しいかもしれませんが、できるだけ普段の身体状態や認知症の症状を把握して、調査員に話してください。もし、お父様の心身の状態で困っていることがあれば、それも合わせて調査員に伝えましょう。自宅で介護できる状態ではないことを詳しく伝えると、より実情に近い要介護度が出ると思いますよ。 老健のスタッフさんに聞いて、父の状況を把握しておきます。 区分変更申請はできるだけ早くしておくことをおすすめします。介護保険は申請時点に遡って適用されるので、要介護度が高くなった場合はよりたくさんの介護サービスを利用できますよ。 そうなんですね!すぐに老健のケアマネジャーさんに相談してみます。 ただ注意していただきたいのは、区分変更の結果、要介護度が上がらなかった場合、超過した分の介護サービス費は全額自己負担になります。かなり出費がかさんでしまうので、気をつけてくださいね。 老健退所後、在宅介護をするか別の施設に転居するかをまず考えよう 想定よりも低い要介護度になった場合、区分変更で要介護認定を再度受けるのがおすすめ 適切な要介護度が出るために認定調査でいつもの様子を伝えよう pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; ...

2023/11/16

在宅介護 介護認定

介護認定の結果が遅い!認定前に介護サービスを利用できませんか?

介護認定の結果がわかるまで介護サービスを利用できませんか? 母親の介護認定の申請をしているのですが、結果が出るまでかなり時間がかかると言われました。でも、母が認知症ということがわかって、1日でも早く介護サービスを利用したいんです。 (小西さん・会社員・57歳) 暫定ケアプランを作ってもらえば、介護認定の結果が出る前に介護サービスを利用できますよ!介護保険は申請した日に遡って適用できますから、申請さえしてしまえば介護サービスを利用できます。ただ、想定よりも介護度が低くなってしまった場合、介護保険の利用上限額を超えた分は全額自己負担になるので、注意してください。 介護認定の結果が遅い!早く介護サービスを使うには? 先日、実家で一人暮らしをしている母が保護されたと警察から連絡がありました。様子がおかしいと思って検査をしたら、認知症ということがわかりました。これ以上、一人暮らしは難しいと思うのですが、同居は厳しい状況です。かかりつけ医に勧められて、介護認定の申請をしたのですが、結果が出るまで2ヵ月かかると言われてしまって…。介護認定の結果が出る前に介護サービスを使うことってできないんですよね? 高齢化の影響で介護認定の結果が出るのが遅くなっている地域もあるんですよね…。介護認定の結果が出る前に介護サービスを利用できますよ!それには「暫定ケアプラン」が必要です。暫定ケアプランとは、仮のケアプランのこと。見込みの介護度に基づいてケアプランを作成することで、介護サービスを利用できるようになるんです。 そういえば、介護認定の結果が出る前に介護サービスを利用したら、費用は全額負担になってしまうんですか?介護保険が適用されないと、1割負担にはならないですよね? いえいえ、介護保険は申請時に遡って適用できるんです。なので、介護認定の結果が出る前に利用した介護サービスも、介護保険が適用されて費用を1割負担に抑えられるんです。 それならよかった!それで、その暫定ケアプランってどうやって作ってもらえば良いんでしょうか? 暫定ケアプランは、既に担当ケアマネジャーさんが付いている場合はケアマネジャーさんに。初めての介護認定の場合はお住まいの役所や地域包括支援センターに相談すれば、暫定ケアプランを作ってくれますよ。 介護認定の結果の前に介護サービス使う注意点 暫定ケアプランは、介護認定の結果が出る前に介護サービスを利用できるので便利な反面、注意が必要なこともあります。 注意が必要なこと?どんなことですか? 想定していた介護度よりも低い結果になった場合、一部が全額自己負担になる可能性があるということです。 全額自己負担ですか!?どういうことですか? 介護保険には利用限度額が決められており、所得に応じて自己負担割合も定められています。この利用限度額を超えた分は、全額自己負担になります。以下の表は、在宅介護サービスの利用限度額と自己負担分です。 利用限度額1割負担2割負担3割負担要支援15万320円5032円1万64円1万5096円要支援210万5310円1万531円2万1062円3万1593円要介護116万7650円1万6765円3万3530円5万295円要介護219万7050円1万9705円3万9410円5万9115円要介護327万480円2万7048円5万4096円8万1144円要介護430万9380円3万938円6万1876円9万2814円要介護536万2170円3万6217円7万2434円10万8651円 参考:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省) 例えば、要介護2と想定して暫定ケアプランを作ったのに、要介護1の結果になってしまった場合、要介護2の上限額まで介護サービスを利用していたら、超えた分の費用は全額自己負担になってしまいます。 えっ、じゃあこの表に基づいて考えると、3万円近く追加で支払わないといけないということですか? おっしゃる通りです。想定していた要介護度と異なる結果になることはあり得ますから、暫定ケアプランで介護サービスを利用するときには頭に入れておいてくださいね。 認定調査には同席しよう 介護認定の結果が思っていたよりも低くなってしまったらどうしよう…。予想よりも要介護度が低かったら、お金の負担が大幅に増えてしまう可能性があるんですよね? その通りです。なので、適切な要介護度と判定が出るために、認定調査には同席してください。 認定調査って、母の状態を調査するものでしたっけ。役所で説明を受けた記憶があります。私が遠方で暮らしているので同席するつもりはなかったのですが、同席は必要なんですか? はい。というのも、同席しないと実際の要介護度よりも低い結果になる可能性が高いんです。 えっ!そうなんですか!? 認定調査では、認定調査員がお母様の心身の状態を聞き取り調査をします。「今日は何日ですか?」「今日の朝食は何でしたか?」といった認知機能に関わる質問から、立ち上がりや歩行などの身体機能に関わる質問がされます。こういった質問に対して、理解している風に嘘をついたり、普段はできていないことも「できます」と回答してしまうご高齢者が多いんです。初対面の認定調査員に、できないことを話すことに抵抗があるのだと思います。 母も、話をよくわかっていないのにわかったふりをすることがあります。母も認定調査で見栄を張って「できます」と言ってしまうような気がします。 できないことを「できる」と言ってしまうと、要介護度は低く算出されてしまいます。となると、介護保険が適用される金額が減るので、古賀さんの負担が大きくなってしまうことに…。なので、古賀さんが同席して普段のお母様の様子や、介護をするうえで困っていることを伝えましょう。 そう考えると、確かに私が同席しないと適切な要介護度が出ないと思います。なんとか時間を作って認定調査には同席するようにします。 要介護度に納得いかないときは? もし、思っていたよりも要介護度が低い結果になってしまったらどうしたら良いんでしょう?介護サービスがあまり使えないのは本当に困るのですが…。 介護認定の結果に納得がいかないときは、「審査請求(不服申立て)」と「区分変更」という2つの方法で、介護認定のやり直しができます。ただ、審査請求の方は、認定結果が再度出るまでに数ヵ月かかるので、ほとんどの人は区分変更をしていますね。 区分変更の手続きはどうすれば良いんですか? まずは、役所や地域包括支援センターで区分変更申請をしましょう。その後の流れは介護認定の流れと同じです。認定調査を再度おこない、その結果や専門家の意見を元に要介護度を判定します。 また同じように認定調査をするんですね。 やはり、この認定調査でしっかり実情を伝えることが大切です。また、合わせて大切なのが医師の意見書です。介護認定にも区分変更にも医師の意見書は必要です。特に要介護度に納得が行かずに区分変更をするときは、想定と違う結果になってしまった旨を医師に伝えましょう。意見書の内容を充実させて、実情に合わせた要介護度が出るように計らってくれるでしょう。 医師の意見書も要介護度の判断には大切なんですね。とりあえず、早く介護サービスが利用できるように、役所に相談してみます! 介護認定の結果が出る前に介護サービスの利用ができる 予想よりも低い介護度になった場合は全額自己負担になる可能性も 介護度に納得いかないときは、区分変更をするのもアリ pre { margin: 40px 0; background: #333; padding: 20px; color: white; overflow: scroll; line-height: 1.1; } pre:before { content: '[sample]'; ...

2023/08/29

認知症 認知症介護 介護認定

認知症だけど身体は元気な母親。介護認定は下りない?

最近、母が認知症の診断を受けたのですが、それ以来、どんどん症状が進行しています。物忘れがひどくなったり、夜中に起き出して大声で叫んだりします。しかも、つい先日、1人で外出して帰れなくなって警察に保護されました。 こんな状況で、家族だけの介護はもう限界。なので、介護認定を受けて介護サービスを利用しようと思っています。ただ母は、身体は元気なんです。杖なしで歩けるし、ある程度、自分のことは自分でできます。 身体が元気だったら、介護認定は受けられないですよね?家族で介護するしかないんでしょうか? (篠原さん・パート・63歳) そんなことありませんよ!お身体が元気でも認知症であれば、介護認定が下りることは多いんです。お身体が元気な方でも、認知症の状態によっては要介護3が下りることもあります。ただ、その方の心身の状態を総合的に考えて要介護度は決定されるので、お母様の要介護度がどうなるか、はっきりとしたことはお伝えできません。もし、介護認定の結果に納得できなかった場合は、「区分変更」の申請をすることをおすすめします。その際に主治医の意見書が必要なので、主治医に認定結果に不満があることを伝えて、より実情に合った意見書を作成してもらえるようにお願いしましょう。 認知症だけど身体は元気。介護認定は下りる? 最近、検査をして母親が認知症ということがわかりました。それ以降、どんどん症状がひどくなっているような気がして…。つい先日は、1人で外出して帰れなくなり、警察に保護されてしまいました。それに夜中には大声で騒ぐので、私も夫もまともに寝られていません。こんな状況なので、家族だけの介護はもう難しいと感じていて…。介護サービスを使いたくても、介護認定が必要なんですよね?となると、母は身体だけはとても元気なので介護認定は下りないんじゃないかと思って…。どうなんでしょうか? そんなことはありませんよ!お身体が元気でも、認知症の診断が下りていれば、介護認定を受けられるケースが多いです。特に、認知症が進行していると、お身体が元気でも介助が必要な場面が出てくると思います。介助が必要な方であれば、介護認定が受けられるでしょう。 そうなんですね!母は、入浴やトイレの付き添いが必要です。身体は元気なんですけど、認知症のせいか、身体を洗ったりトイレを流すことを忘れるようになってしまって。なので、付き添って手伝ったり声をかけないといけないんです。…ちなみに、うちの母の場合、介護度はいくつになりそうでしょうか? うーん…。介護認定は、その方の心身の状態を総合的に見て判断されます。そのため、一概には言えませんね。過去の例を挙げると、認知症だけで要介護3の認定を受けた方もいらっしゃいます。要介護3というと、終身利用が多い特別養護老人ホームに入居できる状態。一般的に、ご家庭での介護は難しいと言われています。 要介護度の目安は? 母に介護認定が下りそうで安心しました。介護認定って、その人の状態に合わせて「要介護1」とか「要介護3」とかの認定が下りるんですよね? そうです!介護認定は、「要支援1」「要支援2」と「要介護1」から「要介護5」までの合わせて7段階で判定されます。 7段階もあるんですね!介護度ごとの身体状態のイメージがつかないのですが、介護度の目安ってありますか? ありますよ。介護度の目安を以下の表にまとめました。参考にしてみてください。 要介護度要介護認定の目安状態の目安となる具体例自立支援が必要ない状態。一人で支障なく日常生活を送れる要支援1基本的に一人で生活ができるが、家事などの支援が必要。適切なサポートがあれば、要介護状態になることを防げる。掃除や身の回りのことの一部において、見守りや手助けが必要。要支援2基本的に一人で生活ができるが、要支援1と比べ、支援を必要とする範囲が広い。適切なサポートがあれば、要介護状態になることを防げる。身だしなみを自分だけでは整えられない、立ち上がりや歩行などでふらつく、入浴で背中が洗えないなど支援が必要な場面がある。要介護1基本的に日常生活は自分で送れるが、要支援2よりも身体能力や思考力の低下がみられ、日常的に介助を必要とする。排泄や入浴時に見守りや介助が必要。認知機能の低下がみられる。要介護2食事、排泄などは自分でできるが、生活全般で見守りや介助が必要。自力での立ち上がりや歩行が困難。爪切り、着替えなどにも介助が必要。「薬を飲むのを忘れる」「食事をしたことを忘れる」などの認知症初期症状がみられる。問題行動をとる場合もある。要介護3日常生活にほぼ全面的な介助が必要。食事、着替え、排せつ、歯みがきなど、日常生活において基本的に介助を必要。認知機能の低下によって問題行動をとる場合もある。要介護4介助がなければ日常生活を送れない。排せつ、食事、入浴、着替えなどすべてにおいて介助が必要。思考力の低下もみられ、認知症の諸症状への対応も必要になることもある。要介護5介助なしに日常生活を送れない。コミュニケーションをとることが難しく、基本的に寝たきりの状態。日常生活全般が自分でおこなえないため、寝返りやオムツの交換、食事などのすべてで介助が必要。会話などの意思疎通も困難。 介護認定の基準は? 介護認定の判定は、どういう基準でされているんでしょうか? その方の身体や認知機能の状況に加えて、「要介護認定基準時間」というものも考慮されます。要介護認定基準時間とは、1日あたりの介護にかかる時間のこと。つまり、介護にかかる時間が長ければ長いほど、要介護度が上がっていくわけですね。その方の心身の状況をふまえて総合的に判断するので、「要介護認定基準時間」はあくまでもひとつの目安ですが、参考になるかもしれません。 介護認定 要介護認定基準時間 自立(非該当) 25分未満 要支援1 25分以上32分未満 要支援2 32分以上50分未満 要介護1 要介護2 50分以上70分未満 要介護3 70分以上90分未満 要介護4 90分以上110分未満 要介護5 110分以上 介護認定の流れ さっそく、母の介護認定を受けようと思います!まずはじめに何をすれば良いんですか? まずは、お住まいの役所などで介護認定の申請をおこないましょう。役所には「高齢者福祉課」「介護保険課」といった名前の窓口があるはずです。名称は地域によって異なりますが、高齢者の生活や介護サービスに関する窓口なので、この窓口に相談すれば介護認定の申請ができるでしょう。 まずは申請ですね。その後は? その後は、お母様の現状を知るための調査が始まります。申請の後の流れは以下のようになります。 いくつか段階を踏まないといけないんですね。申請から認定結果が出るまでは、どのくらいの期間がかかりますか? だいたい1~1ヵ月半ほどかかります。もし、その期間内に介護サービスを利用したい場合は、役所の窓口で相談しておきましょう。 介護認定を受けるときの注意 介護認定を受けるときに、注意しておいていただきたいことがあります。 注意すること?何でしょうか? それは訪問調査です。訪問調査は、ケアマネジャーなどの認定調査員がご自宅に訪問してお母様の状態を調べるもの。この調査で、お母様の心身の状態を確認して、どの程度、介護が必要なのかを判断します。主治医の意見書も判定に影響がありますが、もっとも影響が大きいのが訪問調査。つまり、訪問調査でお母様の状況をしっかり伝えられないと、実情とは異なる介護度が出てしまう可能性も…。 えっ、そうなんですか!? よくあるのは、認定を受けるご高齢者が認定調査で”がんばって”しまって、実際の心身状況よりも軽い介護度が出てしまうケースです。 「がんばってしまう」?どういうことですか? 訪問調査では、認定調査員から「片足立ちができるか」「外出頻度はどれくらいか」「金銭管理ができるか」といった内容を聞かれます。もちろん、実際にその動作をしてできるかどうかの確認をされることもあります。ただ、このときになんでも「できます」と答えてしまうことも。できないと認めたくない気持ちや、初対面の認定調査員に「できない」と伝えるのが恥ずかしくて「できます」と言ってしまうんですね。 なるほど…。うちの母も見栄を張って「できます」と答えそうです。 それに、認知症の方は普段と状況が変わると意識がはっきりすることもあります。めったに会わない人や初対面の人を前にすると、ハキハキと話せることも…。なので、認知症の方が認定調査のときには普段よりもはっきり受け答えができる、ということもよく聞くケースです。 確かに。母もたまにしか会わない知人がやってきたときは、認知症になる前のようにはっきり会話ができることが多いです。 そうなんですね…。認定調査のときだけ元気となると、介護度が普段の状態よりも軽く判定されてしまい、利用できる介護サービスの量が減ってしまうこともあるんです。 それは困ります!どうしたら良いんでしょうか? 第一に、認定調査にご家族が同席すること。特に中心となって介護をしている方が同席するのがおすすめです。お母様の状態をよく把握していらっしゃると思うので。 となると、私ですね。どうして認定調査に同席するのが良いのでしょうか? お母様の普段の状況を認定調査員に伝えられるからです。もしお母様が張り切ってしまったとしても、篠原さんから普段の様子や介護で困っていることを伝えられますよね。 母の受け答えだけで、介護度の判断をするわけではないんですね! もちろんです。普段の様子を明確に認定調査員に伝えるために、事前にメモをしておくのがおすすめです。伝え漏れを防げますし、メモを認定調査員に手渡すこともできますから。また、お母様の目の前で、介護で困っていることを伝えるとお母様の自尊心を傷つけてしまう可能性があります。なので、お母様がいないところで伝えるようにしましょう。 介護認定の結果に納得できなかったら 介護度が実際よりも低く出ることがあると知って、うまく認定を受けられるのか不安になってきました…。もし、介護認定の結果が想定よりも低かったら、どうしたら良いんでしょう? 介護度が実際よりも低い結果になってしまっても、介護認定のやり直しができるので安心してください! そうなんですね!よかった。介護認定のやり直しは、どうやってするんでしょうか? 介護認定をやり直すには2つの方法があります。「審査請求(不服申し立て)」と「区分変更」です。ただ、審査請求は申請から数ヵ月かかることも珍しくありません。その一方で区分変更であれば、1ヵ月前後で結果がわかります。そのため、大半の方は区分変更をしていますね。 それなら区分変更を選びますよね。区分変更はどうやってするんですか? 区分変更の流れは、ほとんど介護認定と同じです。1点、最初の介護認定の申請が区分変更に変わるだけ。介護認定と同じく、お住まいの役所の窓口で申請ができます。 介護認定と同じであれば、手続きの流れは問題なさそうです。 ちなみに、介護認定と同様に区分変更にも、かかりつけ医の意見書が必要です。かかりつけ医に実際よりも低い介護度が出てしまったことを伝えれば、より実情に合った結果になるような意見書を作成してくれるでしょう。介護認定のやり直しについては、以前のご質問でもお答えしているので参考にしてみてください。 認知症の人が利用できる介護サービス 介護認定を受ければ、介護サービスが利用できるようになりますし、篠原さんご家族の負担が軽くなると思いますよ。 それは本当に助かります!今は、常に気を抜けない状況なので、気が休まらなくて…。ちなみに、認知症であるうちの母の場合、どんな介護サービスが利用できるんでしょうか? いろんな介護サービスを利用できますよ!介護サービスには、大きく分けて「在宅介護サービス」と「施設介護サービス」の2種類がありますから、それぞれについてお話ししていきますね。 在宅サービス 在宅介護サービスには、以下のようなものがあります。 訪問介護 訪問看護 訪問入浴 訪問リハビリテーション 居宅療養管理指導 夜間対応型訪問介護 通所介護(デイサービス) 通所リハビリ(デイケア) 短期入所生活介護(ショートステイ) 短期入所療養介護(医療型ショートステイ) 福祉用具レンタル 介護リフォーム こんなにたくさんの種類があるんですね!どのサービスを使ったら良いんでしょうか? 先ほど、「気が休まらない」とおっしゃってましたよね。なので、デイサービスを利用するのはどうでしょうか?デイサービスは、日中の時間帯に介護施設を利用するサービス。デイサービスで昼食や入浴、レクリエーションなどを提供してくれます。週に数回だけでも、お母様が介護施設で過ごしてくれれば、気が休まる時間を作れるのではないでしょうか。 それは良いですね!利用したいです。 また、ショートステイも良いかもしれません。ショートステイは、介護施設に1日から宿泊できるサービス。宿泊中の食事や入浴はもちろん、レクリエーションやリハビリなどを提供しているところもあります。ショートステイは最大30日まで利用できるので、ご家族が家を空ける場合にも安心してお母様を任せられるんです。 なるほど、そんなサービスがあるんですね。介護認定が下りたら利用してみようかな。 施設介護サービス 施設介護サービスは、以下の3種類の公的施設に入居することで受けられるサービスのことです。 特別養護老人ホーム 介護老人保健施設 介護医療院 この3つの施設は、介護が必要な方向けのため、要介護1もしくは要介護3以上の介護認定が下りていないと入居できません。公的施設の特徴は、以下の表にまとめたので確認してみてください。 施設の種類入居時費用月額利用料入居条件認知症の受け入れ特別養護老人ホーム(特養)0円8~14万円要介護3以上○介護老人保健施設(老健)0円7~14万円要介護1以上○介護医療院0円7~14万円要介護1以上○養護老人ホーム0円0~14万円自立×ケアハウス0~数十万円6~17万円自立~要介護3程度△ このなかでも、終身利用が可能な特別養護老人ホームは人気で、入居まで数年待つこともあるくらいなんです。 そんなに待つんですか!介護施設ってすぐに入りたいと思っても入れるものじゃないんですね。 いえ、公的施設ではなく民間施設であれば、比較的早めに入居できますよ。 民間施設?というと、どんな施設なんですか? 民間施設には、以下の4種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム サービス付き高齢者向け住宅 グループホーム 介護施設にも、いろんな種類があるんですね。 そうなんです。民間施設のなかにも入居条件が設定されていることがあるので、施設の特徴を以下の表にまとめました。 施設の種類入居時費用月額利用料入居条件認知症の受け入れ介護付き有料老人ホーム0~数千万円15~30万円自立~要介護5○住宅型有料老人ホーム0~数千万円11~25万円自立~要介護3程度△サービス付き高齢者向け住宅0~数十万円11~25万円自立~要介護1程度△グループホーム0~数十万円10~15万円要支援2以上◎ グループホームという施設は、認知症の受け入れが「◎」になっていますね。どういう施設なんですか? グループホームは、認知症の方限定で介護施設のなかでも認知症ケアに特化している施設なんです。小規模でアットホームな雰囲気が合うのであれば、お母様が入居する施設の候補に挙げても良いかもしれません。認知症の方のなかでも、お身体が元気な方が多く暮らしている施設ですから。 それは良いですね!母に合いそうです。介護サービスを利用できるのは、身体が不自由で介護が必要な人だけだと思っていました。母の要介護度がいくつになるかはわかりませんが、まずは介護認定の申請をしてきます。 身体が元気でも、認知症なら介護認定は下りる! 要介護度は要支援1~要介護5の7段階 認定調査の前に、普段の様子をメモに残しておこう! pre { margin: 40px 0; background: #333; ...

2023/08/14

在宅介護 介護の基礎知識 介護認定

介護認定のやり直しはできますか?再申請をして要介護度を上げる方法を教えてください

先日、母に「要支援2」という介護認定が下りました。しかし、実際は認知症がありますし、介助が必要なときも多くなってきたのでもっと重い介護度だと思っています。 このままでは、利用できる介護サービスの量が十分ではありません。介護認定のやり直しは可能ですか? (市川さん・自営業・58歳) 介護認定のやり直しはできます。「審査請求」と「区分変更」の2つの方法がありますが、審査請求は時間がかかるので、区分変更をすることをおすすめします。また再度、認定調査を受けるときにはできるだけご家族が同席してください。そのときに、認定員さんに困っていることなどをはっきり伝えましょう。 介護認定のやり直しはできる?その方法は 先日、母の介護認定の結果が出て、「要支援2」だったんです。でも、私としてはもっと重いと思っていて、「要介護1」か「要介護2」になると思っていました。認知症の症状が進行してきましたし、足もおぼつかなくなっているのに「要支援2」ということはないと思うんです。「要介護1」か「要介護2」にならないと利用できるサービスの量が少ないので、私の仕事ができなくて…。こういうときに、介護認定のやり直しはできるんでしょうか? はい、できますよ。「審査請求(不服申し立て)」か「区分変更」をすることで、介護認定のやり直しが可能です。 「審査請求」と「区分変更」ですか…。区分変更は、今回が区分変更だったのでわかります。 そうだったんですね。では、改めてこの2つの違いについてお話ししますね。まず、審査請求とは都道府県に設置されている「介護保険審査会」に不服申し立てをすることです。申立てが認められたときには、要介護認定のやり直しができます。ただ、これには時間がかかり、申請から数ヵ月待たされることも珍しくないんです。 え!そんなに待たされるんですか!?待ってられないですよ! そうですよね。そういう人が多いので、やり直しをしたい場合は区分変更をかけるケースがほとんどです。区分変更は、本来はご本人の心身の状態が変化したときに改めて認定調査をすることですが、認定結果に納得がいかないときでも申請できるんですよ。 そうなんですね!じゃあ、また役所に区分変更の申請をしに行けば良いんですね? その通りです。区分変更の申請には、再度、主治医の意見書が必要になります。かかりつけ医に納得のいかない認定結果になったことを伝えれば、より実情に合った意見書になるでしょう。 介護認定申請後から結果までの流れ 1.訪問調査 市区町村の職員が介護認定調査員として、自宅や施設、病院を訪れて直接訪問調査を行います。介護を受けたい本人が介護が必要な状態か、介護が必要な場合はどの程度の介護や支援が必要なのかなどを確認します。 家族構成・生活状態、心身の状態をはじめ、身体機能、生活機能、認知機能、特別な医療が必要なのかなど。決められた質問形式で調査が行われます。 訪問調査の結果と主治医意見書の一部の項目をコンピュータ入力して一次判定を行います。厚生労働省が作成した全国共通の要介護認定ソフトが使われ、客観的に分析し申請者を振り分けます。 3.二次判定(介護認定審査会) コンピュータによる一次判定結果に、主治医意見書と認定調査における特記事項を踏まえて二次判定が行われます。 各市区町村が設置している「介護認定審査会」は保健・医療・福祉の学識経験者5名ほどで構成され、ここで申請者の介護度や支援度を検討します。 4.認定結果通知 「介護認定審査会」の審査結果に基づき、要介護度が認定され通知されます。一般的に介護認定申請から約30日で結果が通知されますが、​​地域によっては申請から判定まで1ヵ月以上かかる場合もあります。 認定結果は「申請日から30日以内に利用者へ通知する」ことになっているので、認定通知が遅れる場合には、申請者に見込み期間と遅れる理由が通知されます。 認定結果は「要介護1~5」「要支援1・2」「非該当(自立)」のいずれかに分類され、「要介護認定1~5」に認定されると「介護保険サービス」が利用できるようになります。 やり直しをするときの注意点 介護認定をやり直しするときに、いくつか注意点があります。 それは何ですか? まず、「認定結果が希望通り出るわけではない」ということです。介護認定の結果はコントロールできるものではありませんから、もっと低い介護度になってしまう可能性もあります。 そうか!「要支援1」になってしまうこともあるんですね。 それと、審査請求をする場合にはこちらの申し立てが却下されることもありえます。そもそも、認定調査のやり直しができない可能性もあるんですね。こうしたことも頭に入れて、介護認定のやり直しをしてくださいね。 認定結果と実際の状況がずれてしまうのはなぜ? そもそも、うちの母が「要支援2」なんて軽いわけがないのに、介護度が低い結果になってしまったんでしょう? よくあるパターンとしては、「認定調査のときにがんばってしまう」ことがあります。 「がんばってしまう」?どういうことですか? 介護認定は、「認定調査」「一次判定」「二次判定」の順におこなわれますよね。介護認定は、この最初に実施される認定調査の結果と主治医の意見書をもとに判断されます。そのため、認定調査のときにご本人が元気な様子だったら、当然、「介護の必要性が低い」と判断され、介護度が低くなってしまうんですね。 なるほど。そういえば、母は最近、ぼーっとしていることが多いのに、認定員さんと話しているときはしゃっきりしていましたね。それに、はりきって家の中を歩きまわったりして…。 認定調査では、ご本人の身体機能や、心身の状態、認知機能などを確認しています。そのため、お元気なお母様の様子を見て、「要支援2」と判断されたんじゃないでしょうか?実は、こういうケースは少なくないんです。認定調査では、日常生活について「こういうことは1人でできますか?」と質問をされますよね。それに対して、プライドや思い込みで「できる」と回答してしまったり、かしこまった状況だとちゃんと受け答えができることも。そのため、実際よりも軽い介護度が出てしまうんですね。 適切な介護認定が下りるために では、次は適切な介護認定が下りるために、いくつか注意していただきたいポイントをお伝えしますね。まずは、認定調査にご家族が同席すること。ご本人だけだとその日の体調や気分によって、調査結果が左右されてしまいます。そのため、普段の様子を正しく伝えるためにできるだけ同席してください。 やっぱりそうですよね。前回の認定調査のときも、母は「1人で大丈夫」と言っていたんですが、同席したんです。今回も付き添うことにします。 はい、その方が良いと思います。それに、もしお母様の前では言いにくいことがある場合でも、ご本人がいない場所でこっそり認定員さんに伝えることもできます。また、あわせて認定調査のときに伝え忘れのないように事前にメモを作っておいてください。介護で困っていることや普段の様子をメモにまとめておくと、スムーズに伝えられますよ。 あぁ、そういえば、前回の認定調査の後に「あれを言っておけばよかった」と言い忘れたことがいくつかあったんですよね。次は忘れないようにしないと。 そうですね。あと、区分変更の申請をする前に担当のケアマネジャーさんに相談してみるのもおすすめです。ケアマネジャーさんであればだいたいの介護度がわかるので、お母様の状態でどのくらいの介護度になりそうか教えてくれると思います。今回の結果が適正でないのか、区分変更で介護度がいくつになりそうか、などアドバイスを事前にもらっておくとスムーズですよ。 介護認定は「審査請求」「区分変更」でやり直しができる! やり直しても、希望通りの介護度が出ない可能性があることに注意 認定調査に家族が同席して、実情や困っていることをはっきり伝えよう pre ...

2022/10/19

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

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【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

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2021/10/28

介護の基礎知識

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